JPH023083B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は焼却装置に関し、さらに詳しくは単一
のバーナを有する温度勾配が極めて大きな大形燃
焼室を備えた焼却装置に関する。産業的流体状廃
棄物（以下単に廃棄物と称す）を導入してその成
分を分解し、単純な無害のガス体に変えることに
よつて汚染度を減少させる焼却装置は公知であ
る。この種の焼却装置は熱再生原理を用いて燃焼
室又は酸化室内に発生した熱を、分解した廃棄物
が抽出されて排出用煙突に引込まれる以前に、そ
の大部分を回収するものである。米国特許第
3895918号はそのような熱再生装置の一例を開示
している。該装置において多数の熱交換セクシヨ
ンが中央の高温室の周りに配置されかつ高温の燃
焼室に連通している。夫々の熱交換セクシヨンは
熱交換ベツドを備え、該熱交換ベツドは孔のあい
た内・外側保持壁によつて囲われたセラミツク及
びその類似物（ストーン）からなる多数の耐火性
要素で形成される。浄化すべき廃棄物を輪形の取
入口ダクトに供給する。該ダクトは枝分れしたダ
クトを有して、夫々の分枝ダクトに設けた取入口
弁が開いた時に選ばれた一つの熱交換セクシヨン
に向けて廃棄物を分配する。こような装置におい
ては、熱交換ベツドは該熱交換ベツドが連通して
いる中央燃焼室内に生じた熱によつてその前後に
亘つて温度勾配を有していて、廃棄物が上記の熱
交換ベツドを往復するようにされている。

燃焼室は極めて大形でかつその底部に向けて単
一のバーナが配設されている。その結果燃焼室内
の温度は全く一様でなく、燃焼室の上部に向けて
温度が低くなり又バーナを備える底部の温度は高
い。従つて熱交換室を通して燃焼室に引込んだ廃
棄物の一部は該廃棄物の成分をほぼ完全に酸化す
るのに必要な温度に達することができず、このよ
うにして不完全燃焼した成分が残渣を残した儘で
煙突から出て行くことがあり得る。

上記の欠点を除去する可能な解決方法として、
燃焼室内の各場所に数個のバーナを使用すること
が考えられる。しかしこの方法は各バーナに夫々
弁、制御装置、熱検知器等を必要とするので比較
的費用のかかる解決方法である。さらに燃焼室内
に数個のバーナがあると燃焼室内の温度の均斉化
が期待できない。それどころか燃焼室内に温度勾
配の異なる数個の領域を作り出すことになる。又
夫々のバーナに燃焼用外気を必要とするが、この
外気温度は燃焼室内の必要温度に比較するとかな
り低い。

本発明の目的は温度の均斉度が極めて高く、従
つて焼却装置、殊に大容量の焼却装置の熱効率を
高め得る装置を提供することである。

本発明の別の目的は、酸化が不完全な産業的廃
棄物の大気中への漏洩を減少せしめることであ
る。

本発明の別の目的は他の手段によるよりも低費
用でできる均斉温度分布を有する焼却炉を提供す
ることである。

本発明の別の目的は他の多数バーナ装置に使用
されるよりも燃焼用外気を低減することによつて
装置の熱効率を高めた焼却装置を提供することで
ある。

本発明の図面、明細書及び請求の範囲を熟読す
れば、本発明の別の目的は当業者にとつて明確に
なるであろう。

本発明は有毒な廃棄物又は類似物を浄化するた
めの焼却装置において、燃焼室内でさらに均斉に
燃焼させるために廃棄物を燃焼室に供給する前に
該廃棄物に所定量の未燃焼燃料ガスを混合するも
のである。

本発明の熱再生型焼却装置は、その底部４８に
向けてバーナ４６を配設した中央の高温酸化室５
０を備え、該酸化室には多数の熱交換セクシヨン
（例えばセクシヨン１７）が連通している。セク
シヨン１７は孔のあいた前壁（図示せず）と後壁
１７ｂ間に保持したセラミツク要素又はストーン
１７ｃからなる熱交換ベツドを含む。産業装置か
らでた廃棄物を、輪形の取入口ダクト１４に連通
する取入口ダクト１２を介して１個以上のセクシ
ヨン１７に供給する。例えばダクト１５のような
垂直ダクトによつて輪形ダクトを外側保持壁１７
ｂの後側（即ち外側）の空間１７ｄに連結する。
空間１７ｄの下方に設けた垂直の取出口ダクト１
９によつて該空間１７ｄを出口弁２７を介して輪
形の出口ダクト４４に連結する。輪形の出口ダク
ト４４をダクト４２を介して排気フアン（図示せ
ず）に連結し、該排気フアンの出口を煙突に接続
する。ダクト１５に設けたソレノイド制御弁１３
でセクシヨン１７に対する廃棄物の供給量を調節
する。制御弁１３を開いて該制御弁１３に協同し
た出口弁２７を閉じると、出口ダクト４２を介し
て輪形の出口ダクト４４に連結した図示せぬ排気
フアンによつて中央の室５０内に生じた負圧に基
づき、熱交換ベツド１７ｅを介して廃棄物を空間
１７ｄから中央の焼却室５０に向けて都合よく引
込み、次に別の一つのセクシヨン１７と協同する
異なつた比較的低温の熱交換ベツドを介して焼却
装置から出す。

バーナ主供給管路４９に設けた取入口弁３４に
よつて、バーナ４６に例えば天然ガスのような燃
料を供給する。別の調節弁３６及び３８を取入口
弁と直列状に設け温度指示制御装置４５に接続す
る。上記制御装置４５を、燃焼室５０の円蓋４０
上に位置した熱電対型温度検知要素５４に直接接
続する。上記の熱電対型制御装置は、バーナ４６
に入る燃料ガスの流量を調節して作用温度を燃焼
室５０の上部において約787℃（1450〓）に合わ
せて維持するようにされていると好都合である。
又上記の熱電対型制御装置は一つの典型的な作動
パラメータにおいては760℃（1400〓）以下にバ
ーナを締めるように働らき、或は燃焼室５０の温
度が所定の最大値を越すとバーナを閉鎖するよう
に働らかすこともできる。バーナの口火となるパ
イロツトガスは主供給管路４９の取入口弁３４の
後方よりとり入れ、弁３２及び口火管路４７を介
した管路２３内を通してバーナに供給される。弁
３０は手動弁にすることができ、バーナ又は装置
全体を点検する際に該弁３０を閉める。

しかし燃焼室５０の高さが極めて高くて燃焼室
の底部４８に単一のバーナ４６があると、燃焼室
の底部の最高温度から上部の最低温度にわたつて
広範囲の温度不均斉を起し、熱交換ベツド１７ｅ
の左側から右側に通過する廃棄物の一部は完全な
燃焼をしない。従つてそのような廃棄物が燃焼室
５０を通過すると、最終的には浄化された廃棄物
と一緒に輪形の出口ダクト４４を通つて装置外に
排出される怖れがある。

このため、本発明によれば燃料ガスの一部を分
岐管２３を経て主供給管路４９からそらせて、侵
入して来る廃棄物と共に燃焼室５０に供給され
る。分岐管２８には符号２８で概略的に示した制
限孔を設けて、装置の作動を５−６％LET（爆発
下限点）に制限する。又分岐管２３は温度指示制
御装置４５に連結したソレノイド制御の安全弁２
４及び２６を備えて、内部の温度が少なくとも
760℃（1400〓）に達するまでは燃料ガスが直接
燃焼室５０内に供給されないようにする。上記の
温度によつて燃焼室５０に供給された生ガスを自
然発火させると共に爆発を防止する。

安全弁２４に引続いて調節弁２２と該調節弁の
作動装置２０を設け、作動装置２０を温度記録制
御装置１８によつて制御する。又制御装置１８を
天蓋４０に配設した第２の熱電対温度検知要素５
２に接続する。

又上記の制御装置１８を温度指示制御装置４５
に接続し、又制御装置１８の作動温度を制御装置
４５の作動温度以上、即ち787℃（1450〓）以上
に設定する。制御装置１８を上記のように設置す
るので制御装置４５を無視することができ、制御
装置１８の最低警報点は少なくとも制御装置４５
の最低設定点よりも高い。従つて調節弁装置２０
及び２２によつて例えば生の天然ガスでさえも輪
形の取入口ダクト１４の廃棄物の流れ中にあるガ
ス分配器即ち多岐管１６に供給して、中央の燃焼
室５０内を815℃〜871℃（1500〓〜1600〓）の温
度にししかもその温度を保つことができる。これ
と同時にバーナ４６は、それに協同した制御装置
が例えば温度が787℃（1450〓）を越すとメイン
ガスの供給を少なくするように調節してあるので
下火になる。このようにして最小量の外気を使用
して、化学量論的に燃焼空気の大部分をバーナに
供給するのは廃棄物と云うことになる。

本発明の装置を、殊に燃焼室の容積が大きく又
加熱源が局地化した焼却炉に使用すると極めて好
都合である。そのような装置においては燃焼室に
亘つて温度勾配が大きいので、供給された廃棄物
の少なくとも一部分が不完全燃焼を起す。廃棄物
を燃焼室に供給する以前に一部の燃焼ガスと廃棄
物を混合すると、燃焼室に亘つて均斉化した混合
物を均斉に自然発火させることができる。このこ
とによつて問題解決のために多数のバーナを使う
ことがさけられ、又低温外気の必要性が多数のバ
ーナを使用した場合よりも減少する。殊に一旦簿
いガス燃料を加えるとメインバーナが通常低温で
燃焼させ、又最小量の燃焼用外気で化学量論的に
作動するのでさらに熱効率が高くなる。

本発明の全体的範囲に包含される装置の他の変
更態様は、本発明の明細書と添付図面を熟読すれ
ば当業者が容易に想到できるであろう。本発明は
その請求範囲によつてのみ限定されるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明にかかる焼却装置の部分縦断面図で
ある。 １６……混合手段、１８，２０，２２……第２
調節手段、２３……第２供給手段、３６，３８，
４５……第１調節手段、４６……バーナ、４９…
…第１供給手段、５０……燃焼室、５２……第２
温度検知手段、５４……第１温度検知手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 主加熱源によつて加熱された燃焼室を有して
   供給された有毒或は汚染した流体状廃棄物を浄化
   する焼却装置であつて、(イ)上記燃焼室５０内の温
   度が所定の値に達したことを検出する検知手段５
   ２，５４と、(ロ)温度が上記の所定値に達したこと
   を検出した時に上記燃焼室に供給した流体状廃棄
   物に可燃性の燃料ガスを混合して、上記燃焼室全
   体に亘つて上記混合物を均斉に燃焼させる混合手
   段１６とを備えたことを特徴とする焼却装置。 ２ 上記燃焼室内で上記混合物が燃焼する時に、
   主加熱源によつて生じた熱を減少せしめる手段を
   備えた特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 上記主加熱源が供給されたガスを燃やすバー
   ナ４６であつて、又上記混合手段が、上記燃料ガ
   スの一部を受取ると共に上記焼却装置に向けての
   流体状廃棄物の流出物中に該燃料ガスをほぼ均斉
   に分配する分配装置を備えた特許請求の範囲第１
   項記載の装置。 ４ 上記燃焼室内の温度が所定の値を超過した時
   に、上記燃料ガスと上記流体状廃棄物との混合を
   防止する手段を備えた特許請求の範囲第３項記載
   の装置。 ５ 有毒な流体状廃棄物等を酸化させる熱再生焼
   却装置であつて、(イ)燃焼室５０と、(ロ)上記燃焼室
   を加熱する燃料ガスバーナ４６と、(ハ)上記燃焼室
   内に設けた第１温度検知手段５４と、(ニ)上記燃料
   ガスを上記バーナに供給する第１供給手段４９
   と、(ホ)上記検知手段と協同して燃焼室内の温度の
   函数として上記燃焼室に供給された燃料ガスの量
   を調節する第１調節手段３６，３８，４５と、(ヘ)
   上記供給手段と協同して上記燃料ガスと上記流体
   状廃棄物とを混合する混合手段１６と、(ト)上記燃
   料ガスを上記混合手段に供給する第２供給手段２
   ３と、(チ)上記燃焼室内に設けた第２温度検知手段
   ５２と、(リ)上記第２温度検知手段及び上記第２供
   給手段に連結して、上記第２温度検知手段で検知
   した上記燃焼室内の温度の函数として上記混合手
   段１６に対する上記燃料ガスの供給を調節する第
   ２調節手段１８，２０，２２とを備えたことを特
   徴とする熱再生焼却装置。 ６ 上記第１調節手段と上記第２調節手段の作用
   を整合させた特許請求の範囲第５項記載の装置。 ７ 上記第２供給手段内の燃料ガスの最高流量を
   制御する制御装置を設けた特許請求の範囲第６項
   記載の装置。 ８ 上記第１及び第２温度検知手段が上記燃焼室
   内に設けた熱電対であつて、上記第１及び第２調
   節手段が上記夫々の熱電対に結合した調節弁及び
   制御装置を夫々備えた特許請求の範囲第５項記載
   の装置。