JPH0221062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は指先の切傷、あかぎれ等のために指先
を治療するための指先用治療バンドキヤツプに関
する。

〔従来の技術〕

簡単な切傷、あかぎれ、ふき出もの、靴ずれ等
を家庭で治療する際、粘着テープに薬層を積層し
た所謂治療用バンドを患部に貼り付けることが広
く行なわれている。

従来の治療用バンドは粘着層を塗布したテープ
の中央部に薬層を積層し、その上に２枚の剥離テ
ープを中央で少しオーバーラツプさせて積層した
構造となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、従来の治療用バンドは偏平なテ
ープ状であるため、腕等に貼り付けたり、指の腹
部に巻き付けるのには適しているが、指の先端に
けがをした場合、これを完全に包囲することが出
来ない。この様な場合、指の先端部にテープ状の
治療用バンドを当接し、更に粘着テープ又はもう
１枚の治療用バンドを横に捲回してはずれない様
に固定していた。しかし、この様な頒雑な作業を
行なつても、なお且つ指の先端を完全に包囲する
ことが出来ず、隙間が生じ、そこから菌が侵入す
る可能性があるばかりでなく、治療用バンドの側
面が指の形にフイツトしないため、かどが生じ、
手先の作業をする際にそのかどが邪魔になる欠点
もあつた。このため、更にその上からゴム製の指
サツクをはめることも試みられているが、指サツ
クは内部がむれて患部付近にただれを生じさせ、
かえつて治療を遅らせる欠点もあつた。

本考案はかかる従来の治療用バンドの欠点を解
消せんがために考案されたものである。

従つて本考案の目的は、指先の被覆操作が簡単
で、指先に完全にフイツトし、且つむれることな
い指先用治療バンドキヤツプを提供することにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案の指先用治療
バンドキヤツプは次の手段をとるものである。

(1) 全体に多数の小孔を有し、表面に粘着層を塗
布した先端半球状の伸縮性薄膜から成るバンド
キヤツプ本体の先端半球部を薬層で被覆する。

(2) その半球状先端から他端に至るバンドキヤツ
プ本体の半面に第１剥離テープを積層する。

(3) 同様に他の半面に、半球状先端で折返した２
重ねの第２剥離テープを積層する。

更に好ましくは、 (4) 折返した２枚重ねの第２剥離テープの端部に
おいて、外側テープをバンドキヤツプ本体の端
部より長くする。

〔作用〕

本考案における指先用治療バンドキヤツプは次
の作用をする。

(1) バンドキヤツプの表面にあけられた多数の小
孔は空気を流通させる作用をする。

(2) 先端半球状の伸縮性薄膜から成るバンドキヤ
ツプ本体は指先にフイツトして完全に包囲する
作用をする。

(3) 先端半球部の薬層は患部に当接して殺菌等の
薬理作用をする。

(4) 第１、第２剥離テープは粘着層の保存作用を
し、特に２枚重ねの第２剥離テープはバンドキ
ヤツプ本体を指先に被覆した後に引張つて剥離
出来る作用を有する。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図〜第２図は本考案の実施例を示す斜視図
及び断面図である。

バンドキヤツプ本体１は表面に多数の子孔２…
を有し、その先端部１ａは半球状を呈し、その他
端１ｂは開放した袋状物であるが、通常は第１図
〜第２図の如く両面を圧迫して畳んだ状態になつ
ている。このバンドキヤツプ本体１は伸縮性を有
する薄膜から成つており、その材質は天然ゴム、
合成ゴム、合成樹脂弾性体等であり、その表面
（外側）には粘着剤が塗布されている。

バンドキヤツプ本体１の先端部１ａの外側には
該先端部１ａと同形の薬層３が被覆、積層され、
粘着剤によつて貼着固定されている。この薬層３
は通常、フエルトに殺菌剤等の所謂キズ薬を含浸
させたものが使用され、その表面に薄く粘着剤を
塗布することも出来る。

第１剥離テープ４は長方形の剥離テープで、上
端４ａが薬層３の先端を越え、下端４ｂがバンド
キヤツプ本体１の下端１ｂをわずかに越える様に
位置して薬層３とバンドキヤツプ本体１の片半面
を覆つて貼着されている。

第２剥離テープ５は第１剥離テープ４の約２倍
の長さのテープであり、内側下端５ｂがバンドキ
ヤツプ本体１の下端１ｂをわずかに越える様に位
置して、バンドキヤツプ本体１と薬層３の片半面
を第１剥離テープ４と対応して被覆し、上端５ａ
においては第１剥離テープ４の上端４ａの内側に
重なる位置で折返し、外側下端５ｃが内側下端５
ｂより長く延長されている。

第１、第２剥離テープ４，５は通常、合成樹脂
フイルムをテープ状にしたものが使用される。

次に第３図ａ〜ｄを参照して本考案の指先用治
療バンドキヤツプを指先にかぶせる操作を説明す
る。

まず、第１剥離テープ４を薬層３及びバンドキ
ヤツプ本体１の側面から剥離する（第３図ａ）。
次いで露出した薬層３とバンドキヤツプ本体１に
指６を当接する。

次に反対の手でバンドキヤツプ本体１の開放端
１ｂの１部をつまみ、バンドキヤツプ本体１の伸
縮性を利用してバンドキヤツプ本体１を完全に裏
返しに反転させることにより、バンドキヤツプ本
体１を指先６ａにかぶせる。この時、第２剥離テ
ープ５はバンドキヤツプ本体１の内側に残された
状態になるが、長く延長された外側下端５ｃは
（反転して内側になつているが）外に露出してい
る（第３図ｃ）。

次いで、第２剥離テープ５の外側下端５ｃを下
方に引張ることにより剥離する。その結果、薬層
３は指先６ａに当接し、バンドキヤツプ本体１は
指６にフイツトして完全に包囲する（第３図ｄ）。

〔考案の効果〕

(1) バンドキヤツプ本体がキヤツプ状であるため
に指先を完全に包囲してフイツトする。

(2) 多数の小孔があいているためむれることがな
い。

(3) 剥離テープは組合せが工夫されているため指
先の被覆操作が極めて容易である。

(4) 薬層もキヤツプ状であるため、指先のどの部
分にきず等があつても完全に当接する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第２図は本考案の指先用治療バンドキ
ヤツプを示し、第１図は斜視図、第２図は断面図
であり、第３図ａ〜ｄは本考案の使用状況を示す
説明図である。 １……バンドキヤツプ本体、２……子孔、３…
…薬層、４……第１剥離テープ、５……第２剥離
テープ、６……指。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 全体に多数の小孔を有し、表面に粘着層を塗
   布した先端半球状の伸縮性薄膜から成るバンド
   キヤツプ本体の先端半球部を薬層で被覆し、そ
   の半球状先端から他端に至るバンドキヤツプ本
   体の半面に第１剥離テープを積層し、同様に他
   の半面に、半球状先端で折返した２枚重ねの第
   ２剥離テープを積層したことを特徴とする指先
   用治療バンドキヤツプ。 (2) 折返した２枚重ねの第２剥離テープの端部に
   おいて、外側テープがバンドキヤツプ本体の端
   部より長くなつている実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の指先用治療バンドキヤツプ。