JPH0230879Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本考案は、風合、外観あるいは色彩効果等、衣
料適性に優れた電磁波遮蔽機能を有する織物に関
する。 〔従来の技術〕 電磁波遮蔽を目的とした織物は、金属短繊維が
混紡された紡績糸を用いて織物としたもの、ある
いは通常の織物面にニツケル、銅等の金属メツキ
を施したものが製造されている。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、金属短繊維を混紡した紡績糸に
よつて得られる織物は、金属が織物表面に出て、
風合、外観が悪く、衣料とした場合着用者に不快
を与えるものである。 また、各種金属メツキを施した織物は、金属特
有の単一色に限定されるため、多様な風合、色彩
効果が得られず、フアツシヨン性に乏しいもので
あるばかりでなく、製造工程が複雑であり、極め
て高コストである。 従つてこれらの製品は用途に限界があり、汎用
性に乏しいという問題を有していた。 本考案は、これらの従来の欠点を改善し、充分
な電磁波遮蔽機能を有し、かつ容易な方法により
風合、外観あるいは色彩効果等、衣料適性に優れ
た織物を提供することを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案の要旨は、芯部が金属細線からなり、鞘
部が化合繊もしくは天然織維からなる金属細線被
覆糸が40本／吋以上の密度で、経糸及び緯糸に用
いて製織されていることを特徴とする電磁波遮蔽
織物である。 以下本考案を図面に従い詳細に説明する。 第１図は本考案の織物の一例をモデル的に拡大
して示した平面図であり、経糸１及び緯糸２はい
ずれも金属細線被覆糸で平織状に製織したものを
示したものである。 金属細線被覆糸としては、導電性金属糸、例え
ばステンレス糸、銅糸等を芯部として化合繊ある
いは天然繊維を捲回被覆してなる繊維糸条であ
る。 芯部の線径については、実験の結果50ミクロン
以下で、好ましくは30ミクロン程度のものを用い
ると良好な結果を得ることができると判明した。
即ち50ミクロンを超えると可撓性に欠け、加工性
が難易となり、変形に対する回復も不良なものと
なり、衣料としての適性にすぐれない。 被覆率は、糸条面積の70％以上で、好ましくは
90％以上とすることにより、染色工程において充
分な色彩効果が得られ、自由な色彩が選択可能と
なり、フアツシヨン性の優れた衣料となりえる。 これらの繊維糸条を経及び緯方向に40本／吋以
上の密度で、好ましくは60本／吋以上の密度で製
織することにより、良好な電磁波遮蔽機能を有す
る織物を得ることができる。 すなわち、電磁波遮蔽機能は、織物のようなメ
ツシユ構造の場合、金属細線被覆糸を経及び緯方
向に高い密度で製織するほど効果が高く、またこ
のためには芯部の導電性金属糸の線径は細いほど
有利である。 織物の組織としては、特に限定されないが、平
織、綾織、朱子織の緻密で均一なメツシユ構造を
有し、かつ結節点が多い組織ほど良好な結果が得
られる。 組織及び密度を変更した場合の効果を下表に示
す。

〔実施例〕

直径24ミクロンの銅糸を芯部とし、ポリエステ
ル加工糸150D／48Fを用いて、イタリー式撚糸機
を用い、700T／Ｍの撚糸を行ない、金属細線被
覆糸とし、これを経及び緯方向に配列し、経、緯
密度60本／吋の平織組織をフライシヤツトルルー
ムで製織し、染色加工したところ、工程通過性に
問題なく良好な風合を有し、充分な電磁波遮蔽機
能を有する織物が得られた。 〔考案の効果〕 本考案は、以上述べた如く構成することによ
り、良好な電磁波遮蔽機能を有し、かつ風合、外
観、色彩効果等の優れた織物が得られることから
電磁波の防御を目的とした白衣、ワーキングウエ
ア、ユニホーム等の衣料、あるいはカーテン、壁
材等に充分なフアツシヨン性を加味した織物を低
コストで提供し得るという格別の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の織物の一例をモデル的に拡大
して示した平面図である。 １；経糸（金属細線被覆糸）、２；緯糸（金属
細線被覆糸）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯部が導電性金属細線からなり、鞘部が化合繊
   もしくは天然繊維からなる金属細線被覆糸が40
   本／吋以上の密度で、経糸及び緯糸に用いて製織
   されていることを特徴とする電磁波遮蔽織物。