JPH0221443B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は可圧縮材料を基材へ取付けるための
荷重分配ワツシヤ、例えば一例を挙げると屋根の
床板上に可圧縮性の断熱材を取付けるのに適した
ワツシヤに関する。

片面に紙その他の被覆層を有する可圧縮性の断
熱材を金属製、木製、コンクリート製などの屋根
の床板上に固着するには大きなワツシヤ付きの釘
などのフアスナを用いて断熱材を床板に固着し、
次いでアスフアルトと紙や布の膜を用いて水密シ
ールを形成する。

屋根上で材料を移動させるために、作業員がワ
ツシヤの上やワツシヤの近くを歩いたり、一輪
車、その他の装置をワツシヤ上や、その近くを通
らせることがある。このように局部的に力を加え
ると、フアスナの頭は上部の膜や、ワツシヤを突
き抜けて被覆層に突きささることがある。こうし
て膜とか、被覆層が破られると断熱材中にアスフ
アルトや湿気が入ることがある。そうなると断熱
効果は減少し、又、雨漏り屋根となる。

この問題を解消するために、断熱材と屋根床板
にユニツトとして若干の動けるワツシヤ付きフア
スナが使用されている。しかし、床板に対してフ
アスナが動くと、フアスナは床板の孔を拡げ、そ
の結果フアスナは破損する。更に、この方式はフ
アスナが釘に限定され、耐引抜き特性が優れたね
じを採用することができない。

この発明はワツシヤの荷重分配フランジか、或
いはフランジの近辺に加えられた力に応じフアス
ナに対して浮動できるワツシヤに関する。本発明
のワツシヤの軸方向の突起部はフアスナの頭の径
より大なる内径と、頭の厚さの数倍の長さとを有
している。そして、フアスナは屋根の床板にしつ
かりと不動状に固定されているが、この発明のワ
ツシヤは断熱材に圧縮力を加えているとき、加え
た圧縮力を釈放したときそれぞれ断熱材が圧縮、
膨張するのに応じて自由に下つたり上つたりす
る。このワツシヤは釘とでも、ねじとでも、機械
的フアスナであれば一緒に用いることができる。

用途によつては、このワツシヤは弾性プラスチ
ツクで作るのがよい。それはプラスチツクワツシ
ヤは局部的な力が加わると撓み、縁を被覆層の中
へ突込まないからである。

ワツシヤには貫通孔の内部に可撓の突出部を備
えさせるのがよい。貫通孔にフアスナをさし込む
と、この可撓突出部が撓んでフアスナの頭を通過
させ、ワツシヤとフアスナはぱちつとはまり合
う。これによつて、フアスナとワツシヤ間で可能
な上下運動の上限が規制される。突起部の軸方向
長さは、通常の荷重状態では断熱材が圧縮されて
もフアスナの頭は可撓突出部と接触しない様に定
めてある。しかし、より大きな荷重でワツシヤが
最大に撓むと可撓突出部は内径を小さくしてフア
スナの頭が被覆用の層や膜をパンクさせるのを防
止する。尚、この可撓突出部は、フアスナの頭の
上方の孔のサイズを減小させ、接着剤やアスフア
ルトが貫通孔を塞がないようにすると共に、ワツ
シヤをなるべく浮動しないようにする。

以下、添付図面を参照して説明する。

この発明の荷重分配ワツシヤの一実施例が、第
１図に全体的に10で示してある。その軸方向の突
起部１２の上端の回りからは、横方向に外側へフ
ランジ１４が張出している。この突起部の下端部
は、好ましくは、テーパ面１６になつており、テ
ーパ面上には、等間隔に四つの鋭利なリブ１８が
設けてあり、被覆層２２を通して可圧縮材料２０
（第３Ａ図）中に突起部が突込み易くなつている。

ワツシヤの材質は任意であるが。図示の様にプ
ラスチツクが好ましい。それはプラスチツクは可
撓性があり、ワツシヤが縁で被覆層２２や被覆膜
２４を破損させる虞が少いからである。フランジ
１４の下面には突起部１２から放射状に外に向か
つて次第に低くなる補強リブ２６を備えさせても
よい。このリブ２６を設けるとフランジ１４の厚
さを薄くし、プラスチツクで成形する場合に材料
の使用料を減らせる。

第３Ａ図と第３Ｂ図で判る様にワツシヤ１０に
はフアスナ３０が通る貫通孔２８がある。貫通孔
２８にはフアスナの頭３４の直径より少し太く、
深さは頭３４の厚さの少くとも数倍ある拡大部３
２がある。拡大部３２の下は径の小径部３６にな
つていて両部３２と３６との間には段状の支持面
３８が形成されている。拡大部３２の上には内周
に張出した可撓突出部４０がありワツシヤにフア
スナをスナツプ式にはめるようになつている。上
面には貫通孔２８と同心に凹所４２が形成してあ
る。この凹所４２の形と大きさは例えば米国特許
出願第59867号（対応日本特許公開昭56−21784
号）に示されている様な駆動工具（図示なし）の
先端部を受入れる様になつている。

第２図は釘３０′と、平らな金属ワツシヤ１
０′を用い、可圧縮性の断熱材２０′を金属の屋根
床板２５′に取付けた従来の取付状態を示す。取
付け後、断熱材上にアスフアルトと紙膜２４′を
かぶせる。屋根上で作業を行う際にワツシヤ１
０′や、その近辺に圧縮力を加えると図示のよう
に釘の頭が上に突き出し膜２４′を破ることがあ
る。又、ワツシヤの縁は被覆層２２′に突きささ
り、断熱材中へアスフアルトや湿気を入らせるこ
とがある。断熱材のすき間を異物がふさぐと断熱
効率が悪くなる。更に、上部にそのように穴があ
くと雨漏り屋根となる。

この問題を解決するために釘に刻みをつけて保
持部３１′とし、この保持部を床板２５′の下に係
合させることが行われていた。それは保持部３
１′が通過すると床板の孔が僅かに閉まることを
期待してのことである。そうするとワツシヤ１
０′とフアスナ３０′は圧縮力に応じて一緒に動
く。しかし、ワツシヤの外縁部に加えられた力に
応じて釘が確実に動くにはワツシヤは釘のシヤン
クに対し非常にぴつたりとはまつていることが必
要で、はめ合い許容差がこのように厳密になる
と、フアスナに対しワツシヤは傾くことができな
くなる。更に重要なことは、床板に対する釘の移
動で釘は第２図の様に引き出され、おそらく床板
から抜ける程度に床板の穴は拡げられる虞があ
る。そうすると被覆膜が損傷するばかりか、釘は
断熱材を床板に固定しなくなる。

これに対し本発明のワツシヤは第３Ｂ図の様に
貫通孔に拡大部３２があるのでフアスナに対し浮
動できると同時に、傾くこともできる。その上、
プラスチツク製の場合はフランジの縁が可撓性な
ので膜２４や被覆層２２をパンクさせる虞はな
い。荷重が大きい場合は可撓突出部４０はワツシ
ヤがそれ以上の下動するのを阻止する抵抗を増大
するのでフアスナの頭が膜２４を突抜ける虞がな
い。又、可撓突出部４０は拡大部３２上で内周か
ら張出しているので拡大部の開口面積を小さくす
るのに役立ち、アスフアルトや水などを流入の虞
をなくする。このワツシヤは釘とでも、ねじとで
も使うことができる。しかしねじは釘よりも２〜
５倍の引抜抵抗を有するのでねじと使用するのが
最も好ましい。

第４，５図は本発明のワツシヤの第２実施例
で、フランジ１４には二つの突起部１１，１２が
設けてある。両突起部の間にはフランジ１４に沿
つて１対の補強リブ２６が設けてある。この実施
例は可圧縮材料の継目を跨いで使用するのに適す
る。

第６図は本発明の他の一つの実施例を示す。屋
根の床板が振動を受ける様な場合は抜け出るねじ
もある。この傾向には貫通孔の拡大部３２の内部
に一方向のフインガ４４を形成し、且つフアスナ
の頭３４には突起４６を設けることで対抗でき
る。フインガ４４を撓ませてフアスナをねじ込む
ことはできるが、しかし逆回転は突起４６がフイ
ンガに引懸つて阻止される。フアスナを抜き出す
ための抜去力はフアスナ３０のねじ山と床板２５
の間のねじ係合ばかりでなく、ワツシヤ１０の下
面と被覆層２２の間の摩擦抵抗、突起部１２と可
圧縮断熱材２０の間の摩擦抵抗をも克服しなけれ
ばならない。補強リブ２６はまた被覆層の中へく
い込んで回転に対する抵抗を更に増大するのに役
立つ。

以上、本発明を図示の実施例によつて説明した
が、本発明は図示の実施例に限定されるものでは
ない。例えば、ワツシヤの形状は図示した方形、
円形、楕円形以外の他の形状であつてもよい。更
に、可撓突出部は環状である必要はなく、部分的
に突出していてもよく、この方が可撓性が大にな
る。又、大きな可撓性を望まない場合は可撓突出
部で形成される内径を小さくしてもよい。更に、
接着剤やアスフアルトが寸法が小さいにもかかわ
らず拡大部３２を塞いでしまう場合は、凹所４２
はカバー円板をスナツプばめで取付けることがで
きるような形状にする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のワツシヤの一実施例を裏から
見た斜視図、第２図は従来の取付状態を示す説明
図、第３Ａ図は第１図のワツシヤの取付状態の断
面図、第３Ｂ図は同上の上から荷重を加えた状態
の断面図、第４図はこの発明のワツシヤの第２実
施例の平面図、第５図は同上の側面図、第６図は
この発明のワツシヤの他の一実施例の平面図で、
図中、１２は突起部、１４は荷重分配フランジ、
２０は可圧縮材料、２８は貫通孔、３０はフアス
ナ、３２は貫通孔の拡大部、３４はフアスナの
頭、３６は貫通孔の小径部分、３８は支持面を示
す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可圧縮材料を基材に固着するために頭付きフ
   アスナと併用する弾性の荷重分配ワツシヤにおい
   て、 固着すべき可圧縮材料の厚さより短かく、該可
   圧縮材料中に突入する軸方向の突起部と、突起部
   の一端から外方に張出した荷重分配フランジと、
   前記突起部中を貫通した貫通孔を有し、 上記貫通孔はフアスナの頭よりも大きな径、及
   び頭の厚さに少なくとも等しい長さを有する拡大
   部と、この拡大部の下端に連通して設けられたこ
   れよりも小径な小径部とを有し、前記貫通孔の拡
   大部の上には一体の可撓突出部があり、この可撓
   突出部の内径はフアスナの頭よりも小さいがフア
   スナの頭を通過させる弾性を有する一方、ワツシ
   ヤとフアスナの間の相対的軸方向の動きを限定す
   ることを特徴とする荷重分配ワツシヤ。 ２ 貫通孔の拡大部は内部にフアスナの頭と協力
   してワツシヤとフアスナの間の相対的回転を阻止
   する手段を有する特許請求の範囲第１項に記載の
   荷重分配ワツシヤ。 ３ 突起部は横に離れて複数個設けられている特
   許請求の範囲第１項に記載の荷重分配ワツシヤ。 ４ 可撓突出部は貫通孔を実質的に閉鎖する様に
   内向に延びた複数のセグメントからなる特許請求
   の範囲第１項に記載の荷重分配ワツシヤ。 ５ 突起部の他端は可圧縮材料中に挿入し易いテ
   ーパ部になつている特許請求の範囲第１項に記載
   の荷重分配ワツシヤ。 ６ 前記テーパ部には複数の鋭利なリブが設けら
   れている特許請求の範囲第５項に記載の荷重分配
   ワツシヤ。 ７ 荷重分配フランジは上面に貫通孔と同心で、
   駆動工具の先端部を受容し、且つこの先端部と整
   合する凹所を有する特許請求の範囲第１項に記載
   の荷重分配ワツシヤ。