JPH0234203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、所謂替蓋として使用するのに特に適
する容器蓋に関する。

〔従来の技術〕

飲料等の容器においては、ガラス瓶の如き容器
本体の口頚部から所謂王冠等の密封用容器蓋を離
脱せしめて口頚部を開封した後に、容器本体内に
残留している内容物の保護のために、上記密封用
容器蓋とは別個の所謂替蓋を口頚部に装着して口
頚部を一時的に閉塞することが望まれることが少
なくない。そして、かかる替蓋としては、実公昭
44−23031号公報、実公昭52−15482号公報或いは
実公昭55−18287号公報に記載されている如く、
天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する筒状スカ
ート壁とを具備し、スカート壁の内面下部には係
止突条が形成されている合成樹脂製容器蓋が提案
され実用されている。

他方、実公昭54−22508号公報には、替蓋とし
て使用される容器蓋ではないが、ビール罐の如き
飲食料用罐の頂部に付加的に装着される合成樹脂
製容器が記載されている。この容器は、天面壁の
中心を通つて水平に延びる中心線を旋回中心とし
て閉状態と開状態との間を相互に旋回自在である
２個の容器規定部から構成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

而して、替蓋として使用されている上述した従
来の容器蓋には、容器本体の口頚部に対する装着
及び離脱操作、特に離脱操作が必ずしも必要では
ない、という問題がある。かかる問題について更
に詳述すると、従来の容器蓋を容器本体の口頚部
に装着する際には、口頚部に容器蓋を被嵌して下
方に押圧する。かくすると、スカート壁の内面下
部に形成されている係止突条が、特にスカート壁
下部の弾性変形によつて、口頚部の外周面に形成
されている係止あご部を乗り越えてその下方に係
止され、かくして口頚部に容器蓋が係止保持され
る。口頚部から容器蓋を離脱せしめる際には、ス
カート壁の下端に指先を掛けて上方に引つ張り、
かくしてスカート壁下部を弾性的に変形せしめて
そこに形成されている係止突条を口頚部の係止あ
ご部から離脱せしめる。スカート壁下端に指先を
掛けて遂行しなければならないかような操作は、
必ずしも容易ではなく煩わしいものである。

替蓋として使用される従来の容器蓋に存在する
上記問題点を解決するために、上記実公昭54−
22508号公報に記載されている上記容器の構成に
鑑み、夫々天面壁の半分とスカート壁の半分とを
有する２個の蓋規定部から容器蓋を構成し、かか
る２個の構成部を上記２個の蓋規制部が相互に協
働して容器蓋を形成する閉状態とスカート壁の下
端部が相互に離隔する開状態との間を旋回自在に
せしめることが意図され得る。しかしながら、単
に容器蓋を相互に旋回自在な２個の蓋規定部から
構成するのみでは、蓋規定部の開閉が必ずしも容
易ではなく、従つて容器本体の口頚部に対する装
着操作及び離脱操作が必ずしも容易ではなく、そ
してまた２個の蓋規定部を閉状態に維持して容器
本体の口頚部に装着された状態に充分確実に保持
することが困難であるという別個の問題が発生す
る。

本考案はかかる事実に鑑みてなされたものであ
り、本考案の技術的課題は、替蓋として使用され
得る容器蓋の形態を改良して、容器本体の口頚部
に装着された状態の保持が不安定になる等の別個
の問題を発生せしめることなく、容器本体の口頚
部に対する装着操作と共に離脱操作も充分容易に
遂行することができるようにせしめることであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記技術的課題を達成するための本考案の解決
手段は、(1)容器蓋の天面壁とスカート壁とを、
各々が天面壁の半分を形成する天面壁部とスカー
ト壁の半分を形成するスカート壁部とを有する２
個の蓋規定部から構成し、(2)上記２個の蓋規定部
を、協働して天面壁とスカート壁とを形成する閉
状態とスカート壁の下端部が相互に離隔する方向
に上記閉状態から相互に旋回された開状態との間
を旋回自在にせしめ、(3)上記蓋規定部の各々に、
天面壁部から上方に延びる操作片部を付設し、(4)
操作片部間に、上記蓋規定部を上記閉状態に弾性
的に偏倚する弾性部を配設することである。

〔作用〕

上記解決手段が採用された本考案の容器蓋を容
器本体の口頚部に装着する際には、操作片部を把
持して弾性部の偏倚作用に抗して蓋規定部を上記
開状態にせしめて、容器蓋を口頚部に対して所要
通りに位置せしめ、次いで操作片部を開放する。
かくすると、弾性部の弾性作用によつて蓋規定部
が上記閉状態にせしめられ、これによつて容器蓋
が口頚部に所要通りに装着される。口頚部から容
器蓋を離脱せしめる際には、操作片部を把持して
弾性部の弾性作用に抗して蓋規定部を上記開状態
にせしめて、容器蓋を口頚部から上方に離脱せし
めればよい。従つて、本考案の容器蓋によれば、
容器本体の口頚部に対する装着及び離脱操作を、
蓋規定部の開閉によつて充分容易且つ迅速に遂行
することができる。

〔実施例〕

以下、添付図面を参照して、本考案に従つて構
成された容器蓋の好適実施例について詳細に説明
する。

第１図及び第２図を参照して説明すると、本考
案に従つて構成された全体を番号２で示す図示の
容器蓋は、ポリプロピレン又はポリエチレンの如
き適宜の合成樹脂材料からその全体が一体に形成
されているのが好都合である。かかる容器蓋２
は、２個の蓋規定部４ａ及び４ｂを有する。蓋規
定部４ａ及び４ｂの各々は、半円形状の天面壁部
６ａ及び６ｂと、かかる天面壁部６ａ及び６ｂの
半円弧状周縁から垂下する半円筒形状のスカート
壁部８ａ及び８ｂとを有する。スカート壁部８ａ
及び８ｂの各々内面下端部には、直径方向に対向
して位置する係止突条１０ａ及び１０ｂが形成さ
れている。蓋規定部４ａ及び４ｂの各々の天面壁
部６ａ及び６ｂには、操作片部１２ａ及び１２ｂ
が付設されている。かかる操作片部１２ａ及び１
２ｂは、天面壁部６ａ及び６ｂの上面から上方へ
向つて相互に遠ざかる方向に幾分傾斜して延びて
いる。操作片部１２ａ及び１２ｂの両側縁には、
夫々、内側に延びる連結部１４ａ及び１６ａ並び
に１４ｂ及び１６ｂが形成されている。連結部１
４ａの自由端部と連結部１４ｂの自由端部とは相
互に旋回自在に連結されており、同様に、連結部
１６ａの自由端部と連結部１６ｂの自由端部とも
相互に旋回自在に連結されている。更に詳述する
と、第３図に図示する如く、連結部１４ａ及び１
６ａの自由端部の外面には横方向に突出する円柱
状突起１８ａ及び２０ａが形成され、連結部１４
ｂ及び１６ｂの自由端部には対応する円形孔１８
ｂ及び２０ｂが形成されており、上記円柱状突起
１８ａ及び２０ａを夫々円形孔１８ｂ及び２０ｂ
に挿入することによつて、連結部１４ａ及び１６
ａの自由端部と連結部１４ｂ及び１６ｂの自由端
部とが夫々相互に旋回自在に連結されている。上
記操作片部１２ａ及び１２ｂ間には、弾性部２２
が介在せしめられている。かかる弾性部２２は略
Ｕ字形状に湾曲せしめられており、上端に位置す
る両端が、夫々、薄肉折曲部２４ａ及び２４ｂを
介して上記操作片部１２ａ及び１２ｂの上端に接
続されている。かような弾性部２２は、操作片部
１２ａ及び１２ｂを、従つて蓋規定部４ａ及び４
ｂを矢印２６で示す方向に弾性的に偏倚し、かく
して、第１図に図示すると共に第２図に実線で示
す閉状態に弾性的に維持する。この閉状態におい
ては、蓋規定部４ａ及び４ｂは夫々の内側直線状
縁が相互に当接し、かくして半円形状の天面壁部
６ａ及び６ｂによつて規定される円形天面壁と半
円筒形状のスカート壁部８ａ及び８ｂによつて規
定される円筒形スカート壁を有する蓋本体部を協
働して規定する。

上述した通りの容器蓋２は、容器の口頚部２８
（第２図）に装着されていた王冠の如き適宜の密
封用蓋（図示していない）を口頚部２８から離脱
せしめて口頚部２８を開封した後に、口頚部２８
に装着して一時的に口頚部２８を閉塞するための
所謂替蓋として好適に使用することができる。口
頚部２８に容器蓋２を装着するには、操作片部１
２ａ及び１２ｂの上部を把持して相互に接近する
方向に押圧する。かくすると、弾性部２２の弾性
偏倚作用に抗して操作片部１２ａ及び１２ｂ並び
に蓋規定部４ａ及び４ｂは、上記円柱状突起１８
ａ及び２０ａの中心軸線を旋回軸線として矢印３
０で示す方向に旋回せしめられ、かくして第２図
に２点鎖線で図示する通りの開状態にせしめられ
る。容器蓋２をかかる開状態にせしめて口頚部２
８に対して所要通りに位置付け、次いで操作片部
１２ａ及び１２ｂの押圧を解除する。かくする
と、弾性部２２の弾性偏倚作用によつて操作片部
１２ａ及び１２ｂ並びに蓋規定部４ａ及び４ｂは
第２図に実線で示す閉状態に戻され、かくして口
頚部２８に装着される。かようにして容器蓋２を
口頚部２８に装着すると、蓋規定部４ａ及び４ｂ
が協働して規定する蓋本体部が口頚部２８を覆つ
てこれを閉塞する。また、蓋規定部４ａ及び４ｂ
のスカート壁８ａ及び８ｂに形成されている上記
係止突条１０ａ及び１０ｂが、口頚部２８の外周
面に形成されている所謂係止あご部３２の下面に
係止せしめられ、かくして口頚部２８に容器蓋２
が確実に保持される。口頚部２８から容器蓋２を
離脱せしめるには、操作片部１２ａ及び１２ｂの
上部を把持して相互に接近する方向に押圧して、
操作片部１２ａ及び１２ｂ並びに蓋規定部４ａ及
び４ｂを第２図に２点鎖線で示す開状態にせしめ
ればよい。

第４図は、本考案に従つて構成された容器蓋の
第２の実施例を図示している。全体を番号１０２
で示す図示の容器蓋も、上述した容器蓋２と同様
に、ポリプロピレン又はポリエチレンの如き適宜
の合成樹脂材料からその全体が一体に形成されて
いるのが好都合である。容器蓋１０２は、２個の
蓋規定部１０４ａ及び１０４ｂを有し、蓋規定部
１０４ａ及び１０４ｂの各々は、半円形状の天面
壁部１０６ａ及び１０６ｂと、かかる天面壁部１
０６ａ及び１０６ｂの半円孤状周縁から垂下する
半円筒形状のフカート壁部１０８ａ及び１０８ｂ
とを有する。スカート壁部１０８ａ及び１０８ｂ
の各々の内面下端部には、直径方向に対向して位
置する係止突条１１０が形成されている（第４図
には、スカート壁部１０８ｂの内面に形成されて
いる係止突条１１０のみを図示している）。一方、
天面壁部１０６ａ及び１０６ｂの直線状内側線
は、必ずしも必要ではないが、薄肉接続部１０７
を介して相互に連結されている。薄肉接続部１０
７は充分な可撓性を有し、従つて、天面壁部１０
６ａ及び１０６ｂは、薄肉接続部１０７を延在す
る旋回軸線を中心として相互に旋回動自在に連結
されている。蓋規定部１０４ａ及び１０４ｂに
は、操作片部１１２ａ及び１１２ｂが付設されて
いる。かかる操作片部１１２ａ及び１１２ｂは、
天面壁部１０６ａ及び１０６ｂの半円孤状周縁か
ら上方に延び、円孤状の断面形状を有する。操作
片部１１２ａ及び１１２ｂ間には、弾性部１２２
が介在せしめられている。かかる弾性部１２２は
略Ｕ字形状に湾曲せしめられており、上端に位置
する両端が、夫々、薄肉折曲部１２４ａ及び１２
４ｂを介して上記操作片部１１２ａ及び１１２ｂ
の上端に接続されている。かような弾性部１２２
は、操作片部１１２ａ及び１１２ｂを、従つて蓋
規定部１０４ａ及び１０４ｂを矢印１２６で示す
方向に弾性的に偏倚し、かくして第３図に実線で
示す閉状態に弾性的に維持する。

上述した通りの蓋部材１０２においては、操作
片部１１２ａ及び１１２ｂの上部を把持して相互
に接近する方向に押圧すると、操作片部１１２ａ
及び１１２ｂ並びに蓋規定部１０４ａ及び１０４
ｂは、弾性部１２２の弾性偏倚作用に抗して、上
記薄肉接続部１０７を延在する旋回軸線を中心と
して矢印１３０で示す方向に旋回せしめられ、か
くして第３図に２点鎖線で示す開状態にせしめら
れる。従つて、第３図に図示する容器蓋１０２
も、上述した容器蓋２と同様にして容器の口頚部
２８（第２図）に対して充分容易に装着及び離脱
せしめることができる。

以上、添付図面を参照して、本考案に従つて構
成された２つの実施例について詳細に説明した
が、本考案はかかる実施例に限定されるものでは
なく、本考案の範囲から逸脱することなく種々の
変形乃至修正が可能であることは多言を要しな
い。

例えば、消費者、特に子供にとつて一層魅力的
なものにせしめるために、所望ならば、例えば操
作片部を適宜の動物の全体又は顔を表示する形状
にせしめることができる。

〔効果〕

本考案に従つて構成された容器蓋２又は１０２
によれば、操作片部１２ａ及び１２ｂ又は１１２
ａ及び１１２ｂを把持して蓋規定部４ａ及び４ｂ
又は１０４ａ及び１０４ｂを開閉動せしめること
によつて、容器の口頚部２８に対する装着及び離
脱が遂行され、それ故に容器の口頚部２８に対す
る装着及び離脱が充分容易である。

また、本考案に従つて構成された容器蓋２又は
１０２は、蓋規定部４ａ及び４ｂ又は１０２ａ及
び１０２ｂが開閉動せしめられる著しく新規且つ
独特な形態であり、それ故に消費者にとつて著し
く魅力的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に従つて構成された容器蓋の
第１の実施例を示す斜面図。第２図は、第１図の
容器蓋を容器の口頚部に装着した状態を示す断面
図。第３図は、第１図の容器蓋における連結部を
示す部分断面図。第４図は、本考案に従つて構成
された容器蓋の第２の実施例を示す斜面図。 ２及び１０２……容器蓋、４ａ及び４ｂ並びに
１０４ａ及び１０４ｂ……蓋規定部、６ａ及び６
ｂ並びに１０６ａ及び１０６ｂ……天面壁、８ａ
及び８ｂ並びに１０８ａ及び１０８ｂ……スカー
ト壁、１２ａ及び１２ｂ並びに１１２ａ及び１１
２ｂ……操作片部、２２及び１２２……弾性部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する筒状ス
   カート壁とを具備し、上記スカート壁の内面下部
   には係止突条が形成されている容器蓋において、
   上記天面壁と上記スカート壁とは、各々が上記天
   面壁の半分を形成する天面壁部と上記スカート壁
   の半分を形成するスカート壁部とを有する２個の
   蓋規定部から構成されており、かかる２個の蓋規
   定部は、協働して上記天面壁と上記スカート壁と
   を形成する閉状態と上記スカート壁の下端部が相
   互に離隔する方向に上記閉状態から相互に旋回さ
   れた開状態との間を旋回自在であり、上記蓋規定
   部の各々には、上記天面壁部から上方に延びる操
   作片部が付設されており、かかる操作片部間に
   は、上記蓋規定部を上記閉状態に弾性的に偏倚す
   る弾性部が配設されている、ことを特徴とする容
   器蓋。