JPH0230975Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数個のキーを相互に接触させるこ
となく、平面的に保持させるためのキーホルダー
に関する。

一般に、複数個のキーを保持するキーホルダー
としては、把手が設けられた金属リングに、キー
に穿設された保持孔をそれぞれ通して保持される
ものがある。

しかしながら、このようなキーホルダーにおい
ては、キー相互が接触するため、携行に際して騒
音が発生するばかりでなく、キーに鑿設された各
溝や突起部相互が摩耗し易く、特にキーの溝や形
状の加工精度が要求されるような精密機器用キー
のキーホルダーとしては好ましくない。

また、キーを平面的に保持させるものとして
は、実開昭52−144989号考案に示されるように、
開閉自在に構成されたベルベツト式フアスナー内
面にキーの収納用空間が設けられ、該空間内にキ
ーが保持されるもの、あるいは実開昭54−126920
号考案に示されるように、一面にベルベツト式フ
アスナーを有し、他面にスナツプで相互に嵌着す
る一対の開閉自在な皮覆片を有する小銭入れにお
いて、上記ベルベツト式フアスナー面に、側面に
ベルベツト式フアスナーが貼着されたキーが着脱
自在に設けられたものが提案されている。

しかしながら、前者によれば、これはキーが１
個のときは格別、複数でしかも多数個のときは、
空間内にキーが収納されているため、たとえば多
数のキーが並列して収納されているベルベツト式
フアスナーの中央部分のキーを取出す際には、そ
の左右数個のキーが収納されている部分も同時に
開けなければ目的のキーを取出すことはできない
ので、キーホルダーから取出さないキーがその収
納されている空間から他の空間へ移動したり、取
扱方によつてはキーホルダー外へ取落す惧れもあ
ると共に、単一のキーが収納されている場合で
も、キーホルダーの向きやベルベツト式フアスナ
ーの開け方によつて、キーをキーホルダーから取
落す惧れがある等の問題点があつた。

また、後者によれば、キーにはその使用目的上
一側面の一部分にのみベルベツト式フアスナーが
貼着され、該部分がベルベツト式フアスナー面に
貼着されるだけであるから、たとえば１対の板状
材間に多数のキーを貼着携行する場合、皮覆片側
が滑るため振動等で非貼着部分が内部で移動する
惧れがあり、特にベルベツト式フアスナーがキー
直接ではなく、他のキーホルダーに取付けられて
いるような場合には、尚更内面移動が助長される
惧れがあり、このキーのホルダー内移動は、多数
のキーが相互に接触して損傷される原因となり、
精密機器用キーのキーホルダーとしては好ましく
ない。

本考案は、開閉自在に構成された皮、布その他
の柔軟性平板状材の対向する各内面に、平板状材
が閉じられたとき、キーが平板状材間で移動しな
い範囲に亘つてそれぞれベルベツト式フアスナー
が設けられると共に、上記両ベルベツト式フアス
ナーに、一部にベルベツト式フアスナーを有する
キーが着脱自在に貼着されたことを特徴とするキ
ーホルダーを供することにより、複数のキーを平
面的に保持させ、キー相互の接触をなくし、かつ
キーがキーホルダーから取落されることを防止し
て、従来のキーホルダーにおける問題点を除去し
たものである。以下、別紙図面について本考案に
係るキーホルダーの実施例を説明する。

第１図において、人工皮革により構成され、中
央部にヒンジ部１ａを有する開閉自在な長方形の
平板状材１の対向する各内面には、ベルベツト式
フアスナーの一方２と他方３とがそれぞれほぼ全
面に貼着されてキーホルダーＡが構成されると共
に、このベルベツト式フアスナー２，３のいずれ
かの上面に、所望数のキー４が平面的に並列して
設置される。

そしてキーホルダーＡがそのヒンジ部１ａから
折畳まれることにより、キー４の部分を深くベル
ベツト式フアスナー２，３により、キー４の周囲
を囲んでキーホルダーＡの内面相互が密着され、
キー４が保持される。

キー４の取出しに際しては、キーホルダーＡに
おける所望キー４の保持部分を開くことにより、
全体を開くことなく、容易に所望キー４を取出す
ことができる。

なお、第２図示のように、キー４にはベルベツ
ト式フアスナー２，３の一方２の小片２ａを貼着
させ、これをキーホルダーＡ内面の他方のベルベ
ツト式フアスナー３に密着させているので、キー
ホルダーＡの全面を開いてもキー４がキーホルダ
ーＡから落ちることはない。

第３図示のものは、平板状材が３枚１ｂ，１
ｃ，１ｄ用いられた場合のキーホルダーＡが示さ
れている。

この場合は、対向する各内面にベルベツト式フ
アスナーの一方２と他方３（図示せず）が貼着さ
れており、長辺の一辺で３枚が一体に縫着されて
いる。

この使用法は第１図示のものにおけると同様で
ある。

上記実施例は、好ましい実施例が示されたもの
であつて、考案の要旨がこれらに限定されるもの
ではなく、たとえば平板状材を透明材とするな
ど、実用新案登録請求の範囲に記載された範囲内
において、その形状や材質、構成等を変更しうる
ことは自明である。

このように、本考案に係るキーホルダーにおい
ては、複数のキーが平面的に保持できるため、こ
れを服のポケツト等に入れて携行しても嵩ばるこ
とがなく、携帯に便利であるばかりでなく、キー
の周囲は、平板状材が閉じられたとき、キーが平
板状材間で移動しない範囲に亘つてベルベツト式
フアスナーが設けられているため、複数のキー相
互が接触することがなく、騒音発生が防止される
と共に、キー部分の摩耗も可及的長期に亘り防止
できて、精密機器等におけるキーのキーホルダー
として好適である。

また、キーが、その一部にベルベツト式フアス
ナーを有するので、キーをキーホルダーに常時密
着させておくことができ、複数のキーが保持され
ている場合の１つのキーの取り出しに際して、他
のキーがキーホルダーから抜出したり、あるいは
キーホルダー内の所定位置からズレてキー相互が
接触することが防止される。

なお、実施例に示されるように、ベルベツト式
フアスナーが平板状材の対向する内面のほぼ全面
に設けられたものにおいては、ベルベツト式フア
スナーの上面に、複数のキーを所望個所に所望の
状態でそれぞれ配置できて、使用者が出し入れす
るのに好都合な保持が可能であり、平板状材が複
数枚であるものにおいては、可及的多数のキー
を、可及的に薄いキーホルダーで保持でき、大量
のキーを保持する必要がある場合のキーホルダー
として好適である等の効果を併有する。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るキーホルダーの実施例を
示すもので、第１図は一実施例の斜視図、第２図
はキーの正面図、第３図は平板状材が３枚の場合
の一部が切欠して示された他の実施例の斜視図で
ある。 １，１ｂ，１ｃ……柔軟性平板状材、１ａ……
ヒンジ部、２，３……ベルベツト式フアスナー、
４……キー、Ａ……キーホルダー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 開閉自在に構成された皮、布その他の柔軟性
   平板状材の対向する各内面に、平板状材が閉じ
   られたとき、キーが平板状材間で移動しない範
   囲に亘つてそれぞれベルベツト式フアスナーが
   設けられると共に、上記両ベルベツト式フアス
   ナーに、一部にベルベツト式フアスナーを有す
   るキーが着脱自在に貼着されたことを特徴とす
   るキーホルダー。 (2) ベルベツト式フアスナーが、平板状材の対向
   する各内面のほぼ全面に設けられた実用新案登
   録請求の範囲(1)記載のキーホルダー。 (3) 平板状材が複数枚である実用新案登録請求の
   範囲(1)および(2)いずれか記載のキーホルダー。