JPH0225677B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、下水、工場廃水その他の汚水処理に
おいて、微生物を利用して汚水を好気的に浄化処
理するための水中浸漬型の曝気装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕 従来の水中浸漬型の曝気装置は、第５図に示す
様に筒状ケーシング（シユラウド）１内にモータ
２によつて駆動されて被処理液体を送るための軸
流又は斜流の羽根車３がバブ４にて支持されて配
備され、その吐出側に間隔をあけて同軸的に内側
ケーング（バブ側ケーシング）５を設けて筒状ケ
ーシング１との間に環状吐出流路６を形成し、内
側ケーシング５に気体流出口７を開口して内側ケ
ーシング５内に導かれる空気等の酸素含有気体を
環状吐出流路６内に流出される様になつている。

この様な曝気装置は処理されるべき液槽内に設
置され水没状態で用いられ、モータ２によつて羽
根車３を回転することにより被処理液体が筒状ケ
ーシング１内に吸い込まれ、羽根車３を通過して
環状吐出流路６から吐出されるが、途中の気体流
出口７から流出する酸素含有気体を液流によつて
細分化した気泡状態にし、気泡が被処理液体中に
混入され、気液混相流となつて液槽中に抗散され
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

曝気の目的は、気泡中あるいは液体中に溶けて
いるガス成分をそれぞれ液体中あるいは気泡中に
移動させることであり、そろ効率は気泡と液体と
の接触表面積に最も強く依存する。

ところが、従来の曝気装置では、気泡を液流の
乱れのみによつて細分化するもので、必ずしも十
分に微細な気泡とはならず、気液界面の面積が気
体量の割りに小さい。そのため、効率良く酸素を
被処理液体中に溶け込ますことができないという
問題点があつた。また、以上の様な曝気処理に必
要な動力は、都市下水処理場にあつてはその使用
総電力の約半分に相当し、より高効率な曝気装置
の開発が重要課題となつている。

本発明はこの様な問題点を解決し、気体を従来
よりはるかに微細な気泡に細分化し、気体が液体
に溶け込む量を増大させ、高効率な曝気を行いう
る曝気装置を提供することを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、筒状ケーシング内に駆動装置によつ
て駆動されて被処理液体を送るための羽根車を配
備し、その吐出側に同軸的に内側ケーシングを設
けて前記筒状ケーシングとの間に環状吐出流路を
形成し、前記内側ケーシングの中央部の少なくと
も一部を回転可能にし、該回転部に気体流出口を
開口すると共に回転部内部を酸素含有気体室たら
しめたことを特徴とする曝気装置を提供するもの
である。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面を参照しながら説明すれ
ば、第１図に示す様に曝気装置の主要構成部分で
ある符号１〜６で示される部分は第５図の従来例
と変わるところはない。通常、内側ケーシング５
の中央部１１は円錐状又は円筒状に形成されてお
り、本発明ではこの内側ケーシング中央部１１の
一部又は全部を回転可能にし、この回転部の外周
に気体流出口７′を開口されてあり、また中央部
１１の内部を酸素含有気体室１２とし、この室１
２に給気管１３が連結されて図示しない供給源か
ら酸素含有気体が供給されるごとくなつている。

従つて、羽根車３により筒状ケーシング１内に
吸い込まれた被処理液体は、環状吐出流路６を経
て吐出されるが、同時に内側ケーシング５の中央
部１１を回転させることによつて、第２図の様に
気体流出口７′から流出した気泡は、強い剪断応
力を受け極めて微細に細分化され、液流中に均一
に分散される。また、回転する中央部１１の内部
は酸素含有気体室１２となつており、回転する中
央部１１の裏側の摩擦損失を大幅に軽減すること
ができる。

なお、内側ケーシング５の回転する中央部１１
を羽根車３とは別に駆動することもできるが、図
示例のごとく羽根車３のハブ４に連結して羽根車
３と共に回転させるのが好ましい。この場合、内
側ケーシング５の回転する中央部１１の表側の摩
擦損失はモータ２の動力を多少増大されるが、第
３図の様にすることも好ましい態様である。

第３図においては、内側ケーシング５の中央部
１１を羽根車３のハブ４に対して回転自在とし、
中央部１１の表面に液流により回転するタービン
羽根１４を固定しておけば、動力をほとんど増加
させずに中央部１１は回転し、効率的な曝気を行
うことができる。即ち、第４図の様にタービン羽
根１４は羽根車３によつて流出する液流の角運動
量を受けとめ、中央部１１を回転させて強い剪断
応力によつて気泡の微細化を行うものである。こ
の時、微細化した気泡を再合一させずに液槽内に
拡散させるのは、主として軸方向に流出される流
れであつて、回転方向の流れはあまり寄与してい
ない。従つて、回転方向の流れが持つ角運転量を
タービン羽根１４を有する中央部１１の回転のた
めに消費しても特に不都合はない。また、タービ
ン羽根１４の形状は図示例の様な異物が引つ掛か
らない形状にすることが好ましく、タービン羽根
１４を含めて回転する中央部１１の材質には、
FRPのごとき軽量なものを用いて回転しやすく
すると良い。

なお、前述した本発明において、内側ケーシン
グ５の回転する中央部１１に開口した気体流出口
７′は連続する微細気孔を有する多孔体で形成す
るのが好ましい。例えば、気体流出口７′に多孔
体をはめ込んだり、中央部１１の一部を多孔体と
してこれを気体流出口７′とし、多孔体から気体
を散出させるようにすると良い。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明によれば、曝気装置に
おける羽根車の吐出側に設けた内側ケーシングの
中央部の少なくとも一部を回転可能にし、この回
転部から気体を流出させる様にしたことにより、
液流と回転体とが大きな速度差をもち、強力な剪
断作用によつて気泡を微細価すると同時に微細気
泡を液流中に分散させ、液体に溶け込む気体量を
増やし、極めて高効率な曝気を行うことができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部切断側面
図、第２図は第１図の気体流出口付近の部分的斜
視図、第３図は本発明の他の実施例を示す一部切
断側面図、第４図は第３図の気体流出口付近の部
分的斜視図、第５図は従来例を示す説明断面図で
ある。 １……筒状ケーシング、２……モータ、３……
羽根車、４……ハブ、５……内側ケーシング、６
……環状吐出流路、７，７′……気体流出口、１
１……内側ケーシング中央部、１２……酸素含有
気体室、１３……給気管、１４……タービン羽
根。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒状ケーシング内に駆動装置によつて駆動さ
   れて被処理液体を送るための羽根車を配備し、そ
   の吐出側に同軸的に内側ケーシングを設けて前記
   筒状ケーシングとの間に環状吐出流路を形成し、
   前記内側ケーシングの中央部の少なくとも一部を
   回転可能にし、該回転部に気体流出口を開口する
   と共に回転部内部を酸素含有気体室たらしめたこ
   とを特徴とする曝気装置。 ２ 前記回転部が前記羽根車と共に回転可能に連
   結されているものである特許請求の範囲第１項記
   載の曝気装置。 ３ 前記回転部表面に液流により回転するタービ
   ン羽根が固定されているものである特許請求の範
   囲第１項記載の曝気装置。 ４ 前記気体流出口が多孔体で形成されているも
   のである特許請求の範囲第１〜３項のいずれか一
   つの項記載の曝気装置。