JPH0228932Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は避難装置に関するものであり、一層
詳細には、多数の円錐ローラを使用して形成した
スロープを利用する螺旋降下型避難装置に関する
ものである。

［従来技術］ 従来より、所定階数以上の建造物においては、
階段あるいはエレベータなどの通常の昇降手段の
他に非常時における避難手段を設置することが行
われている。

このような非常時における避難手段として、出
願人は多数の円錐ローラを螺旋状に並設連置して
スロープを形成した避難装置を出願し、実用新案
登録（登録第1259219号）を受けた。

すなわち、この避難装置は建造物の外壁面に沿
つて立設した支柱の囲りに螺旋床を配置すると共
にこの螺旋床に多数の円錐ローラを放射状に並設
し、さらに螺旋床の両側壁面に沿つて防護ネツト
および手摺部材を配設することを基本構成とする
ものであるが、円錐ローラＡは内側支持部材Ｂと
外側支持部材Ｃとの間に架設固定した取付部材Ｄ
に対し合成樹脂材を素材とするオイレスベアリン
グＥを介して回転自在に軸装すると共に内側部材
Ｂおよび外側支持部材ＣとオイレスベアリングＥ
のカラーとの間にステンレス等を素材とするスペ
ーサーＦを介挿していることから（第１図ａおよ
びｂ参照）、円錐ローラの回転時にオイレスベア
リングＥとスペーサーＦとの間に生ずる間隙Ｇの
ため騒音が発生し、その結果避難者に不安感を与
える等改良すべき点があつた。

そこで、本考案は更に改良並びに試作を重ねた
結果、ベアリング部材とスペーサー部材とを一体
的に構成することにより騒音の発生を阻止すると
共に損耗の減少も図ることができることを突き止
めた。

［考案の目的］ 従つて、本考案は降下避難時における円錐ロー
ラの騒音を阻止することのできる螺旋降下型避難
装置を提供することをその目的とする。

［考案の構成］ 本考案は、支持体の囲りに螺旋床を配置すると
共にこの螺旋床に多数の円錐ローラを並設してな
る螺旋降下型避難装置において、円錐ローラを戴
頭球形状スペーサー部と円筒形状ベアリング部と
を一体的に形成した軸受部材を介してその取付軸
に軸支することを特徴とする。

［実施例］ 次に、本考案に係る螺旋降下型避難装置の好適
な実施例につき添付図面を参照しながら以下詳細
に説明する。

第２図において、本考案に係る螺旋降下型避難
装置は、図示しない建造物の外壁面に沿つて立設
した支持体１と、この支持体１の外側に位置しか
つ所定の半径を有する円周線上に所定間隔で配置
される外側支持柱２と、前記支持体１と外側支持
柱２との間に配置される螺旋降下床体３とから基
本的に構成されている。

すなわち、螺旋降下床体３は、支持体１の外周
に沿つて所定の螺旋勾配をなすように梁部材４を
取着すると共にこれらの梁部材４の各端部を外側
支持柱２に固定する。また、梁部材４上には所定
間隔離間させて外壁部材５および内壁部材６を
夫々立設すると共にこれらの外壁部材５および内
壁部材６を外側支持柱２および前記梁部材４に立
設固定した内側支持部材７に取り付け、さらに前
記外壁部材５および内壁部材６に沿つて多数の円
錐ローラ８を螺旋状に架設配置する。なお、この
場合、円錐ローラ８は内壁部材５と外壁部材６と
の間に架設固定した取付軸９に対し合成樹脂材等
を素材とし戴頭球形状のスペーサー部１０とベア
リング部１１とを一体的に形成した軸受部材１
２，１２を介して回転自在に軸支する（第４図ａ
およびｂ参照）。

このように構成することにより、円錐ローラ８
の回転時において内壁部材５（ないしは外壁部材
６）と接触するのは軸受部材１２のスペーサー部
１０の一部である戴頭部分１３のみとなり騒音を
発することもなく円滑な回転が達成される。

［考案の効果］ 先に述べたように、本考案によれば、スペーサ
ー部とベアリング部とを一体的に形成した軸受部
材を使用するので回転時における騒音の発生を阻
止でき降下避難者に対し不安感を与えることがな
いばかりでなく、軸受部材の損耗を減少させ耐久
性の向上を図ることができる等種々の利点を有
し、その実用的効果は極めて大きい。

以上、本考案に係る螺旋降下型避難装置の好適
な実施例につき説明したが、本考案はこの実施例
に限定されるものではなく本考案の精神を逸脱し
ない範囲内において種々の改変をなし得ることは
勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは、従来の螺旋降下型避難装置におけ
る円錐ローラの両側支持部材に対する支持状態を
示す断面説明図、第１図ｂは第１図ａの要部断面
説明図、第２図は本考案に係る螺旋降下型避難装
置の断面説明図、第３図ａは第２図に示す螺旋降
下型避難装置の円錐ローラの支持状態を示す断面
説明図、第３図ｂは第３図ａの要部断面説明図で
ある。 １……支持体、３……螺旋傾斜床体、８……円
錐ローラ、９……取付軸、１０……スペーサー
部、１１……ベアリング部、１２……軸受部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持体の囲りに螺旋床を配置すると共にこの螺
   旋床に多数の円錐ローラを並設してなる螺旋降下
   型避難装置において、前記円錐ローラを戴頭球形
   状のスペーサー部と円筒形状ベアリング部とを一
   体的に形成した軸受部材を介してその取付軸に軸
   支することを特徴とする螺旋避難降下装置。