JPH0226808A - 配向性超伝導複合酸化物材料の製造方法 - Google Patents

配向性超伝導複合酸化物材料の製造方法

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JPH0226808A
JPH0226808A JP63173757A JP17375788A JPH0226808A JP H0226808 A JPH0226808 A JP H0226808A JP 63173757 A JP63173757 A JP 63173757A JP 17375788 A JP17375788 A JP 17375788A JP H0226808 A JPH0226808 A JP H0226808A
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JP
Japan
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oxide layer
substrate
composite oxide
superconducting
temperature
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JP63173757A
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English (en)
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Takashi Namikata
尚 南方
Shinji Mitsuya
伸司 三矢
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超伝導複合酸化物材料の製造方法に関し、さら
に詳しくは基板上に形成された配向性超伝導複合酸化物
材料の製造方法に関する。
[従来の技術] 最近La−8r (Ba)−Cu−0系の希土類複合酸
化物が30にという高い臨界温度(以下“Tc  とい
う。)を有することが報告され[Zeitschrif
’t I’ur physjk、 884.189(1
98B)]、さらに高いTcを有するY−Ba−Cu−
0系の希土類複合酸化物(TC90k)も報告されてい
るo  (Physical Review Lett
ers 5B、 90B(1987)]  。
ごく最近、Bt−8r−Ca−Cu−0系複合酸化物(
T e  110k )  [Japanese Jo
urnalo1’  Applied  Physic
s  27.L 2Q9(198B)]  、T l−
Ba−Ca−Cu−0系複合酸化物(Tc120k )
  CNature H2,13g(198B)] も
報告されている。
従来、Nb3GeやNb5TiなどのNb系合金が超伝
導材料として利用され、高価で資源的に問題の多い液体
ヘリウムを冷媒として用いざるを得ないが、複合酸化物
は高いTcを有するため、安価で資源的に豊富な液体窒
素を冷媒として用いることができるものもあり産業上有
用である。
超伝導材料の応用範囲は広く、中でも開発の主体となっ
ているのは、電磁石用途であり、超伝導磁石は電気抵抗
がゼロであるため冷却及び励磁に要するわずかな電力だ
けで大容量電流を流すことができ、強い磁場を発生する
ことができる。従って、核磁気共鳴装置、磁気浮上輸送
装置、MHD発電、電磁推進船、加速器、核厳合、モー
ターなど強い磁場を必要とする分野への応用が期待され
ている。電力分野においては大容量送電、電力貯蔵、発
電機への応用があり、またエレクトロニクス分野に対し
ては、コンピューター素子、微小磁場検出センサー、マ
イクロ波のミキサーや発振器、温度スイッチ、配線材料
などへの応用がある。
このような用途に用いられる超伝導材料は、高い臨界電
流密度(以下“Jc  という)を有することが要求さ
れている。
La−3r (Ba)−Cu−0系、Y−Ba−Cu−
0系、B i−S r−Ca−Cu−0系、Tl−Ba
−Ca−Cu−0系超伝導性複合酸化物は、層状の結晶
構造を有し、Jc、超伝導臨界磁場強度(以下“Hc 
 という)の特性が結晶軸方向によって著しく異なるこ
とが報告されている[Japan Journal o
f’ Applied PhysicsVol、 26
. No、5. L−726(1987)、Vol、2
B、 No、7゜I、−1248(1987)]。す1
iわち、a、b軸方向のJc、Hcは高いが、C軸方向
のJ cSHcは著しく低いと考えられる。従来の超伝
導性複合酸化物は主に焼結法により製造されるが、その
焼結体は結晶軸方向がランダムな無配向状態であるため
Jcが1〜103 A/c+a2と低く、前記応用分野
への適用は難しい。
最近、スパッタリング法を用いて 5rTiO:+単結晶基板上に配向したY−BaCu−
0系複合酸化物薄膜が製作され、高いJ c (10’
 〜106 A/cm’ )を有することが報告されて
いる。
[発明が解決しようとする課題] 前記の超伝導磁石、電力、エレクトロニクス分野などの
応用分野には、超伝導材料が高いJc、Hcを有するこ
とが要求されているが、結晶軸が無配向の超伝導性複合
酸化物材料では、Jcが低くとどまるという問題点があ
った。
また、スパッタリング法などの方法により単結晶基板上
に結晶軸が配向した超伝導性複合酸化物が得られ、高い
Jcを有するが、高価な単結晶基板を使用する必要があ
るため生産性が低く、応用分野が限定されるという問題
があった。
このため、前記応用分野では、JCが高く、低コストで
高い生産性を有する高温超伝導材料が要求されている。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた
結果、結晶軸配向方向を制御することにより高いJcを
有し、また低コストで製造できる超伝導複合酸化物材料
の製造方法を見出し本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は基板上の超伝導性複合酸化物層を加
熱したのち、超伝導性複合酸化物層内に強制的に温度勾
配を設けて冷却することを特徴とする配向性超伝導複合
酸化物材料の製造方法である。
本発明者らは超伝導性複合酸化物との反応性の低い基板
上に、超伝導性複合酸化物層を形成した後、加熱して該
酸化物層を溶融状態または半溶融状態とし、次いで該酸
化物層内に強制的に温度勾配を設けて冷却する、加熱と
冷却の両工程より基板上に結晶軸が制御された配向性超
伝導複合酸化物材料が製造できることを見出した。得ら
れた配向性超伝導複合酸化物は結晶軸のa、t)軸方向
に高いJcを有することがわがった。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における基板上に形成する超伝導性複合酸化物層
の超伝導複合酸化物の組成は一般式%式% こでM、はCa5srおよびBaから選ばれる少なくと
も一種、M2はBiである。さらに、aSb、xの組成
比としては、 0.5≦a≦3 0.1≦X≦0.9 1.0≦b≦4.0 であることが高いTcの超伝導複合酸化物を作るので好
ましいものとなる。
この超伝導複合酸化物の製造方法は、例えば、酸化ビス
マス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマスなどのビスマス化
合物、酸化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バリウム、酸
化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロン
チウム等のアルカリ土類金属化合物、および酸化第2銅
や炭酸第2銅、硝酸銅のような銅化合物を所定量混合加
熱して固相反応させる方法、ビスマス、ストロンチウム
、バリウム等のアルカリ土類金属および銅の塩化物や硝
酸塩等の可溶性化合物の水溶液の混合物にシュウ酸塩、
炭酸塩、ギ酸塩等の水溶液を添加して共沈した後加熱し
て反応させる方法がある。また、これらのうち2種の金
属塩を用い共沈法によって沈澱を製造した後、他の金属
化合物と混合して所定の複合酸化物を得ることもできる
さらにはビスマス、アルカリ土類金属、および銅の有機
錯体を所定量混合した有機錯体混合物を加熱して反応さ
せる方法もある。これら錯体の有機配位子として、オク
チル酸、ナフテン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、パル
ミチン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、アセチルアセ
トン、プロパツール等を挙げることができる。
次に本発明において使用する基板について説明する。本
発明において使用する基板とは、後に述べる加熱と冷却
の両工程において耐熱性を有し超伝導性複合酸化物との
反応性の低い基板である。その反応性とは、後に述べる
加熱と冷却の両工程における超伝導性複合酸化物層と基
板の反応性を意味する。基板と超伝導性複合酸化物との
反応は超伝導複合酸化物の組成変動を誘起し、超伝導特
性が低下するため好ましくない。
反応性の低い基板の材料は、たとえばマグネシア、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化銅、アルミナ、サファイア、
セリアなどのセラミックス、A u s P t s 
A g % Cu Sp ds Rh % I rなど
の金属、ZnO,In2O3などの半導体を挙げること
ができる。
また、前記の基板以外に後に述べる加熱冷却工程におい
て耐熱性を有する支持体上に超伝導性複合酸化物との反
応を抑制するバッファー層を被覆した基板を用いること
もできる。該基板は前記の反応性の低い基板材料が支持
体上に被覆された基板である。
支持体としては、たとえばシリカ、ムライト、ジルコニ
ア、部分安定化ジルコニア、石英ガラスなどのセラミッ
クス、ステンレス、銅、チタン、クロムなどの金属、シ
リコンなどの半導体が挙げられるが、耐熱性を有すれば
いずれも使用でき上記材料に限定されない。
バッファー層を支持体上に被覆した基板としては、たと
えばチタン酸ストロンチウムを被覆したジルコニアや部
分安定化ジルコニア、Au被覆したシリカ、マグネシア
被覆したシリコン、マグネシア被覆したジルコニアや部
分安定化ジルコニアなどを挙げることができる。
前記バッファー層の被覆方法としては、たとえばバッフ
ァー層の構成金属元素の金属イオンの有機塩を支持体上
に塗布した後、加熱反応させて被覆させる方法、及び被
覆に用いるバッファー層の原料粉末を分散媒体に均一混
合した後、支持体上に塗布し、次いで加熱により分散媒
体を除去してバッファー層を被覆する方法などがある。
さらにはスパッタリング、CVD、真空蒸着法などによ
りバッファー層を被覆することもできる。
前記の金属イオンの有機塩としては、金属アルコキシド
、カルボン酸金属塩、金属アセチルアセトナートなどを
挙げることができる。また前記分散媒体としてポリスチ
レン、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、ポリ
アクリロニトリル、ポリエチレングリコール等のポリマ
、有機溶剤、界面活性剤およびアンモニウム塩、酸化物
、ガラス等の無機物媒体を挙げることができる。
本発明の基板の形体は本発明の超伝導材料の応用分野に
応じて種々の形体が使用できる。例えば強力、小型、低
消費電力磁石用にはコイルパターン作成のために円筒形
体の基板、低損失配線、電極およびエレクトロニクスデ
バイス用には線、面パターン作成のために平板形体の基
板等の使用が可能である。
次に本発明でいう基板上の超伝導性複合酸化物層の形成
方法について説明する。
本発明の超伝導性複合酸化物層とは超伝導複合酸化物層
またはその原料層である。
超伝導性複合酸化物層の形成方法は、たとえば前記で製
造した超伝導性複合酸化物またはその原料を分散媒体と
ともに均一混合した後基板上に塗布する方法、超伝導性
複合酸化物原料の溶液を塗布する方法、加熱溶融した超
伝導性複合酸化物またはその原料を塗布する方法などを
用いることができる。その塗布方法は、通常のスピンコ
ード法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、バーコ
ード法等が挙げられる。しかし上記に限定されない。塗
布膜厚は用途に応じてサブミクロン−ミルオーダーの膜
厚が可能である。電磁石用コイルには数10〜数100
μm1LSI用配線・電極には2〜0.05μ道の膜厚
範囲が適当である。
また、超伝導性複合酸化物層をスパッタリング法、蒸着
法、CVD法、MBE法を用いて形成することもできる
。必要があれば、該複合酸化物中に充填剤を含有させた
り、該複合酸化物層上に保護層を設けることができる。
超伝導性複合酸化物層がその原料層である場合、原料層
は後に述べる加熱と冷却の両工程において反応させて超
伝導複合酸化物とすることができるため使用可能である
また、複合酸化物層中に複合酸化物の溶融を助けるフラ
ックスを添加することもできる。フラックスとして、た
とえばB i 203、pbo。
PbO2、KCl5SnO2、CuOなどを挙げること
ができる。フラックス添加によって複合酸化物の溶融温
度が低下し、加熱冷却後の結晶配向性が向上するため好
ましいが、多量の添加によっては超伝導体体積分率の低
下や超伝導電流を妨げる粒界相として存在するため添加
量を考慮する必要がある。添加量は添加物種、複合酸化
物組成により異なるため限定されないが、たとえばBi
、Sr、Ca、Cu20a組成にPbOを添加する場合
0.1〜50重量パーセントである。
次に前記の超伝導性複合酸化物層を加熱して該酸化物を
溶融状態、または、半溶融状態とした後、該酸化物層内
に強制的に温度勾配を設けて冷却する加熱と冷却の両工
程について説明する。
まず基板上に形成された超伝導性銅系複合酸化物層は加
熱処理する。その加熱処理温度は該複合酸化物組成に依
存するため限定はしない。
たとえばBi+Sr+Ca+CuzO6組成の超伝導複
合酸化物では加熱温度は加熱雰囲気によって異なり、た
とえば空気中では850℃以上、酸素中では880℃以
上である。好ましくは900℃以上、1400℃以下で
ある。850℃未満では、複合酸化物が溶融しにくいた
め冷却処理後の複合酸化物は結晶軸がランダムな無配向
の複合酸化物層を生じ易く好ましくない。さらに高温に
おいて加熱することは超伝導複合酸化物の配向性を高め
るために好ましいが、1400℃以上では該複合酸化物
が熱分解して、不純物を生成し易く、また基板との反応
による不純物が生成し、該複合酸化物の組成変動を起こ
し易いため好ましくない。溶融状態または半溶融状態と
した該酸化物層は、次いで融点以下の温度(T2)で熱
処理される。T2は該複合酸化物組成、加熱雰囲気に依
存するため限定はしない。たとえば、Bi+Sr+Ca
+Cu206組成のものを酸素雰囲気中で加熱する場合
にはT2は800℃以上900℃以下である。さらに好
ましくは850℃以上880℃以下である。800℃以
下では加熱処理時間を長く要し好ましくない。また90
0℃以上では半導体相を生成しやすいため好ましくない
また加熱処理における加熱雰囲気は該複合酸化物組成に
より異なるが02.02/N2、N2、Arなどの雰囲
気中において行なう。その加熱時間は加熱方法により異
なるが通常10分〜1週間である。その加熱方法は、た
とえば、抵抗加熱法、高周波加熱法、レーザー光や赤外
線等の輻射エネルギー照射法などを用いることができる
。このうち輻射エネルギー射出法では、加熱時間が10
分以下の短時間にすることもできる。
前記の方法で加熱処理された基板上の超伝導性複合酸化
物層は、次いで該酸化物層内に強制的に温度勾配を設は
冷却処理される。
該酸化物層内に強制的に温度勾配を設ける冷却する方法
として、たとえば該酸化物層内に基板面の垂直方向に温
度勾配を保持しながら冷却する方法がある。
その冷却方法はたとえば超伝導性複合酸化物層を形成し
た基板を冷却可能な基板ホルダー上に置き、その基板ホ
ルダーの温度と該酸化物層の加熱雰囲気温度との差を設
けることにより該酸化物層内に温度勾配を基板面に垂直
方向に設けることができる。また、前記方法に限定され
ることなく基板の両面から独立して該酸化物層を輻射加
熱するとき、両面の輻射加熱量を調整して温度勾配を設
ける方法や、基板面に高温または低温の気体や液体を接
触供給させて該酸化物内に温度勾配を設ける方法を用い
ることもできる。
冷却時の該酸化物層内の温度勾配は、冷却役得られる超
伝導複合酸化物の結晶配向方向に影響する。その配向機
構は明らかではないが、例えば基板面を低温側、該酸化
物層表面を高温側として冷却した場合、基板と該酸化物
層表面との温度差により超伝導複合酸化物層の結晶軸の
C軸配向方向が変化する。すなわち基板と該酸化物表面
の温度差の小さい冷却条件では、冷却後の超伝導複合酸
化物の結晶軸C軸配向方向は基板面と垂直方向であるが
、温度差増加に従って超伝導複合酸化物の結晶軸のC軸
が基板面と平行方向に配向することを見出した。この配
向軸制御によって高いJcの超伝導材料を得ることが6
1能となった。
冷却工程における冷却速度は該複合酸化物組成に依存す
るため限定されない。たとえば、B+Sr+Ca+Cu
zOa組成の複合酸化物では冷却速度が小さいことは超
伝導相生成に好ましく、その冷却速度は0.01〜1o
00”c /分である。さらに好ましくは0.1−10
0℃/分である。
また、該複合酸化物層内の温度勾配は該複合酸化物組成
、加熱と冷却の両工程に依存するため限定されないが、
たとえばBi+Sr+Cal・Cu20a組成の複合酸
化物層を有する基板を低温の基板ホルダー上に設置して
基板側より冷却する場合、10−4〜b 10−1〜b 104℃/μm未満では温度勾配の効果がなく、lO℃
/μlを越えると得られる超伝導複合酸化物材料にクラ
ックを生じ易く好ましくない。
クラックの発生原因は明らかではないが、超伝導性複合
酸化物層の形成方法、冷却速度や温度勾配などの熱処理
条件、基板材料と超伝導性複合酸化物材料の熱膨張係数
の差などが影響していると思われる。
超伝導複合酸化物材料にクラックが高密度に生じた場合
輸送電流の弱結合流域の増加により材料のJc低下やT
c低下を引き起こす。
したがって、クラックを含まない超伝導複合酸化物にお
いては高いTc、およびJcを有し実用上好ましいもの
となる。
また、該酸化物層内に基板面と平行方向に温度勾配を設
けて冷却する方法を用いることもできる。その方法はた
とえば該酸化物層を有する基板を高温部から低温部に向
って基板面と平行方向に移動させる方法、低温の固体ま
たは流体を基板の一部に接触させる方法などを挙げるこ
とができる。これら基板面と平行方向に該酸化物層内に
温度勾配を設けて冷却した場合、たとえばBi ISr
+ CalCu20a組成の超伝導複合酸化物では、得
られた超伝導複合酸化物の結晶軸C軸が基板面に垂直方
向に配向する。
加熱工程と該酸化物層内に強制的に温度勾配を設けて冷
却する冷却工程との両工程により得た超伝導複合酸化物
材料は、結晶軸C軸の配向方向が制御された高いJcを
有する材料である。
また、加熱と冷却の両工程の後、たとえば材料の応力の
除去や超伝導相の増加を図るために900℃未満の温度
において更に加熱処理を施す後熱処理をおこなうことも
できる。
必要があれば本発明の製造方法により得た配向性超伝導
複合酸化物材料の安定化や故障電流対策のため常伝導体
、またはジョセフソン接合素子作製のための絶縁体など
を上層に設けてもよい。さらには、前記材料を積層構造
にして流し得る電1fflffiを増加させることもで
きる。
本発明の配向性超伝導接合酸化物材料の製造方法は、結
晶軸配向方向が制御されることにより、高いJcを有す
る超伝導酸化物材料を提供する。しかも本製造方法は必
ずしも単結晶基板を必要とせず、多結晶基板や支持体上
にバッファー層を被覆した安価な基板を用いることがで
きるため低コストで高い生産性を有する。
[実施例] 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 三酸化ビスマス46.6g、炭酸ストロンチウム29.
5g、酸化カルシウム11.2g、酸化第2銅31.8
gをボールミルで混合後800”Cの温度で空気中24
時間焼成して複合酸化物を得た。
該複合酸化物を振動ミルで平均粒径2μmに粉砕した粉
末20gにポリビニルブチラールのメチルエチルケトン
溶液(8重量%)  40gを加え、ボールミルで24
時間混合して均一混合物を得た。
サファイア板(IOX 25X 0.4m1)上に均一
混合物を乾燥膜厚20μmに均一塗布した。該サファイ
ア板を中央部分が偏平な中空石英管製基板ホルダー(i
o+anφ外径、120clan+長さ、偏平部10+
nIIIX 30mm)上に置き、抵抗加熱管状炉内で
1o00’cの温度において酸素気流中で5時間加熱し
た。
加熱後、中空石英管内に空−気流を供給(流量59/分
)するとともに管状炉内雰囲気温度を冷却速度1.5℃
/分で870℃まで冷却した後、870℃で100時間
加熱した後1.5℃/分で室温まで冷却した。
得られた複合酸化物層の構造をX線回折法(CuKa線
)により測定したところ、Bi25r2Ca  2 C
u  30a  、  Bi  2 Sr2・CalC
u2O,構造を有し、(1,5,0)(2,LO,0)
回折ピークが強いことより結晶軸(C軸)が基板面に平
行方向に配向した配向性複合酸化物層であることがわか
った。得られた複合酸化物層の表面及び断面を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、クラックはほとんど認めら
れなかった。
該酸化物層のクラックを有しない部分のa、b軸配向方
向に四端子電極をつけ、クライオスタット中で電気伝導
度の温度依存性を測定したところTc80K(抵抗ゼロ
転移温度)を有する超伝導体であることがわかった。
また印加磁界ゼロの液体窒素温度におけるJcは250
0A/cI112であった。
なお冷却工程において基板ホルダーの温度と炉内雰囲気
温度の温度差(八Tと略称する)は25℃(酸素気流が
高温側であり膜厚方向の温度勾配は0.5℃/μmと計
算される)であり、該複合酸化物層が基板界面より該複
合酸化物表面に向って温度勾配をもって冷却されている
ことがわかった。
実施例2〜4 冷却工程における中空石英管内の供給空気−流量を変化
させた以外は実施例1と同様にして配向性超伝導複合酸
化物を得た。実施例1と同様に表面、断面を走査型電子
顕微鏡で観察したところ、クラックはほとんど認められ
なかった。
冷却工程における酸素気流温度と基板ホルダー温度の差
(八Tと略称する)、X線回折法(CuKa線)による
複合酸化物層の結晶軸配向方向、クラックのない部分に
おけるTc(抵抗ゼロ温度)、Jc(印加磁界ゼロ、液
体窒素温度)を表1に示す。
表  1 実施例5 硝酸ビスマス、硝酸ストロンチウム、硝酸カルシウムお
よび硝酸銅をそれぞれO,la+o115Lの濃度にイ
オン交換水に溶解した。硝酸ビスマス溶液1文、硝酸ス
トロンチウム151、硝酸カルシウム溶液151.硝酸
銅溶液2交を採り混合水溶液とした後、シュウ酸2水和
物75.6gをイオン交換水に溶解した水溶液5交に混
合水溶液を滴下してビスマス、ストロンチウム、カルシ
ウム、銅のシュウ酸塩を共沈せしめた。得られた沈澱を
濾過、乾燥した後、800℃の温度において空気中で2
4時間焼成して複合酸化物を得た。
該複合酸化物20gにポリビニルブチラールのメチルエ
チルケトン溶液(8重量%)30gを加え、ボールミル
で12時間混合して均一混合物を得た。
イツトリア部分安定化ジルコニア板(25XIOX O
,3mm)上にチタン酸ストロンチウムの有機塩溶液(
高純度化学製:5P−08)をスピンコードした後80
0℃の温度において空気中2時間加熱して該ジルコニア
板上にSrTiO3薄膜(膜厚0.4μm)が被覆され
た基板を得た。該基板上に複合酸化物の均一混合液を乾
燥膜厚50μ■に均一塗布した。
赤外線加熱炉内の移動可能なアルミナ製基板ホルダー上
に該ジルコニア板を置き、酸素気流中で1100℃の温
度において5時間加熱した。
次いで基板ホルダーをla++a/分の速度で加熱炉内
の高温側から低温側に移動させ、該基板の長手方向に温
度勾配を保ちながら該基板を冷却した。
さらに、該基板を870℃の温度において96時間、酸
素中加熱した後1.5℃/分の速度で冷却した。
得られた複合酸化物の構造をX線回折法(CuKa線)
により、測定したところ、Bi25r2CazCuxO
a構造を有し、(o、o、n)面(nは2.4.6.8
,10.12,14.1B、18.20)の回折強度が
強いことにより、C軸が基板面に垂直方向に配向した配
向性複合酸化物であることがわかった。また、得られた
複合酸化物層の表面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、クラックはほとんど認められなかった。
該基板上の複合酸化物に四端子電極を付け、クライオス
タット中で電気伝導度の温度依存製を測定したところT
c83K(抵抗ゼロ転移温度)を有する超伝導体である
ことがわかった。
また外部印加磁界ゼロ、液体窒素温度におけるJcは4
500A/cIll’であった。
実施例6 三酸化ビスマス4G、6g、炭酸ストロンチウム29.
5g、酸化カルシウム 11 、2g、酸化第2銅31
.8gにポリビニルブチラールのメチルエチルケトン溶
液(10重量%) 200gおよび大豆レシチン2gを
加えボールミルで混合して均一混合物を得た。
サファイア板(IOX 20X O,4a+a)に均一
混合物を乾燥後膜厚100μIとして均一塗布した。該
サファイア板を中央部分が偏平な中空石英管基板ホルダ
ー(10mmφ外径、1200mn長さ、偏平部10m
mX 30o+m)上に置き、抵抗加熱管状炉内で空気
中で1000℃の温度に加熱するとともに、中空石英管
内に空気流を供給(流Mil 交/分)した。
石英管内に空気流を供給しながら、管状炉内雰囲気温度
を20℃/分で室温まで冷却した。次いで酸素雰囲気中
、870℃の温度において48時間加熱した後20℃/
分で室温まで冷却した。
得られた複合酸化物の結晶構造をX線回折法(CuKa
線)により測定したところ、Bi25r2Ca+Cu2
06構造(C−30人)とBi25「2・Ca2Cu3
06構造(C−36人)が混在し、(0,0,n)面(
nは2.4゜6.8.10,12,14.16.L8,
20)の回折強度が強いことから結晶軸(C軸)が基板
面に垂直方向に配向した配向性複合酸化物層であること
がわかった。
該酸化物層に四端子電極をっけ、クライオスタット中で
電気抵抗の温度依存性を測定したところTc(抵抗ゼロ
温度)82Kを有する超伝導体であることがわかった。
また印加磁界ゼロの液体窒素温度におけるJcは410
0A/cm 2であった。
なお、加熱及び冷却工程において基板ホルダーの温度と
炉内雰囲気温度の温度差は5℃(膜厚方向の温度勾配は
0.08℃/μmと計算される)であり、該複合酸化物
層が基板界面より該酸化物表面に向って温度勾配をもっ
て冷却されていることがわかった。
[発明の効果コ 以上説明したように、本発明の配向性超伝導複合酸化物
材料の製造方法は、結晶軸の配向方向が制御されること
により高いJcを有する超伝導酸化物材料を提供し、低
コストで高い生産性を有するため産業上極めて有用であ
る。該材料は超伝導磁石、電気電子材料及びエレクトロ
ニクスデバイス等の応用分野に貢献するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 基板上の超伝導性複合酸化物層を加熱したのち、超伝導
    性複合酸化物層内に強制的に温度勾配を設けて冷却する
    ことを特徴とする配向性超伝導複合酸化物材料の製造方
    法。
JP63173757A 1988-07-14 1988-07-14 配向性超伝導複合酸化物材料の製造方法 Pending JPH0226808A (ja)

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