JPH0231515Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、一対のクランプアームによつて荷物
をクランプして荷役作業する荷役機械の荷役装置
に関するものである。

従来の技術 車体に装着したマストに沿つて上下動する部材
に左右一対のクランプアームをクランプシリンダ
で左右移動自在に設け、この左右一対のクランプ
アームで荷物をクランプして荷役作業するもの。

考案が解決しようとする問題点 段積みした荷物を荷取りしたり、多段積みする
場合に段積み状態の荷物姿勢角が車体に対して所
定の姿勢でないとクランプアームで荷物をクラン
プした時にクランプアームに偏心、矯正力が作用
し、クランプアームに必要以上の外力が作用して
クランプアームを破損したり、荷物を損傷したり
することがある。

そこで、特開昭52−115062号公報に示すよう
に、マストに沿つて上下動する部材に揺動部材に
左右揺動自在に設け、この揺動部材に一対のクラ
ンプアームを設けて前述の課題を解消できるよう
にした装置が知られているが、このようにすると
上下動する時にクランプアームが左右に揺動して
不安定となるばかりか、荷置き時にクランプアー
ムを下降した時に車体に対するクランプアームの
位置が一定とならずに正しく荷置きできないこと
がある。

問題点を解決するための手段及び作用 マストに沿つて上下するローラサポートにアー
ム支持部材を揺動自在に設け、このアーム支持部
材とローラサポートとに亘つて緩衝機構及び係止
機構を設けると共に、アーム支持部材に一対のク
ランプアームをクランプシリンダで接離自在に設
け、マスト前面下部とアーム支持部材にガイドレ
ールとローラを対向して設けて、クランプアーム
に作用する外力を緩衝機構で吸収できると共に、
アーム支持部材をロツクでき、しかもアーム支持
部材を下降した時にはガイドレールとローラとで
アーム支持部材の揺動範囲規制できるようにした
ものである。

実施例 荷役機械の車体１の前部にマスト２が立設され
ており、このマスト２にローラ３を介してローラ
サポート４が上下動自在に支承されている。なお
５はローラサポート４を上下動するリフトシリン
ダを示す。

上記ローラサポート４は上下部に前方へ突出す
る支持板４ａを有しており、これら支持板４ａの
間に縦軸６によりアーム支持部材７が回動自在に
枢支されている。そしてこのアーム支持部材７に
一対のクランプアーム８の基部側がガイド杆８ａ
を介して支承されている。上記各クランプアーム
８はほぼＬ字形をなしていて、垂直部８ｂの裏面
に上下方向に離間して２本のガイド杆８ａが水平
に突設されており、これらガイド杆８ａが上記ア
ーム支持部材７に摺動自在に支承されていて、各
クランプアーム８毎に設けられたクランプシリン
ダ９により接離方向へ移動できるようになつてい
ると共に、各クランプアーム８の水平部８ｃには
互に対向する面にフツク８ｄが複数個所に亘つて
突設されていて、これらフツク８ｄにより上記各
クランプアーム８間にクランプされた荷物１０の
下部を下方より支持するようになつている。

一方上記ローラサポート４とアーム支持部材７
の間には荷役時クランプアーム８に加わる外力を
吸収すると共に、クランプアーム８に外力が加わ
らない状態では、各クランプアーム８間の中心と
車体１の中心が一直線上となるようアーム支持部
材７を付勢する圧縮ばねなどからなる緩衝機構１
１が設けられていると共に、アーム支持部材７の
両端側下部背面には、ローラサポート４を下方位
置とした際にマスト２の前面に上下方向に布設さ
れたガイドレール１２と接することにより上記ア
ーム支持部材の揺動範囲を規制してクランプアー
ム８間の中心と車体１の中心が一直線上となる正
規状態とするローラ１３が設けられている。

またローラサポート４の上側の支持板４ａ上に
は走行時クランプアーム８が左右方向へ揺動する
のを係止する係止機構１４が設けられている。上
記係止機構１４は例えば第３図に示すようにロツ
クシリンダ１４ａをピストン杆１４ｂが下向きと
なるよう支持板４ａに取付けた構造で、ピストン
杆１４ｂの先端に支承したローラ１４ｃをアーム
支持部材７側に設けられた開口部がテーパ状をな
す係止孔７ａに挿入することによりアーム支持部
材７を係止して、クランプアーム８の左右方向の
揺動を係止するようになつている。

なお係止機構１４は第４図に示すようにロツク
シリンダ１４ａのピストン杆１４ｂ先端にコーン
１４ｄを取付けて、このコーン１４ｄを係止孔７
ａに挿入することによりクランプアーム８を係止
するようにしてもよい。

しかして、荷物１０の車体１に対する姿勢に応
じて緩衝機構１１を変位させてアーム支持部材７
が縦軸６の回りに左右に揺動するから、クランプ
アーム８に作用する外力を吸収でき、クランプア
ーム８が荷物１０を損傷することがない。

また荷置きすべきクランプアーム８を下方に移
動するローラ１３とガイドレール１２とが接して
アーム支持部材７は正規状態に強制維持されるか
ら、荷置きする場合にはクランプアーム間の中心
と車体中心とが必ず一直線となり、正しく荷置き
できると共に、走行時にはクランプアーム８を下
方位置とするので前述のようにローラ１３とガイ
ドレール１２とによつてアーム支持部材７の揺動
が規制されるから、走行時にアーム支持部材７が
揺動せずに安定して走行できる。

また、係止機構１４でアーム支持部材７の揺動
が規制されるから、荷物を上昇、下降する場合な
どにもアーム支持部材７が揺動せずに安定に上
昇、下降するので、高所への荷置き、荷取り時で
も安定して作業できる。

考案の効果 荷物の車体１に対する姿勢に応じて緩衝機構１
１を変位させてアーム支持部材７が左右に揺動す
るから、クランプアーム８に作用する外力を吸収
でき、クランプアーム８や荷物を損傷することが
ない。

また荷置きのためにクランプアーム８を下方に
移動するとローラ１３とガイドレール１２とが接
してアーム支持部材７は正規状態に強制維持され
るから、荷置きする場合にはクランプアーム間の
中心と車体中心とが必ず一直線となり、正しく荷
置きできると共に、走行時にはクランプアーム８
を下方位置とするので前述のようにローラ１３と
ガイドレール１２とによつてアーム支持部材７の
揺動が規制されるから、走行時にアーム支持部材
７が揺動せずに安定して走行できる。

また、係止機構１４でアーム支持部材７の揺動
がロツクされるから、荷物を上昇、下降する場合
などにアーム支持部材７が揺動せずに安定して上
昇、下降するので、高所への荷置き、荷取り時で
も安定して作業できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図、第２図
は平面図、正面図、第３図、第４図は係止機構の
断面図である。 １は車体、４はローラサポート、７はアーム支
持部材、８はクランプアーム、９はクランプシリ
ンダ、１１は緩衝機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷役機械の車体１前部に立設されたマスト２に
   上下動自在にローラサポート４を取付け、このロ
   ーラサポート４に水平方向に揺動自在にアーム支
   持部材７を支承し、上記アーム支持部材７にクラ
   ンプシリンダ９により接離方向へ移動自在な一対
   のクランプアーム８を設け、そのアーム支持部材
   ７とローラサポート４とに亘つて、アーム支持部
   材７を揺動付勢する緩衝機構１１及び一対のクラ
   ンプアーム８，８間の中心と車体中心とが一致し
   た状態でアーム支持部材７をローラサポート４に
   ロツクする係止機構１４を設け、前記マスト２の
   前面下部にガイドレール１２を設けると共に、ア
   ーム支持部材７にローラ１３を前記ガイドレール
   １２と対向して取付けたことを特徴とする荷役機
   械の荷役装置。