JPH02217416A - アレスト特性に優れた鋼材の製造方法 - Google Patents

アレスト特性に優れた鋼材の製造方法

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JPH02217416A
JPH02217416A JP1014668A JP1466889A JPH02217416A JP H02217416 A JPH02217416 A JP H02217416A JP 1014668 A JP1014668 A JP 1014668A JP 1466889 A JP1466889 A JP 1466889A JP H02217416 A JPH02217416 A JP H02217416A
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steel
rolling
temperature
cooling
solidified
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JP1014668A
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English (en)
Inventor
Akira Ito
昭 伊藤
Tadashi Ishikawa
忠 石川
Shigeru Oshita
大下 滋
Toshiaki Haji
土師 利昭
Takaharu Konno
今野 敬治
Hidesato Mabuchi
間淵 秀里
Hidekatsu Masunaga
益永 英勝
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は実質的にNi、Nbを含有せず、セパレーシッ
ン効果を利用せずに、脆性破壊伝播停止特性(以下アレ
スト特性と栴す)に優れ更には溶接熱影響部(以下HA
Zと榊す)靭性、母材靭性も優れた構造用鋼材(溶接構
造用鋼材を含む)の製造方法に関するものである。
〈従来の技術〉 近年、海洋構造物、船舶、貯蔵タンク等の大型溶接構造
用鋼の材質特性に対する要望は厳しさを増しており、特
にLNGSLPC等を貯蔵するタンクやラインパイプは
、破壊がもたらす被害の大きさ及び社会不安の大きさか
ら、アレスト特性の向上が求められている。
具体的には、−46℃の液化ガスを貯蔵するタンク用鋼
材のアレスト特性として、−50℃における温度勾配型
ESSO試験において測定される靭性値Kc a(以下
Kca−50と榊す)が400kgf/am””以上で
ある事が求められている。
一方従来から鋼材のアレスト特性に注目した提案はあり
、それ等は特開昭58−19431号公報に開示される
様にNiやNb等の合金元素を使用している。
例えば特開昭60−29452号公報にはアレスト特性
に優れた高張力鋼が開示されている。
しかしここに開示された高張力鋼は、Ni及びNbを使
用しながら、Kcaが300kgf/層膳!/41を示
す温度が一30℃で、前記した近年の要望を満たし得な
いものである。
前記した近年の要望に応える提案としては、特開昭62
−77419号公報にアレスト特性のすぐれた高張力鋼
の製造法が開示されている。
ここに開示されている製造法から得られる高張力鋼は、
Kca −50が440〜720 kgf/amコ/2
を示しており、前記した近年の要望を満たしている。
しかしこの提案は、鋼中にNiとNbを添加し、炭素を
0.05〜0.20%含有せしめて温度幅の広い未再結
晶域と強度を確保した低合金鋼スラブを900“C以上
に加熱し、−様にオーステナイト化し、これをAr、点
−20℃以上の仕上げ温度で圧延し、微細なフェライト
組織を生成して好ましい集合&lImを得て後、前記A
r=点−20℃以上の温度からArz点−20℃〜Ar
、点−80℃迄を空冷速度で冷却してフェライト組織を
層状に変態させ、次いでその温度から水冷して低温度と
し、これによってフェライトと層状ベーナイト又はマル
テンサイトの焼入れ2相組織を生成し、更にその鋼のA
c+点以下の温度に加熱して焼戻処理を行い、強度と靭
性が安定した高張力鋼を得るものである。
この提案は、空冷時にフェライトと層状ベーナイト又は
マルテンサイトの焼入れ2相組織を生成し、これにより
クラックが発生して伝播する時に該伝播部に細かいセパ
レーションを多発させて応力を分散し、且つ板厚効果と
の相乗効果で脆性特性を改善し、アレスト特性を大幅に
向上するものである。
又特開昭59−47323号公報には制tn冷却を利用
した提案がある。
この提案は圧延条件と制御冷却条件を規定する事によっ
て、フェライトと微細に分散したマルテンサイトを主た
る組繊として得る事により、アレスト特性を向上させる
ものであるが、アルスト特性はD W T ;−(Dr
op Weight Tear Tesむ)試験により
求められており、温度勾配ESSO試験値の記述はなく
、にca−50での比較は出来ないが、後述する様に組
織が異なり、本発明が前提としているKca −50が
400kgf/am””以上を保障スルモノテハない。
〈発明が解決しようとするL1!題〉 前記特開昭62−77419号公報の提案はその目的を
達成するに当たって、NiとNbを含有した低合金スラ
ブを900℃以上に加熱して後Ar=点−クー20″C
迄延を終了し、該^「1点−20℃以上からAr、点=
20℃〜Ar2点−80℃迄空冷した後水冷して低温と
し、しかる後Ac+ 点以下の温度に加熱して焼戻処理
を行う事を必須としている。
一般に良く知られている様にNiやNbは高価な合金成
分であり、その添加は鋼材のコストを著しく増大する。
加えてNbの添加はIIAZの靭性を著しく低下する。
又Ar=点−クー20℃以上Ar、点−20″C−Ar
3点80℃迄を空冷するとオーステナイト粒界に大きな
初析フェライトが発生し、母材靭性が著しく劣化する場
合がある。又この様な状態から水冷を行うと、局部的に
炭素量の高いマルテンサイトが発生し、アレスト特性と
共にCT OD (Crack TipOpening
 Displacement)試験に代表される脆性亀
裂発生特性が著しく低下する。
これ等の事から上記特開昭62−77419号公報の提
案を実施しても、必ずしも該提案が実施例に示すKca
値が得られない事がある。
本発明はこれ等の問題点を伴わずに、少なくともKca
 −50が400kgf/1mコ″以上の安定したアレ
スト特性を有する鋼材を経済的に、生産性良く、効率的
に製造する方法を提供する事を課題とするものである。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は上記課題を達成するために、 (1)実質的に旧とNbを含まない構造用鋼を鋳型に注
入して凝固し、該凝固完了鋼片を再結晶終了温度からA
r=点温度迄の範囲で圧下率50%以上の未再結晶温度
域圧延を行う事を第1の手段とし、(2)実質的に旧と
Nbを含まない構造用鋼を鋳型に注入して凝固し、該凝
固完了鋼片を1250℃以上で2時間以上5時間未満保
定して後再結晶終了温度からAr3点温度迄の範囲で圧
下率50%以上の未再結晶温度域圧延を行う事を第2の
手段とし、(3)実質的にNiとNbを含まない構造用
鋼を鋳型に注入して凝固し、該凝固完了鋼片を再結晶終
了温度からArs点温度迄の範囲で圧下率50%以上の
未再結晶温度域圧延を行った後、Arz点−20℃以上
の温度から200℃以下迄10°(:/sec以上の冷
却速度で冷却した後500℃〜700℃で焼き戻し処理
を行う事を第3の手段とし、 (4)実質的にNiとNbを含まない構造用鋼を鋳型に
注入して凝固し、該凝固完了鋼片を1250℃以上で2
時間以上5時間未満保定して後再結晶終了温度からAr
、煮湯変名の範囲で圧下率50%以上の未再結晶温度域
圧延を行った後、Arz点−20℃以上の温度から20
0℃以下迄lO℃/sec以上の冷却速度で冷却した後
500 ’C〜700℃で焼き戻し処理を行う事を第4
の手段とするものである。
通常の構造用鋼は所要の材質を得るために、従来から5
業分野での使用で確認されている作用・効果の関係を基
に、例えば特開昭61−117213号公報に記載され
ている様に、鉄及び不可避的な成分に、後述する理由に
基づいて定められた各成分を付記した量宛添加している
つまり一般的には基本成分として、 C:o、o2〜0.18%  Al : 0.007〜
0.1%Si:50.5%    S : 0.001
〜0.005%Mn : 0.4〜1.8%  B :
 0.0002〜0.003%P:≦0.015%  
 N:60.004%と、 首: 0.003〜0.0’2% Ta : 0.00
3〜0.02%Zr : 0.003〜0.02% の1種又は2種以上を含み、 Ni:62.0%    No:≦0.5%Cu;≦1
.0%    ■:≦0.1%Ntz≦0.05%  
  Cr:50.5%を選択添加し、 REM:50.003%   Ca:≦0.003%M
g:≦0.003% を単独で選択添加し、211以上を複合添加する時は合
計量≦0.005%とし、全体のCeq は≦0,45
としている。
又これ等の成分の添加理由及び添加量の一般的な限定理
由は次の通りである。
Cは鋼の強度を向上するために使用し、用途上の必要強
度から0.02%を下限量とし、HAZ部の靭性、耐溶
接割れ性及び耐溶接硬化性の劣化防止から0.18%を
上限としている。
又Siは母材の強度維持、溶鋼の予備脱酸のために添加
しているが、II A Zに高炭素マルテンサイトを生
成して靭性が低下するのを防止する目的から0.5%を
上限としている。
Mnは母材強度、靭性の確保と併せ、粒内フェライト(
以下IFP と榊す)生成の核となる複合体の外殻を形
成するMnSを生成するため0.4%を下限とし、HA
Zの靭性、HAZの耐溶接割れ性の劣化防止から1.8
%を上限としている。
Pはミクロ偏析によるHAZの靭性と耐割れ性の劣化を
防ぐため0.015%を上限としている。
A1は脱酸、母材組織の細粒化、固溶Nの固定等のため
に0.007%以上で使用されるが、鋼中の酸素との結
合により酸化物系の介在物を形成して鋼の清浄度を低下
させる事を防止するため0.1%を上限としている。
Sは通常IFP生成の核となる複合体の外殻を形成する
MnSの生成に0.001%を下限とし、粗大なA系介
在物を形成して母材の靭性、異方性(圧延方向とそれに
直角な方向の特性の差)の悪化を防止するため0.00
5%を上限としている。
Bは一般に大入熱溶接時の)IAZ靭性に有害な粒界フ
ェライト、フェライトサイドプレートの生成抑制、BN
の析出によるHAZの固溶Nの固定等から少なくとも0
.0002%を添加しているが、多量の添加はFe2t
(CB)aの析出による靭性低下、及びフリーBによる
HAZの硬化性の増加を招くので、これ等を防止するた
め0.003%を上限としている。
NもS、Bと同様に複合体の芯となるTi、 Zr。
Ta等の窒化物を析出するため添加するがζマトリック
スの靭性低下、HAZにおける高炭素マルテンサイトの
生成促進等を防止するため0.004%を上限としてい
る。
Ti5Zr、 Ta、は1種又は2種以上を選択添加し
て前記したIFP住成性成となる複合体の芯となる窒化
物を生成し、IFPの生成績として作用せしめるため、
o、ooa%以上の添加量が必要であるが、酸化物系の
介在物による鋼の清浄度の低下を防止するため0.02
%を上限としている。
以上が5業分野で構造用鋼の基本成分とする元素と各元
素の添加量及び添加理由である。
これに5業分野では■母材強度の上昇、及び母材、HA
zの靭性向上の目的で、NtSCu、 Nb5No、■
、Crの1種又は2種以上、■IIAZのオーステナイ
ト結晶粒粗大化防止と、母材の異方性の軽減を目的とし
て、Ca%Mg、 REMの1種又は2種以上の何れか
一方又は両方を添加している。
しかしながら0群のNiよ母材の強度と靭性及びHAZ
靭性を同時に高めるために添加するが、焼き入れ性の増
大によりHAZにおけるrFPの形成が抑制される事が
あるので、これを防止するため2.0%の添加量を上限
としている。
又Cuは母材の強度を高める割に1(AZの硬さ上界が
少ないが、応力除去焼鈍により HAZの硬化性が増加
するので1.0%を上限としている。
Nb、 Mo、 V、 Crは焼き入れ性を向上し、析
出硬化により母材の強度と低温靭性を向上する事が知ら
れているが、IIAZの靭性及と硬化性への悪影響を防
ぐため、それぞれ0.05%、0.5%、0.1%、及
び0.5%を各々の上限としている。
又■の群の成分として前記の通りHAZのオーステナイ
ト結晶粒粗大化防止のため、酸化物及び硫化物生成元素
である原子番号57〜71のランタノイド系元素及びY
の1種又は2種以上から選ばれた希土類元素(REM)
 とCa及びMgの三者の中1種又は2種以上を添加し
ている。
これ等の元素は、酸化物、硫化物、酸硫化物を形成し、
HAZの結晶粒粗大化の防止、母材の異方性の軽減を目
的に添加するが、IFPの生成績となる複合体の外殻を
形成するMnSの形成が困難になるのを防止するために
、これ等の元素を2種以上添加する時は合計の0.00
5%を上限とし、各々単独に添加する場合は0.003
%を上限としている。
又Ceq 、は0.45以下とするのが一般的である。
その理由は0.45を超えると焼き入れ性の増大によっ
てIFPの生成を橿めて困難にし、HAZ靭性が低下す
る事によっている。
通常前記Ceq 、は次式で算出される値を用いる。
Ceq、=CZ+SiZ/24+Mnz/6  +Ni
Z/40+Cuz/40+Crχ15 +MoZ/4 
+ Vr/1.4本発明が対象とする構造用鋼は、Ni
がアレスト特性を著しく向上させるが製造費を大幅に増
大させる事、及びNbが母材組織の微細化には有効であ
るがHAZ靭性を劣化させる事から、Ni及びNbを添
加しない事以外は、上記の通常の構造用鋼と変わるとこ
ろがなく、残る各元素を上記した理由の基に上記した範
囲で同様に使用している。
又特開昭58−19431号公報がラインパイプ用鋼と
して開示している成分、 C: 0.04 〜0.18%  V : 0.01 
−0.10%St : 0.01 〜0.90%  C
u : 0.05 〜0.50%Mn : 0.30 
〜2.00%  Cr:0.05 〜1.0%Nb :
 0.008〜0.06%  Mo : 0.05 〜
0.50%S : 0.012〜0.02%  Ti 
: 0.005〜0.050%Nl : 0.20 〜
2.00% 更に特開昭59−47323号公報が構造用高張力鋼と
して開示している成分、 C: 0.02 〜0.15%  Al : 0.01
 〜0.1  %Si : 0.01 〜0.30% 
 Tj : 0.005〜0.030%Mn : 0.
50 〜2.00%  N : (0,2〜0.5) 
XTi%■:50.2%     Mo:≦0.5%N
tz≦0.08%     Cu:≦0.50%Cr:
≦1.0%     Ni:≦1.5%C十Mn/6+
 (Cr  +No+V)15+ (Ni  +Cu)
/15≦0.4の各々の成分を有する名調も前記構造用
鋼と同様に旧とNbを除いた残りの成分を有する鋼に本
発明を適用すると所定の効果を得る事ができるので、本
発明が対象とする鋼に含まれる。
又本発明の実施において、凝固後の鋼片を再結晶終了温
度以下にする方法は、連続鋳造後の凝固冷却過程で行う
と経済的であり、その間にAr3点以上の温度域で寸法
・形状を調整する加工を加える事は本発明の作用・効果
に支障がないので必要に応じて実施して良く、更に12
50℃以上の温度に2時間以上5時間未満、均熱保定す
るのは、上記圧延を含んで上記冷却過程で行う方法が熱
経済上(エネルギー経済上)最良であるが、不可能な時
は再加熱方法を用いても良い。
く作用〉 本発明者等は前記従来技術が有する課題を解消するため
に、次記の化学成分を有する一般的な構造用鋼を用いて
種々実験・検討を操り返した。
供試鋼の化学成分 C: 0.072%    T、A1 j 0.044
%Si : 0.27  %    Ti  : 0.
007%Mn : L、37  %    B  : 
0.0009%P + 0.007%    N  :
 0.0033%S F 0.002%    Ceq
、 : 0.312その結果、本発明者等は製造費の低
減及びHAZの靭性向上を目的に、旧又はNb或いは両
方を添加しない構造用鋼は、未再結晶温度域を拡大する
ためのNbの添加もなく、且つC量が低いため再結晶回
復速度が著しく早い事により、圧延中にも再結晶又は歪
みの回復が進行するため、結晶粒の微細化には過去の実
績から得た未再結晶域を構成する成分と温度条件を基に
して、未再結晶温度域で圧下率50%以上の制御圧延を
行わないと難しい事を知見し、更に制御′Ij冷却を実
施する事によりアレスト特性が向上する事を知見した。
これは、前記した特開昭62−77419号公報が提案
する方法を実施する時も同じで、上記した未再結晶温度
域で圧下率50%以上の圧延を実施しないと結晶粒の微
細化は不充分となり、前記した如く優れたアレスト特性
が得られない事を見出した。
これ等の知見を第1図から第6図に示す。
第1図はKca −50と圧延開始温度の関係を調査整
理したものである。この時の圧延開始から圧延終了まで
の圧下率は60%である。
圧延の主要部の温度域が再結晶終了温度以下、Ar3点
以上の未再結晶温度域の場合に、<ca −50の最も
高い(aが得られた。
第2図は第1図の知見の真因の探索を目的に、Kca 
−50と未再結晶温度域圧延の圧下率の関係を調査した
ものである。
圧延開始温度は再結晶終了温度以下、圧延終了温度はA
r3点以上である。
得られたKca −50は未再結晶温度域の圧下率の増
加に伴って向上し、圧下率が50%以上に達するとKc
a −50は400kgf/a@””以上が得られる事
ヲ見出した。
本発明者等は該知見と前記第1図の知見から、圧延の主
要部つまり50%以上の圧下率を未再結晶温度域で付与
すると、効率良く組織の微細化を図る事が出来、経済的
に且つ生産住良(Kca−50が4QOkgf/醜■コ
″以上の優れたアレスト特性を有する鋼材が得られる事
を見出した。
この時の圧延は、第1図、第2図に明らかな様に、再結
晶終了温度以下、Arz点温度以上つまり未再結晶温度
域で圧延を開始してもしなくても良く、要は圧延の主要
部つまり50%以上の圧下率を未再結晶温度域で付与す
る事が必要である事がわかった。
これ等によって特開昭62−77419号公報に開示さ
れている様な層状&1ItIaによる微細なセバレーシ
ッンを利用する事なく、しかもNiやNbを使用する事
もなく、優れたアレスト特性を存する鋼材が製造可能で
ある事を見出したのである。
第3図はKca −50と圧延後の制御冷却の開始温度
の関係を調査したもので、この時の圧延開始温度は再結
晶終了温度以下、圧延終了温度はAr3点以上、冷却速
度は空冷より速い30℃/sec、・焼き戻し温度は6
00℃である。 この調査により制御冷却の開始温度が
Ars  20℃以上であれば、空冷よりもアレスト特
性を向上する事が出来、Ar。
20℃以下になるとKca −50が空冷よりも劣化す
る場合がある事がわかった。
これは「発明が解決しようとする課題」でも述べた様に
オーステナイト粒界に大きな初析フェライトが発生する
ためである。これによりAr5−20℃以上の温度から
Ar5−20℃〜Ar!80で迄を空冷する事によって
発生する上記の現象が防止出来る事を見出したのである
第4図は制御冷却時の冷却速度とKca −50の関係
を調査したものである。この時の圧延開始温度は再結晶
終了温度以下、圧延終了温度はAr2点以上、圧延後の
冷却開始温度はAr、 −20℃以上、焼き戻し温度は
600 ’Cである。
この調査により冷却速度が、空冷では得られない10℃
/sec以上になると、得られるKca −50は50
0kgf / am”” ’以上に安定する事がわかっ
た。
これは10℃/sec以上の制御冷却を行うと、フェラ
イトの粒成長の抑制及びベイナイト変態の促進により微
細なフェライトとベイナイトの均一混合組織が得られる
結果である。
これ等によって特開昭62−77419号公報に開示さ
れている様な層状組織による微細なセパレーションを利
用する事なく、第1図、第2図の知見を超えた、更に優
れたアレスト特性を存する鋼材の製造が可能である事が
わかった。
第5図は焼き戻し処理温度とKca −50の関係を調
査したものである。この時の圧延開始温度は再結晶終了
温度以下、圧延終了温度はArt点以上、圧延後の冷却
開始温度はArs  20℃以上、冷却速度は30℃/
secである。
図から焼き戻し温度が500℃〜700“Cの範囲でに
ca −50は500kgf/am”2以上に安定する
事がわかった。
これにより、冷却の優ではミクロ偏析部に炭素量の高い
マルテンサイトが発生するためアレスト特性は低いが、
それを焼き戻し処理すると該マルテンサイトが分解して
上記した如く、アレスト特性はKca −50≧500
kgf / wm””に向上し、加えて本来、焼き戻し
処理から得られるものと一般に認識されている強度、靭
性の安定も上記焼き戻し処理において得られる事がわか
った。
第6図は従来の各種の製造方法から得た鋼材に対し、靭
性向上のために偏析の均熱拡散処理を施したものと、該
処理を施さなかったもののKca値を調査したものであ
る。
この調査により、前記特開昭62−77419号J公報
が開示しているC等のミクロ偏析帯を導入してセパレー
ションを発生させ、アレスト特性を向上させる方法から
得た鋼材は、FIAZ靭性向上のために有効な偏析の均
熱拡散処理を実施すると、アレスト特性は著しく劣化す
るが、本発明の方法から得た鋼材は上記偏析の均熱拡散
処理を施した後もアレスト特性が殆ど低下しない事を知
見した。
これは、アレスト特性向上のメカニズムが従来の方法と
異なるためであり、この差異が単にアレスト特性の向上
のみでなく、HAZ靭性の維持向上にも寄与している事
がわかった。
本発明者等は、上記各知見を基に、偏析の均熱拡散処理
条件、圧延条件、冷却条件、焼き戻し条件を規定する事
により、マルテンサイトを発生させずに、微細なフェラ
イト又は微細なフェライト及びベイナイトの均一混合組
織を経済的に、且つ生産性良く、生成してアレスト特性
の優れた鋼材を製造する事に成功したのである。
これにより、本発明者等は不可避的に製造費が増大する
Ni、及びHAZ靭性に悪影響のあるNbのそれぞれを
使用する事無く、更にはセパレーションを利用する事も
無く、この種産業分野に広く用いられている構造用鋼の
アレスト特性を■^2靭性、母材靭性を劣化させる事な
く、望まれるKca −50が400kgf 7111
7以上の用途において、それぞれの要求に応じて所要の
鋼材の提供を可能とし得る事を見出したのである。
〈実施例〉 1皇皇上=(Ni、 Nbなし、制御冷却なしの例)(
1)  鋼成分       (表1に示す、)本発明
は、前記した構造用鋼及びラインパイプ用鋼、構造用高
張力鋼等の元素と各元素量であれば何れの組み合わせで
も良いが、それぞれの代表的な化学成分を有する鋼でN
iとNbを含まない本発明が対象とする鋼を旧、Nbを
含む比較例鋼と共に表1に示す。
偏析の均熱拡散条件、圧延条件、及び得られた鋼材の材
質を表2及び表3に示す。
(2)  鋳造条件 ■鋳造方法 連続鋳造方法 ■凝固鋼片寸法 厚み42〜300++vX幅1800
mm(3)1次圧延(形状制御)条件 (有無)(表2.3に示す、) (4)  偏析の均熱 拡散条件  (有無)(表2.3に示す、)(5)2次
圧延(未再結晶域)条件 (表2.3に示す。) (6)  アレスト特性     (表2.3に示す。
)アレスト特性の評価試験 一温度勾配型ESSO試験 (7)  母材靭性の評価試験 一鋼材のシャルピー衝撃試験を実施。
(13)  )IAZ靭性の評価試験 −入熱16〜25KJ 7cm、の小大熱多N溶接又は
入熱70〜250KJ 7cmの大入熱1層溶接後、シ
ャルピー衝撃試験を実施。
本発明例の調香A−1〜A−36は表2.3に示す様に
Kca −50は400kgf / am”’以上であ
った。
又T+とBを含む鋼種3,4を用いた調香A−13〜A
−24から得た鋼材を70〜250kJ/cmの大入熱
溶接に供したところ、−60℃の吸収エネルギー(以下
vE−6@#と稠す)は17.9 kgf−m以上の良
好な値が得らた。この内更に偏析の均熱拡散処理を行っ
た調香A−15〜18及び21〜24は、VE−io’
c#が20.6kgf−鳳以上に向上した。
これはミクロ偏析の低減、粒内フェライト変態核の生成
の容易さによるものである。
これ等に対し比較例のB−1〜B−8は、未再結晶温度
域の圧延率が50%に達しなかったので、Kca −5
0は160〜250 kgf /am”” と低かった
しかしTt とBを含む鋼種3と4を使用した調香B−
5〜B−8のHAZ靭性は良かった。
又Ni、Nb共に含んだ鋼種5を用いた比較例の調香B
−9〜B−14はKca −50が400kgf / 
am”” 以上と高かったが、大入熱溶接におけるvE
−61”C#は低り1.9〜6 、2kgf−膳しかな
かった。
又Nbのみを含んだ鋼種7を用いた比較例の調香B−1
5〜B−20はKca −50が400 kgf /m
vi”” 以上と高かった。しかし大入熱溶接のVE−
bo”c#は低く2.7〜5.2kgf−議でしかなか
つた。
又旧のみを含んだ鋼種9を用いた比較例の調香B−21
は、特にKca −50が710 kgf lyam”
” と高かったが、大入熱溶接のWE−All ”C#
は1,9kgf−mと最も低かった。
一宜」嵐」1」工(Nl、 Nbなし、制御冷却あり)
(11It酸成分      (表4に示す、)本発明
は、前記した構造用鋼及びラインパイプ用鋼、構造用高
張力鋼等の元素と各元素量であれば何れの組み合わせで
も良いが、それぞれの代表的な化学成分を有する鋼で旧
とNbを含まない本発明が対象とする鋼をNi、Nbを
含む比較例鋼と共に表4に示す。
偏析の均熱拡散条件、圧延条件、冷却条件、焼き戻し条
件及び得られた鋼材の材質を表5及び表6に示す。
(2)  鋳造条件 ■鋳造方法 連続鋳造方法 ■凝固鋼片寸法 厚み42〜300mmx幅1800*
m(3)1次圧延(成形)条件 (有無)(表5.6に示す、) (4)  偏析の均熱拡散処理条件 (有無)(表5.6に示す、) (5)2次圧延(未再結晶域)・冷却・焼き戻し処理条
件        (表5.6に示す、)(6)  ア
レスト特性     (表5.6に示す、)アレスト特
性の評価試験 −温度勾配型ESSO試験 (7)  母材靭性の評価試験 一鋼材のシャルピー衝撃試験を実施。
(8)  11 A Z靭性の評価試験−入熱16〜2
5KJ /c−の小入熱多層溶接又は入熱70〜250
KJ /clの大入熱1層溶接後、シャルピー衝撃試験
を実施。
本発明例の調香、C−1−C−38は表2.3に示す様
にKca −50は400kgf /am””以上であ
った。
又TiとBを含む鋼種3,4を使用した調香C−13〜
C−24から得た鋼材を70〜250kJ/cmの大入
熱溶接に供したところ、VE−bs ’C#はL4.2
 kgf−m以上が得られた。この内偏析の均熱拡散処
理を行った調香C−15〜1B及び21〜24はVE−
io’c#が向上し18.4kgf−m以上に達した。
これはミクロ偏析の低減、IFPの生成の容易さによる
ものである。
これ等に対し比較例の調香D−1〜D−14は、未再結
晶温度域の圧延率が50%に達しなかったのでにca 
−50は202〜293 kgf / sm””  と
低かった。
しかしTL とBを含む鋼種3と4を使用した調香D−
5〜D−8のHAZ靭性が良かった。
又Nbのみを含んだ鋼種8を用いた比較例の調香D−1
5〜D−20は、Kca −50が高く、後記D−21
〜D−26と同様に400 kgf / ++v””以
上であったが、大入熱溶接のWE−io’C#は0.9
〜3.6kgf−mと低くかった。
又Ni及びNbを共に含んだ鋼種9を用いた比較例の調
香D−21−D−26は、Kca −50が高く、その
値は400kgf / mm””以上が得られた。しか
しながらVE−!@”C#は低く 2.2〜6.3kg
f−mであった。
X1のみを含んだ鋼種10を用いた比較例の調香D−2
7は、特にKca −50は780kgf / am”
” と高かったが、大入熱溶接のv[ニーAll ”c
 #は1.8kgf−mと低かった。
〈発明の効果〉 本発明は、実質的に旧、Nbを含まない凝固鋼片を用い
て、未再結晶温度域で50%以上の圧下率を付与する制
御圧延を行う事により、従来から用途上の不安を残しつ
つ用いられていたセパレーションを使用する事なく、且
つ母材及びFIAZの各靭性の劣化を伴う事なく、良好
な生産性、経済性の下にアレスト特性の良好な鋼材を効
率良<aaaする事を可能とし、更にこれを制御冷却し
、その上焼き戻し処理を行う事によって、アレスト特性
が更に優れた鋼材の製造を可能としたものであり、この
種産業分野にもたらす効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はKca −50と圧延温度域の関係を、第2図
はにca −50と未再結晶温度域圧延の圧下率との関
係を、第3図はKca −50と制御冷却開始温度の関
係を、第4図はKca −50と冷却時の冷却速度の関
係を、第5図はKca −50と焼き戻し処理温度の関
係を、第6図は各種の製造方法から得た鋼材の偏析の均
熱拡散処理の有無とKca −50の関係をそれぞれ示
す。 特許出願人 新日本製鐵株式会社 代 理 人 手掘 益(他2名) 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 Nb入り Nbなし 請求項1゜ 請求項3゜ 従 来 例 本 発 明 例

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)実質的にNiとNbを含まない構造用鋼を鋳型に
    注入して凝固し、該凝固完了鋼片を再結晶終了温度から
    Ar_3点温度迄の範囲で圧下率50%以上の未再結晶
    温度域圧延を行う事を特徴とするアレスト特性に優れた
    鋼材の製造方法。
  2. (2)実質的にNiとNbを含まない構造用鋼を鋳型に
    注入して凝固し、該凝固完了鋼片を1250℃以上で2
    時間以上5時間未満保定して後再結晶終了温度からAr
    _3点温度迄の範囲で圧下率50%以上の未再結晶温度
    域圧延を行う事を特徴とするアレスト特性に優れた鋼材
    の製造方法。
  3. (3)実質的にNiとNbを含まない構造用鋼を鋳型に
    注入して凝固し、該凝固完了鋼片を再結晶終了温度から
    Ar_3点温度迄の範囲で圧下率50%以上の未再結晶
    温度域圧延を行った後、Ar_3点−20℃以上の温度
    から200℃以下迄10℃/sec以上の冷却速度で冷
    却した後500℃〜700℃で焼き戻し処理を行う事を
    特徴とするアレスト特性に優れた鋼材の製造方法。
  4. (4)実質的にNiとNbを含まない構造用鋼を鋳型に
    注入して凝固し、該凝固完了鋼片を1250℃以上で2
    時間以上5時間未満保定して後再結晶終了温度からAr
    _3点温度迄の範囲で圧下率50%以上の未再結晶温度
    域圧延を行った後、Ar_3点−20℃以上の温度から
    200℃以下迄10℃/sec以上の冷却速度で冷却し
    た後500℃〜700℃で焼き戻し処理を行う事を特徴
    とするアレスト特性に優れた鋼材の製造方法。
JP1014668A 1988-11-08 1989-01-23 アレスト特性に優れた鋼材の製造方法 Pending JPH02217416A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5354118A (en) * 1976-10-28 1978-05-17 Nippon Steel Corp Production of high tensile steel sheet with excellent brittleness crackpropagation stopping properties
JPS5947323A (ja) * 1982-09-10 1984-03-17 Nippon Steel Corp 溶接部靭性および脆性破壊伝播停止特性の優れた高張力鋼の製造法
JPS60169516A (ja) * 1983-10-07 1985-09-03 Nippon Steel Corp 溶接部靭性のすぐれた低温用鋼の製造法
JPS6277419A (ja) * 1985-09-30 1987-04-09 Nippon Steel Corp アレスト特性のすぐれた高張力鋼の製造法

Patent Citations (4)

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