JPH02250802A - 徐放性害虫忌避材 - Google Patents

徐放性害虫忌避材

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JPH02250802A
JPH02250802A JP6949189A JP6949189A JPH02250802A JP H02250802 A JPH02250802 A JP H02250802A JP 6949189 A JP6949189 A JP 6949189A JP 6949189 A JP6949189 A JP 6949189A JP H02250802 A JPH02250802 A JP H02250802A
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保夫 敷波
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畑 邦広
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、蚊、ナメクジ、ヤスデ、ヨトウムシ等の害虫
に対して、忌避効果を有するp−メンタン−3,8−ジ
オールのシス体とトランス体を常温で液状となる比率に
混合したものと、その基材である熱可塑性エラストマー
の親和性を調節することにより、p−メンタン−3,8
−ジオールを徐々に外部空間に蒸発させ、該害虫を長期
間忌避することを可能とした害虫忌避材に関する。
〔従来の技術〕
従来から害虫を防除する手段としては、1.スプレー式
殺虫剤や燻煙剤に代表される殺虫による防除、2.ゴキ
ブリ捕獲器や電撃殺虫器に代表される捕獲による防除、
3.防虫スプレーやシート状忌避材に代表される忌避に
よる防除が一般的に行われている。
蚊は種々の伝染病を媒介するため、その防除対策は極め
て重要である。人間に対しては、マラリア、日本脳炎等
の病気を媒介し、犬に対しては、フィラリアの原因とな
る寄生虫の中間宿主として重大な被害を与えるものであ
る。この蚊の駆除手段としては、ピレスロイド系殺虫剤
や有機リン系殺虫剤のスプレー式の噴霧、ピレスロイド
系殺虫剤を主成分とする蚊取線香等にみられる殺虫によ
る防除、紫外線により蚊を誘引し、電気的ショックを与
えて死に至らしめる、いわゆる電撃殺虫器による捕獲等
が一般的に行われている。又、忌避剤を配合したスプレ
ーを噴霧し、一定期間蚊を寄せつけなくする方法も用い
られている。
ところで、p−メンタン−3,8−ジオールが蚊、ナメ
クジ、ヤスデ、ヨトウムシ等の害虫に対して、忌避効力
があることは知られている。このp−メンタン−3,8
−ジオールは構造異性体及び光学異性体を有する物質で
あり(+)−シス−p−メンタン−3,8−ジオール、
(−)−シス−p−メンタン−3,8−ジオール、(+
)−トランス−p−メンタン−3,8−ジオール、(−
)−トランス−p−メンタン−3,8−ジオールの4種
類の異性体が存在する。これらの物質の融点は、いずれ
も57℃〜60℃であり、常温では固体である。しかし
、これらはいずれも常温の固体状態であっても揮散性を
有しており、蚊、ナメクジ、ヤスデ、ヨトウムシ等の害
虫に対して、雰囲気による忌避効力を発揮することがで
きる。
このp−メンタン−3,8〜ジオールを熱可塑性エラス
トマーに配合してシート状とする技術も提示されている
0以上の駆除手段には次のような問題点が残されている
〔発明が解決しようとする課題〕
従来より使用されているスプレータイプの空間噴霧剤の
場合には、空中に噴霧された微細な殺虫剤の粒子に蚊が
接触しない限りその効力を発揮しないため、蚊のいる空
間に対して過剰な量を直接噴霧する必要があり、効率が
悪く、かつ不快臭が強い等の問題もあった。
又、蚊取線香や電気式蚊取器も最近よく使用されている
が、これらも火や電気による発熱を利用して、微細な殺
虫剤粒子を空間に漂わせるものであり、スプレータイプ
の空間噴霧剤と同等の問題を有している。しかも、大小
屋等で使用する場合には、蚊取線香は火を使っているた
め安全上の問題を有しており、電気蚊取器の場合にはコ
ンセントプラグの接続等の実用上の煩雑さに問題がある
さらに電撃殺虫器による捕獲では、その効果が夜間しか
期待できないという問題がある。
又、忌避剤を配合したスプレーでは、スプレー直後は著
しい効果が得られるが、その効果は短時間しか持続せず
、長期間の効果を期待する場合には何度も繰り返しスプ
レーする必要がある。
又、本発明に使用するp−メンタン−3,8−ジオール
を忌避剤として使用する場合には、前述の通りp−メン
タン−3,8−ジオールが常温の固体状態でも揮散性を
有するため、その揮散量を制御することができず効率的
でない。そこで特願昭63−274662号にあるよう
に、p−メンタン−3,8−ジオールを熱可望性エラス
トマーに配合し、その親和性を調節することにより、p
−メンタン−3,8−ジオールを徐放させる技術が提示
された。この方法によれば、p−メンタン−3,8−ジ
オールを長期にわたって、効力を有する範囲で少量ずつ
持続的に放出させることができる。しかし、p−メンタ
ン−3,8−ジオールの4種類の異性体はいずれも融点
が57℃〜60℃であり、常温では固体である。そのた
めp−メンタン−3,8−ジオールの安定した徐放シス
テムを構築するためには、基材物質中でp−メンタン−
3,8−ジオールが連続層を形成できるように適当な液
状成分を併用する方が望ましい等の問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題を解決すべく鋭意研究した結果、p−メンタン
−3,8−ジオールのシス体とトランス体を一定の比率
で混合した場合には、その混合物が液状となることを発
見した。本発明は、このシス体とトランス体を混合して
液状としたp−メンタン−3,8−ジオールと熱可塑性
エラストマの親和性を調節することにより、p−メンタ
ン=3.8−ジオールの徐放システムの設計をより容易
にしたものであり、これをペレット状、シート状、ネッ
ト状、ロンド状等に成形することにより、敷いたり、吊
り下げたりするだけで、蚊、ナメクジ、ヤスデ、ヨトウ
ムシ等の害虫を長期間忌避することを可能とした害虫忌
避材を提供するものである。
〔作 用〕
天然物であるユーカリ精油中に含まれるp−メンタン−
3,8−ジオールが、蚊、ナメクジ、ヤスデ、ヨトウム
シ等の害虫に対して忌避効果を有していることは、すで
に知られている。中でもp−メンタン−3,8−ジオー
ルのトランス体は低濃度でも忌避活性を保持する。とこ
ろが、このp−メンタン−3,8−ジオールは揮散性物
質であり、原体のまま使用すれば揮散量が制御できず効
率的でない。又、p−メンタン−3,8−ジオールには
4種類の異性体が存在しているが、これらの融点はいず
れも57℃〜60℃であり常温では固体である。一方、
揮散性物質の徐放システムを考える時には、その揮散性
物質が固体であるよりも液体である方が徐放システムの
設計は容易である。本発明はこのような視点からp−メ
ンタン−3,8−ジオールをより容易に徐放させるべく
鋭意研究した結果、p−メンタン−3,8−ジオールの
シス体とトランス体を一定の比率で混合した時にはその
混合物が液状となることを発見し、このシス体とトラン
ス体を混合して液状としたp−メンタン−3,8−ジオ
ールと熱可塑性エラストマーの親和性を調節することに
よりその揮散量を制御し、p−メンタン−3,8−ジオ
ールを長期にわたって効力を有する範囲で少量ずつ持続
的に放出させることのできる系を確立したものである。
以下に本発明の詳細な説明する。
一般に、基材物質の中に揮散性物質が均一に混合されて
いる時には、その表面に存在する揮散性物質が、物質固
有の蒸気圧に従って空気中に揮散していく、その結果、
表面と中心部での揮散性物質の濃度が不均一となり濃度
勾配ができる。この濃度勾配のために、中心部に存在す
る揮散性物質が徐々に表面層に移動し、そこから空気中
に揮散していく、このような流れを持続させて、揮散性
物質が連続的に空気中に揮散していくのである。
ところが、揮散性物質が固体である場合には、揮散性物
質が基材物質中で連続層を形成することは極めて少なく
、不連続に分散していることが多い。
このため、層表面と中心部での濃度勾配を生じない、従
って、常温で固体である揮散性物質を安定的に徐放させ
るためには、適当な液状物質を配合して、その揮散性物
質が基材物質中で連続層を形成できるようにする必要が
ある。これにより、常温で固体である揮散性物質でも層
表面からの揮散に伴い、層表面と中心部で濃度勾配を生
じる。この濃度勾配のために、中心部に存在する揮散性
物質が液状物質の「道すし」を通って表面層に移動し、
連続的に空気中に揮散していく。このように、常温で固
体である物質であっても、その物質が昇華性を有してい
る場合には徐放システムを構築することは可能である。
しかし、今まで述べてきたように徐放システムの安定性
や徐放システム構築の容易さを考えれば、忌避剤自身が
液状である方が望ましいことは自明の理である。
ところで、p−メンタン−3,8−ジオールは構造異性
体及び光学異性体を有する物質であり、(+)−シス−
p−メンタン−3,8−ジオール、(−)−シス−p−
メンタン−3,8−ジオール、(+)−)ランス−p−
メンタン−3,8−ジオール、(−)−)ランス−p−
メンタン−3,8−ジオールの4種類の異性体が存在す
る。これらの物質の融点は、いずれも57℃〜60℃で
あり、常温では固体である。従って、それぞれを単独で
用いることは前述の通り困難である。
このような点をふまえ、より安定した徐放システムを構
築するため鋭意研究した結果、p−メンタン−3,8−
ジオールのシス体とトランス体を一定比率で混合するこ
とにより、その混合物が液状となることを発見した。す
なわち、(+) −シス−p−メンタン−3,8−ジオ
ールと(+)トランス−p−メンタン−3,8−ジオー
ル、(+)−シス−p−メンタン−3,8−ジオールと
(−) −トランス−p−メンタン−3,8−ジオール
、(−)−シス−p−メンタン−3,8−ジオールと(
+)−)ランス−p−メンタン−3゜8−ジオール、(
−)−シス−p−メンタン−3゜8−ジオールと(−)
 −トランス−p−メンタン−3,8−ジオールをそれ
ぞれ一定比率で混合した時には、その混合物は液状とな
ることを発見したものである。混合物が液状となるのは
、いずれの組み合わせにおいても片方の成分を15%〜
85%配合した時である。このようにp−メンタン−3
,8−ジオールのシス体とトランス体をある一定の比率
で混合すれば常温で液状になることを発見したことによ
り、忌避剤自身が液状である徐放システムを構築するこ
とが可能となったものである。
さて、徐放システムを構築する時に次に問題となるのは
蒸散性物質の蒸散速度の調節である。これは蒸散性物1
t(p−メンタン−3,8−ジオール)が基材物質中を
移動する速度を調節することによって成しとげることが
できる。そしてその蒸散性物質が基材物質中を移動する
速度を調節するためには、基材物質と蒸散性物質とのA
ffinitycontroll (親和性の調節)が
必要となる。
一般に、ポリマーに対する親和性の程度を左右する因子
として、溶解度係数(Solubility para
age ter)が知られている。すなわち、ポリマー
の溶解度係数(以下sp値と略す)と、ある物質のSP
値が近似しておれば、それらは親和性が高く、相溶性が
良好である。逆に、ポリマーとぞの物質のSP値が大き
く離れている場合には、それらは親和性が乏しく相溶性
の悪い組み合わせである。
さて我々は、本発明の忌避成分であるp−メンタン−3
,8−ジオールと種々のポリマーの親和性を鋭意研究し
た結果、該忌避成分を長期間にわたって、効力を有する
範囲で少量ずつ持続的に放出させることのできる系を発
見するに至ったものである。さらに具体的な説明を加え
る。
1種類のホモポリマーを用いて、本発明の害虫忌避成分
であるp−メンタン−3,8−ジオールを長期間にわた
り、効力を有する範囲で持続的に放出させる、いわゆる
徐放性を達成することは困難である。なぜなら、ホモポ
リマーと該忌避成分の親和性が高い時には、相溶性が良
好であるために、該忌避成分がポリマー層中を移動する
速度が極めて遅く、表層からの該忌避成分の空気中への
揮散を適度にコントロールすることは困難であり、有効
な忌避性が得られない。一方、ホモポリマーと該忌避成
分の親和性が低い時には、相溶性が悪くなるため、該忌
避成分を少量しか配合することができず、しかも基材中
に均一に分散させることは困難である。従って、忌避成
分が基材物質中で連続層を形成することができず、忌避
成分を徐放させることは不可能である。
従って、本発明の害虫忌避成分であるp−メンタン−3
,8−ジオールの徐放性を達成するためには、1分子中
に2種類以上の該忌避成分との親和性が異なる構成分子
の部分を有するポリマーが有用である。例えば、ブロッ
ク共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体等が
特に有用である。又、ホモポリマーのブレンド体も考え
られる。
つまり、害虫忌避成分と親和性の良いポリマーと悪いポ
リマーのブレンド体も一つの系として考えられる。しか
し、このようにホモポリマーをブレンドしても、溶解特
性等は各々のホモポリマーの溶解特性に支配されるため
、該忌避成分は親和性の高いホモポリマーに優先的に溶
解することになる。このため、該忌避成分がポジマー層
中を移動する速度が極めて遅くなり、非相溶性のポリマ
ーとの粒界でのマクロな表面において全体の系内の移行
を調節したとしても、表層からの該忌避成分の空気中へ
の揮散を適度にコントロールすることは困難であり、有
効な忌避性は得られ難い。
しかるに、1分子中に2種類以上の該忌避成分との親和
性が異なる構成分子の部分を有するポリマー、例えばブ
ロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体
等を用いた場合には、モノマーユニットの種類や長さの
構成比率を適度に調整することにより、該忌避成分の揮
散速度を調整することができる。このような共重合体で
は、分子内でのミクロ相分離が達成されており、各々の
ミクロドメインが高度に分散しているため、該忌避成分
も共重合体分子中にミクロ的に分子分散している。この
ような共重合体では、ホモポリマーを物理的にブレンド
しただけでは達成できないような特性を発現する。すな
わち、該忌避成分とのSP値が比較的近い七ツマーユニ
ットあるいはモノマーの連続層であるセグメントとかな
り離れたSP値を有するものからなる共重合体では該忌
避成分との相溶性をうま(コントロールすることができ
、それにより該忌避成分の徐放性が達成されるものであ
る。又、この徐放性の速lはセグメントの構成比率等に
より充分調節が可能なものである。又、ここでポリマー
は担持体としての素材であり、材料となるので実に都合
が良い。
該忌避成分は常温揮発性ではあるが、温度が高くなる程
揮散量が多くなるのは言うまでもないことである。従っ
て、成型温度が高ければ、それだけ成型中に揮散してし
まう量が多くなり好ましくない、従って、成型温度がで
きるだけ低い材料を選択することが必要となる。
以上のような条件を全て満足するポリマーを探すべく鋭
意研究した結果、一部の熱可塑性エラストマーを用いれ
ば、該忌避成分が長期間にわたり、少量ずつ持続的に放
出されることを見出した。すなわち、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ブ
タジェン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、部分鹸化PVA、ポリエチレン
グリコールーボリプロビレングリコール共重合体等が、
該忌避成分を徐放させるのに有効であることを見出した
。中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体が、徐放シス
テムの達成の容易さや成型性の良さ等を考慮すれば最適
であることを発見したものである。
p−メンタン−3,8−ジオールのsp値は13.8で
あり、エチレン−酢酸ビニル共重合体の内、エチレンユ
ニットのsp値は8.6、酢酸ビニルユニットのsp値
は11.3である。つまり、p−メンタン−3,8−ジ
オールと酢酸ビニルユニットは比較的親和性が高く、一
方、p−メンタン−3,8−ジオールとエチレンユニッ
トハ比較的親和性が低い、このエチレンユニットと酢酸
ビニルユニットの構成比を適度に調節することにより、
該忌避成分の徐放性を有する系を確立することができた
のである。つまり、酢酸ビニルユニットの構成比率を高
くすれば、全体として該忌避成分との親和性がより高い
系を構築することができるため、より長期間にわたり該
忌避成分を徐放させることができるようになる。一方、
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルユニット
の構成比率が高くなると(40重量%以上)成型性が悪
くなる。従って、より長期間の徐放を達成するためには
、酢酸ビニルユニットの構成比率が低く、成型性の優れ
たエチレン−酢酸ビニル共重合体を基材樹脂とし、酢酸
ビニルユニットの構成比率が高い(50重量%以上)酢
酸ビニル−エチレン共重合体を成型性が悪くならない程
度に加えて成形すれば良い。又、徐放システムの構築に
はエチレン−酢酸ビニル共重合体を基材樹脂とするのが
最も好ましいが、場合によってはポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン等の汎用の樹脂を基材とし、そこに酢酸ビニル
−エチレン共重合体を配合することにより、徐放性を有
する系を構築することが可能である。
さて、本発明の忌避成分であるp−メンタン−3,8−
ジオールを、エチレン−酢酸ビニル共重合体で代表され
る熱可塑性エラストマーに配命する方法としては、忌避
成分を熱可塑性エラストマーに攪拌、加温下で滴下して
吸収させる方法や、加熱ロール上で混練する方法等を採
用することができる。又、通常のプラスチック成型機に
よりペレット状、シート状、ネット状、ロンド状等の任
意の形状に成型加工することが可能である。この場合、
忌避成分であるp−メンタン−3,8−ジオールを熱可
塑性エラストマーに対して配合できる量は通常0.1部
〜30部程度である。しかし、成型の容易さ、効力持続
時間、コスト等を考慮すれば、1部〜15部程度配合す
ることが望ましい。
又、本発明ではp−メンタン−3,8−ジオールと、忌
避性を有する他の植物精油を併用しても良い、このよう
な植物精油の例としてはペパーミント油、ローレル油、
パイン油、ユーカリプタス油、シトロネラ油、ペニーロ
イヤル油、セダー油、ヘンルーダ油、ヒノキ油、ラベン
ダー油、ハツカ油、メリッサ油、サルビア油、ローズマ
リー油、シナモン油、クローブ油等がある。
又、成型時には必要に応じて、着色剤や充填剤、可塑剤
等を加えても良い。
上記成型加工されたペレット状のものは、そのまま木の
根元にまいて木を害虫から保護したり、或いは、開放部
を有する容器中に充填して、玄関やトイレ、或いは部屋
の隅や大小屋の中につりさげて用いると良い。又、シー
ト状、ネット状のものは、大小屋の中に敷いたり、木に
巻き付けて用いれば良い、又、シート状のものは適当な
サイズに切り金具を取り付けて犬や猫に首輪として装着
すれば、蚊、ノミ、ダニ等の害虫を忌避することのでき
る首輪としても使用することができる。さらに、ネット
状のものは網戸と併用すれば、家屋内への害虫の侵入を
より強固に防止することができる。ロンド状のものも木
に巻き付けたり、犬小屋の入口につりさげて用いると良
い。さらに農業用資材としても広範囲に利用できる。つ
まり、農園芸用の支柱やネットにこの発明を利用すれば
、農作物を害虫から保護することが可能となる。又、養
蚕業の分野においても、蚕座の周囲をペレットやシート
でおおってやれば、蚕座への害虫の侵入や蚕の這い出し
を防止することができる。
以下に実施例をあげて本発明を説明する。
〔実施例−1〕 エチレン−酢酸ビニル共重合体〔東ソー株式会社製、商
品名:ウルトラセンUE634)100部に塩素化ポリ
エチレン〔大阪曹達株式会社製、商品名:ダイソラック
H−135140部、水酸化アルミニウム(粒径3μm
)40部、水酸化アルミニウム(粒径3μm)40部に
忌避剤として(+)−シス−p−メンタン−3,8−ジ
オールと(−)−トランス−p−メンタン−3,8−ジ
オールの1:1混合物を10部加え、均一に混合し、ミ
キシングロールにて混練して厚み1mmのシートを作製
した。このシート状の害虫忌避材に含まれるp−メンタ
ン−3,8−ジオールの経時的な残存率をガスクロマト
グラフにより調べた。
一方、比較例として実施例の配合と全く同じもので、忌
避剤だけを固体状のく+)−シスーpメンタンー3,8
−ジオールlO部に変えた厚み1mmのシートを作製し
た。このシート状の害虫忌避材に含まれるp−メンタン
−3,8−ジオルの経時的な残存率を同様にガスクロマ
トグラフにより調べた。これらの結果は次の通りであっ
た。
上記結果よりわかるように、実施例の方では12ケ月間
にわたり、忌避材であるp−メンタン−3,8−ジオー
ルが少量ずつ持続的に放出されているbに対し、比較例
の方では、6ケ月目位までは忌避材が持続的に放出され
ているが、それ以降は忌避材の放出はほとんど見られな
い、すなわち、実施例の方は、本発明の通りp−メンタ
ン−3゜8−ジオールのシス体とトランス体を一定の比
率で混合し、液状となったp−メンタン−3,8−ジオ
ールを忌避剤として用いているため徐放システムの構築
が容易であることを示している。一方、比較例の方は固
体状のp−メンタン−3,8−ジオールを用いているた
め、6ケ月程度経過した時点で、p−メンタン−3,8
−ジす−ルが基材物質中で連続層を維持することが困難
になったため、その時点以降、忌避剤の放出が殆ど見ら
れなくなったと考えられる0以上のように、同じ量の忌
避剤を配合しても、その忌避剤が常温で液状であること
により、より長期にわたって徐放システムを維持するこ
とが可能である。
〔実施例−2〕 酢酸ビニルユニットを26重景%含むエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(東ソー■製:商品名ウルトラセンUE6
34)100部に酢酸ビニルユニットを60重量%含む
酢酸ビニル−エチレン共重合体〔日本合成化学工業側型
:商品名ソアブレンCI)を20部、(+)−シス−p
−メンタン−3,8−ジオールと(−)−トランス−p
−メンタン−3,8−ジオールのl=1混合物を10部
加え、均一に混合し、ミキシングロールにて混練して厚
みが1mmのシートを作製した。このシト状の害虫忌避
材に含まれるp−メンタン−3゜8−ジオールの経時的
な残存率をガスクロマトゲ上記結果よりわかるように、
忌避材であるpメンタン−3,8−ジオールが少量ずつ
持続的に放出され、徐放システムが構築されている。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように、本発明はp−メンタン−3,8
−ジオールのシス体とトランス体を常温で液状となる比
率に混合したものと、その基材である熱可塑性エラスト
マーの親和性を調節することにより、p−メンタン−3
,8−ジオールの連敗速度を調節し、少量の該忌避剤が
長期間にわたり、効力を有する範囲で持続的に放出され
ることを可能ならしめたものである。
又、p−メンタン−3,8−ジオールは天然物であり、
安全性の面で他の害虫忌避剤に比べて優れている。
又、本発明品を適当な形状に加工して犬や猫の首輪とし
て利用したり、犬小屋に設置すれば、安全な害虫忌避材
として利用でき、愛犬がノミやダニの被害にあったり、
フィラリア等にかかるのを防止することができる。さら
に、庭の樹木等に設置すれば、それらをナメクジ、ヨト
ウムシ等から守ることができる。さらに、農園芸用のネ
ットや支柱にこの発明を利用すれば、農作物を害虫から
保護することができる。又、養蚕業の分野においても、
蚕座の周囲をペレットやシートでおおってやれば、蚕座
への害虫の侵入や蚕の這い出しを防止することができる

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)p−メンタン−3,8−ジオールのシス体とトラ
    ンス体を常温で液状となる比率に混合し、これを熱可塑
    性エラストマーに配合したことを特徴とする徐放性害虫
    忌避材。
  2. (2)熱可塑性エラストマーがエチレン−酢酸ビニル共
    重合体である請求項(1)記載の徐放性害虫忌避材。
JP6949189A 1988-10-31 1989-03-22 徐放性害虫忌避材 Expired - Lifetime JP2736433B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH06183904A (ja) * 1992-12-21 1994-07-05 Nippon Petrochem Co Ltd 防虫用長尺片およびそれを用いる防虫方法
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WO2015112090A1 (en) * 2014-01-23 2015-07-30 Siang May Pte Ltd Bioactive polymer

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