JPH0222944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はシールドされるフラツトケーブルを
接続するシールドコネクタに関するものである。

電気回路においては外部からノイズを拾つたり
あるいは外部にノイズを発したりしないための対
策として、シールド手段が採用されている。フラ
ツトケーブルあるいはコネクタにおいても、前者
は内側にアルミニユーム等のシールド箔を有する
スリーブ中に挿入され、後者はコネクタ自体を囲
繞するシールドケースを備えたりして、そのシー
ルド効果を上げている。

しかしながら、従来上記種類のシールドフラツ
トケーブルをシールドケース付のコネクタに結線
する際、その接続部分においてシールドが完全で
なく、シールド洩れを生じノイズに関し上記問題
を残していた。またその完全性を図るためには、
きわめて複雑な構造となつたりフラツトケーブル
が無理な力を受ける結線をされたりし、その改良
が望まれていた。

本考案は、上記従来の欠点を解消し、コネクタ
のシールドケースとフラツトケーブルのシールド
箔とを確実かつ安定した状態で接触させて、シー
ルドに関して漏洩を皆無にし、しかも容易に製
作・組立のできるフラツトケーブル用シールドコ
ネクタを提供することを、その目的とするもので
ある。

本考案は、内側にシールド箔を備えたスリーブ
に挿入されるフラツトケーブルを結合するための
シールドコネクタにおいて、 コネクタの周囲に設けられたシールドケース
と、該シールドケースから延出し、上記スリーブ
内に挿入されてシールド箔と接触圧をもつて接面
するばね性を有するシールド板と、シールド板の
部分をスリーブの外面で両側から挟圧する一対の
抑え板と、該一対の抑え板を挟圧状態で保持する
固定部材とを備え、 上記シールド板には、固定部材に係止して該抑
え板の抜け止めとなる突部が設けられている、 ことにより構成される。

上記シールド板は、シールドケースと完全な一
体形成されたものであつても、別体形成されたも
のを導電性をもつて結合されたものであつてもよ
く、さらにはシールド板を一枚として、スリーブ
内においてフラツトケーブルの一側でシールド箔
と接面しても、シールド板を二枚設けて、フラツ
トケーブルの両側面にてシールド箔と接面する形
式をとつてもよい。

シールド板とシールド箔の接面を容易かつ安定
なものとするためにシールド板にばね性をもた
せ、なお好ましくはシールド板部分をスリーブの
外側から抑え板等により挟圧すればさらにその効
果は向上する。

以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて説
明する。

プリント基盤Ｐ上には、シールドケース１でシ
ールドされた雄コネクタ２が固定されている。該
雄コネクタ２用のシールドケース１は、その前面
はコネクタの結合のために開放されているが、プ
リント基盤Ｐと若干の間隙を保ちながら、上記雄
コネクタ２を上面、後面そして両側面で包囲し、
両側面から下方に延出する脚部１１でプリント基
盤Ｐの下面で固定かつ接地されている。また、該
シールドケース１の上面前方には結合用のばね舌
片１２を有し、後述の相手シールドケースと一定
の接触圧をもつて確実に嵌合するようになつてい
る。

一方上記雄コネクタ２と結合される雌コネクタ
３は、その底面でフラツトケーブル６が圧接結線
され、該フラツトケーブルの端末部は雌端子の圧
接部（図示せず）に圧接結線されてコネクタの後
部で上方に延びている。該フラツトケーブル６に
は、内側にアルミ箔等のシールド箔７１を有する
スリーブ７が覆せられている。該スリーブ７は、
組み込み完了時には当該コネクタの近傍にまで及
んでいる（第２，３図参照）。

さて、上記雌コネクタ３のシールドケースは、
上ケース４と下ケース５に二分されており、両者
を組んだ状態で、雌コネクタ３の前面を除いた各
面を包囲するように形成されている。

上ケース４は上面と両側面を有すると共に、上
面の後縁で上方に向けて屈曲され、上方に延び
て、フラツトケーブル６の一面に接面する平板状
のシールド板４１を形成している。該シールド板
４１のほぼ中央位置には、反フラツトケーブル側
に下方向に向けて突出するばね舌片４２が形成さ
れている。該ばね舌片４２は、スリーブ７に挿入
された際、内側のシールド箔７１と確実に接触
し、しかもその接触面積を十分に安定して確保で
きる程度の接触圧を得るように、その形状及び大
きさが定められている。また、シールド板４１の
下方両側縁には、後述する抑え板の固定用のねじ
と係止した該抑え板の抜けを防止する突部として
係止突片４３が設けられている。

下ケース５は、上記上ケース４とは逆に、下面
と両側面で雌コネクタ３を包囲しており、両側面
には小さな係合穴５５が設けられ、上ケース４の
側面の突起とでスナツプ結合している。該下ケー
ス５の後縁は、上ケース４と同様に上方に向けて
屈曲されて、雌コネクタ３の後面側をシールドす
るようになつていると共に、上記上ケース４の場
合と同様の上方に延びるシールド板５１が形成さ
れている。すなわち、該シールド板５１はフラツ
トケーブル６の他面と接面し、またばね舌片５２
（第３図参照）は反フラツトケーブル側に突出し
ている。上ケース４の係止突片４３と同一目的の
係止舌片５３も同一位置に設けられている。

さらに、上記スリーブ７を抜け防止のために固
定すると共に、ばね舌片４２，５２をスリーブの
シールド箔に圧して確実に両者を接触せしめるた
めに、スリーブ７の両外側から一対の抑え板８
１，８２がねじ８３により締着結合されている
（第２，３図参照）。なお下方のねじ８３は、抑え
板８１，８２及び上述のスリーブ７の抜け防止の
ために、シールド板４１，５１のそれぞれの係止
突片４３，５３の下側で締められている。

以上の構成になる本実施例についてその組み込
みについて説明する。

先ず雌コネクタ３にフラツトケーブル６を圧接
結線した後、上ケース４及び下ケース５を嵌着し
て、両ケースのシールド板４１，５１によりフラ
ツトケーブル６を挟持する。

次にフラツトケーブル６が挿入されている、内
側にシールド箔７１を有するスリーブ７を、フラ
ツトケーブル６を挟持している両シールド板４
１，５１を包囲しながら滑り際下させ、該スリー
ブ７の下端がシールド板の係止突片４３，５３の
位置にくるようにする。しかる後抑え板８１，８
２を、下方のねじ８３がシールド板４１，５１の
係止突片の下縁に係止する位置で、締結する。そ
して、使用に際しては、ねじ８３が係止突片４
３，５３に係止しているために、抑え板８１，８
２の抜け防止がなされる。その結果、スリーブ７
は抜けることなく、シールド箔７１とシールド板
４１，５１は確実に接触状態を保持する。

以上のような本考案のシールドコネクタにシー
ルド箔付フラツトケーブルを接続するならば、シ
ールド洩れは全く無くなり、また、抑え板の抜け
が防止されるために、シールド板とシールド箔が
大きな接触面積をもつために確実かつ安定したシ
ールドがなされ、さらにシールド板にばね性を与
えるならばその効果さらに向上し、しかもフラツ
トケーブルは両面でシールド板で保護されている
ので、特に圧接部近傍での強度上での信頼性も向
上することとなる。

なお本考案は、シールド板にばね性をもたせる
ために図示以外の方法をも採用可能である。例え
ばシールド板長手方向あるいは幅方向に屈曲させ
たり、波形にしたりすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
雄及び雌コネクタの結合前かつスリーブを覆せる
前の状態の斜視図、第２図は第１図のもので、ス
リーブを覆せかつ抑え板を締着した状態の該抑え
板近傍を示す斜視図、第３図は第２図のものを
雄・雌コネクタを結合した状態の一部断面側面図
である。 ４，５……（シールドケースを構成する）上ケ
ース及び下ケース、４１，５１……シールド板、
６……フラツトケーブル、７……スリーブ、７１
……シールド箔、８１，８２……抑え板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内側にシールド箔を備えたスリーブに挿入され
   るフラツトケーブルを結合するためのシールドコ
   ネクタにおいて、 コネクタの周囲に設けられたシールドケース
   と、該シールドケースから延出し、上記スリーブ
   内に挿入されてシールド箔と接触圧をもつて接面
   するばね性を有するシールド板と、シールド板の
   部分をスリーブの外面で両側から挟圧する一対の
   抑え板と、該一対の押え板を挟圧状態で保持する
   固定部材とを備え、 上記シールド板には、固定部材に係止して該抑
   え板の抜け止めとなる突部が設けられている、 ことを特徴とするフラツトケーブル用シールドコ
   ネクタ。