JPH02206475A - 便秘用電気治療器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、便秘特に単純常習性便秘、すなわち結腸性（
弛緩性）便秘及び直腸性（習慣性）便秘等の慢性便秘患
者の排便を援助する治療器である。

さらに詳しくは便秘用の干渉低周波電気治療器であって
、干渉低周波電気刺激を下腹部と後腰部から体内の結腸
及び／又は直腸とその周辺に与え、滞留している内容物
の排出を容易となす治療器に関する。

〔従来技術〕

近年、社会環境の変化、食生活の変化、及び人口の老令
化に伴い、慢性便秘患者が増加の傾向にある。単純性あ
るいは機能性便秘には一過性の急性便秘と、常習性すな
わち慢性便秘がある。後者には老年者に多い結腸が弛緩
した結腸性便秘、若年者に多い習慣的に便意を押さえる
ことによりなる排便困難すなわち直腸性便秘、及び過敏
性腸症候群の痙彎性便秘がある。一方症候性あるいは基
質性便秘をもたらす直腸癌及び先天性巨大結腸もある。

これらの種々の便秘において、症候性便秘には原因確認
と治療がなされ、単純性便秘には下剤を用いる薬物療法
及び食事を含む生活指導がなされている。

便秘の発生機序として、単純性（機能性）便秘には結腸
の運動減退、結腸痙彎、機能的排便障害がある。一方、
症候性（器質性）便秘には腸の通過障害、形態異常、器
質的排便障害がある。後者には外科的治療等がなされて
いる。

薬物療法の主体である薬剤としては、腸燗動運動を冗め
て内容物排泄を促進すること、糞便を軟化すること、及
び頑固な宿便を排除することを目的として、刺激性下剤
、機械的下剤（塩類、糖類、軟化性下剤、吸水性下剤、
粘滑性下剤、浣腸剤）及び自律神経下剤（副交換神経刺
激側、交感神経遮断剤）等が用いられている。

物理療法としては、マツサージ、指圧、灸が用いられて
いる。また一般の低周波治療も応用されてきている。し
かしながら、前記薬物療法と比較して副作用の心配が少
ない反面、これらの物理療法については作用効果及び安
全性の検討が十分なされていないうらみがある。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、慢性便秘患者の排便を援助する治療器
を提供することである。

〔発明の構成〕

かかる目的を達成すべく本発明者らは干渉低周波電気刺
激により結腸及び／又は直腸に滞留している内容物排泄
促進、糞便の軟化、及び宿便の排除を容易となす条件及
び治療位置について検討を加え、優れた排便効果を見出
すことにより、本発明の治療器を完成するに至った。

すなわち、本発明は治療用電流発生手段及び人体への通
電導子手段から成り、該電流発生手段は中程度の周波数
を有し周波数差が３０〜１５０Ｈｚである２種類の搬送
波電流を発生するための電流発生手段と、通電時の電流
を検出するための電流検出手段と、該通電時の電流を６
ｍＡ以上にｎ節するための電流調節手段、及び通電時間
を設定するための時間設定手段を有し、該導子手段は該
２種の搬送波電流の各々を通電するための２対の導子手
段であり、該２対の導子手段の端部を形成する電極の一
方を下腹部に他方を後腰部に設置せしめ且つ多対の導子
手段からの２種の電流が互いに交差するよう該電極の各
々を位置せしめるものである便秘用電気治療器を提供す
るものである。

以下、本発明の電気治療器について、必要に応じて図面
を用いながらさらに詳細に説明する。

第１図に本発明の電気治療器の好ましい実施態様の１例
をブロック図により模式的に示したものである。同図に
おいて電流発生手段１は搬送波発振器２と治療波発振器
３及び移相器４からなる。また他の例として、異なる周
波数の２個の搬送波発振器を用いて電流発生手段として
もよい。本発明に言う中程度の周波数として、１０００
Ｈｚのオーダーのものが好ましく、具体例としては３０
００〜５０００Ｈｚ程度の領域が実用上用いられる。さ
らに具体的には、４０００Ｈｚ近傍が人体皮膚の電気イ
ンピーダンスが低く、身体に通電しやすいこと、及び生
体への電気シ５１　ツク　（マクロショック）に関して
商用電流（５０ないし６０Ｈｚ）より格段に闇値が高く
安全なことから使用される。干渉低周波として本例で再
現する治療周波数は３０Ｈｚから１５０１１２の範囲内
で発振させることが望ましく、その場合には移相器４に
より一方の搬送波を、例えば４０００　＋　１００　＝
　４１００Ｈｚとする。

この４１００Ｈｚの搬送波と他の４０００Ｈｚの搬送波
を２対の導子８を解して各々２個の端子から出力し、生
体での４個の電極９から通電加療を行うことができる。

また第１図に示すごとく、本発明の電気治療器は２対の
電極９を通じて流れる電流を検出する電流検出手段６及
び検出された電流を表示する電流表示手段７を備え、さ
らに電流を調節するための電流調節手段や通電時間の設
定手段を含む調節手段５を有している。尚電流調節手段
の具体例としては、出力増幅器の増幅度を変える手段や
、出力抵抗器の抵抗値を変える手段等があげられる。

第２図に例示するように、人体の下腹部の２箇所（例え
ば賭の高さ、腹直筋の外側）、後腰部の２箇所（例えば
第４腰椎の高さ、広背筋の外側）に設置する導子の電極
は、Ａ−Ａ’対と８−Ｂ′対とが交差するように取付け
る。

Ａ−Ａ’とＢ−Ｂ’との交差点から干渉低周波、本例で
は１００Ｈｚのものが生体内に発生する。この干渉低周
波電気刺激が、驚くべきことに優れた排便援助作用をも
たらしたのである。

作用機序としては、干渉低周波電気刺激が副交感神経に
作用して大腸の幅動促進、直腸の運動促進、及び内肛門
括約筋（平滑筋）の弛緩をもたらすことが考えられる。

加えて干渉低周波の一般作用として血行改善、温熱効果
が認められ、さらに鎮痛及び筋肉寛解効果もある。

干渉低周波の安全性については、商用交流（５０ないし
６０Ｈｚ）より格段に安全であるが、犬及び山羊を用い
た動物実験により次の結果を得ている。マクロシ１７り
　（体表面電気通電による心臓への影響）に関して、山
羊の干渉低周波体外通電実験による心室細動閾値は３５
０ｍＡであり、実施態様の治療最大電流３６ｍＡの１０
倍である。

またこの治療最大電流３６ｍＡは日本工業規格ＪＩＳＣ
６３１０の制限値５０ｍ八より小さく十分安全と考えら
れる。ミクロショック　（体内又は血液への電気通電に
よる心臓への影響）に関して、犬及び山羊実験による心
向電流値は各々０．５ｍＡ及び０．２ｍＡから推定され
たヒトの心向電流は０．１ｍＡである。この心向電流値
０．１ｍＡは、４０００　Ｈｚのミクロンｉｔ　ツクに
よる心室細動発生の動物実験値（犬）の１０〜５０ｎ＋
Ａの１　／１００以下で、さらにＪＩＳ　Ｃ６３１０の
制限値０．４ｍＡより十分小さい。これらの実験は何れ
も心臓近傍の胸部へ干渉低周波電気刺激を適用したもの
であり、便秘治療を目的として下腹部及び後腰部への干
渉低周波電気刺激の適用はさらに安全である。

成人男性による健常者ボランティア試験を実施例２に示
すが、自覚症状については何ら異常な所見は認められず
、体温、血圧の変化も認められなかった。干渉低周波の
下腹部通電は安全であることが判明し、さらに脈拍が有
意に低下し、干渉低周波のりラクセーション作用が認め
られた。

便秘患者による試験により、有効率が高（優れた便通改
善効果が認められ何ら副作用は認められなかった。

干渉低周波の周波数は、３０〜１５０Ｈｚの範囲内がよ
い。３０１１２未満では刺激が強すぎて場合によっては
不快である。１５０　Ｈｚを超えると排便効果が下がる
。特に好ましくは５０〜１００Ｈｚである。

加療電流値の下限については、３ｍＡ未満では電気刺激
があまり感じられず、５ｍＡ未満では排便効果が得られ
にくいことから、６ｎ＋Ａ以上である必要がある。また
加療電流値の上限については、排便効果の程度よりも人
体に対する電気刺激による影響の方が問題になりやすく
、例えば５０ｍＡ以上では相当に電気刺激が強く感じら
れ筋肉々がれん縮する傾向もみられ、患者に不安感を与
えるので好ましくない。かかる上限については、個人差
もあり一概に言えず、使用者に応じてその値を設定する
ことが、本発明の治療器を使用する者に対する安全対策
上特に好ましい。

尚、かかる安全対策上、本発明の便秘用電気治療器にお
いては、通電時の電流の上限を設定しておき、その上限
よりも通電電流が高くなった場合に自動的にその電流を
低下せしめる（即ち第１図における増幅器等の電流調節
手段を調節する）か通電を停止するための過剰電流防止
手段を例えば第１図の調節手段５に組み込むことが望ま
しい。さらには、その電流の上限を使用する者の適性に
応じて設定し得るようにしたものの方が実用上有用であ
る。

通電加療時間は５〜３０分の範囲内で選びことができる
。排便作用は干渉低周波電気刺激が副交換神経系を介し
て、前記作用機序で働くと考えられる。生体が電気刺激
を充分に受容できる時間として、加療時間は好ましくは
１０から２０分間の範囲内である。

左下腹部と右後腰部との電極対（第２図のＡ−Ａ’対）
及び右下腹部と左後腰部との電極対（第２図のＢ−Ｂ’
対）から異なる周波数、例えば４０００Ｈｚと４１００
Ｈｚの２つの搬送波を通電加療すると、干渉波として１
００１［ｚの電気刺激が排便作用をもたらす。

第１図に示した実施態様の装置の場合、例えば３０００
から５０００Ｈｚの範囲内の２つの搬送波を供給する手
段とそれら周波数差を発振する手段が必要であり、搬送
波発振器、治療波発振器、位相器、及び出力増幅器とし
て構成される。別な態様として、始めから２つの搬送波
を独立に発振して増幅して供給する発振器及び増幅器か
ら構成してもよい。何れの場合も治療波すなわち干渉低
周波の周波数を３０から１５０Ｈｚの範囲内に設定でき
る手段と出力電流を制御する手段を付設する。また通電
加療時間を設定するタイマー手段を付設する。

第２図に示すように下腹部に２箇所及び後腰部に２箇所
に導子電極を装着する手段として粘着導電導子、含水ス
ポンジ導子固定帯及び固定具を用いることができる。こ
の様に真空ポンプによる吸引力によらずに導子を固定す
るものであれば、治療器全体がコンパクトにできるので
、携帯用としても使用できるので実用上非常に有用であ
る。

なお治療対象部位により電極対が交差する限り導子電極
装着者位置を自由に変更してもよい。

以下実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明するが
、本発明の治療器はそれらの実施例により何ら限定され
るものではない。

実施例１゜ 男５例、女３例の２２〜８０才の便秘患者８例に対して
、本発明の実施態様である干渉低周波治療器を用い、第
２図の如＜（鯛の高さ・腹立筋の外側、及び第４腰椎の
高さ・広背筋の外側に）導子電極を装着して臨床試験を
行った。７０　Ｈｚ、１５ｍＡ、１０分間とし、１日１
回の治療を２週間続行した結果第１表の如き結果を得た
。

実施例２゜ 実施例１と同様な装置を用いて、同様な位置に４個の導
子電極を装着して、７０Ｈｚの干渉低周波治療（電流１
８〜２４ｍＡ、時間１０〜２０分）を健常な成人男性６
例に２回（１週間間隔）を行った。各治療前後の自覚症
状、体温、血圧、及び脈拍を観察した。

その結果、頭が痛い、頭が重い、めまいがする、耳なり
がする、肩や首がこる、よくねむれない、いらいらする
、眼がかすむ、口がもつれる、手足がしびれる、手足が
ふるえる、胃が痛む、胃が重苦しい、胸やけがする、吐
きけがする、どうきがする、胸苦しい、便が軟らかい、
下痢をする、何となくだるい、食欲がない、口がかわく
、かゆみ等の自覚症状については、干渉低周波の下腹部
通電による特記すべき異常な所見は認められなかった。

また第２〜４表に示す如く、治療前後の体温、血圧の変
化は認められず、脈拍は治療後、有窓（Ｐ　＜　０．０
５）に低下した。これは干渉低周波がリラクセーシ甘ン
作用をしているように考えられた。

以上により、干渉低周波の下腹部通電は安全であると考
えられた。また干渉低周波刺激により下腹部、腰部に寛
解感をもたらした。

第２３ 体 温 （℃） （Ｎ　＝１２） 第４表 脈　拍（回／分）（Ｎ＝１２） 第３表 血 圧 （ｍｍｌ１ｇ） （Ｎ＝１２） 〔発明の効果〕 本発明の効果は、安全かつ有効に干渉低周波電気刺激を
慢性便秘患者に適用し、優れた排便援助をなすことであ
る。詳しくは結腸及び／又は直腸に滞留している内容物
及び宿便の排出を容易となす効果がある。本発明の便秘
用電気治療器は医療及び医療産業に資すること大なるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の治療器のブロック図である。 第２図は導子電極の装着位置例を示す。尚第２図では、
Ａ−Ａ’対とＢ−Ｂ”対とが交差するように取り付けく
れている。 １・・・電流発生手段、　２・・・搬送波発振器３・・
・治療波発振器、　４・・・移相器５・・・調節手段、
　　　６・・・電流検出手段７・・・電流表示、　　　
８・・・導子９・・・電極

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）治療用電流発生手段及び人体への通電導子手段か
   ら成り、該電流発生手段は中程度の周波数を有し周波数
   差が３０〜１５０Ｈｚである２種の搬送波電流を発生す
   るための電流発生手段と、通電時の電流を検出するため
   の電流検出手段と、該通電時の電流を６ｍＡ以上に調節
   するための電流調節手段、及び通電時間を設定するため
   の時間設定手段を有し、該導子手段は該２種の搬送波電
   流の各々を通電するための２対の導子手段であり、該２
   対の導子手段の端部を形成する電極の一方を下腹部に他
   方を後腰部に設置せしめ且つ各対の導子手段からの２種
   の電流が互いに交差するよう該電極の各々を位置せしめ
   るものである便秘用電気治療器。
2. （２）該時間設定手段が、通電時間を５〜３０分の範囲
   内に設定し得るものである請求項１の便秘用電気治療器
   。
3. （３）該電流検出手段が通電時の電流の上限を超えた電
   流を検出した際に、通電電流を低下または停止させる過
   剰電流防止手段を備えた請求項１の便秘用電気治療器。
4. （４）該過剰電流防止手段が該通電時の電流の上限を設
   定するための設定手段を有するものである請求項３の便
   秘用電気治療器。