JPH0227791B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多芯フラツトケーブルを圧接接続する
ためのコンタクトに関する。

本発明と対比される圧接コンタクトとしては、
特公昭48−第13306号が知られている。このコン
タクトは先端を尖鋭とした左右一対の圧接片を備
え、両圧接片間に導線圧入スロツトを形成し上記
圧接片で導線被覆を突き破りながら、上記導線圧
入スロツトに導線を導入し両圧接片間に狭持して
圧接接続を図るようになされており、コンタクト
全体を平板状にし圧接片基部の幅の広い長方形板
部を絶縁板にあけた孔に圧入し、上記広幅長方形
板の縁部を孔内壁にくい込ませ、強固に植えつけ
する構成となつている。

このような圧接コンタクトは上記フラツトケー
ブル等の圧接コンタクトとして、高信頼の圧接接
続を期待できるが、コンタクト全体が平板状であ
るために一定の強度を確保するための横幅が広く
なる欠点がある。

又上記広幅長方形板の存在は、コンタクトの幅
をより広幅にする要因となつている。

このことはコンタクトを多数並設する場合の並
設ピツチを縮少する上で大きな制約となり、フラ
ツトケーブルの導線並設ピツチの狭小化に有効に
対処できない不具合を生じている。

又上記欠点を改善するため従来実公昭56−第
25184号考案が呈示されている。この圧接用コン
タクトは上記圧入スロツトの中心を通る線上で圧
接片を略Ｖ字型となるように折曲させたものであ
り、従つて上記例に比較してコンタクトの幅は縮
少できるが、上記圧入スロツトの内壁のエツジが
互いに対向するように突出して、鋭い刃物を形成
するため導線を圧入スロツト上部から下部へ圧入
する際、該エツジによつて断線を来す恐れが多分
にある。

従つて導線も圧入スロツト内で緩みを生じ上下
に動きやすくなり、高信頼の接続が期待できな
い。

本発明はこれらの実情に鑑み提供されたもので
上記いずれの例の欠点も解消することを可能とす
る。

以下本発明は図示の実施例に基づいて詳述す
る。

図において、１は板材から打ち抜きし曲げ加工
された圧接用コンタクトを示す。該圧接用コンタ
クト１は、先端に尖鋭部２を有する一対の圧接片
９，１０を備える。両圧接片９，１０は左右に間
隔的に並立され両圧接片９，１０間にＵ字型の導
線圧入スロツト４を形成する。

上記両圧接片９，１０は基端で互いに連結さ
れ、該連結板部５下端から下方へ延びる細長接片
６を有する。上記左側圧接片９を上記導線圧入ス
ロツト４に沿う同圧接片を二分する長手方向の折
線７で圧接片の表面側又は裏面側へ折り曲げる。
同様に上記右側圧接片１０を上記導線圧入スロツ
ト４に沿う同圧接片を二分する長手方向の折線８
で左側圧接片９と同方向に折り曲げる。

上記各折り曲げによつて、左側圧接片の線７を
境にした導線圧入スロツト４に沿う内側圧接片部
分９ａと上記右側圧接片１０の線８を境にした同
内側圧接片部分１０ａとを互いに平板状になるよ
うに配置し、該配置にて上記導線圧入スロツト４
内壁３を互いに平行して対向させる。即ち、上記
左右圧接片９，１０の各内側圧接片部分９ａ，１
０ａをその表裏面が互いに同一平面となるように
配置すると共に、導線圧入スロツト内壁を互いに
正対状態に配置する。

更に上記左側圧接片９の折線７を境にする上記
内側圧接片９ａに隣接する外側圧接片部分９ｂと
上記右側圧接片１０の折線８を境にする上記内側
圧接片部分１０ａに隣接する外側圧接片部分１０
ｂとを上記各内側圧接片部分９ａ，１０ａに対し
互いに対向方向に傾斜させる。

上記によつて形成された圧接用コンタクト１は
全体が平板でなく両側端が屈曲された非平板形を
呈する。

上記実施例において、好ましくは上記各内側圧
接片部分３ａ，１０ａに対する各外側圧接片部分
９ｂ，１０ｂの傾斜角度α₁，α₂は互いに等しくす
る。又好ましくは上記各折線７，８の一端が尖鋭
部２を形成する２の斜辺の内側傾斜辺１１に到達
するように折り曲げる。

第４図は上記コンタクトを使用するコネクター
及びフラツトケーブルを分解して示す。

同図において、１２はコネクターを構成する絶
縁基板、１３は該絶縁基板に被嵌される絶縁カバ
ー、１４は多芯フラツトケーブルを示す。

上記コンタクト１は、上記絶縁基板１２に並列
して植え込まれ、その圧接片９，１０を基板１２
上へ立設し、細長接片６を基板１２下へ突出す
る。又絶縁カバー１３には上記圧接片９，１０を
受け入れる多数の挿入孔１５が並列され、該絶縁
カバー１３と基板１２間にフラツトケーブル１４
を介在しつつカバー１３を基板１２へ被嵌させ両
者を固く結合することによつて圧接片９，１０が
フラツトケーブル１４の絶縁被覆１４ａを突き破
り貫通してカバーの挿入孔１５内へ挿入される。

この過程において、フラツトケーブル１４の各
導線１４ｂが各圧接片９，１０間に形成された導
線圧入スロツト４内へ導入され、圧接接続が果さ
れる。

第６図は基板１２に穿けられたコンタクト植込
み孔１６とコンタクト１との間係、殊に連結板部
５との関係を示している。

又第７図はカバー１３に穿孔されたコンタクト
挿入孔１５とコンタクト１との関係、殊にその圧
接片９，１０との関係を示している。

図に示すようにコンタクト植込み孔１６は長四
角を呈し、前記連結板部分５における平板状内側
圧接片部分９ａ，１０ａの基部背面がコンタクト
植込み孔の長辺側内壁面１６ａの一方に添接さ
れ、上記傾斜板状外側圧接片部分９ｂ，１０ｂの
エツジ部分がコンタクト植入み孔１６のコーナー
１６ｂを横切り同エツジの部分の角部９ｃ，１０
ｃが孔コーナー付近の内壁にくい込んで固定され
る。

該固定のためのくい込みを良好に行わせるため
上記傾斜板状外側圧接片部分９ｂ，１０ｂのエツ
ジ部に突起１７が複数個形成されている。

コンタクト１は平板状の背面部分をコンタクト
内壁に支持させながら、傾斜板部の端部エツジ部
分の角部を上記の如く孔コーナー部内壁にくいつ
き強固に固装されるに至る。次にコンタクト挿入
孔１５も同様に長四角を呈する。

コンタクト１は前記平板状の内側圧接片部分９
ａ，１０ａの背面を含む略全周面が孔内壁に接触
することなく遊挿され、傾斜板状外側圧接片部分
の背面側角部分９ｄ，１０ｄが弧形にされて孔内
壁と接触又は近接状態に置かれる。

前記の如く導線圧入スロツト４内へ導線１４ｂ
が圧入された時、各圧接片９，１０は極めて微量
ではあるが外側へ開き、前記傾斜板状外側圧接片
部分９ｂ，１０ｂの角部分９ｄ，１０ｄを短辺１
５ｂ側孔内壁へ当接しつつその面を滑つて同接片
部分９ｂ，１０ｂをより深く曲げる方向に弾性変
位させ、その前面側角部分９ｅ，１０ｅを長辺１
５ａ側孔内壁に当接させ開きを阻止する。

この結果、導線１４ｂは導線圧入スロツト４の
平行な内壁３に沿い圧入されつつ上記弾性変位に
よる圧入スロツト４内壁角部分４ａのわずかな突
出によつて挟接されるに至る。

圧入スロツト内壁の角部分４ａの突出量は極め
てわずかであり、しかも導線圧入の過程において
間隔をせばめるように突出し導線１４ｂを締めつ
けるものであるから有害な導線の断線を伴わず、
却つて良好な圧接を期待できる。

本発明は以上のように作動させることができる
圧接用コンタクトを提供する。既述のように本発
明に係るコンタクト１は圧接片９，１０の個々が
折線７，８で折り曲げられているために全体が平
板状上の前記コンタクトに比較してその横幅の縮
少が可能であり、加えて上記折り曲げに伴なう寸
法縮少と相俟つて圧接片９，１０の個々を上記の
如く折り曲げることで剛性を高めるので、一層の
細巾化を可能にし、細巾化しても剛性を確保して
高信頼の圧接を健全に維持することができる効果
が期待でき、又傾斜板状の外側圧接片部分９ｂ，
１０ｂのエツジ部の角部分９ｃ，１０ｃを利用
し、これを植込み孔１６のコーナー１６ｂを横切
るようにくい込ませる等して植付けすることがで
きるから前記平板状コンタクトのように広幅長方
形板部を要することなく実用できる。

又前記来例の如く導線圧入スロツト４の中心線
から屈曲するコンタクト１と異なり導線圧入スロ
ツト内壁部３を傾かせずに正対状態のままにして
個々の外側圧接片部分９ｂ，１０ｂのみを夫々屈
曲させる構成としたので、圧入スロツト内壁３に
断線を生じさせる角部分の対向状態を形成するこ
とがない。

又導線圧入時、傾斜板状外側圧接片部分９ｂ，
１０ｂを折り曲げ方向に弾性変位させる使用方法
が可能でこれによつて適度なスロツト内壁コーナ
ー部分の対向状態を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す圧接コンタクト
の斜視図、第２図は同側面図、第３図は同平面
図、第４図は同圧接コンタクトを実施せるコネク
ターの分解斜視図、第５図は同圧接コンタクトに
よる導線圧接状態を示す拡大断面図、第６図は基
板のコンタクト植込み孔に対する圧接コンタクト
の関係を示す第５図Ａ−Ａ線断面図、第７図はカ
バーのコンタクト挿入孔に対するコンタクトの関
係を示す第５図Ｂ−Ｂ線断面図である。 １……コンタクト、２……尖鋭部、３……圧入
スロツト内壁、４……圧入スロツト、５……連結
板部、６……細長接片、７，８……折線、９，１
０……圧接片、１１……傾斜辺、１２……絶縁基
板、１３……絶縁カバー、１４……フラツトケー
ブル、１５……コンタクト挿入孔、１６……コン
タクト植込み孔、１７……突起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 先端を尖鋭とした左右一対の圧接片を備え、
   両圧接片間に導線圧入スロツトを形成し、上記圧
   接片で導線被覆を突き破りながら上記導線圧入ス
   ロツトに導線を導入し、両圧接片間に該導線を挟
   持して圧接接続を図るようにした圧接用コンタク
   トにおいて、上記左側圧接片と右側圧接片の夫々
   を上記導線圧入スロツトに沿う各圧接片を二分す
   る折線で圧接片の表面側又は裏面側へ折り曲げ、
   該各折り曲げ線を境にした上記左側圧接片と右側
   圧接片の導線圧入スロツトに沿う各内側圧接片部
   分をその表面及び裏面が同一平面となるように配
   置して互いに導線圧入スロツト内壁を互いに正対
   させると共に、上記各折線を境にする各外側圧接
   片部分を該各内側圧接片部分に対し、互いに対向
   方向に傾斜させ、該各内側圧接片部分に対する各
   外側圧接片部分の傾斜角度を等しくしたことを特
   徴とする圧接用コンタクト。 ２ 上記各折線の一端が、尖鋭端を形成する２つ
   の斜辺の内側傾斜片に到達することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の圧接用コンタクト。