JPH02274759A - 共重合ポリエステルフィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は共重合ポリエステルフィルムに関するものであ
る。更に詳しくは、透明性を有し、剛性が小さく、弾性
回復の良好な共重合ポリエステルフィルムに関するもの
である。

［従来の技術］ ポリエステルフィルムは機械的特性、耐熱性などに優れ
た特性を有することから、成形用などに用いられるが、
柔軟性が乏しいため、ラッピング用フィルムなどには用
いられておらず、塩化ビニル、ポリオレフィン共重合体
などのフィルムが主である。ポリエステルに柔軟性を付
与する方法として、ポリテトラメチレングリコール、及
びドデカンジカルボン酸などの長鎖モノマーを共重合す
る方法、あるいはエチレン・アクリル酸金属塩を添加す
る方法などの種々の方法が公知である。たとえば、特開
昭６２−２８０２２１号、特開昭５２−８４２４４号な
ど挙げられる。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、前述した従来技術では、押出成形時の熱安定性
が劣ったり、フィルムが透明性を損なわれたりし、ラッ
ピング用フィルムに適さない欠点がある。

本発明はこれらの従来技術の欠点を解消せしめ、添加剤
のブリードアウトが少なく、柔軟性を有し、透明性のあ
るラッピング用に適したポリエステルフィルムを提供せ
んとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、ダイマー酸を共重合したポリエステルに極性
基を有する合成樹脂を１〜３０重量％含有せしめた組成
物からなることを特徴とする共重合ポリエステルフィル
ムを要旨とするものである。

本発明のダイマー酸とは、オレイン酸メチルを２量化反
応によって得られる周知のジカルボン酸であり、鎖状構
造体と環状構造体の混合物で得られるものである。

本発明のダイマー酸を共重合したポリエステルとは、上
記ダイマー酸と他のエステル形成可能なジカルボン酸成
分あるいは、ジオール成分との共重合ポリエステルであ
り、ダイマー酸の共重合比は、５〜２５モル％が好まし
い。エステル形成可能なジカルボン酸成分として、テレ
フタル酸、イソフタル酸、４．　４’−オキシビス安息
香酸、ナフタリンジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸などであり、ジオール成分としては、エチレング
リコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール
、シクロヘキサンジメタツールなどが挙げられる。また
公知な添加剤、たとえば酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、
耐候剤などを必要に応じて含んでいても良い。

本発明の極性基を有する合成樹脂とは、ポリマーを構成
する鎖状分子の中間、あるいは末端に一〇Ｈ基、−ＣＯ
ＯＨ基、−ＣＯＯＭ（Ｍ：金属イオン）基などを有する
モノマーを共重合、あるいはグラフト化したものであり
、具体的には、フェノキシ樹脂、エチレン・アクリル酸
共重合体、あるいはエチレン・アクリル酸金属塩共重合
体、などがあげられる。

共重合ポリエステルに極性基を有する合成樹脂を含有せ
しめる方法は、必要に応じてポリマー中の水分を除き、
押出機に供給し、溶融混合する方法が好ましい。フィル
ム状に溶融成形する前に、あらかじめ二軸押出装置で溶
融混合させておくことがより好ましい。

共重合ポリエステル中に極性基を有する合成樹脂が含ま
れる量は１〜３０重量％、好ましくは５〜２０重量％で
ある。本発明のこの範囲未満では、フィルムの弾性回復
率が劣ったり、フィルムのブロッキング防止効果が不十
分となり好ましくない。またこの範囲を越えると、フィ
ルムの濁りが生じたりして好ましくない。

一般にポリエステルにポリオレフィンを混合した場合、
相溶性が悪くフィルムが白濁し、不透明になり、ラッピ
ング用途に用いた場合、内容物が確認できないなどの不
都合があり好ましくない。

本発明は、ダイマー酸との共重合ポリエステルを用いて
、極性基を有する合成樹脂を混合することで、フィルム
の濁りの少ないものとすることができ、フィルム厚み１
００μｍのフィルムヘイズが４０％以下、好ましくは３
０％以下とするものである。

また、前述したダイマー酸との共重合ポリエステルフィ
ルムでは、柔軟性などの特性があるものの、フィルムに
変形を与えた場合、弾性回復が少なく、農業ハウスのカ
バーフィルムなどに用いた場合、平面性が損なわれ、た
るみが生じることがあり好ましくなく、極性基を有する
合成樹脂を１〜３０重量％含有することでフィルムの弾
性回復率を７０％以上とするものである。

本発明のフィルム厚みは特に限定されるものではないが
、１０〜５００μｍが好ましい。また用途に応じて、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリオレフィンフ
ィルム、ナイロンフィルムなどと張り合せて、ラミネー
トフィルムとして用いても良い。

次に、本発明の共重合ポリエステルフィルムの製造法の
具体例を説明する。

シクロヘキサンジカルボン酸／ダイマー酸とシクロヘキ
サンジメタツールとを重縮合によって得られた共重合ポ
リエステルと、極性基を有する合成樹脂をそれぞれ真空
乾燥装置で水分を除き、所定の重量に計量混合し、押出
機に供給して溶融押出し、Ｔダイでフィルム状に成形し
、冷却ドラムにキャストし、冷却固化する。

本発明のフィルムは、冷凍を必要とする食品などの包装
フィルム、農業ハウスのカバーフィルム、曲率平面には
りつけるラベル用フィルムなどに適している。

［評価法］ 本発明の特性値は次の測定方法、評価基準による。

（１）フィルムの弾性回復率 フィルムを幅１０ｍｍにサンプリングし、テンシロン型
引張試験機に試長５０ｍｍになるように装着し、引張速
度１０ｍｍ／分で、試長の３０％の引張変形を与えて後
、同速度で収縮させてζ引張応力が検出されなくなった
距離を回復量として変形量の百分率を弾性回復率とした
。

（２）フィルムヘイズ Ｊ　Ｉ　Ｓ−に−６７１４に従って測定し、百分率で表
示する。

［実施例］ 本発明を実施例に基づき説明する。

実施例１〜３ シクロヘキサンジメタツールとシクロヘキサンジカルボ
ン酸／ダイマー酸とから重縮合反応によって得られた共
重合ポリエステル樹脂（共重合比：８５／１５）に、実
施例１ではフェノキシ樹脂（ユニオン・カーバイト社製
、ＰＫＨＨ）、実施例２ではエチレン・アクリル酸共重
合体（ダウ・ケミカル・カンパニイ製“プリマコール”
）、実施例３ではエチレン・アクリル酸金属塩共重合体
（三井・シュポン・ポリケミカル製“ハイミラン１７０
６”）、をそれぞれ第１表に示す割合で混合し、シリン
ダー径４０胴φの押出機に供給し、２３０℃の温度で溶
融混合し、押出してＴダイでシート状に成形し、２０℃
に冷却したドラムにキャストし冷却固化した。フィルム
厚みを１００μｍにした。フィルムの特性は第１表に示
した。

実施例４．比較例１ ポリエチレンテレフタレート／イソフタレート／ダイマ
ーレート（７５／１０／１５）の共重合ポリエステル樹
脂にフェノキシ樹脂を１０重量％混合したものを実施例
１と同様にしてフィルムを得た（実施例４）。フィルム
の特性を第１表に示したとおりである。また比較例１と
してフェノキシ樹脂を混合しないで実施例１と同様にし
てフィルムを得た。フィルムの特性を第１表に示した。

比較例２ ポリブチレンテレフタレート／イソフタレート（６５／
３５）の共重合ポリエステル樹脂にエチレン・アクリル
酸金属塩共重合体（ハイミラン１７０６）２０重量％混
合した樹脂を実施例１と同様にして、フィルム厚み１０
０μｍのフィルムを得た。フィルムは白濁し、不透明と
なり、弾性回復率も５０％と小さいものであった。

［発明の効果］ 本発明のフィルムは、フィルムの濁りが少なく、フィル
ムの弾性回復率のすぐれたものとすることができ、冷凍
肉の包装用フィルム、ラベル、農業ハウス用カバーフィ
ルムなどに用いられる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）ダイマー酸を共重合したポリエステルに極性基を
   有する合成樹脂を１〜３０重量％含有せしめた組成物か
   らなることを特徴とする共重合ポリエステルフィルム。
2. （２）極性基を有する合成樹脂がフェノキシ樹脂、エチ
   レン・アクリル酸共重合体及びエチレン・アクリル酸金
   属塩共重合体から選ばれた少くとも１種であることを特
   徴とする請求項（１）記載の共重合ポリエステルフィル
   ム
3. （３）フィルム厚み１００μｍ時のフィルムヘイズが４
   ０％以下であって、かつ３０％変形後の弾性回復率が７
   ０％以上であることを特徴とする請求項（１）又は（２
   ）に記載の共重合ポリエステルフィルム。