JPH0223551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は二重密閉容器に係り、更に詳述すれ
ば原料パツク封入室内に入れられた原料等を使用
時に抽出し得る二重密閉容器に関するものであ
る。

［従来の技術］ 抽出したてのコーヒを飲むためには、サイホン
やパーコレータまたはエスプレツソ等の器具を用
いて行なわれている。これらの器具はいずれもガ
ラス製で破損しやすく、携行性が悪い。一方、す
でに工場で抽出したものを缶や紙パツクに詰めた
ものが普及しているが、味が画一で、コーヒの微
妙なフレーバーが薄れコーヒ通にはものたりない
ものである。

このような欠点を除去するために、実公昭52−
46630号公報に記載されているように、底部に透
過孔を設けた容器内に１人分の抽出量の挽割りし
たコーヒ粉を過紙に封入して入れたものが提案
されている。

［考案が解決しようとする問題点］ 前述したドリツプ形式の簡易コーヒ抽出器は家
庭や職場の如く、湯の用意があるところでないと
利用できず、自動販売機等で購入してその場で抽
出飲用し得るものではない。

このような欠点を解決するものとして、実公昭
57−45936号公報に記載のように、抽出液を受け
る抽出液受入れカツプと、このカツプと嵌合し、
底部に透穴を明け内部に過紙で封入された挽割
りしたコーヒ豆等の抽出物を隔板をもつて独立し
た部分に入れ、この隔板上に抽出液を入れて開口
部分を封入した抽出カツプとを用い、抽出時隔板
をこれに取付けた開孔棒で開孔して開け抽出カツ
プ内の抽出液を抽出物を通して抽出液受入れカツ
プ内に透出させる構成のものがあるが、構成が複
雑で高価であるという欠点がある。

［考案の目的］ この考案は上述した欠点を除去するために、コ
ーヒ等の抽出原料と一杯分の湯とを同一容器内に
完全に分離して内蔵し、飲用時に隔板を除いて抽
出を行ない得ると共に自動販売機での販売を可能
にした二重密閉容器を提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、この考案の二重密
閉容器は、一端が開口した容器本体の内部に防水
性の隔板を水密的に取付け、前記容器本体の底板
と前記隔板との間に原料パツク封入室を形成し、
前記隔板に形成された半切溝で囲まれた開口部分
の下面に過部材で包装された原料パツクを取付
け、前記開口部分と容器本体の開口部を封止する
蓋体との間に棒体を取付け、蓋体に加わる外力を
前記棒体を介して前記半切溝で囲まれた開口部分
に加えてこれを開口した際、前記隔板と蓋体によ
つて封止された液体封入室内に入れられた液体で
前記原料パツクから原料の抽出を可能にしたもの
である。

［作用］ この考案の二重密閉容器２０は、前記の如く蓋
体１１と隔板４とが棒体１４をもつて連結してい
るので、前記蓋体に外力を加えることで、この外
力は棒体を介して隔板の肉厚の2/3をＶ溝にカツ
ト成形した半切溝６で囲まれた開口部分７に加わ
り、前記半切溝にて開口部分を隔板４より切離
し、前記隔板を介して分離内蔵されていた原料パ
ツク１７と水または湯の如き液体１８とを容器内
で抽出せしめ、蓋体の除去で抽出液を取出せるも
のである。

［実施例の構成］ この考案の二重密閉容器２０は次のように構成
されている。第１図に示すように、アルミあるい
は一面にアルミ箔を貼合した合成紙葉をもつて深
しぼり加工した一端が開口した容器本体１の内部
に周囲に、第２図、第３図および第７図に示すよ
うに鍔５を形成し略中央部に半切溝６をもつて囲
まれた若干板厚の開口部分７を形成したアルミ薄
板あるいは合成樹脂薄板の如き非通気非滲水性部
材で作られた隔板４を容器側壁板３に水密的に取
付ける際、前記隔板４の裏面にレギユラーコー
ヒ、砂糖、および粉ミルク等を過部材Ａ内に収
容した原料パツク１７を紐２１で取付け、原料の
酸化を防止する窒素ガスを封入した原料パツク封
入室８を設ける。

容器本体１の開口部９にはカール１０が設けら
れており、この容器本体の隔板４より開口部まで
の空間内に一杯分の液体（この場合水）１８を注
入したあと、前記カールを利用し周縁に鍔１２を
形成した合成樹脂製の蓋体１１を嵌着して液体封
入室１３を形成する。

前述した隔板４の半切溝６で囲まれた開口部分
７には両端に鍔１５，１６を形成した棒体１４が
一方の鍔１５を利用して取付けられ、他方の鍔１
６がベローズを形成した蓋体１１の内面中央部分
に接する状態にあるかまたは閉蓋後蓋体と鍔とを
外部より前記半切溝６に外力を加えないように溶
接して一体化してある。

このように、原料パツク封入室８内に原料パツ
ク１７に入れたレギユラーコーヒを、液体封入室
１３内に水の如き液体１８を完全に分離して入
れ、蓋体１１の嵌着部分より漏水しないように更
にシールを施しておく。

［考案の作用］ このように構成された二重密閉容器２０は、一
旦内部の水が60〜70℃程度になるまで加熱された
あと自動販売機等の保温室で保温されるかあるい
は冷却されて販売される。

購入者は、第４図および第５図に示すように、
蓋体１１の中央部分を矢印の如く容器本体１の内
方に向けて押すと、半切溝６より開口部分７が棒
体１４に付いた状態で外れて開口し、液体封入室
１３内の湯（液体）１８が原料パツク封入室８内
に流入して原料パツク１７の原料を抽出する。

このあと、第６図に示すようにシールを外し、
蓋体１１を容器本体１の開口部９より外し、必要
に応じて矢印の如く上下動させれば、棒体１４の
鍔１６がマドラーの役目をして原料の抽出を促進
する。

抽出が終了したら、蓋体と共に棒体および原料
パツクを取出し飲めば、インスタントと云えども
缶入りコーヒや紙パツク入りコーヒでは味えない
入れたてのコーヒを飲むことができる。

［考案の効果］ 以上述べたようにこの考案の二重密閉容器は、
一端が開口した容器本体１の内部に防水性の隔板
４を水密的に取付け、前記容器本体１の底板２と
前記隔板４との間に原料パツク封入室８を形成
し、前記隔板４に形成された半切溝６で囲まれた
開口部分７の下面に過部材Ａで包装された原料
パツク１７を取付け、前記開口部分７と容器本体
１の開口部９を封止する蓋体１１との間に棒体１
４を取付け、蓋体１に加わる外力を前記棒体１４
を介して前記半切溝６で囲まれた開口部分７に加
えてこれを開口した際、前記隔板４と蓋体１１に
よつて封止された液体封入室１３内に入れられた
液体１８で前記原料パツクから原料の抽出を可能
にしたので、使用直前に抽出した方が美味あるい
は使い勝手がよいものに利用でき、新鮮な味や風
味がたのしめ、更に塗料等における顔料やアルミ
微粉末と溶剤液とを予じめ分離しておき使用時混
合する用途に利用し得る等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案の一実施例を示すもので
第１図は容器本体の斜視図、第２図は隔板に開口
を設ける手順の説明を行なう容器の外観図、第３
図は内容物の抽出状態が終り開蓋した状態の容器
の一部を切欠した斜視図、第４図および第５図は
隔板に開口を設ける手順の説明を行なう容器の断
面図、第６図は抽出状態の容器の断面図、第７図
は隔板の要部の拡大断面図である。 １……容器本体、２……底板、４……隔板、６
……半切溝、７……開口部分、８……原料パツク
封入室、９……開口部、１１……蓋体、１３……
液体封入室、１４……棒体、１７……原料パツ
ク、１８……液体、Ａ……過部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が開口した容器本体１の内部に防水性の隔
   板４を水密的に取付け、前記容器本体１の底板２
   と前記隔板４との間に原料パツク封入室８を形成
   し、前記隔板４に形成された半切溝６で囲まれた
   開口部分７の下面に過部材Ａで包装された原料
   パツク１７を取付け、前記開口部分７と容器本体
   １の開口部９を封止する蓋体１１との間に棒体１
   ４を取付け、蓋体１１に加わる外力を前記棒体１
   ４を介して前記半切溝６で囲まれた開口部分７に
   加えてこれを開口した際、前記隔板４と蓋体１１
   によつて封止された液体封入室１３内に入れられ
   た液体１８で前記原料パツク１７から原料の抽出
   を可能にしたことを特徴とする二重密閉容器。