JPH0223401B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、多数の錠剤ケースにそれぞれ薬種別
に収納している錠剤を適宜取り出して供給すると
ともに、特別な形状の薬剤或いは使用頻度の低い
薬剤を補助薬剤ケースに収納して錠剤ケースの錠
剤とともに供給可能な錠剤供給機に関する。

(ロ) 従来の技術 この種錠剤供給機は、例えば特開昭59−142901
号公報でも示されているように、錠剤の種類毎に
多数の錠剤ケースを配列しており、供給するべき
錠剤の種類及び個数が指定されると、指定された
錠剤ケースを駆動して錠剤をホツパに導き包装機
構により包装して供給するよう構成されている。

ところで病院等において種々の症状の患者に投
薬する錠剤の種類は数百種に及び、錠剤供給機も
この数に応じた錠剤ケースが必要であるが、この
場合スペースやコスト的な面で問題がある。また
錠剤ケースより摘出するのが困難な形状の薬剤も
ある。そのため実公昭57−6321号公報には錠剤ケ
ースとは別に補助薬剤ケースを設け、特殊形状の
薬剤や何れの錠剤ケースにも収納していない使用
頻度の低い薬剤を投与する場合に、この種薬剤を
補助薬剤ケースに充填して供給する構成の錠剤供
給機についてが開示されている。これは薬剤を収
納する複数のバスケツトを無端チエーンに装着し
て成る補助薬剤供給装置を、錠剤ケースとともに
錠剤供給機に配設し、バスケツトに収納している
薬剤も錠剤ケースから摘出した錠剤と同様ホツバ
に導入して供給する構成である。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の従来技術によると、補助薬
剤供給装置は機器に固定されているために、バス
ケツトへの薬剤の充填作業は非常に煩わしいもの
となる。そのため同従来技術では、薬剤の供給カ
セツトを備えてバスケツトに充填する薬剤をいつ
たん供給カセツトにセツトした後、バスケツトへ
移し換える構成が示されている。ところがこのよ
うな供給カセツトを備えた場合は高価であり、し
かもバスケツトに移し換える際には薬剤もれや脱
落等のトラブルが発生しやすい。

したがつて補助薬剤の充填時には手前に引き出
せるように、筐体内への出し入れが自在な構成の
補助薬剤ケースが望まれる。ところが引出式の補
助薬剤ケースではケースが正しくセツトされない
と、確実な薬剤供給動作を行うことはできない。
また補助薬剤ケースからの薬剤取出中に、誤つて
次の薬剤を充填するために引き出されるのも困
る。

上記点より本発明は、引出式の補助薬剤ケース
を備えた錠剤供給機において、補助薬剤ケースを
正しくセツトしないと薬剤の供給動作を開始せ
ず、そして供給動作が始まると補助薬剤ケースの
引き抜きを禁止するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は、少くとも一方の面を開口させた筐体
と、この開口部に上下に亘り複数配設した棚体
と、棚体に配置した錠剤ケースと、棚体の後端部
の背後に形成されて錠剤ケースより摘出の錠剤が
導入される錠剤落下通路と、錠剤落下通路の錠剤
を集めるホツパと、開口部内にあつて開口部への
出し入れが可能なよう棚体と略平行した方向への
摺動が可能な補助薬剤ケースと、補助薬剤ケース
から取出した薬剤をホツパへ導くシユートと、補
助薬剤ケースの開口部へのセツトを検知するスイ
ツチ装置と、補助薬剤ケースのセツト時にオペレ
ータにて操作されるセツトスイツチと、スイツチ
装置が補助薬剤ケースのセツトを検知している状
態でセツトスイツチが操作されると補助薬剤ケー
スからの補助薬剤の取出動作を可能にする装置
と、補助薬剤取出動作の可能状態で補助薬剤ケー
スを係止するロツク装置とを備えた構成である。

(ホ) 作用 上記構成により、補助薬剤ケース制御装置はス
イツチ装置にて補助薬剤ケースが正しくセツトさ
れたことを検出し、且つオペレータにてセツトス
イツチが操作された場合に補助薬剤の取出動作を
可能とする。そして補助錠剤の取出動作が可能な
状態となると、補助薬剤ケースはロツク装置にて
係止される。

(ヘ) 実施例 第２図は本発明を、錠剤を包装して供給する錠
剤供給機の例にて示しており、筐体１は錠剤ケー
ス格納部１Ａと包装部１Ｂとから成る。錠剤ケー
ス格納部１Ａは前後面を開口しており、開口部に
は複数の棚体２を上下方向に前後２列にわたり装
架している。各棚体２には複数の錠剤ケース３を
筐体１の開放面より出し入れが可能に並設してい
る。そして上下方向の棚体２の列の間、即ち各棚
体２の後端部の背後には錠剤落下通路４を形成し
ており、錠剤ケース３はその錠剤取出口３Ａを錠
剤通路４に向けて装填される。包装部１Ｂの内部
には錠剤通路４に連通しており、錠剤ケース３か
らの錠剤を集めるホツパー５と包装機構１０とを
配置している。包装機構１０は二つ折りにした包
装紙にホツパー５からの錠剤を導入し、包装紙を
ヒートシールして錠剤を包装する。

更に筐体１の開口部の下方には、各一対のガイ
ドローラ１１，１２，１３にて筐体１からの出し
入れが自在な補助薬剤ケース６を配設している。
補助薬剤ケース６は第１図に示すように、補助薬
剤を収納するバスケツト１５…１５を箱体１４の
内部に前後２列に亘り配置しており、各バスケツ
ト１５の上面開口は箱体１４の窓部１６に面し
て、窓部１６を通し一投与量の薬剤が充填され
る。バスケツト１５…１５は第３図及び第４図に
示すように、その回転軸１６を鉛直方向に配置し
た主従一対のスプロケツト１７に張架した無端ベ
ルト１８に装着している。バスケツト１５…１５
の下方には該バスケツトの底板となる基板１９を
配置しており、モータ２０の駆動にて主スプロケ
ツト１７が回動し無端ベルト１８が駆動すると、
バスケツト１５…１５は基板１９上を摺動して長
円状に移動するもので、前列及び後列のバスケツ
ト１５…１５の移動方向は互いに逆向きとなる。
そして基板１９のバスケツト１５…１５の移動軌
道上には薬剤取出口２１を開口しており、各バス
ケツト１５が薬剤取出口２１に到達するごとに補
助薬剤が摘出される。この薬剤取出口２１はシユ
ート７を通してホツパ５に連通しており、錠剤ケ
ース３より摘出の錠剤と同様にホツパ５を通して
包装機構１０へ導かれる。

補助薬剤ケース６は箱体１４の下方に一対のガ
イドレール２３を有し、ガイドレール２３にはガ
イドローラ１２と嵌合するガイド溝２４を形成し
ている。各一対のガイドローラ１１，１２，１３
は錠剤供給機本体のテーブル２５上に立設した一
対のガイド壁２６に回動自在に支持されている。
そしてガイドローラ１１，１３はガイドレール２
３の下端摺動面に当接して補助薬剤ケース６を支
持している。したがつて補助薬剤ケース６は把手
２７により前後方向に押したり引いたりすると、
ガイドローラ１２がガイド溝２４と噛み合つて回
動し、またガイドローラ１１，１３はガイドレー
ル２３の下端摺動面と接触して回動するために、
筐体１の開口部からの出し入れが自在となる。ガ
イドローラ１１，１２，１３は補助薬剤ケース６
の移動方向で重なることがないように間隔を存し
て配置し、またまん中のガイドローラ１２はその
回転軸を他のガイドローラ１１，１３の回転軸と
高さに置いて異る位置に配置したことで、補助薬
剤ケース６は最大限に開口部から引き出した状態
ではガイドローラ１１，１２とで支持され、また
開口部に押し込まれている状態では主にガイドロ
ーラ１２，１３とで支持される。また筐体１内に
おいて錠剤落下通路４を画成する仕切板２８には
補助薬剤ケース６と対向してマイクロスイツチ８
を取り付けている。マイクロスイツチ８は、補助
薬剤ケース６を筐体１の開口部にセツトし該ケー
ス６の後端部が作動部２９と当接すると、ONす
るようになつている。また補助薬剤ケース６の基
板１９の裏面には、ロツク装置９のストツパアー
ム３１と係止す突起部３０を形成している。中央
が軸支されて回動自在なストツパアーム３１の一
方の端部は、ソレノイド３３の作動杆に連結され
ており、ソレノイド３３の吸引動作によりストツ
パアーム３１がスプリング３４に抗して回動する
と、他方の端部に形成した係止溝３５が突起部３
０に嵌合して補助薬剤ケース６はロツクされる。

第６図は補助薬剤ケース６の制御回路をブロツ
クにて示しており、補助薬剤の取出しを制御する
装置であるフリツプフロツプ回路４０はANDゲ
ート４１の出力にてセツトするもので、ANDゲ
ート４１はマイクロスイツチ８がON状態でセツ
トスイツチ４２が操作されると出力を生じる。フ
リツプフロツプ回路４０のＱ出力端はANDゲー
ト４３の一方の入力端に接続しており、ANDゲ
ート４３の他方の入力端には補助薬剤ケース６へ
の駆動信号が入力するように構成している。この
駆動信号は錠剤供給機の図示しない制御装置が、
補助薬剤供給の指定入力に応答して出力するもの
である。そしてANDゲート４３はフリツプフロ
ツプ回路４０がセツトしている状態で駆動信号が
入力すると出力を生じ、このANDゲート４３の
出力にて駆動装置４４はモータ２０に通電して補
助薬剤の供給動作が始まる。ロツク装置９のソレ
ノイド３３はフリツプフロツプ回路４０のＱ出力
に基づき吸引動作を行なう。かかる構成により、
補助薬剤ケース６を筐体１の開口部の奥行方向に
正しくセツトし、マイクロスイツチ８がONして
いる状態でセツトスイツチ４２を操作すると、補
助薬剤ケース６はロツク装置９により係止される
とともに、駆動信号さえ入力すれば駆動できる状
態、即ち補助薬剤の取出動作が可能な状態とな
る。したがつて補助薬剤ケース６は、適正な状態
で押し込まれて薬剤取出口２１がシユート７を通
してホツパー５に連通した状態でしか作動しない
ために、補助薬剤の供給が確実である。そして補
助薬剤取出動作の可能状態ではロツク装置９にて
補助薬剤ケース６はロツクされており、錠剤供給
機の作動中に誤つて補助薬剤ケース６が引き抜か
れるのを防止している。

また本例ではロツク装置９によるロツクの解除
は、自動復帰型のセツトスイツチ４２の２度押し
により達成している。したがつてフリツプフロツ
プ回路４０がセツト状態でセツトスイツチ４２が
操作されると、ANDゲート４５の出力にてフリ
ツプフロツプ回路４０をリセツトするようになつ
ている。

(ト) 発明の効果 本発明に依ると、補助薬剤ケースは収納してい
る補助薬剤をホツパへ確実に導入できる状態にま
で押し込まれたときしか作動しないために、補助
薬剤を案定して供給できる。しかも補助薬剤ケー
スのセツト後、オペレータによるセツトスイツチ
の操作にて準備完了が指定されてはじめて補助薬
剤取出動作を可能にするために、誤つて補助薬剤
ケースを押し込みそれによつて直ちに補助薬剤ケ
ースからの取り出し動作となることがない。そし
て錠剤供給機の作動中はロツク装置にて補助薬剤
ケースの引き抜きが防止されているために、誤つ
て次の薬剤が充填されてそのときの供給動作で送
出されるような事故がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は補助薬剤ケースとともに該ケースの錠
剤供給機への取付け構造を示す図、第２図は錠剤
供給機の側断面図、第３図は補助薬剤ケースの一
部平面図、第４図は第１図のＡ−A′断面図、第
５図は第１図のＢ−B′断面図、第６図は制御回
路を示すブロツク図である。 １……筐体、２……棚体、３……錠剤ケース、
４……錠剤落下通路、５……ホツパー、６……補
助薬剤ケース、７……シユート、８……スイツチ
装置、９……ロツク装置、４０……取出制御装
置、４２……セツトスイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少くとも一方の面を開口させた筐体と、この
   開口部に上下に亘り複数配設した棚体と、該棚体
   に配置した錠剤ケースと、前記棚体の後端部の背
   後に形成されて前記錠剤ケースより摘出の錠剤が
   導入される錠剤落下通路と、該錠剤落下通路の錠
   剤を集めるホツパと、前記開口部内にあつて該開
   口部への出し入れが可能なよう前記棚体と略平行
   した方向への摺動が可能な補助薬剤ケースと、該
   補助薬剤ケースから取出した薬剤を前記ホツパへ
   導くシユートと、前記補助薬剤ケースの前記開口
   部へのセツトを検知するスイツチ装置と、前記補
   助薬剤ケースのセツト時にオペレータにて操作さ
   れるセツトスイツチと、前記スイツチ装置が前記
   補助薬剤ケースのセツトを検知している状態で前
   記セツトスイツチが操作されると該補助薬剤ケー
   スからの補助薬剤の取出動作を可能にする取出制
   御装置と、補助薬剤取出動作の可能状態で前記補
   助薬剤ケースを係止するロツク装置とから成る錠
   剤供給機。