JPH0233406A - 溶射層付きバルブリフターの製造方法 - Google Patents
溶射層付きバルブリフターの製造方法Info
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- JPH0233406A JPH0233406A JP63182827A JP18282788A JPH0233406A JP H0233406 A JPH0233406 A JP H0233406A JP 63182827 A JP63182827 A JP 63182827A JP 18282788 A JP18282788 A JP 18282788A JP H0233406 A JPH0233406 A JP H0233406A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、エンジンの弁を駆動するための動弁カムと接
触しているバルブリフター、より詳しくは、アルミニウ
ム合金製バルブリフターおよびその製造方法に関する。
触しているバルブリフター、より詳しくは、アルミニウ
ム合金製バルブリフターおよびその製造方法に関する。
自動車などのエンジンに用いられるバルブリフターは、
鉄鋼製に代って燃費向上などを目的として軽量化が図ら
れてアルミニウム合金などの略合金製が提案されている
(例えば、特公昭47−50885号公報参照)。
鉄鋼製に代って燃費向上などを目的として軽量化が図ら
れてアルミニウム合金などの略合金製が提案されている
(例えば、特公昭47−50885号公報参照)。
アルミニウム合金製バルブリフターにすると、動弁カム
に対する耐摩耗性やアルミシリンダヘッドに設けられた
ガイド孔内面に対する耐摩耗性が問題となってくる。
に対する耐摩耗性やアルミシリンダヘッドに設けられた
ガイド孔内面に対する耐摩耗性が問題となってくる。
特公昭47−50885号公報の軽合金製バルブリフタ
−ではその頂部のカム当り面に充填した耐摩耗性溶射物
が備えられているが、バルブリフター外周面は何の処理
も施こされていない。
−ではその頂部のカム当り面に充填した耐摩耗性溶射物
が備えられているが、バルブリフター外周面は何の処理
も施こされていない。
軽合金製摺動部材の表面処理方法として、鉄系金属をア
ーク溶射あるいはプラズマ溶射によって耐摩耗性溶射層
(被覆層)を形成させる方法がある(例えば、プラズマ
溶射法については特開昭53−6238号および53−
42148号および特公昭57−34346号公報参照
)。そこで、これら溶射法をバルブリフター外周面の表
面処理に適用すると、外周面全体に耐摩耗性を存する均
一な溶射層を形成することができる。
ーク溶射あるいはプラズマ溶射によって耐摩耗性溶射層
(被覆層)を形成させる方法がある(例えば、プラズマ
溶射法については特開昭53−6238号および53−
42148号および特公昭57−34346号公報参照
)。そこで、これら溶射法をバルブリフター外周面の表
面処理に適用すると、外周面全体に耐摩耗性を存する均
一な溶射層を形成することができる。
プラズマ溶射では、陰極と銅製陽極のノズル孔内との間
にアークを発生させ、陰極後方から作動ガス(Ar 、
Ar +H2、Ar +N2)を旋回運動させて流し
、作動ガスがアークによって加熱されてノズル孔から高
温、高速のプラズマジェットを噴出し、このプラズマジ
ェット中に溶射材料(粉末)を送り、溶融して素材表面
へ当てることで被膜(溶射層)を形成する。これに対し
て、アーク溶射では、連続的に送給する2本の溶射材料
(線)の先端間にアークを発生させ、それによって溶け
た部分を後方から吹き出す空気ジェットで微粒(溶滴)
として素材表面へ当てることで被膜(溶射層)を形成す
るわけである。
にアークを発生させ、陰極後方から作動ガス(Ar 、
Ar +H2、Ar +N2)を旋回運動させて流し
、作動ガスがアークによって加熱されてノズル孔から高
温、高速のプラズマジェットを噴出し、このプラズマジ
ェット中に溶射材料(粉末)を送り、溶融して素材表面
へ当てることで被膜(溶射層)を形成する。これに対し
て、アーク溶射では、連続的に送給する2本の溶射材料
(線)の先端間にアークを発生させ、それによって溶け
た部分を後方から吹き出す空気ジェットで微粒(溶滴)
として素材表面へ当てることで被膜(溶射層)を形成す
るわけである。
アーク溶射法による溶射層はその気孔率がプラズマ溶射
法と比べて高い。これは、アーク溶射では溶射材料がワ
イヤ(線)であるためにプラズマ溶射の粉末の場合より
も溶融粒子が大きく、さらに、溶融粒子の飛行速度もプ
ラズマ溶射よりも遅いことに起因して、素材表面に付着
する粒子がつぶれにくくかつ粒子間の気孔が増えるから
である。
法と比べて高い。これは、アーク溶射では溶射材料がワ
イヤ(線)であるためにプラズマ溶射の粉末の場合より
も溶融粒子が大きく、さらに、溶融粒子の飛行速度もプ
ラズマ溶射よりも遅いことに起因して、素材表面に付着
する粒子がつぶれにくくかつ粒子間の気孔が増えるから
である。
この気孔が多いと(気孔率が大きいと)、溶射層の耐摩
耗性および耐剥離性が低下する。このことは、アルミニ
ウム合金製バルブリフターの外周表面のFe −C系溶
射層をアーク溶射で形成する場合にもあてはまる。また
、溶射層の硬さが低いと溶射層自身の耐摩耗性が低下し
、逆に硬さが高ずぎると相手攻撃性(ガイド孔内面を摩
耗させること)が大きくなる。
耗性および耐剥離性が低下する。このことは、アルミニ
ウム合金製バルブリフターの外周表面のFe −C系溶
射層をアーク溶射で形成する場合にもあてはまる。また
、溶射層の硬さが低いと溶射層自身の耐摩耗性が低下し
、逆に硬さが高ずぎると相手攻撃性(ガイド孔内面を摩
耗させること)が大きくなる。
本発明は、アーク溶射によるアルミニウム合金製バルブ
リフターの外周面溶射層を適切な特性のあるものにし、
そのための溶射工程条件での製造方法を提供することを
目的としている。
リフターの外周面溶射層を適切な特性のあるものにし、
そのための溶射工程条件での製造方法を提供することを
目的としている。
上述の目的が、アルミニウム合金製のバルブリフターの
外周表面上に溶射材料ワイヤのアーク溶射によるFe
−C系溶射層を有する溶射層付きバルブリフターにおい
て、溶射層の気孔率が5%以下でありかつ溶射層の溶射
粒が付着したときの扁平率〔(付着長さa−付着高さb
)/付着長さa〕が0.95以上であることを特徴とす
る溶射層付きバルブリフターによって達成され、そのた
めに、溶射吹付は圧力を5.6〜11.2kg/ cd
(80〜160psi)にしてアーク溶射を行なうこと
を特徴とする溶射層付きバルブリフターの製造方法によ
っても達成される。
外周表面上に溶射材料ワイヤのアーク溶射によるFe
−C系溶射層を有する溶射層付きバルブリフターにおい
て、溶射層の気孔率が5%以下でありかつ溶射層の溶射
粒が付着したときの扁平率〔(付着長さa−付着高さb
)/付着長さa〕が0.95以上であることを特徴とす
る溶射層付きバルブリフターによって達成され、そのた
めに、溶射吹付は圧力を5.6〜11.2kg/ cd
(80〜160psi)にしてアーク溶射を行なうこと
を特徴とする溶射層付きバルブリフターの製造方法によ
っても達成される。
以下、添付図面を参照して、アルミニウム合金へのアー
ク溶射の実験、本発明の実施例および比較例によって本
発明をより詳しく説明する。
ク溶射の実験、本発明の実施例および比較例によって本
発明をより詳しく説明する。
実験1 (溶射層気孔率および溶射粒扁平率と吹付は圧
力との関係、溶射層硬度と扁平率との関係)アルミニウ
ム合金(にTM 12)のブロック(LFE摩耗試験片
)の表面をショツトブラスト処理した後で、吹付は圧力
(空気圧)を変化要因として下記条件のアーク溶射によ
って溶射層を形成した。
力との関係、溶射層硬度と扁平率との関係)アルミニウ
ム合金(にTM 12)のブロック(LFE摩耗試験片
)の表面をショツトブラスト処理した後で、吹付は圧力
(空気圧)を変化要因として下記条件のアーク溶射によ
って溶射層を形成した。
溶射材料ワイヤ・・・0.8%C−Fe溶射電流・・・
100A 溶射電圧・・・ 30V 溶射距離・・・150M 得られた溶射層の気孔率と吹付は圧力との関係を第1図
に示す。第1図かられかるように、気孔率を最も小さく
するには、吹付は圧力を5.6〜9、8 kg/cII
!(80〜140psi)に設定するのが望ましく、気
孔率を5%以下にするには5.6〜11.2kg/cd
の吹付は圧力でよい。従来は、約4.2kg/crl(
60psi)の吹付は圧力が推奨されて採用されている
が、気孔率が約10%と大きく、溶射層表面粗さも大き
く、耐摩耗および耐剥離性が劣り、溶射層研削(センタ
レス研削)での取りしるが大きい。これは、吹付は圧力
が低いために、溶滴粒子がよくつぶれずに、付着粒子間
のすきま(気孔)が多くなるためである。一方、吹付は
圧力が11.2kg/catを超えると、粒子のはね返
りが激しくなり、気孔が増加する傾向があり、被覆歩留
りが低下する。
100A 溶射電圧・・・ 30V 溶射距離・・・150M 得られた溶射層の気孔率と吹付は圧力との関係を第1図
に示す。第1図かられかるように、気孔率を最も小さく
するには、吹付は圧力を5.6〜9、8 kg/cII
!(80〜140psi)に設定するのが望ましく、気
孔率を5%以下にするには5.6〜11.2kg/cd
の吹付は圧力でよい。従来は、約4.2kg/crl(
60psi)の吹付は圧力が推奨されて採用されている
が、気孔率が約10%と大きく、溶射層表面粗さも大き
く、耐摩耗および耐剥離性が劣り、溶射層研削(センタ
レス研削)での取りしるが大きい。これは、吹付は圧力
が低いために、溶滴粒子がよくつぶれずに、付着粒子間
のすきま(気孔)が多くなるためである。一方、吹付は
圧力が11.2kg/catを超えると、粒子のはね返
りが激しくなり、気孔が増加する傾向があり、被覆歩留
りが低下する。
溶射層を構成する溶滴粒子(1粒)が基板ブロックに付
着したときの扁平率を調べて、第2図が得られる。なお
、扁平率とは、第3a図に示すように、基板10表面に
付着した溶射粒子2の付着長さaに対しての付着長さa
と付着高さbとの差の割合(a−b)/aである。概略
的に示すと、吹付は圧力が小さい場合には溶射粒子2は
第3b図のようになり、扁平率は小さく、一方吹付は圧
力が大きい場合には第3C図のようになり、扁平率が大
きい。第2図かられかるように、付着溶射粒子2の扁平
率は吹付は圧力とともに大きくなっていく。ただし、1
1.2kg/cnf以上の圧力では基板1に粒子が衝突
した時には、はね返りが大きく付着効率も悪いと同時に
大きく変形した溶射層を形成するようになって扁平率の
測定はできない。
着したときの扁平率を調べて、第2図が得られる。なお
、扁平率とは、第3a図に示すように、基板10表面に
付着した溶射粒子2の付着長さaに対しての付着長さa
と付着高さbとの差の割合(a−b)/aである。概略
的に示すと、吹付は圧力が小さい場合には溶射粒子2は
第3b図のようになり、扁平率は小さく、一方吹付は圧
力が大きい場合には第3C図のようになり、扁平率が大
きい。第2図かられかるように、付着溶射粒子2の扁平
率は吹付は圧力とともに大きくなっていく。ただし、1
1.2kg/cnf以上の圧力では基板1に粒子が衝突
した時には、はね返りが大きく付着効率も悪いと同時に
大きく変形した溶射層を形成するようになって扁平率の
測定はできない。
溶射層の硬度(Hv 、O,1kg)を調べて、扁平率
との関係をグラフにしたのが第4図である。第4図から
、扁平率が大きくなる(つぶれて付着粒子の高さが低く
なる)につれて硬度が高くなる。
との関係をグラフにしたのが第4図である。第4図から
、扁平率が大きくなる(つぶれて付着粒子の高さが低く
なる)につれて硬度が高くなる。
後述するように溶射層の良好な耐摩耗性および低い相手
材摩耗量の点からHv350〜450とするには、扁平
率は0.95以上でなければならない。
材摩耗量の点からHv350〜450とするには、扁平
率は0.95以上でなければならない。
吹付は圧力を5.6kg/c++!とじた場合(本発明
の実施例)には付着粒子の扁平率は0,95となり、そ
の状態を示す顕微鏡写真(400倍)が第5図であり、
吹付は圧力を2.8kg/cfl!とした場合(比較例
)には扁平率は0.91となり、その状態を示す顕微鏡
写真が第6図である。
の実施例)には付着粒子の扁平率は0,95となり、そ
の状態を示す顕微鏡写真(400倍)が第5図であり、
吹付は圧力を2.8kg/cfl!とした場合(比較例
)には扁平率は0.91となり、その状態を示す顕微鏡
写真が第6図である。
実験2 (溶射層硬度と溶射電流および摩耗量との関係
) 実験1と同様にしてアルミニウム合金ブロックにアーク
溶射によって(溶射電流を変化要因として下記条件のア
ーク溶射て)溶射層を形成した。
) 実験1と同様にしてアルミニウム合金ブロックにアーク
溶射によって(溶射電流を変化要因として下記条件のア
ーク溶射て)溶射層を形成した。
吹付は圧力−5,6kg/ cn!
溶射材料ワイヤ・・・0.8%C−Fe溶射電圧・・・
30V 溶射距離・・・150mm 得られた溶射層の硬度(Hv)と溶射電流との関係を第
7図に示す。この図から溶射電流を大きくするにつれて
溶射層硬度も大きくなる。溶射層を研削してから摩耗試
験(LFW′fi!耗試験)を行なって溶射層摩耗M(
摩耗厚さ、m)および相手材(アルミニウム合金鋳物、
AC2B)摩耗量(除去重量、mg)を調べて、その結
果を第8図に示す。第7図および第8図かられかるよう
に、溶射層硬度Hv 350未満(溶射電流100A未
満に相当する)では硬度不十分で溶射層自身の耐摩耗性
が劣る。
30V 溶射距離・・・150mm 得られた溶射層の硬度(Hv)と溶射電流との関係を第
7図に示す。この図から溶射電流を大きくするにつれて
溶射層硬度も大きくなる。溶射層を研削してから摩耗試
験(LFW′fi!耗試験)を行なって溶射層摩耗M(
摩耗厚さ、m)および相手材(アルミニウム合金鋳物、
AC2B)摩耗量(除去重量、mg)を調べて、その結
果を第8図に示す。第7図および第8図かられかるよう
に、溶射層硬度Hv 350未満(溶射電流100A未
満に相当する)では硬度不十分で溶射層自身の耐摩耗性
が劣る。
また、溶射層硬度がHv 450を超える(溶射電流2
00A超過に相当する)と、アークが不安定となり溶射
層中に未溶解粒子が一時的に存在し、この粒子は硬化し
て非常に硬く、相手材を攻撃しやすい。したがって、溶
射電流としては100A〜200Aが望ましい。
00A超過に相当する)と、アークが不安定となり溶射
層中に未溶解粒子が一時的に存在し、この粒子は硬化し
て非常に硬く、相手材を攻撃しやすい。したがって、溶
射電流としては100A〜200Aが望ましい。
さらに、溶射電流を10OAから20OAへと変化させ
ると、溶射層の炭素含有量が0.27%から0.36%
へと増加する(溶射材料ワイヤ炭素量0.8%のときで
)。Fe −C溶射層中の炭素は焼入れ効果がありその
含有量の増加はそれにほぼ比例して溶射層硬度も高くな
る。電流増大に伴う硬度増大のメカニズムは次のような
ものである。電流値はワイヤの送り量と対応しているの
で、電流値が大きいほどワイヤ送り量が多くなり、この
ことから溶融粒子(溶滴)が大きくなる。そして、アー
クによる粒子成分の昇華、酸化などが小さい粒子(ワイ
ヤ送り量が少ない)の場合と比べて少ない、すなわち、
炭素量の減少が少ないことによる。
ると、溶射層の炭素含有量が0.27%から0.36%
へと増加する(溶射材料ワイヤ炭素量0.8%のときで
)。Fe −C溶射層中の炭素は焼入れ効果がありその
含有量の増加はそれにほぼ比例して溶射層硬度も高くな
る。電流増大に伴う硬度増大のメカニズムは次のような
ものである。電流値はワイヤの送り量と対応しているの
で、電流値が大きいほどワイヤ送り量が多くなり、この
ことから溶融粒子(溶滴)が大きくなる。そして、アー
クによる粒子成分の昇華、酸化などが小さい粒子(ワイ
ヤ送り量が少ない)の場合と比べて少ない、すなわち、
炭素量の減少が少ないことによる。
また、溶射層組織の緻密さの面からも、溶射電流の高い
ほうが溶融粒子が大きく、衝突エネルギーも大きくなり
よくつぶれる。このために気孔も少なくかつ硬度向上効
果がある。なお、硬度向上は炭素量増大による作用のほ
うが大きい。
ほうが溶融粒子が大きく、衝突エネルギーも大きくなり
よくつぶれる。このために気孔も少なくかつ硬度向上効
果がある。なお、硬度向上は炭素量増大による作用のほ
うが大きい。
実験3
アルミニウム合金から冷間鍛造および機械加工によって
所定形状のバルブリフターを製作してから、下記条件の
アーク溶射によってサンプルA〜Dのバルブリフター溶
射層を形成した。溶射層研削後にエンジンに取付けて実
機耐久評価を行なった。
所定形状のバルブリフターを製作してから、下記条件の
アーク溶射によってサンプルA〜Dのバルブリフター溶
射層を形成した。溶射層研削後にエンジンに取付けて実
機耐久評価を行なった。
サンプルA(本発明品)
溶射材料ワイヤ・・・0.8%C−Fe溶射電流・・・
100A 溶射電圧・・・ 30V 吹付は圧力・・・5.6 kg / cnf溶射距離・
・・150m!D サンプルB(比較例品) 溶射材料ワイヤ、溶射電流、溶射電圧および溶射距離は
サンプルAと同じであり、吹付は圧力が4、2 kg
/ co!であった。サンプルBは吹付は圧力が低いた
めに溶射層気孔率が10%であった。
100A 溶射電圧・・・ 30V 吹付は圧力・・・5.6 kg / cnf溶射距離・
・・150m!D サンプルB(比較例品) 溶射材料ワイヤ、溶射電流、溶射電圧および溶射距離は
サンプルAと同じであり、吹付は圧力が4、2 kg
/ co!であった。サンプルBは吹付は圧力が低いた
めに溶射層気孔率が10%であった。
サンプルC(比較例品)
溶射材料ワイヤ、溶射電圧、溶射距離および吹付は圧力
はサンプルAと同じであり、溶射電流が50Aであった
。サンプルCは溶射電流が低いために溶射層硬度がHv
280と低いものであった。
はサンプルAと同じであり、溶射電流が50Aであった
。サンプルCは溶射電流が低いために溶射層硬度がHv
280と低いものであった。
サンプルD(比較例品)
溶射電流が25OAである他はサンプルCの溶射条件と
同じであった。この場合には溶射層硬度がHv 500
と高いサンプルであった。
同じであった。この場合には溶射層硬度がHv 500
と高いサンプルであった。
実機耐久試験の結果を第9図に示す。この図かられかる
ように、サンプルBおよびCでは溶射層摩耗量が大きい
。サンプルBでは気孔率が10%と高いために、耐摩耗
性が低くかつ溶射層に欠は発生が生じて耐剥離性も劣る
。サンプルCでは溶射層硬度が低いのでそれ自身の耐摩
耗性が劣っている。また、サンプルDでは溶射層硬度が
高いために、相手材であるリフター孔(ボア)表面に異
状摩耗が発生してしまう。
ように、サンプルBおよびCでは溶射層摩耗量が大きい
。サンプルBでは気孔率が10%と高いために、耐摩耗
性が低くかつ溶射層に欠は発生が生じて耐剥離性も劣る
。サンプルCでは溶射層硬度が低いのでそれ自身の耐摩
耗性が劣っている。また、サンプルDでは溶射層硬度が
高いために、相手材であるリフター孔(ボア)表面に異
状摩耗が発生してしまう。
本発明によれば、Fe −C系溶射層をアーク溶射法に
て形成する際に吹付は圧力を5,6〜11.2kg/c
ffIとし、さらに溶射電流を100〜20OAとする
ことによって、溶射層気孔率を5%以下に抑えかつ付着
した溶射粒の扁平率を0.95以上にすることができて
、耐摩耗性および耐剥離性を高めた溶射層を得ることが
できる。さらに、溶射層硬度をHv350〜450にす
ることによって適切な耐摩耗性および相手材攻撃性のア
ルミニウム合金製バルブリフターを製造することができ
る。
て形成する際に吹付は圧力を5,6〜11.2kg/c
ffIとし、さらに溶射電流を100〜20OAとする
ことによって、溶射層気孔率を5%以下に抑えかつ付着
した溶射粒の扁平率を0.95以上にすることができて
、耐摩耗性および耐剥離性を高めた溶射層を得ることが
できる。さらに、溶射層硬度をHv350〜450にす
ることによって適切な耐摩耗性および相手材攻撃性のア
ルミニウム合金製バルブリフターを製造することができ
る。
第1図は、アーク溶射ての吹付は圧力と溶射層気孔率と
の関係を表わすグラフであり、第2図は、アーク溶射て
の吹付は圧力と溶射粒の扁平率との関係を表わすグラフ
であり、第3a図、第3b図および第3C図は溶射粒の
付着状態を説明する概略断面図であり 第4図は溶射粒の扁平率と溶射層硬度との関係を表わす
グラフであり、 第5図は、アルミニウム合金基板および本発明に係る製
造条件でアーク溶射したFe −C溶射粒の顕微鏡写真
であり、 第6図は、アルミニウム合金基板および比較例条件での
アーク溶射したFe −C溶射粒の顕微鏡写真であり、 第7図は、アーク溶射電流と溶射層硬度との関係を表わ
すグラフであり、 第8図は、溶射層硬度(溶射電流)と摩耗量との関係を
表わすグラフであり、 第9図は、溶射層付きバルブリフターの実機耐久性評価
での溶射層摩耗量を表わすグラフである。 1・・・基板、 2・・・溶射粒子。
の関係を表わすグラフであり、第2図は、アーク溶射て
の吹付は圧力と溶射粒の扁平率との関係を表わすグラフ
であり、第3a図、第3b図および第3C図は溶射粒の
付着状態を説明する概略断面図であり 第4図は溶射粒の扁平率と溶射層硬度との関係を表わす
グラフであり、 第5図は、アルミニウム合金基板および本発明に係る製
造条件でアーク溶射したFe −C溶射粒の顕微鏡写真
であり、 第6図は、アルミニウム合金基板および比較例条件での
アーク溶射したFe −C溶射粒の顕微鏡写真であり、 第7図は、アーク溶射電流と溶射層硬度との関係を表わ
すグラフであり、 第8図は、溶射層硬度(溶射電流)と摩耗量との関係を
表わすグラフであり、 第9図は、溶射層付きバルブリフターの実機耐久性評価
での溶射層摩耗量を表わすグラフである。 1・・・基板、 2・・・溶射粒子。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、アルミニウム合金製のバルブリフターの外周表面上
にアーク溶射によるFe−C系溶射層を有する溶射層付
きバルブリフターにおいて、前記溶射層の気孔率が5%
以下でありかつ前記溶射層の溶射粒が付着したときの扁
平率〔(付着長さa−付着高さb)/付着長さa〕が0
.95以上であることを特徴とする溶射層付きバルブリ
フター。 2、アルミニウム合金製のバルブリフターの外周表面上
にFe−C系溶射層を溶射材料ワイヤのアーク溶射によ
って形成する工程のある溶射層付きバルブリフターの製
造方法において、前記溶射層の気孔率を5%以下にしか
つ前記溶射層の溶射層が付着したときの扁平率〔(付着
長さa−付着高さb)/付着長さa〕が0.95以上で
あるように、溶射吹付け圧力を5.6〜11.2kg/
cm^2にして前記アーク溶射を行なうことを特徴とす
る溶射層付きバルブリフターの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63182827A JP2650338B2 (ja) | 1988-07-23 | 1988-07-23 | 溶射層付きバルブリフターの製造方法 |
US07/316,639 US4909198A (en) | 1988-03-01 | 1989-02-28 | Aluminum alloy valve lifter with sprayed coating and method of producing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63182827A JP2650338B2 (ja) | 1988-07-23 | 1988-07-23 | 溶射層付きバルブリフターの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0233406A true JPH0233406A (ja) | 1990-02-02 |
JP2650338B2 JP2650338B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=16125159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63182827A Expired - Fee Related JP2650338B2 (ja) | 1988-03-01 | 1988-07-23 | 溶射層付きバルブリフターの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2650338B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5289804A (en) * | 1993-03-25 | 1994-03-01 | Fuji Oozx Inc. | Tappet in an internal combustion engine |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60138063A (ja) * | 1983-12-09 | 1985-07-22 | ナシヨナル・エアロノーテイツクス・アンド・スペース・アドミニストレーシヨン | 金属マトリックス複合モノテープの製造方法 |
-
1988
- 1988-07-23 JP JP63182827A patent/JP2650338B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60138063A (ja) * | 1983-12-09 | 1985-07-22 | ナシヨナル・エアロノーテイツクス・アンド・スペース・アドミニストレーシヨン | 金属マトリックス複合モノテープの製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5289804A (en) * | 1993-03-25 | 1994-03-01 | Fuji Oozx Inc. | Tappet in an internal combustion engine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2650338B2 (ja) | 1997-09-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |