JPH02211164A - 生体用ワイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は生体内に適用される純チタン又はチタン合金製
ワイヤに関し、詳細には優れた耐疲労性を有すると共に
、ワイヤ同士を強固に締結することができ、生体内で高
い、安全性を発揮する生体用ワイヤに関するものである
。

［従来の技術］ 整形外科や口腔外科分野においては、人工骨や人工歯根
等を生体内に埋め込むことが多い。第２図は大腿骨の骨
頭部が骨損傷等によって切除され首部から骨幹部が残存
する場合において、その大腿骨を補綴するために用いら
れる人工骨１の配設例を示す説明図である。破線で示す
残存大腿骨２の骨髄内に人工骨１のステム部１ａを挿入
し、該人工骨１を大腿骨に固定するため、−旦切除した
大転子２ａを生体用ワイヤ３によって大腿骨２の首部に
再び締結し固定している。該生体用ワイヤ３はその中間
部又は先端部で交錯するワイヤ同士を捩ることによって
固定部３ａを形成し、該生体用ワイヤ３のほどけや緩み
を防いでいる。

［発明が解決しようとする課題］ このような生体用ワイヤ３は上記の様な捩りを行なって
も、固定部３ａの形成点から簡単に破断することがない
様な引張強度を保持するものでなければならず、その素
材は引張試験に際して５０％以上の均一な伸び率を有す
るものでなければならないとされている。さらに該生体
用ワイヤ３は長期間生体内に埋め込まれたままとなるの
で、優れた耐食性、耐疲労性を有し、所定の引張強度を
発揮し続けるものでなければならないという要請もある
。

これらを満足する生体用ワイヤ３としては直径１．０〜
１．８ｎｉ＋のステンレス鋼製又はＣｏ−Ｃｒ−ＭＯ合
金製の単線ワイヤが従来使用されていた。

一方人工骨１の素材も上記ワイヤと同じ様にステンレス
鋼又はＣｏ−Ｃｒ−Ｍｏ合金が多く利用されているが、
近年耐腐食性及び軽量化の面で、より優れた純チタン又
はチタン合金を材料とするものが増えつつある。しかし
ながら人工骨１と生体用ワイヤ３は上記の様な異系統の
金属材料によって形成して生体内に適用したときには、
前記両者の接触部又は導電体として体液でつながってい
る状態において、電気化学的腐食が起こって金属イオン
が流出するということが懸念される。

従って純チタン製又はチタン合金製（以下単にチタン製
という）の人工骨を使用するときにはチタン製のワイヤ
を用いることが望ましい。

しかしながら通常のチタン製単線ワイヤにおいては、前
記引張試験における伸び率が５０％を超すものがなく、
この条件を満足させようとすれば、焼鈍による軟化処理
を行なわなければならず、そのため該チタン製ワイヤは
引張強度が低下し、また耐疲労性の劣化によって長時間
の使用中に破断等の不都合を生じる恐れがあった。

そこで本発明者らはチタン製生体補綴用人工材料との共
用に適すると共に、ワイヤの中間部又は先端部での締結
固定に際して切断等の不都合を生じず、且つ優れ、た耐
疲労性を発揮することのできる生体用ワイヤを提供する
目的で研究を重ね本発明を完成した。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成し得た本発明は、純チタン又はチタン合
金製の素細線を複数本撚り合わせて形成した点に要旨を
有するものである。

［作用及び実施例］ 本発明はチタン製の人工骨や人工歯根等と一緒に使用し
ても金属イオンの流出といった不都合を生じさせない条
件を満足させるため、本発明における生体用ワイヤの材
料は同系統の純チタン又はチタン合金によって形成する
。

しかしチタンという金属の材料的特質および制約から、
チタン製ワイヤ自体の引張伸び率を５０％以上にするこ
とは実用上の問題を招き、前に述べた様に引張伸び率を
５０％以上にする為の熱処理を加えることは引張強度や
耐疲労性の低下を招くことが知られている。

そこで第１図（断面図）に示す様にチタン製の素細線３
ｂを複数本撚り合わせてワイヤコード形状とする。該素
細線３ｂとしては直径０．１ｍｍ以上のものを用い、２
本以上、好ましくは３本以上を撚り上げるが、撚り方と
しては平行撚り、クロス撚り、組ひも撚り及びこれらを
組み合わせた公知の方法を採用することができる。該撚
り上げワイヤコードは芯鞘構造とし芯線５としてナイロ
ン糸やその他の合成樹脂製糸を組合せることも可能であ
り、なおワイヤコード径は２ｍｍ以下とすることが好ま
しい。

上記の様に構成された生体用ワイヤ３は、ワイヤ３同士
を従来例の如く捩る様にして固定部を形成しようとして
も、素細線３ｂ自体がこの捩りに耐えられる伸び率を有
しておらず、捩り加工において破断してしまい易い。そ
こで上記生体用ワイヤ３は第３図に示す様にワイヤ３同
士を縛り固定する。即ち語例においては、２本のワイヤ
３Ａ。

３Ｂの端部３Ａ’　、３Ｂ’を固結びする様に互いに絡
め、結び固定部３ｃを形成する。

尚単線ワイヤを用いて前述の様な結び固定部３ｃを形成
する場合には、単線の有する剛性のために曲げ加工し難
く、また結び固定部３Ｃを形成できたとしても、ワイヤ
同士の滑りやワイヤの弾性によって該固定部３Ｃの緩み
やぼどけを生じ易い。尚上記ワイヤコード形状のワイヤ
３による結び固定部の形成位置は、ワイヤ３の中間部及
び端部のいずれにおいても形成できる。

本発明ではこの様な強力な固定手段が採用されるので従
来の様に捩り固定部を形成する必要がなくなり、仮に素
細線３ｂの引張伸び率が２０％以下であっても人工骨の
固定用ワイヤとして十分使用することができる。

またワイヤ素綿線３ｂ自体は軟化処理する必要がなくな
ったので、冷間伸線加工を行なったままの高い引張強度
を保持した状態で使用でき、同一材料、同一径の車線ワ
イヤと比較した場合、疲労強度の面で５０％以上高くす
ることができる。さらに本発明の生体用ワイヤ３におい
ては仮に表面の一部が傷付けられることがあっても破断
に至るのは傷付けられた素綿線３ｂだけであり、生体用
ワイヤ全体の破断に至ることはなく、安全率を高く設定
することができる様になった。

また第１図（ｂ）に示す様にワイヤコード外表面へ、生
体に対して害を与えることがなく、生体適合性の高い高
分子化合物４を薄くコーティングしておけば、該ワイヤ
コード表面を傷付けることは完全に防止できる。なお上
記高分子化合物４の代表例としては、ナイロン、テフロ
ン、ポリエチレン等を挙げることができる。

く実験例〉 直径１．１ｍｍの単線ワイヤ及び撚り線ワイヤコードに
おける各強度及び締結性を比較する目的で純チタン（Ｊ
　Ｉ　Ｓ　２種）を使用して実験を行なった。撚り線ワ
イヤコードは直径０．１ｍｍの素綿線を７木平行撚りし
、ざらにこれを７本クロス撚りし、この撚り線ワイヤコ
ードの内部へナイロンを含浸すると共に、ワイヤコード
外表面全体もナイロンによってコーティングした。

得られたワイヤコード及び車線ワイヤの引張試験結果は
次の通りである。単線ワイヤの破断荷重は４２　ｋｇ／
ｖ＋＋”であったのに対し、撚り線ワイヤの破断荷重は
６１　ｋｇ／ｍｌ１１２であり、約５０％の向上があっ
た。また撚り線ワイヤコードは第３図に示す様な強固な
結び固定部３ｃを形成することができ、この結び固定部
３ｃはＮ、４Ｌに緩みゃほどけを生じることはなかった
。

なお上記単線ワイヤ同士を捩りによって固定しようと試
みたが、捩りの途中で破断してしまい固定することはで
きなかった。

［発明の効果］ 本発明の生体用ワイヤは以上の様に構成されているので
、チタン製人工骨や人工歯根等と共用しても金属イオン
の流出等の不都合を生じず、しかも生体用サイヤ自体の
引張強度は従来品より向上することができ優れた耐疲労
性を発揮できる。また生体用ワイヤの中間部又は先端部
は強く縛り付けて固定できる様になった。これらの結果
本発明の生体用ワイヤは生体内に長期間埋め込んでおい
ても破断等の不具合を生じることがなく、安全性が高く
なった。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）〜（Ｃ）は本発明の生体用ワイヤの代表的
な実施例を示す断面図、第２図は生体用ワイヤの使用例
を示す説明図、第３図は本発明の生体用ワイヤの固定例
を示す一部破断説明図である。 １・・・人工骨　　　　　２・・・大腿骨３・・・生体
用ワイヤ　　４・・・高分子化合物５・・・芯線

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）生体内に適用される生体用ワイヤであって、純チ
   タン又はチタン合金製の素細線を複数本撚り合せてなる
   ことを特徴とする生体用ワイヤ。
2. （２）請求項（１）に記載の生体用ワイヤ外表面に、生
   体適合性を有する高分子化合物をコーティングしてなる
   生体用ワイヤ。