JPH0232257B2

JPH0232257B2 - Shigaisenkarahifuohogosuruhifuyokeshoryooyobisonoseizohoho

Info

Publication number: JPH0232257B2
Application number: JP32640187A
Authority: JP
Inventors: Katsuhiro Nakaoka
Original assignee: ION KAGAKU KK; SEIHO KK
Current assignee: ION KAGAKU KK; SEIHO KK
Priority date: 1987-12-23
Filing date: 1987-12-23
Publication date: 1990-07-19
Anticipated expiration: 2007-12-23
Also published as: JPH01165517A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は超微粒子二酸化チタンを含有し、有害
波長の紫外線から皮膚を保護する皮膚用化粧料及
びその製造方法に関する。

従来の技術太陽光線によつて日焼けを生ずるのは光線中の
紫外線によるが、波長の長さによつて日焼けの状
態を次の２つに分けることができる。

１ 290〜320nmの波長をもつ紫外線は、皮膚に
刺激を与え、紅斑や水泡を起こす。

この種の状態をサンバーンといわれている。

２ 320〜360nmの波長をもつ紫外線は、皮膚に
刺激を与えず黒褐色に日焼けする。

この状態をサンタンといわれている。

日焼け止め製品には、紫外線を完全にシヤツト
アウトする目的のもの（サンスクリーン、サンシ
エイドなど）とサンバーンを起こさせる紫外線だ
けを防ぎ、はだを黒く焼くサンタン製品（サンオ
イル、サンタンローシヨンなど）がある。

いずれも、紫外線吸収剤を配合したタイプの製
品であり、パラアミノ安息香酸誘導体、サリチル
酸誘導体、ベンゾフエノン誘導体、桂皮酸誘導体
などの吸収剤が使われる。

製品形態としては、付着力のよい油性ないし油
中水型クリームや、油状スチツク、使用性がさつ
ぱりした水中油型クリームがおもに用いられる。

後者の場合には特に撥水性を増すためにシリコ
ー樹脂などを配合することもある。

サンスクリーンのベースには亜鉛華やチタン白
などの粉末が配合され、さらに紫外線遮断効果を
高めている。

発明が解決しようとする問題点太陽からの紫外線には200nm〜400nmの波長の
ものが含まれている。

これらの紫外線は更に３つのグループに分類す
ることができる。

第１はUV−Ｃ（ウルトラバイオレツトＣ）で
200nm〜290nmであり、第２はUV−Ｂ（ウルト
ラバイオレツトＢ）で290nm〜320nmであり、第
３はUV−Ａ（ウルトラバイオレツトＡ）で
320nm〜400nmである。

UV−Ｃは地球のオゾン層で全部吸収されてし
まい地上には到達しないが、290nm〜400nmの波
長のものは地上に到達して生物はそれらの光線に
さらされている。

日焼けや日光による火傷は290nm〜320nm
（UV−Ｂ）及び320nm〜400nm（UV−Ａ）の波
長の紫外線によつて引起こされている。

紫外線吸収剤を含む日焼け止め化粧品で特に合
成紫外線吸収剤を含むもの（パラアミノ安息香酸
エステル、オクチルサリチレート、その他）は、
紫外線によつてこれらの成分が分解して、塗布後
しばらくすると紫外線防止の効力を失つてしま
う。

又その際に刺激性物質をも副生する問題点が存
した。

又無機の顔料（例えば二酸化チタン、酸化亜鉛
等）は、紫外線をはね返すので有効ではあるが、
可視光線も同時にはね返すので、皮膚に塗布する
と白色に見えるので、例えば顔等どこにでも自由
に塗れない問題点を存した。

このため、紫外線防止の効力が持続し、しかも
皮膚に害を与えることなく、塗布した場合に白色
等の色彩を呈することなく、顔等どこにでも自由
に塗布することのできる皮膚用化粧料及びその製
造方法の開発が強く望まれていた。

発明の概要本発明は上記要望に応えるためになされたもの
であり、超微粒子二酸化チタンが可視光線をはね
返さないことに着目し、粒径が100nm〜200nmの
二酸化チタンを用いて皮膚用化粧料とし、これを
エアゾール化して使用に箇便な紫外線から皮膚を
保護する皮膚用化粧料及びその製造方法を得るこ
とを目的とする。

問題点を解決するための手段本発明は上記問題点を解決するために以下の手
段を採用する。

先ず第１の発明化粧料は超微粒子二酸化チタン10％水溶液５〜25重量％ 95％エチルアルコール５〜20重量％ポリオキシエチレンミチルグルコシド（10〜
20E.O.）３〜10重量％ポリオキシエチレン（７モル）モノ脂肪酸グリ
セリル１〜３重量％精製水 42〜86重量％からなることを特徴とする。

次に第２の発明方法は超微粒子二酸化チタン10％水溶液５〜25重量％
にポリオキシエチレン（７モル）もの脂肪酸グリ
セリル１〜３重量％を添加して室温にて混和し、
この混和液にポリオキシエチレンメチルグルコシ
ド（10〜20E.O.）３〜10重量％を添加して混和
し、この混和液に95％エチルアルコール５〜20重
量％を添加して混和し、この混和された原液中に
精製水42〜86重量％を加えて撹拌混和したことを
特徴とする。

作用次に第１の発明化粧料を構成する各原料の性
質、役割、作用、効能等について説明する。

超微粒子二酸化チタンは粒径が100〜200nmの
ものを使用する。

従来の二酸化チタンは粒径が5000〜20000nmで
あつて可視光線をはね返し皮膚に塗布すると白色
に見える。

しかしながら、本発明の二酸化チタンは非常に
微細なため可視光線をはね返さないため透明状態
となつて白色には見えない。

この超微粒子二酸化チタンを粉末化すると二次
凝集を起こして超微粒子ではなくなつてしまい、
通常の二酸化チタンと同様の粒径となつてその有
効性を失うため10％分散液として使用される。

この分散液すなわち水溶液とした場合、水の分
子と互いに反発しながら一緒に運動しているため
凝集を起こさない。

又この微粒子は電荷をもつており、反対の電荷
を有する成分と出合うと、超微粒子二酸化チタン
は全て沈澱分離して効力が失われてしまうため、
化粧料として皮膚に塗布する製剤を作る場合、独
特の製造手段が必要となる。

この超微粒子二酸化チタンは、紫外線をはね返
して紫外線から皮膚を保護して日焼け防止を図
り、同時に可視光線をはね返さないで吸収し、塗
布した場合透明を保持する作用を有する。

ポリオキエチレン（７モル）モノ脂肪酸グリセ
リルは、皮膚に脂分を補給する過脂肪剤としての
役割を有し、皮膚を柔軟にする効果を有すると共
に超微粒子二酸化チタンの電荷を帯びた超微粒子
同士を凝集させない凝集防止剤としての作用を有
する。

すなわち、水溶液を安定させる効果がある。

又脂肪酸は主としてヤシ油脂肪酸を用いる。

ポリオキシエチレンメチルグルコシド（10〜
20E.O.）は、保湿剤として作用し、皮膚をしなや
かに保つて柔軟にする効果を有し、又糖類の誘導
体として機能し、グリセリンと同等の効果を発揮
する。

又保護コロイド剤として作用し、超微粒子同士
の凝集防止効果を助ける助剤としても機能する。

95％エチルアルコールは、本発明化粧料を皮膚
に塗布した場合の乾燥を促進する作用を有すると
共に皮膚に清涼感を与える他、防腐作用も有す
る。

天然香料は、非イオン性のものを使用し、化粧
料に芳香をつける作用を有する。

精製水は上記諸原料の溶剤として作用する。

次に第２の発明方法の作用を説明する。

先ず超微粒子二酸化チタン10％水溶液にポリオ
キシエチレン（７モル）モノ脂肪酸グリセリルを
添加して、室温（例えば５〜25℃位）にて混和す
る。

この混和液にポリオキシエチレンメチルグルコ
シド（10〜20E.O.）を添加して混和する。

この場合、脱水効果が生じて二酸化チタンの超
微粒子同士が凝集する虞れがあるため、混和液を
ゆつくりと混合しながら静かに少量づつ添加して
混和する必要がある。

前記混和液に95％エチルアルコールを添加する
場合においても、アルコールの脱水力が強いた
め、超微粒子同士の二次凝集を防止するために、
混和液をゆつくりと混和しながら、アルコールを
静かに少量づつ添加して混和する。

又アルコールが水に溶ける際発熱するため、二
重釜等を用いて温度上昇を防ぎながら室温に保つ
て混和する。

香料を添加する場合は、あらかじめ前記アルコ
ール中に非イオン性天然香料を添加する。

前記混和原液中に精製水を加えて撹拌混合し、
安定な超微粒子二酸化チタンを含む原液すなわ
ち、本発明化粧料が得られるが、この工程中にお
いて、イオン性の物質、例えば、脂肪酸のナトリ
ウム塩や両性界面活性剤、例えばアルキルベタイ
ン等が存在している場合には、超微粒子同士の二
次凝集が起こるため、この点の配慮が必要とされ
る。

前記原液を所定量耐圧容器、例えば耐圧アルミ
製の缶に分けとつて、バルブで密封してから所定
量の脱臭液化石油ガス又はフロンガスを圧入させ
てエアーゾール化するのであるが、この場合アル
ミの肌が露出していると原液が電荷を帯び又は電
荷を失つて二酸化チタンの超微粒子が凝集を起こ
すため、アルミ缶の内面をエポキシ樹脂のコーテ
イング剤でコーテイングする必要がある。

発明の効果本発明は上記構成を有することにより、紫外線
防止の効力が持続し、しかも皮膚に害を与えるこ
となく、更に皮膚に塗布した場合に可視光線を反
射しないため透明であり、顔等どのような身体個
所でも自由に塗布することができ、例えば顔等に
塗布したままで外出することもできるものであ
る。

実施例１ 150nmの超微粒子二酸化チタン10％水溶液20g
をあらかじめ二重釜に入れ、これにポリオキシエ
チレン（７モル）モノ脂肪酸（ヤシ油脂肪酸）グ
リセリル2gを添加して、室温にて10分間前後混
和し、この混和液を混合しながらポリオキシエチ
レンメチルグルコシド（10E.O.）5gを静かにゆ
つくりと少量づつ添加しながら、室温にて10間前
後混和し、二重釜の外壁に冷水を循環させて前記
混和液を室温に保つと同時に混和しながら、これ
に微量の非イオン性天然香料を添加してなる95％
エチルアルコール15gをゆつくりと少量づつ静か
に添加して10分間前後混和し、この混和された原
液中に精製水58gを加えて10分間前後撹拌混和
し、100gの化粧料原液が得られた。

この原液は完全な透明ではなく微濁状であり、
わずかに香料の香りがした。

前記化粧料原液85gを耐圧アルミ製の缶に充填
し、バルブをクリンチしてから脱臭液化石油ガス
15mlを圧入してエアゾール化した。

このエアゾール化された化粧料はムース状（泡
状）に噴出した。

この化粧料を腕に噴出させて塗布したところ、
すべすべして感触がよく、すぐに乾燥し、乾燥後
化粧料を塗布した痕跡はなく、皮膚と一体的とな
つてバリバリした感じは全くなかつた。

真夏の海辺で治験したところ、一度塗布するだ
けで１日中効果があり、日焼けの後は見られなか
つた。

又せつけんで洗浄するだけで箇単に除去でき、
炎症等の皮膚害は見られなかつた。

又塗布したままの状態で洗浄しなかつた場合で
も炎症の発生はなく、摩擦することによりアカの
ように取れた。

実施例２ 200nmの超微粒子二酸化チタン10％水溶液5gを
あらかじめ二重釜に入れ、これにポリオキシエチ
レン（７モル）モノ脂肪酸（ヤシ油脂肪酸）グリ
セリル1gを添加して、室温にて10分間前後混和
し、この混和液を混合しながらポリオキシエチレ
ンメチルグルコシド（20E.O.）3gを静かにゆつ
くりと少量づつ添加しながら、室温にて10分間前
後混和し、二重釜の外壁に冷水を循環させて前記
混和液を室温に保つと同時に混和しながら、これ
に95％エチルアルコール5gをゆつくりと少量づ
つ静かに添加して10分間前後混和し、この混和さ
れた原液中に精製水86gを加えて10分間前後撹拌
混和し、100gの化粧料原液が得られた。

この原液は完全な透明ではなく微濁状であり、
わずかに渋味のある無臭であつた。

前記化粧料原液75gを耐圧アルミ製の缶に充填
し、バルブをクリンチしてからフロンガス
（F12：F114＝50：50）25mlを圧入してエアゾー
ル化した。このエアゾール化された化粧料は粗い
霧状に噴出した。

この化粧料を腕に噴霧させて塗布したところ、
すべすべして感触がよく、すぐに乾燥し、乾燥後
化粧料を塗布した痕跡はなく、皮膚と一体的とな
つてバリバリした感じは全くなかつた。

又せつけんで洗浄するだけで簡単に除去でき、
炎症等の皮膚害は見られなかつた。

Claims

【特許請求の範囲】１超微粒子二酸化チタン10％水溶液
５〜25重量％ 95％エチルアルコール５〜20重量％ポリオキシエチレンメチルグルコシド（10〜
20E.O.）３〜10重量％ポリオキシエチレン（７モル）モノ脂肪酸グリ
セリル１〜３重量％精製水 42〜86重量％からなることを特徴とする紫外線から皮膚を保護
する皮膚用化粧料。２微量の天然香料を含有したことを特徴とする
特許請求の範囲第１項記載の紫外線から皮膚を保
護する皮膚用化粧料。３特許請求の範囲第１項又は第２項記載の皮膚
用化粧料をエアゾー化したことを特徴とする紫外
線から皮膚を保護する皮膚用化粧料。４超微粒子二酸化チタン10％水溶液５〜25重量
％にポリオキシエチレン（７モル）モノ脂肪酸グ
リセリル１〜３重量％を添加して室温にて混和
し、この混和液にポリオキシエチレンメチルグル
コシド（10〜20E.O.）３〜10重量％を添加して混
和し、この混和液に95％エチルアルコール５〜20
重量％を添加して混和し、この混和された原液中
に精製水42〜86重量％を加えて撹拌混和したこと
を特徴とする紫外線から皮膚を保護する皮膚用化
粧料の製造方法。５ 100〜200nmの超微粒子二酸化チタン10％水
溶液５〜25重量％にポリオキシエチレン（７モ
ル）モノ脂肪酸グリセリル１〜３重量％を添加し
て室温にて10〜15分間前後混和し、この混和液を
混合しながらこれにポリオキシエチレンメチルグ
ルコシド（10〜20E.O.）３〜10重量％を静かにゆ
つくりと添加しながら室温にて10〜15分間前後混
和し、この混和液を室温に保ちながらこれに微量
の天然香料を添加してなる95％エチルアルコール
５〜20重量％を静かに添加して10〜15分間前後混
和し、この混和された原液中に精製水42〜86重量
％を加えて10〜15分間前後撹拌混和し、この原液
を所定量耐圧容器に分けとり、密封してから脱臭
液化石油ガス又はフロンガスを圧入させてエアゾ
ール化したことを特徴とする特許請求の範囲第４
項記載の紫外線から皮膚を保護する皮膚用化粧料
の製造方法。