JPH022078Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、交流電力を直流に変換して負荷に給
電する整流装置に関する。

交流電力を直流電力に変換する整流装置は、
種々の形式のものが広く産業界で用いられてい
る。

近年、省エネルギーの観点から、電力機器の電
力損失を減少させる努力が払われており、整流装
置においても電力損失の軽減のための方法が種々
提案されている。

整流装置における電力損失は、負荷時における
変圧器の負荷損失、整流素子の負荷損失、サイリ
スタの負荷損失、無負荷時の変圧器の無負荷損失
とサージ吸収用回路の損失等からなつている。

従来の電力損失軽減のための手段は主に負荷運
転時の能率向上に関するものであり、無負荷運転
時の損失は無視されてきた。ところが、無負荷時
損失のうち、変圧器の無負荷損失は、通常、全変
圧器損失の1/3程度を占めており、無視できない
値である。したがつて、整流装置を従来のように
無負荷状態で運転することは、何ら有効な仕事が
行われない一方で電力を無駄に消費するだけであ
つて、省エネルギーの見地から望ましくない状態
となつている。

本考案は、上記問題点を解決するため、無負荷
状態が生じたとき、装置を徴小出力とさせて無負
荷時の電力損失を低減し、全体として電力損失の
少ない整流装置を提供することを目的とする。

この目的達成のため、本考案は、負荷電流のレ
ベルが０もしくは０に近い徴小値になつたとき徴
小出力とし、負荷状態になつたとき通常の運転に
戻る整流装置として構成される。

以下図面に従つて本考案の一実施例を詳述す
る。

図において、３相交流電源１の３相交流電圧は
逆並列接続されたサイリスタ素子により構成され
るサイリスタスタツク２によつて調整され、変圧
器３の１次側に供給される。サイリスタスタツク
２は、可変抵抗器等からなる出力調整器４の操作
によつてサイリスタ点弧制御装置５から位相制御
されて供給される点弧パルスにより、変圧器３に
加わる１次側への交流供給電圧を制御している。
この結果、出力調整器４の操作により、変圧器３
の２次側電圧も、１次側電圧の変化に応じて自由
に変化させうる。

変圧器３の２次側に発生した電圧は、ダイオー
ド等の整流素子からなる整流スタツク６により整
流され、負荷８に供給される。整流素子の両端子
間には抵抗とコンデンサ等からなるサージ電圧吸
収用分路７が並列接続されている。

負荷８は、変圧器３の２次巻線の中性点９と、
３相各相に設けられた整流素子の一括接続点１０
との間に接続されている。

整流素子の一括接続点１０と負荷８との間には
直流電流検出用の分流器１１が設けられており、
この分流器１１で検出された電流は、演算増幅器
１２に加えられる。演算増幅器１２は、入力のレ
ベルを徴小負荷レベル設定器１３と比較し、入力
が設定値より小のとき出力を出す特性を有してお
り、出力端には継電器の付勢コイル１４が接続さ
れている。

この付勢コイル１４は、演算増幅器１２の出力
により付勢されると常閉接点１５を開放させ、常
時接点１６を閉成させるが、この常開接点１６に
は徴小出力設定器１７が接続されている。

また、演算増幅器１２の出力にはタイマ１８も
接続されており、付勢コイル１４と同時にタイマ
１８が付勢され、タイムアツプにより常閉接点２
０を開放させ、常開接点２１を閉成させるが、こ
の常開接点２１には低位徴小負荷レベル設定器１
９が接続されている。

次に、本考案にかかる整流装置の動作について
説明する。

整流装置が負荷運転を行つている場合は、電流
検出用の分流器１１で電流が検出され、この検出
された電流は演算増幅器１２に加えられ、徴小負
荷レベル設定器１３のレベルと比較されるが、入
力レベルが高いことから演算増幅器１２は出力を
出さず継電器の付勢コイルル１４を付勢すること
はない。

この結果、継電器の常閉接点１５は閉じたまま
であり、この接点に接続された出力調整４によつ
てサイリスタの点弧位相調整が可能であり、整流
装置の出力は任意に調整できる。

負荷８がなくなり、無負荷状態になつた場合に
は分流器１１で検出される電流は０となり、演算
増幅器１２は入力レベルが徴小となることから出
力を出し、継電器の付勢コイル１４は付勢され、
常開接点１６は閉成される。この常開接点１６に
は徴小出力電圧で運転をする徴小出力設定器１７
が接続されているので、変圧器３への電源入力が
徴小となり、変圧器３の無負荷損失及びサージ電
圧吸収用分路７での損失は徴小となる。

また、このときタイマ１８が同時に付勢され、
タイムアツプにより常閉接点２０が開放され、常
開接点２１が閉成されるので低位徴小負荷レベル
設定器１９側に切り換わる。

低位徴小負荷レベル設定器１９のレベルを、負
荷が加わつた場合の徴小出力電圧による電流を確
実に検出できる徴小負荷レベル設定器１３のレベ
ルより低いレベルとしておけば、負荷が加わつた
とき確実に演算増幅器１２の出力がなくなり、継
電器の付勢コイル１４は付勢が解除され、常閉接
点１５が閉成されるので、出力調整器４によつて
整流装置の出力を任意に調整できることになる。

上記実施例では、３相半波整流結線について説
明したが、２重星型６相整流結線、星型６相整流
結線等の他の整流結線にも本考案を適用すること
が可能である。

また、継電器１４，１５，１６及びタイマ１
８，２０，２１の代わりにこれらと同等の機能を
果たす手段ならばどのような手段でも適用するこ
とができる。

上述した如く、本考案によれば、整流器の無負
荷運転時には、変圧器への交流入力が低減される
ため変圧器で発生する無負荷損失及びサージ電圧
吸収用分路での損失が徴小となり、消費電力を著
しく低減させることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す回路図である。 １……３相交流電源、２……サイリスタスタツ
ク、３……変圧器、４……出力調整器、５……サ
イリスタ点弧制御装置、６……整流スタツク、７
……サージ電圧吸収用分路、８……負荷、９……
２次巻線の中性点、１０……整流素子の一括接続
点、１１……分流器、１２……演算増幅器、１３
……徴小負荷レベル設定器、１４……継電器の付
勢コイル、１５，２０……常閉接点、１６，２１
……常開接点、１７……徴小出力設定器、１８…
…タイマ、１９……低位徴小負荷レベル設定器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変圧器の１次側入力をサイリスタで制御し、２
   次側出力を整流素子で整流して負荷に給電する整
   流装置において、検出電流が予め定めた徴小電流
   以下となつたときに出力を生じるレベル検出手段
   と、このレベル検出手段の出力が与えられてから
   一定時間後にレベル検出手段の検出レベルを下方
   に変化させる時限手段と、前記レベル検出手段の
   出力が与えられたときサイリスタの点弧位相を遅
   らせて直流出力電圧を徴小値とする制御装置とを
   有することを特徴とする整流装置。