JPH0224023Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、蒸気と水とを混合して温水を製造す
る気水混合器に関する。

＜従来の技術＞ 気水混合器としては、本体内部に、蒸気と水と
が供給される混合室を備え、混合室内で、蒸気と
水とを混合することで温水を製造して外部に放出
するものがある。

ところで、気水混合器においては、混合室内の
水に、高温、高圧の蒸気が高速で噴射されるた
め、大きな騒音や振動が発生する。

然し乍ら、従来においては、混合室の外周壁
を、ハウジングの最外側にある外周壁により構成
していた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ このため、従来においては、温水製造時に発生
した大きな騒音や振動がそのまま外部に伝わると
云う問題があつた。

本考案は、大きな騒音や振動が外部に伝わらな
い気水混合器を提供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成するために、本考案の特徴とす
る処は、本体１内部に、蒸気と水とが供給される
混合室１３を備え、混合室１３内で、蒸気と水と
を混合することで温水を製造して外部に放出する
気水混合器において、本体１内部に、混合室１３
外周を包囲し且つ水が入れられる筒状の水室１８
と、混合室１３の水室１８筒軸心方向一側を覆う
ように位置し且つ混合室１３で製造された温水が
流入すると共に該温水がそこから外部へ放出され
る室３３とを備えた点にある。

＜作用＞ 本考案によれば、温水製造時に発生する騒音や
振動は、水室１８及び室３３内の水により好適に
緩和吸収せしめられて、外部に伝わる騒音や振動
は小さい。また、混合室１３内で製造された温水
は室３３に流入して撹拌状とされ一旦停留され外
部へ放出される。

＜実施例＞ 以下、本考案の第１実施例を第１図乃至第３図
の図面に基き説明すれば、第１図は気水混合器を
示し、気水混合器は、本体１と、蒸気用・水用・
温水用接続筒２，３，４等から構成されており、
蒸気と水とを混合して温水を製造する。

第２図及び第３図にも示すように、本体１は中
空状で、円筒状外周壁６と、外周壁６の軸心方向
両端部に嵌着されたリング状の基部側・先端部側
蓋体７，８と、基部側蓋体７内面から軸心方向に
突設された円筒体９と、円筒体９前部内に嵌着さ
れた円盤状隔壁１０と、外周壁６先端部内に嵌着
されたリング状区画壁１１等から構成されてい
る。

隔壁１０は、円筒体９内部を、基部側の蒸気室
１２と、先端部側の混合室１３とに区画するもの
で、隔壁１０には、蒸気室１２から混合室１３内
に蒸気を噴射するための蒸気用ノズル口１４が多
数形成されている。ノズル口１４は、入口側の小
径部１５と、出口側の大径部１６とから成る段付
状とされている。

蒸気用接続筒２は蒸気室１２内に蒸気を供給す
るもので、先端が基部側蓋体７に固設され、基端
が取付フランジ１７を介して、蒸気供給管に着脱
自在に接続される。

区画壁１１はその基端面の径方向中途部が円筒
体９先端に固設されており、外周壁６と円筒体９
間が、蒸気室１２と混合室１３外周を包囲する水
室１８とされ、水室１８内に水が入れられる。ま
た、区画壁１１と先端部側蓋体８との間は区画室
３３とされている。

水用接続筒３は水室１８内に水を供給するもの
で、先端部が外周壁６前部に固設され、基端部が
取付フランジ１９を介して水供給管に着脱自在に
接続される。

円筒体９後部側には、水用ノズル口２０が周方
向等間隔に配設され、水室１８内の水がノズル口
２０を介して混合室１３内に噴射せしめられ、混
合室１３内で、蒸気と水とが混合せしめられて、
温水が製造される。

区画壁１１は円筒体９よりも径方向内方側に突
出状とされて、邪魔板としての機能を果すように
され、混合室１３内で蒸気と水とが充分に良好に
混合されるようにしている。そして、区画壁１１
の軸心部には、混合室１３から温水を放出する温
水大放出口２１が形成され、又、区画壁１１の内
周部には、混合室１３から温水を放出する温水小
放出口２２が周方向等間隔に配設され、小放出口
２２は大放出口２１より小径とされている。

温水用接続筒４は、温水を外部に放出するもの
で、基端部が先端部側蓋体８に固設され、先端部
が取付フランジ２３を介して温水放出管に着脱自
在に接続される。

上記のように構成した実施例によれば、温水製
造時には、気水混合器に、蒸気供給管、水供給
管、温水放出管を夫々接続して、気水混合器に、
蒸気と水とを供給する。

すると、蒸気供給管からは、蒸気用接続筒２、
蒸気室１２、蒸気用ノズル口１４を介して、混合
室１３内に蒸気が噴射せしめられると共に、水供
給管からは、水用接続筒３、水室１８、水用ノズ
ル口２０を介して、混合室１３内に水が噴射せし
められて、混合室１３内で、蒸気と水が混合さ
れ、温水が製造される。

そして、製造された温水は、大・小放出口２
１，２２から区画室３３に流入されてそこで一旦
停留され、そして、温水用接続筒４、温水放出管
を介して、外部に放出せしめられる。

上記の場合において、混合室１３外周を、水が
入れられる水室１８で包囲しているので、温水製
造時に発生する騒音や振動は、水室１８内の水及
び区画室３３の温水により好適に緩和吸収せしめ
られて、外部に伝わる騒音や振動は小さい。

特に実施例においては、蒸気を噴射する蒸気用
ノズル口１４を、入口側の小径部１５と、出口側
の大径部１６とから構成して、ノズル口１４の出
口を入口よりも大きくし、蒸気の圧力、流速を低
下させてから、蒸気を混合室１３内に噴射させる
ようにしたので、温水製造時に発生する騒音や振
動は小さく、従つて、温水製造時に外部に伝わる
騒音や振動は極めて小さい。

尚、第１図の仮想線で示すように、区画壁１１
外周部に、水用ノズル口２６を周方向等間隔に配
設し、水室１８からノズル口２６を介して噴射せ
しめられた水と、混合室１３から放出口２１，２
２を介して放出された温水とを本体１後部内で混
合するようにして、２段階で、所望温度の温水を
製造することもある。

第４図は本考案の第２実施例を示すもので、蒸
気用ノズル口１４が軸心方向全長にわたつて同一
径とされている。又、区画壁１１が内周部側と外
周部側とに２分割されて、両者間に、円筒体９先
端部が挿着されている。

第５図は本考案の第３実施例を示すもので、本
体１には、外周壁６前部内に嵌着されるリング状
区画壁２８が更に追加されている。

そして、区画壁２８の先端面の径方向中途部に
円筒体９基端が固設され、又、円筒体９先端が、
区画壁１１内周に挿着されている。

又、区画壁１１には、水室１８から水を噴射す
るための水用ノズル口２６が周方向等間隔に配設
されている。

更に、基部側蓋体７及び区画壁２８には、蒸気
用接続筒２が挿着されて、接続筒２先端部が混合
室１３内でテーパー状とされて、蒸気用大ノズル
口３０とされている。又、接続筒２先端部外周部
には、蒸気用小ノズル口３１が周方向等間隔に配
設され、これらノズル口３０，３１により、接続
筒２から混合室１３内に蒸気が噴射せしめられ
る。

又、外周壁６と蒸気用接続筒２間における基部
側蓋体７と区画壁２８間の室は、水室３２とされ
ている。

そして、外周壁６前部に固設された水用接続筒
３から水室３２内に水が供給される。

又、区画壁２８には、混合室１３と水室３２と
に同時に水を噴射する水用ノズル口２０が周方向
等間隔に配設されている。

そして、本体１後部内における区画壁１１と先
端部側蓋体８間の室が混合室３３とされ、該混合
室３３内に、円筒体９後端の温水放出口３４から
高温の温水が放出されると共に、水用ノズル口２
６から水が噴射せしめられて、所望温度の温水が
製造される。

上記のように構成した実施例によれば、温水製
造時には、蒸気用接続筒２からは大・小ノズル口
３０，３１を介して蒸気が混合室１３内に供給さ
れる。

又、水用接続筒３からは水室３２内に水が供給
され、この供給された水が水用ノズル口２０から
混合室１３と水室１８内とに噴射される。

そして、混合室１３内に噴射された蒸気と水と
が混合されて、まず、高温の温水が製造される。

次に、この製造された高温の温水が円筒体９の
温水放出口３４から放出され、又、水室１８から
は水用ノズル口２６を介して水が噴射され、この
放出された高温の温水と噴射された水とが混合さ
れて所望温度の温水が製造される。

＜考案の効果＞ 以上詳述したように、本考案によれば、本体内
部に、混合室外周を包囲し且つ水が入れられる水
室を備えたので、温水製造時に発生する騒音や振
動は、水室内の水により好適に緩和吸収せしめら
れると共に、混合室の水室筒軸心方向一側に位置
する室内の温水によつても前記騒音、駆動が緩和
吸収され、外部に伝わる騒音や振動は小さい。ま
た、混合室で製造された温水はそこから直接外部
へ放出されるのではなく、混合室の一側に備えた
室に流入されて一旦停留されて外部へ放出され、
所望温度の温水が良好に製造される。本考案は上
記利点を有し、実益大である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の第１実施例を示
し、第１図は全体縦側断面図、第２図及び第３図
の各図は第１図のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線各矢視断面
図、第４図及び第５図の各図は本考案の第２、第
３各実施例を示す全体縦側断面図である。 １……本体、１３……混合室、１８……水室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１内部に、蒸気と水とが供給される混合室
   １３を備え、混合室１３内で、蒸気と水とを混合
   することで温水を製造して外部に放出する気水混
   合器において、本体１内部に、混合室１３外周を
   包囲し且つ水が入れられる筒状の水室１８と、混
   合室１３の水室１８筒軸心方向一側を覆うように
   位置し且つ混合室１３で製造された温水が流入す
   ると共に該温水がそこから外部へ放出される室３
   ３とを備えたことを特徴とする気水混合器。