JPH02212633A - 摩擦多板式差動制限装置 - Google Patents
摩擦多板式差動制限装置Info
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- JPH02212633A JPH02212633A JP3216489A JP3216489A JPH02212633A JP H02212633 A JPH02212633 A JP H02212633A JP 3216489 A JP3216489 A JP 3216489A JP 3216489 A JP3216489 A JP 3216489A JP H02212633 A JPH02212633 A JP H02212633A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は摩擦多板式差動制限装置(リミテッドスリップ
デファレンシャル。以下rLsDJと略称する。)に係
り、特に、摩擦板の摩擦性能が大幅に改善された摩擦多
板式LSDに関する。
デファレンシャル。以下rLsDJと略称する。)に係
り、特に、摩擦板の摩擦性能が大幅に改善された摩擦多
板式LSDに関する。
[従来の技術]
L S Dは、車両の駆動車軸に駆動力を分配伝達する
ための装置であフて、例えば、旋回時や悪路走行時等に
おいて、左右駆動車輪の回転数差を制御しながら駆動力
を左右駆動車輪に分配伝達するものである。第1図に摩
擦多板式LSDの断面図を示す。第1図において、1は
デファレンシャルケース(デフケース)であり、最終減
速ギヤと体回転する。2はピニオンシャフトであり、デ
フケース】内にデフケース1の回転軸と直交するように
固設されている。3,4は相対向する一対のピニオンギ
ヤであり、デフケース1内に収納されピニオンシャフト
2に回転自在に軸支されている。5.6は相対向する一
対のサイドギヤであり、デフケース1の回転軸と同し回
転軸を有し、ピニオンギヤ3.4に噛合し、左右駆動車
輪に連結した左右の駆動車軸7.8にそれぞれ連結して
いる。デフケース1とサイドギヤ5,6の間には、デフ
ケース側に設けられた摩擦板、即ちスラストワッシャ1
0とこれらの間に挟まれてザイトギヤ5.6に回転自在
に軸支されたクラッチ板9が設けられている。これらの
スラストワッシャ(摩擦板)10とクラッチ板9を摺動
させることによりデフケース1とサイトギヤ5,6との
回転数差を制御している。なお、このデフケース1の内
部には潤滑剤として鉱物油が入れである。
ための装置であフて、例えば、旋回時や悪路走行時等に
おいて、左右駆動車輪の回転数差を制御しながら駆動力
を左右駆動車輪に分配伝達するものである。第1図に摩
擦多板式LSDの断面図を示す。第1図において、1は
デファレンシャルケース(デフケース)であり、最終減
速ギヤと体回転する。2はピニオンシャフトであり、デ
フケース】内にデフケース1の回転軸と直交するように
固設されている。3,4は相対向する一対のピニオンギ
ヤであり、デフケース1内に収納されピニオンシャフト
2に回転自在に軸支されている。5.6は相対向する一
対のサイドギヤであり、デフケース1の回転軸と同し回
転軸を有し、ピニオンギヤ3.4に噛合し、左右駆動車
輪に連結した左右の駆動車軸7.8にそれぞれ連結して
いる。デフケース1とサイドギヤ5,6の間には、デフ
ケース側に設けられた摩擦板、即ちスラストワッシャ1
0とこれらの間に挟まれてザイトギヤ5.6に回転自在
に軸支されたクラッチ板9が設けられている。これらの
スラストワッシャ(摩擦板)10とクラッチ板9を摺動
させることによりデフケース1とサイトギヤ5,6との
回転数差を制御している。なお、このデフケース1の内
部には潤滑剤として鉱物油が入れである。
このような摩擦多板式LSDにおいて、摩擦板10の材
料としては、従来、鉄製摩擦摺動面に研摩等の機械加工
を施しその後塩酸処理をして表面を多孔質にした後、マ
ンガン系リン酸被膜を形成したものや、当り面に自己潤
滑性のある材料を塗布したもの、又はなじみ性のある表
面処理を施こしたものなどがある。
料としては、従来、鉄製摩擦摺動面に研摩等の機械加工
を施しその後塩酸処理をして表面を多孔質にした後、マ
ンガン系リン酸被膜を形成したものや、当り面に自己潤
滑性のある材料を塗布したもの、又はなじみ性のある表
面処理を施こしたものなどがある。
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の摩擦板材料よりなる摩擦板を
備えるLSDでは次のような欠点があった。
備えるLSDでは次のような欠点があった。
■ 摩擦板の摩擦係数が低いため、近年の高出力、高性
能車両に適応した摩擦トルクが得られず、十分なLSD
性能が得られない。
能車両に適応した摩擦トルクが得られず、十分なLSD
性能が得られない。
■ 要求特性に対応するトルクを得るには、摩擦板の枚
数を多くしなければならず、この場合にはLSDのデフ
ケースが大きくなり、エンジン機構の小型化に適さない
。
数を多くしなければならず、この場合にはLSDのデフ
ケースが大きくなり、エンジン機構の小型化に適さない
。
■ 摩擦板と相手側クラッチ板との摺動において、ステ
ィックスリップ現象により低速旋回時等に異音が発生ず
る。
ィックスリップ現象により低速旋回時等に異音が発生ず
る。
■ 摩擦板の耐摩耗性が十分でないため、長期使用によ
り摩滅してしまう。このため、LSDの耐久性が十分で
ない。
り摩滅してしまう。このため、LSDの耐久性が十分で
ない。
本発明は上記従来の問題点を解決し、摩擦性能に優れ、
かつ耐摩耗性にも優れた摩擦板を備える摩擦多板式LS
Dを提供することを目的とする。
かつ耐摩耗性にも優れた摩擦板を備える摩擦多板式LS
Dを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段及び作用]本発明の摩擦多
板式LSDは、固体潤滑剤として、二硫化モリブデン(
以下rMos2Jと略記する。)及び四弗化エチレン樹
脂(以下rPTFEJと略記する。)を40〜55重量
%、並びに、摩擦調整剤としてカーボン繊維を5〜15
重量%含み、残部が実質的にエポキシ樹脂及び/又はア
ミノ系樹脂よりなる乾性皮膜か形成されてなる摩擦板を
備えることを特徴とする。
板式LSDは、固体潤滑剤として、二硫化モリブデン(
以下rMos2Jと略記する。)及び四弗化エチレン樹
脂(以下rPTFEJと略記する。)を40〜55重量
%、並びに、摩擦調整剤としてカーボン繊維を5〜15
重量%含み、残部が実質的にエポキシ樹脂及び/又はア
ミノ系樹脂よりなる乾性皮膜か形成されてなる摩擦板を
備えることを特徴とする。
以下に本発明を図面を参照して詳細に説明する。
第2図は本発明の摩擦多板式LSDの摩擦板の一実施例
を示す正面図である。
を示す正面図である。
本発明のLSDは、摩擦板に特定組成の乾性皮膜が形成
されていること以外は、第1図に示す一般的な摩擦多板
式LSDと同様の構成とされている。
されていること以外は、第1図に示す一般的な摩擦多板
式LSDと同様の構成とされている。
本実施例に係る摩擦板10は、格子状の油溝10aが形
成されたスチール製プレートの摩擦板本体表面に、必要
に応してリン酸マンガン等の下地層を介して下記組成の
乾性皮l1U11が形成されてなるものである。
成されたスチール製プレートの摩擦板本体表面に、必要
に応してリン酸マンガン等の下地層を介して下記組成の
乾性皮l1U11が形成されてなるものである。
乾性皮膜組成
固体潤滑剤+ M o S 2及びPTFE=40〜5
5重量% 摩擦調整剤 カーボン繊維=5〜15重量%バインダー
エポキシ樹脂及び/又はアミノ系樹脂=残部 本発明において、MO32及びPTFEの固体潤滑剤が
40重量%未満ては、スティックスリップ現象を防止し
得る良好な摩擦性能が得られず、耐摩耗性も不足する。
5重量% 摩擦調整剤 カーボン繊維=5〜15重量%バインダー
エポキシ樹脂及び/又はアミノ系樹脂=残部 本発明において、MO32及びPTFEの固体潤滑剤が
40重量%未満ては、スティックスリップ現象を防止し
得る良好な摩擦性能が得られず、耐摩耗性も不足する。
一方、固体潤滑剤が55重量%を超えても摩擦性能が低
下すると共に、耐摩耗性は大幅に低下する。
下すると共に、耐摩耗性は大幅に低下する。
固体潤滑剤中のM o S 2とPTFEとの割合には
特に制限はないか、通常の場合MOS2100重量部に
対して、PTFEを50〜150重量部程度とするのが
好ましい。
特に制限はないか、通常の場合MOS2100重量部に
対して、PTFEを50〜150重量部程度とするのが
好ましい。
方、カーボン繊維が5重量%未満ては、十分に高い摩擦
係数か得られず、15重量%を超えると耐摩耗性が低下
する。十分な耐摩耗性を得るためには、カーボン繊維の
割合は5〜10重量%とすることが好ましい。
係数か得られず、15重量%を超えると耐摩耗性が低下
する。十分な耐摩耗性を得るためには、カーボン繊維の
割合は5〜10重量%とすることが好ましい。
また、用いるカーボン繊維の繊維径か5μmより小さい
と摩擦調整剤としての役割を十分に発揮できず、摩擦係
数の向上、耐摩耗性の向上に有効でない場合がある。一
方、同繊維径が30μmより大きいとバインダーとの十
分な結合が得られず、摺動により繊維が脱落するため、
逆に耐摩耗性が悪くなる。従って、カーボン繊維の繊維
径は5〜30μmとするのが好ましく、特に10〜20
μmとするのが好ましい。カーボン繊維の繊維の長さと
しては、アスペクト比が約10のもの、即ち、繊維長さ
が50〜300μmのもの、特に100〜200μmの
ものが製造上好適である。
と摩擦調整剤としての役割を十分に発揮できず、摩擦係
数の向上、耐摩耗性の向上に有効でない場合がある。一
方、同繊維径が30μmより大きいとバインダーとの十
分な結合が得られず、摺動により繊維が脱落するため、
逆に耐摩耗性が悪くなる。従って、カーボン繊維の繊維
径は5〜30μmとするのが好ましく、特に10〜20
μmとするのが好ましい。カーボン繊維の繊維の長さと
しては、アスペクト比が約10のもの、即ち、繊維長さ
が50〜300μmのもの、特に100〜200μmの
ものが製造上好適である。
バインダーとして用いるエポキシ樹脂及び/又はアミノ
樹脂の配合割合は任意に選定することができる。
樹脂の配合割合は任意に選定することができる。
このような成分組成よりなる乾性皮膜の厚さは、長時間
使用に十分に耐え得る耐摩耗性を確保するため、15μ
m以上とすることが好ましい。
使用に十分に耐え得る耐摩耗性を確保するため、15μ
m以上とすることが好ましい。
この乾性皮膜の厚さが35μmを超えると熱伝導性が悪
くなり、耐摩耗性が低下する。また皮膜が剥離しやすく
なり、皮膜強度が低下する上にコス]・的にも高価とな
る。従って、形成する乾性皮膜の厚さは15〜35μm
とするのが好ましい。
くなり、耐摩耗性が低下する。また皮膜が剥離しやすく
なり、皮膜強度が低下する上にコス]・的にも高価とな
る。従って、形成する乾性皮膜の厚さは15〜35μm
とするのが好ましい。
また、乾性皮膜の表面粗さが、5μmより小さいと摩擦
係数のレベルが低く(例えば動摩擦係数μd=0.05
〜O,Oa)なり、逆に30μmより粗いと初期のμd
は高いが経時の変化(μd低下)が大きく安定した摩擦
係数が得られない。従って、乾性皮膜の表面粗さは5〜
30μmとするのが好ましく、特に10〜20μmとす
るのが好ましい。
係数のレベルが低く(例えば動摩擦係数μd=0.05
〜O,Oa)なり、逆に30μmより粗いと初期のμd
は高いが経時の変化(μd低下)が大きく安定した摩擦
係数が得られない。従って、乾性皮膜の表面粗さは5〜
30μmとするのが好ましく、特に10〜20μmとす
るのが好ましい。
このような乾性皮膜は13例えば、バインダーi、 o
o重量部に対して、100〜200重量部の溶剤(キ
シレン等)で溶解したものに、固体潤滑剤を加え、ボー
ルミルにて3時間粉砕を行ない、更にそれに対し、所定
量の摩擦調整剤を加え攪拌を行なったものを試料とし、
これを下地処理としてリン酸マンガン処理を施こしたス
チール製のプレート(油溝付)上にエアースプレー等に
より吹きつけ、その後200℃程度で約30分間加熱硬
化させることにより、容易に形成することかできる。
o重量部に対して、100〜200重量部の溶剤(キ
シレン等)で溶解したものに、固体潤滑剤を加え、ボー
ルミルにて3時間粉砕を行ない、更にそれに対し、所定
量の摩擦調整剤を加え攪拌を行なったものを試料とし、
これを下地処理としてリン酸マンガン処理を施こしたス
チール製のプレート(油溝付)上にエアースプレー等に
より吹きつけ、その後200℃程度で約30分間加熱硬
化させることにより、容易に形成することかできる。
なお、本発明において、摩擦板の相手材となるクラッチ
板の表面粗さが0.8μmより粗いと摩擦板の摩耗が大
きくなり耐久性及び摩擦係数の安定性が損なわれること
から、クラッチ板の表面粗さは08μm以下、特に0.
5μm以下とするのが好ましい。
板の表面粗さが0.8μmより粗いと摩擦板の摩耗が大
きくなり耐久性及び摩擦係数の安定性が損なわれること
から、クラッチ板の表面粗さは08μm以下、特に0.
5μm以下とするのが好ましい。
[実施例]
以下に実施例、比較例及び参考例を挙げて、本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
実施例1〜3
第2図に示す本発明に係る摩擦板を製造した。
即ち、まず、表面に格子状の油溝を形成したスヂール製
プレートの表面に、下地処理としてリン酸マンガン処理
を施した。別に、第1表に示す配合割合にて、樹脂組成
物を調製した。具体的には、バインダー100重量部に
対して、100〜200重士部の溶剤(M −E −K
、キシレン)で溶解したものに固体潤滑剤を加え、ボー
ルミルにて3時間粉砕を行ない、更にそれに対し、所定
量の摩擦調整剤を加え攪拌を行なう。このようにして得
られた樹脂組成物をエアースプレーによりスヂール製プ
レートの表面に吹き付け、その後200℃で30分間加
熱硬化させて、厚さ約25μmの乾性皮膜を形成した。
プレートの表面に、下地処理としてリン酸マンガン処理
を施した。別に、第1表に示す配合割合にて、樹脂組成
物を調製した。具体的には、バインダー100重量部に
対して、100〜200重士部の溶剤(M −E −K
、キシレン)で溶解したものに固体潤滑剤を加え、ボー
ルミルにて3時間粉砕を行ない、更にそれに対し、所定
量の摩擦調整剤を加え攪拌を行なう。このようにして得
られた樹脂組成物をエアースプレーによりスヂール製プ
レートの表面に吹き付け、その後200℃で30分間加
熱硬化させて、厚さ約25μmの乾性皮膜を形成した。
得られた摩擦板について、下記方法により、摩擦試験及
び摩耗試験を行なった。結果を第1表に示す。
び摩耗試験を行なった。結果を第1表に示す。
■ 摩擦試験
上記乾性皮膜を形成した摩擦板Aと、鋼製(材質:JI
S規格5K5)で焼入れ焼戻しを施した鋼板(HV45
0)よりなりその表面粗さが0.5μRzの摩擦板B(
外径120mm、内径100mm、厚さ1.8mm)を
組み合わせて、スラスト試験機により摩擦試験を行なっ
た。試験は、LSDSゼオイル中擦板Bに対し摩擦板A
を荷重400kgfで押しつけた状態て摩擦板Bを約5
r、p、m、にて回転させ、その時に発生する摩擦l
・ルクから摩擦係数(静摩擦係数(以下「μS」と略記
する。)と動摩擦係数(以下「μd」と略記する。))
を調べた。
S規格5K5)で焼入れ焼戻しを施した鋼板(HV45
0)よりなりその表面粗さが0.5μRzの摩擦板B(
外径120mm、内径100mm、厚さ1.8mm)を
組み合わせて、スラスト試験機により摩擦試験を行なっ
た。試験は、LSDSゼオイル中擦板Bに対し摩擦板A
を荷重400kgfで押しつけた状態て摩擦板Bを約5
r、p、m、にて回転させ、その時に発生する摩擦l
・ルクから摩擦係数(静摩擦係数(以下「μS」と略記
する。)と動摩擦係数(以下「μd」と略記する。))
を調べた。
■ 摩耗試験
■と同様に、LSDSゼオイル中50 r、p、mにて
回転している摩擦板已に対し摩擦板Aを荷重500kg
fで押しつけ200時間後の摩耗量(摩耗深さ)を調へ
た。
回転している摩擦板已に対し摩擦板Aを荷重500kg
fで押しつけ200時間後の摩耗量(摩耗深さ)を調へ
た。
比較例1〜6
第1表に示す原料配合にて皮膜を形成したこと以外は、
実施例1と同様にして摩擦板Aを製造し、その性能試験
を行なった。
実施例1と同様にして摩擦板Aを製造し、その性能試験
を行なった。
結果を第3図に示す。
第3図より明らかなようにカーボン繊維を配合した実施
例1〜3及び比較例3〜6の摩擦係数は、比較例1,2
に比べ大幅に高く、しかもカーボン繊維が増加するに従
って高くなり、約20重量%でビークとなり飽和する傾
向を示す。
例1〜3及び比較例3〜6の摩擦係数は、比較例1,2
に比べ大幅に高く、しかもカーボン繊維が増加するに従
って高くなり、約20重量%でビークとなり飽和する傾
向を示す。
また、比較例1 (従来材)はμSがμdの平均より高
く、スティックスリップ現象による異音が発生し易い特
性を示すのに対し、実施例1〜3及び比較例3〜6は、
常にμS≦μdとなっており、異音発生か防止される良
好な特性を有している。
く、スティックスリップ現象による異音が発生し易い特
性を示すのに対し、実施例1〜3及び比較例3〜6は、
常にμS≦μdとなっており、異音発生か防止される良
好な特性を有している。
一方、摩耗についてはカーボン繊維が5〜15重景%の
時(実施例1〜3)、乾性皮膜の厚さ以内での低摩耗量
を示すか、20重量%以上になると、比較的1.2と同
様下地のリン酸マンガン処理層か露出するようになり、
耐摩耗性が悪くなる傾向を示す。これはカーボン繊維の
量が多くなると結合に必要なバインダー(エポキシ樹脂
等)の量か不足するため、カーボン繊維及び固体潤滑材
とバインダーとの結合力が低下してくるのて、耐摩耗性
が悪くなるためと考えられる。
時(実施例1〜3)、乾性皮膜の厚さ以内での低摩耗量
を示すか、20重量%以上になると、比較的1.2と同
様下地のリン酸マンガン処理層か露出するようになり、
耐摩耗性が悪くなる傾向を示す。これはカーボン繊維の
量が多くなると結合に必要なバインダー(エポキシ樹脂
等)の量か不足するため、カーボン繊維及び固体潤滑材
とバインダーとの結合力が低下してくるのて、耐摩耗性
が悪くなるためと考えられる。
以上の結果からカーボン繊維の量としては、5〜15重
量%が良好で特に耐摩耗性を考えた場合5〜10重量%
が好ましいことか明らかである。
量%が良好で特に耐摩耗性を考えた場合5〜10重量%
が好ましいことか明らかである。
実施例4〜7、比較例7.8
カーボン繊維の量を7重量%に固定し、固体潤滑剤(M
OS2+PTFE)の量を第2表に示すように変化させ
たこと以外は実施例1と同様にして摩擦板Aを製造し、
その性能試験を行なった。
OS2+PTFE)の量を第2表に示すように変化させ
たこと以外は実施例1と同様にして摩擦板Aを製造し、
その性能試験を行なった。
結果を第2表に示す。
第2表
第2表より、固体潤滑剤(MO32+PTFE)の量か
35重量%(比較例7)の場合、摩擦係数としては高い
が、μSとμdとの関係がスティックスリップ現象を生
じやすい傾向となっており、また摩耗量も実施例4〜7
に比へ大きくノンっている。一方、固体潤滑剤の量が6
0重量%(比較例8)の場合、μdのレベルがやや低く
なっており、しかも耐摩耗性が大幅に低下することかわ
かる。
35重量%(比較例7)の場合、摩擦係数としては高い
が、μSとμdとの関係がスティックスリップ現象を生
じやすい傾向となっており、また摩耗量も実施例4〜7
に比へ大きくノンっている。一方、固体潤滑剤の量が6
0重量%(比較例8)の場合、μdのレベルがやや低く
なっており、しかも耐摩耗性が大幅に低下することかわ
かる。
従って、固体潤滑剤の量としては、40〜55重量%か
好ましい。なお、第2表において、MO32とPTFE
の固体潤滑剤の配合割合は、Mo52100重量部に対
しPTFEを同じく100重量部としているが、PTF
Eを50〜150重量部程度としても同様な結果が得ら
れる。
好ましい。なお、第2表において、MO32とPTFE
の固体潤滑剤の配合割合は、Mo52100重量部に対
しPTFEを同じく100重量部としているが、PTF
Eを50〜150重量部程度としても同様な結果が得ら
れる。
また、上記実施例1〜7においては、バインダーとして
エポキシ樹脂とアシ系樹脂との混合系を使用しているが
、これらは単独使用でも同様な結果か得られる。
エポキシ樹脂とアシ系樹脂との混合系を使用しているが
、これらは単独使用でも同様な結果か得られる。
参考例1
実施例2の摩擦板を摩擦板Aとして用い、摩擦板Bの表
面粗さを第3表に示すように変えて、実施例1と同様に
して摩耗試験を行なった。結果を第3表及び第4図に示
す。
面粗さを第3表に示すように変えて、実施例1と同様に
して摩耗試験を行なった。結果を第3表及び第4図に示
す。
第3表及び第4図より明らかなように、相手材のクラッ
チ板の表面粗さ(Rz)は、0.8μmより粗くなると
アブレーシブな作用により乾性皮膜側の摩耗が大きくな
る傾向を示し、耐久性及びμd、μSの安定性に大きく
影響するため、08μm以下、好ましくは、0.5μm
以下とするのが好ましい。
チ板の表面粗さ(Rz)は、0.8μmより粗くなると
アブレーシブな作用により乾性皮膜側の摩耗が大きくな
る傾向を示し、耐久性及びμd、μSの安定性に大きく
影響するため、08μm以下、好ましくは、0.5μm
以下とするのが好ましい。
[発明の効果コ
以上詳述した通り、本発明の摩擦多板式LSDによれば
、その摩擦板の摩擦性能及び耐摩耗性が大幅に改善され
るため、次のような効果が奏される。
、その摩擦板の摩擦性能及び耐摩耗性が大幅に改善され
るため、次のような効果が奏される。
■ 摩擦板が従来の摩擦板に比べて、摩擦係数が約2
(9と非常に高いため、高い摩擦トルクが得られ、LS
D性能が大幅に向上する。
(9と非常に高いため、高い摩擦トルクが得られ、LS
D性能が大幅に向上する。
■ ■より、摩擦板の枚数を低減することができること
から、LSD全体の小型化、軽量化を図ることができる
。
から、LSD全体の小型化、軽量化を図ることができる
。
■ 摩擦板は、μdがμSより常に高い傾向を示すため
、スティックスリップ現象による異音の発生がない。
、スティックスリップ現象による異音の発生がない。
■ 摩擦板の耐摩耗性が従来の摩擦板に比べて格段に優
れているため、長期間安定して使用することができる。
れているため、長期間安定して使用することができる。
このため、LSDの耐久性、信頼性が大幅に向上する。
第1図は摩擦多板式LSDの断面図、第2図は本発明の
LSDに係る摩擦板を示す正面図、第3図は実施例1〜
3及び比較例1〜6の結果を示すグラフ、第4図は参考
例1の結果を示すグラフである。 1・・・デフケース、 5.6・・・サイドギヤ、9
・・・クラッチ板、 1o・・・摩擦板。
LSDに係る摩擦板を示す正面図、第3図は実施例1〜
3及び比較例1〜6の結果を示すグラフ、第4図は参考
例1の結果を示すグラフである。 1・・・デフケース、 5.6・・・サイドギヤ、9
・・・クラッチ板、 1o・・・摩擦板。
Claims (1)
- (1)固体潤滑剤として、二硫化モリブデン及び四弗化
エチレン樹脂を40〜55重量%、並びに、摩擦調整剤
としてカーボン繊維を5〜15重量%含み、残部が実質
的にエポキシ樹脂及び/又はアミノ系樹脂よりなる乾性
皮膜が形成されてなる摩擦板を備えることを特徴とする
摩擦多板式差動制限装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3216489A JPH02212633A (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 摩擦多板式差動制限装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3216489A JPH02212633A (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 摩擦多板式差動制限装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02212633A true JPH02212633A (ja) | 1990-08-23 |
JPH0555732B2 JPH0555732B2 (ja) | 1993-08-17 |
Family
ID=12351301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3216489A Granted JPH02212633A (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 摩擦多板式差動制限装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02212633A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04165125A (ja) * | 1990-10-26 | 1992-06-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電磁クラッチ |
US5516587A (en) * | 1993-06-30 | 1996-05-14 | Daido Metal Company Ltd. | Wet multiplate system clutch plate coated with phenolic resin mixture |
JPWO2003029685A1 (ja) * | 2001-09-27 | 2005-01-20 | 株式会社豊田中央研究所 | 高摩擦摺動部材 |
-
1989
- 1989-02-10 JP JP3216489A patent/JPH02212633A/ja active Granted
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04165125A (ja) * | 1990-10-26 | 1992-06-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電磁クラッチ |
US5516587A (en) * | 1993-06-30 | 1996-05-14 | Daido Metal Company Ltd. | Wet multiplate system clutch plate coated with phenolic resin mixture |
JPWO2003029685A1 (ja) * | 2001-09-27 | 2005-01-20 | 株式会社豊田中央研究所 | 高摩擦摺動部材 |
US7537835B2 (en) | 2001-09-27 | 2009-05-26 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | High friction sliding member |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0555732B2 (ja) | 1993-08-17 |
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