JPH0228388Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、バーナの燃焼ガスで陶磁器、耐火煉
瓦等の被焼成物を焼成する窯業用炉において、バ
ーナの前面に装置されてバーナからの燃焼ガスを
内部に形成した通路を通して炉体内の所定方向へ
導入するための耐火物からなる燃焼ガス導入体に
関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 従来、この種の燃焼ガス導入体には、炉体内の
火焔通過方式あるいはバーナの設置位置等の各種
条件に応じて使い分けられるように形状を異にす
る数多くの種類が存在するが、そのいずれもが燃
焼ガスを一方向にのみ吐出する形状となつてお
り、例えば、第１図に示すように、一端に出入口
を形成した炉体１内から炉外の積み替え位置へ延
設したレール２上を走行する台車３に被焼成物ａ
を載せて炉内に搬入し、左右の側壁１ａの下端部
に装置したバーナ５からの燃焼ガスを、側壁１ａ
と被焼成物ａの間を通して天井まで上昇させ、こ
れを被焼成物ａの間を通して台車３の上面の吸引
口から煙道６に吸引して炉体１に設けた煙突から
外部に排出する間に、被焼成物ａを焼成するよう
にした倒焔式のシヤツトル炉においては、前面に
吐出口１２を有する燃焼室１１を形成した第１の
燃焼ガス導入体１０を側壁１ａに取り付けて、そ
の後面にバーナ５を燃料及び空気の吐出口を燃焼
室１１に臨ませて取り付け、この第１の燃焼ガス
導入体１０の前面に、第１の燃焼ガス導入体１０
との対応面の導入口１５から上面の吐出口１６に
達する略直角に屈曲した通路１７を内部に形成し
た第２の燃焼ガス導入体１４を重ねて装置にする
ことにより、バーナ５の燃焼ガスを炉内に導入す
るようになつているが、燃焼ガスは第２の燃焼ガ
ス導入体１４の吐出口１６から上方に吐出される
だけであるから、被焼成物ａの左右両側における
下端部の加熱状態が悪く、実際に温度を測定して
みたところ、天井部分が1000℃であるのに対し
て、両側の下端部は960℃であつて40℃の温度差
を生じており、被焼成物ａに加熱ムラができて品
質を均一にできない不具合があつた。

なお、このような事情は、シヤツトル炉に限ら
ずトンネル炉等の他の窯業用炉についても同様に
いえることである。

本考案は、叙上の点に鑑み成されたものであつ
て、被焼成物の均一加熱を期するために、バーナ
の燃焼ガスを炉内に導入するに当つてその燃焼ガ
スを互いに方向を異にする複数の方向に吐出する
ことができるようにしたバーナの燃焼ガス導入体
を提供することを目的とするものである。

実施例 以下、本考案の一実施例並びにその使用例を第
１図乃至第３図に基づいて説明する。

本実施例の燃焼ガス導入体は、第１図に示すよ
うに、前記した第２の燃焼ガス導入体１４の上面
に、その吐出口１６に連通する大径の流通孔１９
を形成した平板状の第３の燃焼ガス導入体１８を
介して載置される第４の燃焼ガス導入体２０とし
て使用されるものであつて、この第４の燃焼ガス
導入体２０は、第２図に示すように、鋳込み成形
されたキヤスタブル耐火物からなる外形直方体を
なすものであつて、その下面に長円形断面をなす
通路２１が鉛直に形成され、この通路２１の上縁
の側壁１ａ側に、上面に開口し、かつ、前記した
第２の燃焼ガス導入体１４の吐出口１６と略等径
の円形断面をなす第１の吐出口２２が鉛直に連成
されているとともに、この通路２１の上端部の台
車３側に、側面に開口する上記第１の吐出口２２
よりも小径の円形断面をなす第２の吐出口２３が
水平に連成されており、この第４の燃焼ガス導入
体２０が、第１図に示すように、その下面の導入
口２４を第３の燃焼ガス導入体１８の流通孔１９
に連通し、かつ、その導入口２４の側壁１ａ側を
第２の燃焼ガス導入体１４の吐出口１６に整合さ
せた姿勢で第３の燃焼ガス導入体１８の上面に装
置されている。

このように、従来使用されていた第２の燃焼ガ
ス導入体１４の上面に、第３の燃焼ガス導入体１
８を介して第４の燃焼ガス導入体２０を装置する
ことによつて、バーナ５からの燃焼ガスが第２の
燃焼ガス導入体１４の通路１７を通つて吐出口１
６から上方に吐出され、これが第３の燃焼ガス導
入体１８の流通孔１９を通つて第４の燃焼ガス導
入体２０の通路２１内に入り、第３図ａに示すよ
うに、燃焼ガスの大部分がそのまま第１の吐出口
２２に向かい被焼成物ａと側壁１ａの間で上方に
向つて吐出されるとともに、燃焼ガスの一部が第
２の吐出口２３の上壁２３ａに当たり第２の吐出
口２３に向かい被焼成物ａの側面の下端部に向か
つて吐出され、これによつて、従来加熱状態が悪
かつた被焼成物ａの側面の下端部の温度を高める
ことができ、実測したところ、この部分の温度が
1005℃となつて天井部分の温度よりも高くなり、
十分な効果が得られることが確認できた。

なお、第３図ｂに示すように、第４の燃焼ガス
導入体２０を、その導入口２４の台車３側を第２
の燃焼ガス導入体１４の吐出口１６に整合させて
装置すれば、通路２１内に吐出された燃焼ガスの
第２の吐出口２３の上壁２３ａに当たる割合が大
きくなつて、第１の吐出口２２よりも多量の燃焼
ガスを第２の吐出口２３から吐出させることがで
きる。

また、上記の第１図示例に比べて、台車３の高
さが低いか、あるいは、バーナ５の設置位置が高
いかして、バーナ５が被焼成物ａの下端部と同じ
高さに配置される場合には、第４図に示すよう
に、従来の第２の燃焼ガス導入体１４を、吐出口
１６とは別に通路１７の屈曲部に台車３側の面に
開口する水平な他の吐出口１６ａを連成した形状
とすることにより、前記した例と同様に、被焼成
物ａの下端部の温度上昇を計ることができる。

考案の構成及び効果 上記実施例によつて具体的に説明したように、
本考案の窯業用炉に用いるバーナの燃焼ガス導入
体は、窯業用炉の炉壁に設けたバーナの前面に装
置されて、バーナからの燃焼ガスを内部に形成し
た通路を通して炉体内に導入するための耐火物か
らなる燃焼ガス導入体であつて、前記通路の吐出
側に、互いに吐出方向を異にする複数個の吐出口
を設けたことを要旨とするものであつて、従来燃
焼ガスが一方向へのみ吐出されていたことにより
被焼成物の各部分において不可避的に加熱ムラが
生じていたのを、その加熱状態が悪い部分に燃焼
ガスの一部を向けることにより解消でき、被焼成
物の各部分を均一の品質に焼成し得る効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を適用したシヤツト
ル炉の断面図、第２図は本考案の一実施例の一部
切欠斜視図、第３図はその吐出量調節の説明図、
第４図は他の実施例の断面図である。 １：炉体、１ａ：側壁、５：バーナ、１４：第
２の燃焼ガス導入体、１６：吐出口、１６ａ：吐
出口、１７：通路、２０：第４の燃焼ガス導入
体、２１：通路、２２：第１の吐出口、２３：第
２の吐出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窯業用炉の炉壁に設けたバーナの前面に装置さ
   れて、バーナからの燃焼ガスを内部に形成した通
   路を通して炉体内に導入するための耐火物からな
   る燃焼ガス導入体であつて、前記通路の吐出側
   に、互いに吐出方向を異にする複数個の吐出口を
   設けたことを特徴とする窯業用炉に用いるバーナ
   の燃焼ガス導入体。