JPH0229003B2 - - Google Patents

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JPH0229003B2
JPH0229003B2 JP59124139A JP12413984A JPH0229003B2 JP H0229003 B2 JPH0229003 B2 JP H0229003B2 JP 59124139 A JP59124139 A JP 59124139A JP 12413984 A JP12413984 A JP 12413984A JP H0229003 B2 JPH0229003 B2 JP H0229003B2
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JP
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binder
mold
powder
drying
curing
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JP59124139A
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JPS612507A (ja
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Toyoji Fuma
Kazuyuki Nishikawa
Tadashi Makiguchi
Mitsuo Kawaguchi
Masayuki Asai
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Sintokogio Ltd
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Sintokogio Ltd
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Publication of JPH0229003B2 publication Critical patent/JPH0229003B2/ja
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は多孔性型とりわけ型全体にわたり微細
な気孔が連通分散していることにより、型全体に
わたり良好な通気性、通水性を持ち、型表面ある
いはキヤビテイー内の空気、ガス並びに水の除去
効果が高い多孔性耐久型の製造方法に関する。 (従来技術) 従来、液状又はスラリー状試料を型に流し込ん
で陶器、陶磁器で代表されるセラミツク製品、或
いはプラスチツク製品、ゴム製品などを成形する
方法、またプラスチツク製品を型を用いてブロー
成形法或いは真空成形法により成形する方法は一
般に広く行われている。 しかし、これらの成形に用いる型は次のような
特性を満足する必要があるが、従来はこれらの要
求を満す実用的な型がなかつた。即ち、 成形に耐え得る充分な機構的・化学的特性を
備え、でるだけ多数回にわたり使用でき、生産
サイクルが高いこと。 良好な表面性状を備え、複雑形状に対応でき
る転写性を有すること。 型の大型化が容易で、しかも寸法精度が良い
こと。 型の製作が容易で、安価にかつ短期間で型が
得られること。 型表面あるいはキヤビテイー内の空気、ガ
ス、水等の除去が適確に行えること。 等である。 例えば、陶器や陶磁器の素地を成形するための
型として、従来石膏型が用いられており、この型
の通水性により泥漿(スリツプ)の水分を吸収し
成形物を得ているが、周知の如く、石膏型は強度
が低く、耐摩耗性に乏しく、泥漿に対し化学的に
安定性がないため、型としての耐久性がなかつ
た。また、使用中に型の肌が荒れ成形品がきれい
になりにくく、強度が低いため大型化に適さない
などの問題があつた。 従つて、前記、の条件は満すことはできて
も、、の条件を満すことはできなかつた。
また、プラスチツクやゴム等の成形品を得る場合
には液状或いはスラリー状試料を金型キヤビテイ
内に流し込み、所定の圧力で加圧を行つて成形す
るが、この際、金型キヤビテイ内の残留空気を確
実に排除できないために前記の条件を満すこと
がむずかしく、良表歩留りが低下したり、頻度な
バリ取り作業を要するなどの不具合いが生じ、ま
た金属製の型であることにより前記の条件を
満すことができない。 また、シート状の熱可塑性プラスチツプを加熱
軟化させてのち型表面に作用する吸引作用により
型表面に延伸密着させて成形を行う真空成形法と
よばれる成形方法は比較的簡易な設備で能率よく
大型の成形品を得ることができる利点から広く実
施されている。そしてこの成形方法に用いる型は
多数個の吸引用の小孔を設けた木型、石膏型、樹
脂型および金型等が使用されている。 しかし、木型や石膏型の場合、型の製作および
吸引用の小孔を設けることは容易であり、比較的
短期間で製作することができるが、型強度が弱
く、また、木型においては、加熱、冷却の繰返し
により変形やわれが発生しやすいため、耐久性に
乏しく、石膏型においても加熱の繰返しにより表
面が焼石膏となり剥離を生ずるため、やはり耐久
性に乏しい。 同様の理由で、型の大型化はできても、共に寸
法精度を期待することができない。 更に、木型にあつては表面に細かい複雑な模様
を施すことは困難であり、石膏型にあつては耐摩
耗性がないため、同様な模様を繰返し維持するこ
とは困難である。従つて、、の条件は満すも
のの、、の条件を満すことはできない。 また、樹脂型や金型の場合、耐久性、寸法精
度、表面性状等は良好であるが、型の大型化には
問題があり、しかも高価かつ製作に時間を要す。
更に、吸引用の小孔を多数設けることは容易でな
く、どうしても最小限の位置にしか設けないため
成形に問題を生ずる場合もある。従つて、、
の条件は満すものの、、の条件を満すこと
はできない。 (発明の目的) 本発明は上記したような従来の成形型の不具合
を解消し、多数回の使用に耐える良好な強度や耐
摩耗性と共に、良好な表面性状、耐食性、寸法精
度を備え、複雑かつ大型形状に対応しやすく、し
かも型全体に通気性を有し型キヤビテイ内や成形
材料中の空気、ガス、水等の除去を効果的に行
え、さらに製作を簡単かつ安価に行えるこの種の
多孔性耐久型の製造方法を提供することにある。 (発明の構成) 本発明は、耐熱性粉末に乾燥、焼成過程で蒸発
する成分を含む粘結剤を添加、混合して湿潤状態
或いはスラリー状態の試料を作成する工程と、前
記湿潤状態或いはスラリー状態にある試料を押圧
成形或いは流し込み成型する工程と、前記工程で
成形された成形体を酸化性雰囲気中で焼成する工
程と、前記工程により得られた焼成体に乾燥又
は/及び硬化過程で蒸発する成分を含むバインダ
ーを含浸する工程と、前記工程で含浸されたバイ
ンダーを常温下又は/及び加熱下において乾燥、
硬化する工程と、から成ることを特徴とする多孔
性耐久型の製造方法を第1発明とし、また、耐熱
性粉末に乾燥、焼成過程で蒸発する成分を含む粘
結剤を添加、混合し、さらにこれに補強繊維を加
えて湿潤状態或いはスラリー状態の試料を作成す
る工程と、この湿潤状態或いはスラリー状態にあ
る試料を押圧成形或いは流し込み成形する工程
と、前記工程で成形された成形体を酸化性雰囲気
中で焼成する工程と、前記工程により得られた焼
成体に乾燥、硬化過程で蒸発する成分を含むバイ
ンダーを含浸する工程と、前記工程で含浸された
バインダーを常温下又は/及び加熱下において乾
燥、硬化する工程と、から成ることを特徴とする
多孔性耐久型の製造方法を第2発明とするもので
ある。 本発明は、第1に耐熱性粉末よりなる骨材と粘
結材を配合し、湿潤状態あるいはスラリー状態の
試料を得る工程と、第2に前記湿潤状態あるいは
スラリー状態の試料を押圧成形または流し込み成
形する工程と、第3に前記工程により得られた成
形体を乾燥し、酸化性雰囲気中で焼成する工程
と、第4に前記工程により得られた焼成体に乾燥
又は/及び硬化過程で蒸発する成分を含むバイン
ダーを含浸する工程と、第5に前記工程で含浸さ
れたバインダーを乾燥、硬化する工程から成る。 第1の試料を得る工程は耐熱性粉末よりなる骨
材、或いはこれに補強繊維を十分混合撹拌したも
のに、蒸発又は焼失する成分を含む粘結剤、例え
ばエチルシリケートなどのシリカゾルやコロイダ
ルシリカ、ウレタン樹脂、フエノール樹脂などの
1種又は2種以上を添加、混合して十分撹拌する
ことからなる。ここで耐熱性粉末よりなる骨材と
しては、鉄、ニツケル、クロム、マンガン、モリ
ブデン、銅などの金属系粉末、ムライト、アルミ
ナ、クロマイト、シリカ、ジルコン、マグネシ
ヤ、滑石などのセラミツク系粉末を用いることが
でき、これらはそれぞれ単独で使用することがで
きるが、金属系粉末同志、セラミツク系粉末同
志、あるいは金属系粉末とセラミツク系粉末をそ
れぞれ混合して使用することもできる。更に、金
属系粉末は前記の如く、単独、混合の他、合金を
粉末にしたものでもよい。 なお、金属系粉末を使用すれば、得られた多孔
性耐久型の熱伝導性は良好となり、又金属系粉
末、あるいはこれにセラミツク系粉末を混合して
もちいれば、得られる型の強度は他の骨材を使用
したものに比べて一般的に上昇するが、焼成後の
寸法変化が大きくなり、型重量が重くなるといつ
た不都合が生じる。 そして、これらの粒子径は一般に最大寸法で2
〜500μのものが使用できる。これは粒子径が小
さいほど型の表面性状、転写性の面から好ましい
が、小さすぎると焼成時にクラツクが入りやすく
反面粒子径が大きすぎると型の表面性状や転写性
が悪くなるためである。したがつて、得ようとす
る型の模様や要求される表面性状によつては上記
範囲をこえても使用できる。 補強繊維としては一般に鋼系のものが適当とい
える。特に、ステンレス系の鋼繊維は焼成工程並
びに型の使用時に腐食しにくく、強度的に補強効
果が高いからである。 これ以外の補強繊維、たとえば通常の鋼繊維、
黄銅繊維等の金属系繊維、ガラス繊維、アルミナ
繊維等のセラミツク系繊維、カーボン繊維などを
用いても補強効果は得られ、亀裂防止、変形防止
などにも効果的である。たとえば、ガラス繊維は
粘結剤との接着性が良いため大きな補強効果が期
待できる。 使用する繊維長さは0.1mm〜30mm、太さ1μ〜
400μ程度のものがよく、これらのなかから適宜
選択すれば良い。 粘結剤の骨材に対する配合割合は重量割合で粘
結剤1部に対し骨材(2〜20)部が好ましい。 この配合割合より粘結剤が少ないと成形体の強
度が低く、焼成までの取扱いが厄介でかつ表面性
状が若干低下する。なお、押圧成形の場合には圧
力を充分かけることによつて粘結剤の配合割合を
前記値よりも低くしても良い。一方、粘結剤の割
合が前記範囲を越える場合にはスラリー状試料中
で骨材の偏析が生じ焼成時には歪や割れが発生し
やすく、精密な型の製作には適当でない。したが
つて、それほど精密性を必要としない型の場合に
は前記範囲をこえて使用しても良い。補強繊維の
骨材に対する配合割合は容量割合で骨材100部に
対し1〜20部が適当である。この配合割合より少
ないと補強効果が期待できず、逆に多いとフアイ
バーボールが発生し骨材との均一な混合が難しく
なる。 前記第2の成形工程はマスター型に型枠をセツ
トしてマスター型と型枠とによつて形成された空
間内に前記第1工程で得られた湿潤状態或いはス
ラリー状態の試料を投入し、所定時間放置するこ
とにより硬化させる。 この際、硬化促進のため、硬化剤を加えたり、
冬期においては25〜35℃程度に加温して化学的に
硬化反応を速めることも効果的である。 また、投入後型枠内での充填性を向上させかつ
型面の表面性状を良くするため、スタンピング、
プレス、振動を行うことも有効である。マスター
型はその表面に所望形状の模型或いは現物型を有
するものであり、木製、石膏製、樹脂製、金属
製、さらには天然のものでも使用できる。なお、
投入する試料は湿潤状態のもので充填性を向上さ
せる必要がある場合には、押圧成形の圧力を充分
かけるため型の強度が必要となり樹脂製或いは金
属製のマスター型を用いる必要がある。 また、前記試料を作成する工程において、粘結
剤の割合が少ないと得られた試料は湿潤状態とな
りスラリー状態のものに比べて流動性が悪く十分
に充填できないため、振動を加えたり、スタンピ
ングしたい或いはプレスしたりする必要がある。 振動は0.5〜2.5G程度の振動加速度、プレス圧
力は面圧で3Kg/cm2〜100Kg/cm2程度が適当であ
る。第3の焼成する工程は型枠内に投入された試
料を硬化後、マスター型と離型し乾燥してのち酸
化性雰囲気中で焼成することにより行われる。 乾燥は直後バーナー等で着火させて行うことが
できるが、形状によつては急激な乾燥により割れ
を生ずる場合があるため、乾燥機に入れて徐々に
乾燥することが望ましく、これは焼成時の割れや
歪を防止するうえで必要である。この乾燥工程に
より粘結材中のアルコール、水等が蒸発し、骨材
粒子間に極めて微細な気孔ができ多孔質化され
る。 焼成は電気炉あるいはガス炉、重油炉等を用い
て積極的に空気、酸素を補給しながら又は大気下
における酸化性雰囲気中で行うことが望ましい。
焼成温度は200℃〜1500℃の範囲から適宜選定す
ることができる。一般的には高温ほど高い強度が
得られかつ長時間焼成した方が高強度となる。し
かし、焼成温度と焼成温度はエネルギー費や生産
性又は型サイズ及び要求される特性等を考慮し決
定する必要がある。 この焼成により粘結剤中のアルコール、水若し
くはウレタン樹脂、フエノール樹脂等の成分は蒸
発又は焼失し骨材粒子間には極めて微細な気孔が
形成されて多孔質化がさらに促進されるとともに
骨材粒子同志は互いに結合し多孔性の焼成体が得
られる。 特に、粘結材としてエチルシリケートやコロイ
ダルシリカを用いた場合、これらに含まれて焼成
後残存するシリカ分により骨材粒子同志強く接着
結合される。また、骨材に金属粉末、或いはこれ
にセラミツク粉末を混合したものを使用すると、
焼成時金属粉末は酸化し、金属粉末同志或いは金
属粉末とセラミツク粒末は酸化焼結的な結合が進
行することにより強度の高い焼成体が得られる。 第4の含浸する工程は前記工程で得られた焼成
体に蒸発する成分を含むバインダーを大気圧下又
は加圧下で含浸させることにより行われる。 ここでいうバインダーとは第1の常温下または
加熱下で反応硬化性を有する単量体化合物、オリ
ゴマー、プレポリマー等の1種類または数種類を
組合わせたものから成り、さらに詳述すると、フ
エノールとホルマリンをアルカリ触媒下で反応さ
せることによつて得られるオリゴマー状態、即ち
このオリゴマー状態にあるレゾール系の液状フエ
ノール樹脂、およびこれに有機酸あるいは無機酸
を加え常温硬化タイプとしたもの、またポリエス
テル系あるいはポリエーテル系等のポリオールと
トリレンジイソシアネートあるいはジフエニルメ
タンジイソシアネート等の混合状態若しくはプレ
ポリマー状態等にあるいわゆる液状ウレタン樹
脂、およびこれにアミン系又は/及び有機金属系
触媒を加え硬化特性を改善したもの、また無水マ
レイン酸等の二塩基酸とエチレングリコール等の
多価アルコールを反応させることにより得られる
アルキツド樹脂をスチレンモノマー等の単量体に
溶解し、更にメチルエチルケトンパーオキサイド
等の硬化触媒を加えた液状ポリエステル樹脂およ
びこれにナフテン酸、コバルト等の硬化促進剤を
加え常温硬化特性を改善したもの、またエピクロ
ルヒドリンと多価フエノールや多価アルコールと
を反応させて得られるビスエポキシ繊維とジエチ
レントリアミンなどの脂肪族アミン類或いはメタ
フエニレンジアミン等の芳香族アミン類或いは無
水フタル酸、メチルナジツク酸などの有機酸無水
物よりなる液状エポキシ樹脂などが適当である。 そしてこれらの樹脂はたとえば、接着剤、固着
剤、塗料、樹脂等公知の市販品の中から適宜選
択、使用することができる。 また、前記樹脂の他に常温下または加熱下で反
応硬化性を有する前記したような用途に使用され
得る単量体、オリゴマー、プレポリマー等の1種
または数種類を組合わせたものからなる樹脂、例
えばアミノ樹脂、アルキツド樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂などでも良い。そして、これらのバイ
ンダーは後述する成分により希釈されて低粘度化
し、前記焼成体の微細な空〓に含浸、浸透したの
ち、蒸発成分が蒸発するとともにバインダーが反
応硬化し固形化することにより骨材粒子間の結合
力は増大し、焼成体は含浸する前の強度に比べて
大巾に上昇する。また、第2には溶剤可溶性の有
機高分子物質がこれにあたる。ここに有機高分子
物質は塩化ビニール、酢酸ビニール、スチレン、
メタクリル酸エステル等のビニール基を有する単
量体の1種類あるいは数種類を重合させて得られ
る塩化ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂、ポリス
チレン樹脂、アクリル樹脂、などのビニール系樹
脂、セルロースの酢酸エステル化および加水分解
により得られる酢酸セルロースで代表されるセル
ロース誘導体などが適当である。 また、第3にはケイ酸ナトリウム等の水ガラス
系のものがあげられる。これば結晶水を含み加熱
により消失し固形化する性質を有している。そし
て、これらのバインダーは後述する蒸発する成分
により希釈されて低粘度化し前記焼成体の微細な
気孔に含浸、浸透したあと前記蒸発する溶剤成分
が蒸発するとともに焼成された骨材粒子の界面及
び表面においてバインダーが硬化し固形化するこ
とにより骨材粒子間の結合力は増大し焼成体は含
浸する前の強度に比べて大巾に上昇する。 前記蒸発する溶剤成分はバインダーを溶解しか
つバインダーの固形化を阻害することなく蒸発し
やすいものである必要があり、バインダーの種類
により選択する必要がある。多くの場合、有機系
の溶剤が用いられる。 また、添加量についてもバインダーの種類、粘
度及び重合度等に応じて若干異なるが、常圧で含
浸する場合は粘度が1ポイズ以下、減圧或いは加
圧方式で含浸する場合は、20ポイズ以下程度にな
るように調整すべきである。 また、溶剤成分はバインダーとしてフエノール
樹脂を用いた場合はメタノール等のアルコール類
やアセトン、トルエンが適当であり、ウレタン樹
脂には酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケト
ン、トルエン等が良く、ポリエステル樹脂にはア
セトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸
ブチル等が用いられ、エポキシ樹脂にはメタノー
ル等のアルコール類、トルエン、キシレン等が良
い。またビニール系樹脂には酢酸エチル、メタノ
ール、トルエン、キシレン、アセトン等が適当で
ありセルロース誘導体にはアセトン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等が良い。この蒸発成分の作用は
バインダーと溶解することにより焼成しやすい粘
度に調整する役割の他に焼成体の無数の連続する
微細な気孔にバインダーと共に浸透し、この無数
の気孔の一部又は全部を満したのちバインダーを
残留したまま蒸発してしまうことによつて再び微
細な気孔を発生させることにある。したがつて、
この微細な気孔は蒸発する成分を含むバインダー
に満され一度に消滅するが、蒸発する成分が内部
より表面にむかつて蒸発し去ることにより、再び
連続する微細な気孔が現われる。含浸は常圧下及
び減圧、加圧下で行われる。常圧下で行う方法に
は、デイツピング法、スプレー法、ハケぬり法が
ある。 デイツピング法は浸漬時間を長くすることによ
り内部まで含浸させることができる。なお、内部
まで充分含浸させようとする場合は、焼成体の全
てをバインダー浴中に浸漬することなく、焼成体
中における気孔内の空気が排除され易いように一
部を大気中に露出させておき毛細管現象により含
浸した方が効果的である。スプレー法、ハケぬり
法は焼成体の所望の表面層のみ含浸する場合に適
当である。この方法の場合、バインダーの粘度、
かさねぬり回数等により異なるが、概略、表面か
ら1〜10mm程度含浸させることができる。 特に、内部まで完全に含浸させる必要のある場
合あるいは高粘度状態の蒸発する成分を含むバイ
ンダーを使用する場合には減圧・加圧状態下で含
浸させた方が良い。 具体的には圧力容器中に蒸発体を入れて密封し
たあと、容器内を吸収減圧してこの要器内及び焼
成体中における気孔内の空気を除去する。次い
で、容器内へ蒸発する成分を含むバインダーを注
入し焼成体を完全に浸漬するとともに直ちに容器
内を加圧することによつてバインダーを焼成体中
へ完全に含浸させる。 この減圧・加圧法によれば、肉厚の厚いもので
あつても、又高粘度状態のバインダーでも充分含
浸することが可能である。 第5の含浸されたバインダーを乾燥、硬化する
工程は常温下において放置し或いは加熱すること
により溶液中の蒸発成分を蒸発させるとともにバ
インダーを反応硬化し固形化することにより行
う。 一般に、蒸発及びバインダーの固形化は温度が
高い方が促進される。したがつて、この工程は70
℃〜200℃に加熱しながら行うのが普通であるが、
反応硬化タイプ以外のもの、すなわち溶剤に溶解
したあと、再びこの溶剤を蒸発させることにより
析出、固形化するような有機高分子物質をバイン
ダーとして用いた場合、あるいは反応硬化タイプ
のものであつても、例えば酸触媒を加えたフエノ
ール樹脂や硬化促進剤を加えたポリエステル樹脂
のように常温でも硬化する特性を有するものをバ
インダーとして使用した場合には、常温下におい
ても乾燥、硬化することができる。また、このよ
うに硬化時、特に加熱を必要としないようなバイ
ンダーを使用した場合でも、若干加熱した方がバ
インダーの効果を充分発揮させて固形化を促進す
るのに役立つ。 次に、本発明を具体的実施例により詳細に説明
する。
【表】 実施例 1 セラミツク粉末である合成ムライト粉(粒径
104μアンダー)に、粘結剤として硬化触媒を含
むエチルシリケートを重量配合比で3:1の割合
に配合し、更にこの配合のものに補強繊維として
太さ0.2mm、長さ7mmのステンレス繊維を容量割
合で2容積(vol)%添加混合して作成したスラ
リー状の試料を、内径20mm×長さ40mmの3個の円
筒体にそれぞれ30秒間程1.5Gの振動を附与しな
がら流し込み所定時間静置して硬化したあと、硬
化、成形された成型体を各円筒体からそれぞれ取
出し、次いで、この成型体を大気中で48時間自然
乾燥したあと、酸化性雰囲気中の電気炉内に装入
し焼成温度600℃で6時間焼成を行い直径20mm×
長さ40mmの円柱状の焼成体を3個得た。一方、バ
インダーであるフエノール樹脂に溶剤としてメタ
ノールを加えて不揮発分10%、22%、45%の3種
類の希釈溶液を作り、この各溶液中に前記3個の
焼成体をその上面が大気に露出するように浸漬し
て焼成体全面にわたつてフエノール樹脂溶液をそ
れぞれ含浸した。含浸後、大気中にて24時間自然
乾燥して蒸発成分の一部を蒸発させてのち電気乾
燥機中に装入し温度150℃で2時間加熱し蒸発成
分の残部を蒸発させるとともにバインダーをその
反応硬化により固形化させ、圧縮強度試験片を3
個得た。 また、他の条件は同じにして焼成温度を200℃、
900℃、1100℃、1350℃、の各温度でそれぞれ焼
成した焼成体を前記不揮発分10%、22%、45%の
各希釈溶液中にそれぞれ含浸させ、圧縮強度試験
片を12個得た。 これらの試験片の焼成温度と圧縮強度の関係を
第1図に示す。 実施例 2 金属系粉末として粒度74μアンダーの鋳鉄粉と
セラミツク粉末として粒度149μアンダーの合成
ムライト粉を重量配合比で1:1の割合に配合
し、この鋳鉄粉と合成ムライト粉の合計重量に対
して硬化過程で蒸発する成分を含む粘結剤として
エチルシリケートを重量配合比で5:1の割合に
配合し、さらにこの配合のものに鋼繊維として太
さ0.2mm、長さ7mmのステンレス繊維を容量割合
で2容%添加混合して作成したスラリー状の試料
を、内径20mm×長さ40mmの3個の円筒体にそれぞ
れ45秒間程1.5Gの振動を附与しながら流し込み
所定時間静置して硬化したあと、硬化、成形され
た成型体を各円筒体からそれぞれ取出し、次い
で、この成型体を大気中で48時間自然乾燥したあ
と、酸化性雰囲気中の電気炉内に装入し焼成温度
200℃で6時間焼成を行い直径20mm×長さ40mmの
円柱状の焼成体を3個得た。一方、バインダーで
あるエポキシ樹脂に溶剤としてメタノールを加え
て不揮発分10%、20%、40%の3種類の希釈溶液
を作り、この各溶液中に前記3個の焼成体をその
上面が大気に露出するように浸漬して焼成体全面
にわたつてエポキシ樹脂溶液をそれぞれ含浸し
た。 含浸後、大気中にて24時間自然乾燥して蒸発成
分の一部を蒸発させてのち電気乾燥機中に装入し
温度100℃で2時間加熱し蒸発成分の残部を蒸発
させるとともにバインダーをその反応硬化により
固形化させ、圧縮強度試験片を3個得た。 また、他の条件は同じにして焼成温度を600℃、
900℃、1350℃の各温度で焼成した焼成体を前記
不揮発分10%、20%、40%の各希釈溶液中にそれ
ぞれ含浸し、圧縮強度試験片9個を得た。 これらの試験片の焼成温度と圧縮強度の関係を
第2図に示す。 実施例 3 金属系粉末である還元鉄粉(粒径61μアンダ
ー)に、粘結剤として硬化触媒を含むエチルシリ
ケートを重量配合比で7:1の割合に配合し、更
にこの配合のものに補強繊維として太さ0.2mm、
長さ7mmのステンレス繊維を容量割合で2容積%
添加混合して作成したスラリー状の試料を、内径
20mm×長さ40mmの3個の円筒体にそれぞれ60秒間
程1.5Gの振動を附与しながら流し込むとともに
スタンピングを行つて充填し、所定時間静置して
硬化したあと、硬化、成形された成型体を各円筒
体からそれぞれ取出し、次いで、この成型体を大
気中で48時間自然乾燥したあと、酸化性雰囲気中
の電気炉内に装入し焼成温度600℃で6時間焼成
を行い直径20mm×長さ40mmの円柱状の焼成体を3
個得た。一方、バインダーであるアクリル樹脂に
溶剤として酢酸エチルを加えて不揮発分8%、19
%、30%の3種類の希釈溶液を作り、この各溶液
中に前記3個の焼成体をその上面が大気に露出す
るように浸漬して焼成体全面にわたつてアクリル
樹脂溶液をそれぞれ含浸した。含浸後、大気中に
て24時間自然乾燥して蒸発成分の一部を蒸発させ
てのち電気乾燥機中に装入し温度70℃で2時間加
熱し蒸発成分の残部を蒸発してバインダーを硬化
させ、圧縮強度試験片を3個得た。 また、他の条件は同じにして焼成温度を200℃、
900℃、1350℃の各温度でそれぞれ焼成した焼成
体を前記不揮発分8%、19%、30%の各希釈溶液
中にそれぞれ含浸させ、圧縮強度試験片9個を得
た。これらの試験片の焼成温度と圧縮強度の関係
を第3図に示す。 実施例 4 金属系粉末として粒度43μアンダーのニツケル
粉とセラミツク粉末として粒度104μアンダーの
ジルコン粉を重量配合比で1:1の割合に配合
し、このニツケル粉とジルコン粉の合計重量に対
し硬化過程で蒸発する成分を含む粘結剤としてエ
チルシリケートを重量配合比で8:1の割合に配
合し、さらにこの配合のものに太さ30μ、長さ
100μのガラス繊維を容量割合で5容積%添加混
合して作成したスラリー状の試料を、内径20mm×
長さ40mmの円筒体に60秒間程1.5Gの振動を附与
しながら流し込みさらにスタンピングを行つて充
填し、所定時間静置して硬化したあと、硬化、成
形された成型体を円筒体から取出し、次いで、こ
の成型体を大気中で48時間自然乾燥したあと、酸
化性雰囲気中の電気炉内に装入し焼成温度900℃
で6時間焼成を行い直径20mm×長さ40mmの円柱状
の焼成体を得た。 一方、バインダーである酢酸セルロースに溶剤
として酢酸エチルを加えて不揮発分10%の希釈溶
液を作り、この溶液中に焼成体をその上面が大気
に露出するように浸漬して焼成体全面にわたつて
酢酸セルロース溶液を含浸した。 含浸後、大気中にて24時間自然乾燥して蒸発成
分の一部を蒸発させてのち電気乾燥機中に装入し
温度70℃で2時間加熱し蒸発成分の残部を蒸発し
てバインダーを硬化させ、圧縮強度試験片を得
た。また、他の条件は同じにして焼成温度のみ
135℃に替えてそれぞれの圧縮強度試験片を得た。
この試験片の焼成温度と圧縮強度の関係を第4図
に示す。 実施例 5 前記実施例4においてニツケル粉を粒度20μア
ンダーのクロム粉に、ジルコン粉を粒度53μアン
ダーのアルミナ粉に変えて、またこれらのクロム
粉とアルミナ粉の合計重量に対する、エチルシリ
ケートの割合を重量配合比で6:1とした以外は
前記実施例4と同じにした。 得られた試験片の焼成温度と圧縮温度の関係を
第4図に示す。 実施例 6 前記実施例4においてニツケル粉を粒度10μア
ンダーのモリブデン粉に、ジルコン粉を粒度
104μアンダーのシリカ粉にし、またこれらのモ
リブデン粉とシリカ粉の合計重量に対するエチル
シリケートの割合を重量配合比で5:1としさら
に焼成温度をそれぞれ200℃、900℃、1350℃とし
た以外は前記実施例4と同じにした。得られた試
験片の焼成温度と圧縮強度の関係を第4図に示
す。 実施例 7 前記実施例4においてニツケル粉を粒度20μア
ンダーのマンガン粉に、ジルコン粉を粒度104μ
アンダーの合成ムライト粉にし、またこれらのマ
ンガン粉と合成ムライト粉の合計重量に対するエ
チルシリケートの割合を重量配合比で6:1とし
さらに、焼成温度を200℃、900℃、1350℃とした
以外は前記実施例4と同じにした。 得られた試験片の焼成温度と圧縮強度の関係を
第4図に示す。 実施例 8 金属系粉末として粒度43μアンダーの還元鉄粉
とセラミツク粉末として粒度149μアンダーの合
成ムライト粉を重量配合比で55:45の割合に配合
し、この還元鉄粉と合成ムライト粉の合計重量に
対して硬化過程で蒸発する成分を含む粘結剤とし
てコロイダルシリカを重量配合比で4.5:1の割
合に配合し、さらにこの配合のものに鋼繊維とし
て太さ0.1mm、長さ6mmのステンレス繊維を容量
割合で2容積%添加混合して作成したスラリー状
の試料を、幅20mm×長さ120mm、深さ20mmの枠体
内へ1.5Gの振動を附与しながら流し込み所定時
間静置して硬化したあと、硬化、成形された成型
体を枠体から取出し、次いで、この成型体を大気
中で48時間自然乾燥したあと、酸化性雰囲気中の
電気炉内に装入し焼成温度600℃で12時間焼成を
行い焼成体を得た。 一方、バインダーであるフエノール樹脂に溶剤
としてメタノールを加えて不揮発分40%の希釈溶
液を作成した。ここで、前記焼成体を圧力容器内
に入れて容器内を−750mmHgまで減圧してのち、
この圧力容器内へ前記希釈溶液を注入して焼成体
を完全に浸漬し、次いで直ちに5Kg/cm2の空気圧
を炉前記希釈溶液上面に作用して希釈溶液を確実
に焼成体に含浸した。含浸後、大気中に取り出し
24時間自然乾燥させて蒸発成分の一部を蒸発させ
たのち、電気乾燥機に入れて180℃で3時間加熱
して蒸発成分の残部を蒸発するとともにバインダ
ーをその反応硬化により固形化させ抗折力試験片
を得た。この試験片の焼成温度と抗折強度の関係
を第5図に示す。 実施例 9 補強繊維を除いた以外は実施例8と同じにし
た。得られた試験片の焼成温度と抗折強度の関係
を第5図に示す。 第1図〜第4図の結果より明らかなように、含
浸する溶剤の不揮発分すなわちバインダー含量の
高い程強度は上昇し、また焼成体を得るための焼
成温度が高い程強度は上昇していることがわか
る。 しかし、含浸した焼成体の気孔率は通常5〜50
%あるが、バインダーの含量が多い程、焼成温度
が高い程、低下する傾向にあるため、型の使用目
的にあわせバインダー含量、焼成温度、バインダ
ーの種類、骨材の種類など選定する必要がある。 また、第5図の結果より補強材の効果は極めて
大きいことがわかる。 実施例 10 金属系粉末として粒度149μアンダーの鋳鉄粉
とセラミツク粉末として粒度208μアンダーの合
成ムライト粉を重量配合比で1:1の割合に配合
し、この鋳鉄粉と合成ムライト粉の合計重量に対
して硬化過程で蒸発する成分を含む粘結剤として
フエノール樹脂とエチルシリケートを重量配合比
で2:8の割合に配合したものを18:1の割合で
添加、混合し、さらにこの配合のものに太さ
30μ、長さ75μのガラス繊維を容量割合で10容積
%添加混合して作成した湿潤状態の試料を、内径
10mm×長さ10mmの円筒体に山盛状態にし押圧力40
Kg/cm2にて押圧成形し余分の試料をかき取つて直
径10mm×長さ10mmの成型体を得た。次いで、この
成型体を円筒体から取り出して焼成温度900℃で
6時間焼いて焼成体とした。 一方、バインダーであるケイ酸ナトリウムに溶
剤として水を加えて不揮発分10%の希釈溶液を作
り、この溶液中に前記焼成体を含浸し、含浸後、
大気中にて1時間自然乾燥して蒸発成分の一部を
蒸発させてのち電気乾燥機中に装入し温度180℃
で2時間加熱し焼成成分の残部を蒸発させるとと
もにバインダーをその反応硬化により固形化させ
ベントプラグを得た。 このベントプラグを減圧造型用の模型に用いて
減圧鋳型を造型し、この鋳型に湯を流し込んでア
ルミ鋳物を鋳造したところ、このアルミ鋳物製品
の表面には従来のようにスリツト状のベントプラ
グ跡が見られず、外見上の美観が良くなり美術用
鋳物製品には好適であることがわかつた。 実施例 11 実施例4で作成したスラリー状試料を用いて第
6図に示すような形状をした1対のスリツプキヤ
ステイング用の成形体を得た。この成型体を大気
中で所定時間自然乾燥したあと、酸化性雰囲気中
の電気炉内に装入し焼成温度1100℃で12時間焼成
し焼成体を得た。 一方、バインダーであるウレタン樹脂に溶剤と
して酢酸エチルを加えて不揮発分30%の希釈溶液
を作り、この溶液をエアレスタイプのスプレーガ
ンで前記焼成体の型表面に焼成体の背面から吸収
して負圧を作用させながら塗布した。 含浸深さは約2mmであつた。含浸後、常温下で
放置することにより蒸発成分を蒸発させるととも
にバインダーをその反応硬化により固形化し、第
6図に示す1対のスリツプキヤステイング用の型
1,1′を得た。なお、バインダーの硬化を充分
なさしめるため、60℃にて2時間アフターキユア
ーを行つた。 次いで、この1対の型1,1′キヤビテイ内に
カオリン、粘土、長石、石英、陶石、セルベン、
石灰石等を適量ずつ混合して成る陶器原料Mを着
肉速度10分間で8〜10mmが得られるよう導管2よ
り10Kg/cm2の圧力で流し込み成形した。その結
果、本発明による吸気性型は20000回以上の使用
を行つても正確な形状の成形品が得られ、型に70
mmHgの吸引力を作用させての減圧鋳込み、注入
前に同圧の吸引力を作用させての減圧加圧鋳込み
を行つても同様な耐久性が得られ、成形品もきわ
めて緻密であつた。従来の石こう型の場合、単な
る自然吸水でもせいぜい300回が限界で、吸引力
を併用すると80回程度が上限であることから、本
発明は飛躍的に耐久性を向上できることがわか
る。これは本発明の場合、通気性があるにも拘わ
らず機械的強度が高く、耐摩耗性も良好で、かつ
急激急冷の熱的変化にも影響を受けないことによ
るものである。 実施例 12 実施例2で作成したスラリー状試料を用いて第
7図に示すような形状をした1対のブロー成形用
成型体を得た。この成型体を大気中で自然乾燥し
たあと、酸化性雰囲気中の電気炉内に装入し焼成
温度500℃で12時間焼成し焼成体を得た。 一方、バインダーであるエポキシ樹脂に溶剤と
してトルエンを加えて不揮発分30%の希釈溶液を
作成した。この希釈溶液を前記焼成体表面にハケ
ぬりにより塗布し含浸させた。この際、含浸深さ
は約5mmであつた。含浸後、24時間自然乾燥して
蒸発成分の一部を蒸発させ、その後電気乾燥機に
装入し温度100℃で2時間加熱し蒸発成分の残部
を蒸発させるとともにバインダーをその反応硬化
により固形化させ、第7図に示すようなブロー成
形用のヘツドレスト成形型3,3′を得た。 この成形型3,3′を枠体4,4′に嵌め込んで
プラスチツク製のヘツドレスト5を成形したとこ
ろ、ヘツドレスト5表面には型面にほどこされた
皮しぼ模様がきわめてあざやかに転写された。こ
れは従来、この種の成形型が金型であつたため排
気されなかつたキヤビテー内の残留エヤーが本発
明の成形型の場合には無数の気孔群より素早く排
出されたためである。 実施例 13 実施例8で作成したスラリー状試料を用いて1
対の真空成形用の成型体を得た。この成型体を大
気中で自然乾燥したあと、酸化性雰囲気中の電気
炉内に装入し焼成温度900℃で12時間焼成し焼成
体を得た。次いで、この焼成体の背面に向けてシ
ヨツト粒を投射して型面部の硬化層のみ残して背
面の軟かいバツキング層を除去しシエル状焼成体
を得た。 一方、バインダーであるポリエステル樹脂に溶
剤としてアセトンを加えて不揮発分20%の希釈溶
液を作成した。この溶液中に前記シエル状焼成体
をその一部が大気に露出するようにして浸漬し、
約20分後取り出して大気中に24時間放置すること
により蒸発成分の一部を蒸発させ、その後電気炉
内に装入して2時間加熱し蒸発成分の残部を蒸発
させるとともにバインダーをその反応硬化により
固形化させ、真空成形型を得た。この真空成形型
を枠体に嵌め込み型面に吸引を作用させながらポ
リプロピレンシートを密着させ凝木製品を成形し
たところ、成形品表面には微細な木目模様まで極
めて忠実に転写され、従来の樹脂型使用時にみら
れるような吸引孔の跡が全くなく、極めて商品価
値の高い製品が得られた。 (発明の効果) 以上の説明によつて明らかなように、本発明に
より製造された多孔性耐久型は次のような効果を
発揮するものである。即ち、 耐久性に優れ生産性が良いこと。 表面性状及び転写性が良く複雑形状にも対応
できること。 型の大型化が容易で、しかも寸法精度が良い
こと。 型の製作が容易で、安価でかつ短時間で型が
得られること。 型表面或いはキヤビテイー内の空気、ガス、
水等の除去が確実に行えること。などである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明により製造された多孔
性耐久型の焼成温度と圧縮強度の関係を示すグラ
フ、第5図は本発明により製造された多孔性耐久
型の焼成温度と抗折強度の関係を示すグラフ、第
6図は本発明により製造された多孔性耐久型をス
リツプキヤステイングに適用した状態を示す断面
図、第7図は本発明により製造された多孔性耐久
型をブロー成型に適用した状態を示す断面図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 耐熱性粉末に乾燥、焼成過程で蒸発する成分
    を含む粘結剤を添加、混合して湿潤状態或いはス
    ラリー状態の試料を作成する工程と、前記湿潤状
    態或いはスラリー状態にある試料を押圧成形或い
    は流し込み成型する工程と、前記工程で成形され
    た成形体を酸化性雰囲気中で焼成する工程と、前
    記工程により得られた焼成体に乾燥又は/及び硬
    化過程で蒸発する成分を含むバインダーを含浸す
    る工程と、前記工程で含浸されたバインダーを常
    温下又は/及び加熱下において乾燥、硬化する工
    程と、から成ることを特徴とする多孔性耐久型の
    製造方法。 2 耐熱性粉末に乾燥、焼成過程で蒸発する成分
    を含む粘結剤を添加、混合し、さらにこれに補強
    繊維を加えて湿潤状態或いはスラリー状態の試料
    を作成する工程と、この湿潤状態或いはスラリー
    状態にある試料を押圧成形或いは流し込み成形す
    る工程と、前記工程で成形された成形体を酸化性
    雰囲気中で焼成する工程と、前記工程により得ら
    れた焼成体に乾燥、硬化過程で蒸発する成分を含
    むバインダーを含浸する工程と、前記工程で含浸
    されたバインダーを常温下または/及び加熱下に
    おいて乾燥、硬化する工程と、から成ることを特
    徴とする多孔性耐久型の製造方法。
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JPS4944082A (ja) * 1972-09-04 1974-04-25
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