JPH0221917Y2

JPH0221917Y2 -

Info

Publication number: JPH0221917Y2
Application number: JP1982192750U
Authority: JP
Priority date: 1982-12-20
Filing date: 1982-12-20
Publication date: 1990-06-12
Also published as: JPS5995893U

Description

【考案の詳細な説明】［考案の目的］（産業上の利用分野）この考案は蒲鉾等の魚肉ねり製品等を急速冷凍
する液体浸漬冷凍装置に関するものである。

（従来の技術）従来、この種のものとして特公昭55−47859号
公報の連続液処理装置が公知である。この連続液
処理装置は液槽に浸漬した無端コンベアの外周面
に移送片を所定間隔に設けたものであり、前記移
送片間に被搬送物を設けて順次搬送するものであ
る。

（考案が解決しようとする課題）従来技術においては、被搬送物は移送片間を自
由に移動できるため、コンベアと被搬送物は同一
速度にならない。このため、被搬送物の浸漬時間
を正確に設定することができない問題点があつ
た。

また従来冷凍液としてはエタノール、エチルア
ルコール等が用いられていたが、この冷凍液では
−30℃程度が最低温度であるため、浸漬時間が長
くなり、被搬送物に含有する水分が氷結する際、
大きくなり商品価値を著しく低下する虞れがあ
る。

本考案は前記問題点を解決して、浸漬時間を正
確にしかも短くできる液体浸漬冷凍装置を提供す
ることを目的とする。

［考案の構成］（課題を解決するための手段）本考案は、アルコール濃度を60％としてプロピ
レングリコール、アルコール及び水からなる冷凍
液１を収容する冷凍槽２の両側部３ａ，３ｂを前
記冷凍液１上に設けるとともに、これら両側部３
ａ，３ｂ間に無端コンベア３を設け、前記無端コ
ンベア３に複数の係止板３ｅを所定間隔で設け、
前記無端コンベア３の上方に上部無端コンベア５
を配設し、さらに冷凍槽２に冷凍機ユニツト７を
連結したものである。

（作用）無端コンベア３の一側３ａより搬入された被搬
送物ａは無端コンベア３と上部無端コンベア５に
挾まれ、また係止板３ｅに係止して浸漬されなが
ら冷凍できる。

（実施例）次に本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

アルコール、プロピレングリコール、水より組
成するアルコール濃度60％以下の冷凍液１を充満
した冷凍槽２の長手方向に、被搬送物である魚肉
ねり製品ａを搬送する無端コンベア３を具備す
る。この無端コンベア３の両側部３ａ，３ｂは冷
凍槽２の側方へ次第に上方へ形成するテーパー底
２ａ，２ｂに沿つて、冷凍液１上に位置し、チエ
ーン４ａ等を介してモーター４によつて駆動す
る。

又無端コンベア３は冷凍槽２適所に装着したガ
イドローラー３ｃ、及び冷凍槽２の内側両側に水
平に装着したガイド板２ｃによつてガイドされな
がら移動する。

前記無端コンベア３は第２図に示すように金網
３ｄを張設し、該金網３ｄの表側には適宜間隔毎
に複数の係止板３ｅを横設する。

又前記無端コンベア３の上方には、該無端コン
ベア３と平行に上部無端コンベア５を具備する。
この上部無端コンベア５は無端コンベア３ととも
に被搬送物である魚肉ねり製品ａを挟持するよう
な問題を有するものであつて、チエーン６ａを介
してモーター６により駆動する。

魚肉ねり製品ａを急速冷凍する為の前記冷凍液
１は冷凍機ユニツト７によつて−40〜−50℃程度
に保温される。この冷凍機ユニツト７の吸入側パ
イプ７ａ、排出側パイプ７ｂは冷凍槽２に連通し
ており、冷凍液１はポンプ７ｃによつて吸込ま
れ、冷却した冷凍液１は冷凍槽２へ戻される。

上部無端コンベア５上方には液化炭酸ガス、液
化窒素ガス等の冷却ガス噴射用噴射弁８を配設
し、この噴射弁８は冷凍槽２に装着する温度セン
サー８ｂによつて制御し冷凍液１を一定温度に制
御する。

前記無端コンベア３は上部無端コンベア５とと
もに蓋板９によつてカバーされており、放熱を防
止しており、冷凍液１は別体に設けたタンク１０
よりポンプ（図示せず）により冷凍槽２へ流入さ
れる。

しかして、タンク１０の冷凍液１をポンプによ
り冷凍槽２へ流入し、この冷凍槽２の冷凍液１は
吸入側パイプ７ａよりポンプ７ｃによつて吸入さ
れ、冷凍機ユニツト７によつて低温に冷却され、
排出側パイプ７ｂより冷凍槽２へ戻される。

冷凍槽２の冷凍液１が例えば−40〜−50℃程度
になつたら、モーター４を駆動し、無端コンベア
３を作動する。この無端コンベア３とともに上部
無端コンベア５をモーター６により作動する。

そして魚肉ねり製品ａを無端コンベア３の一側
部３ａに載せることにより、無端コンベア３と上
部無端コンベア５間に挾まれて、又係止板３ｅに
より係止されながら他側部３ｂへ搬送される。こ
の搬送中に冷凍液１によつて魚肉ねり製品ａが急
速冷凍される。この急速冷凍された魚肉ねり製品
ａは無端コンベア３の他側部３ｂより取出され
る。

この急速冷凍中の冷凍液１が上昇した時には、
冷凍機ユニツト７によつて冷凍液１を一定温度ま
で降下させる。

さらに、冷凍機ユニツト７の冷却能力が不足し
た場合は噴射弁８より液化炭酸ガス、液化窒素ガ
ス等の冷却ガスを噴射して、冷凍液１の液温を下
げる。

このように冷凍液１により魚肉ねり製品ａを急
速冷凍した後に、再度冷凍液１をタンク１０に戻
して作業を終了する。

前記実施例においては、冷凍液２がアルコール
濃度60％以下に設定したプロピレングリコール、
アルコール、水からなるため、冷却温度を−40〜
−50℃程度まで下げることができ、この結果魚肉
ねり製品ａを短時間で冷凍できる。またアルコー
ル濃度を60％とすることによつて粘性が低くなり
抵抗が小さく、さらに難燃性となり安全である。

また無端コンベア３の上方に魚肉ねり製品ａを
挾むように上部無端コンベア５を設け、また無端
コンベア３には係止板３ｅを設けたことによつ
て、魚肉ねり製品ａの搬送速度は無端コンベア
３，５と同一速度となり、浸漬時間の管理を正確
にすることができる。

さらに、冷凍機ユニツト７によつて冷凍液１を
一定温度例えば−40〜−50℃に冷却し、この冷凍
液１内に魚肉ねり製品ａを浸漬し、無端コンベア
３によつて搬送しながら冷凍されるものである。
従つて短時間に魚肉ねり製品ａを短時間例えば20
分以内に冷凍することが可能である。このように
魚肉ねり製品ａを20分以内に急速冷凍することに
よつて、魚肉ねり製品ａ内に大きな氷の結晶が生
じる虞れを一掃し、商品価値を著しく高めた高品
質の冷凍魚肉製品を提供出来る。また冷凍液１を
冷却する為に、冷凍機ユニツト７を設けたもので
あるから、冷凍液１を比較的安価に冷却すること
が出来、冷却による製品のコストを下げることが
出来る。

しかも無端コンベア３の両側部３ａ，３ｂは冷
凍液１の液面上にあるため、魚肉ねり製品ａの出
入れを容易に行うことができる。

尚、本考案は前記一実施例に限定されるもので
はなく、本考案の要旨の範囲内で種々の変形が可
能である。

［考案の効果］本考案は、無端コンベア、該無端コンベアに設
けた係止板、及び上部無端コンベアによつて被搬
送物を搬送できるため、無端コンベアと被搬送物
の速度が同一となり、浸漬時間を正確に管理で
き、また冷凍液をアルコール濃度60％以下に設定
したプロピレングリコール、アルコール、水の混
合液とすることによつて、より低温化が可能とな
り、しかも安全性に優れ、さらに無端コンベアの
両側部を冷凍液上に設けたことによつて、簡単に
被搬送物を取り扱うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示しており、第１
図は装置の断面図、第２図は要部の断面図であ
る。１……冷凍液、２……冷凍槽、３……無端コン
ベア、３ａ，３ｂ……側部、３ｅ……係止板、５
……上部無端コンベア、７……冷凍機ユニツト、
ａ……魚肉ねり製品（被搬送物）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

アルコール濃度を60％以下に設定したプロピレ
ングリコール、アルコール、水からなる冷凍液を
収容する冷凍槽と、前記冷凍槽に設けられ両側部
を前記冷凍液上に設けるとともに、これら両側部
間が前記冷凍液中に浸漬される無端コンベアと、
前記無端コンベアに所定間隔で複数配設される係
止板と、前記無端コンベアの上方に被搬送物を挾
める程度の間隔を有して設けられる上部無端コン
ベアと、前記冷凍槽に吸入側パイプと排出側パイ
プを連結する冷凍機ユニツトとを具備したことを
特徴とする液体浸漬冷凍装置。