JPH0220470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えば自動車用燃料ポンプなど比
較的小形の燃料供給ポンプ装置で、スイツチ部を
有するものにおいて、特にそのスイツチ部に設け
られたガス抜き通路の改良に関するものである。

従来この種の電磁駆動式往復動ポンプは例えば
第１図のように構成されていた。即ちこの種ポン
プは、電磁部Ａと、この電磁部Ａに連動したスイ
ツチ部Ｂと、ポンプ部ｃにより構成されている。
次にその各部の構成について詳述する。先ず電磁
部Ａにおいて、１はカバー、２はこのカバー１の
中心部に嵌着されるポール、３はこのポール２に
同心円状に巻かれたコイル、４はポール２と対向
する位置に配設されたプランジヤー、５はカバー
１の内面に嵌挿かつ固定された導磁板、６はプラ
ンジヤー４の中心に嵌着されたシヤフトであり、
このシヤフト６の一端にはダイヤフラム７が固着
され、ダイヤフラム７の下部には第１のバネ８を
配設している。次にポンプ部ｃは吸入室９、ポン
プ室１０，及び吐出室１１から構成されており、
吸入室９には第２のバネ１２に押圧された吸入弁
１３が内蔵されており、吐出室１１には第３のバ
ネ１４に押圧された吐出弁１５が内蔵されてい
る。またポンプ部ｃの端部には吸入口１６と吐出
口１７が配設されている。次にスイツチ部Ｂは、
シヤフト６に係合されたスイツチ１８と、このス
イツチ１８を収納する保護カバー１９から構成さ
れており、スイツチ１８は接触子２０を、保護カ
バー１９は第１の通路１９Ａとこれに通ずる第２
の通路１９Ｂを有している。

次にその動作について説明する。コイル３から
スイツチ１８へ通電すると、カバー１−ポール２
−プランジヤー４−導磁板５に磁路が形成され、
これによりプランジヤー４がポール２に吸引さ
れ、シヤフト６に嵌着されているプランジヤー４
は上方に移動する。同時にシヤフト６の下部先端
に取付けたダイヤフラム７が上方に引かれ、燃料
は吸込口１６から吸入室９に吸入され、更に燃料
は第２のバネ１２により常時押圧されている吸入
弁１３を押上げてポンプ室１０に流入する。一方
プランジヤー４の動作によつて、シヤフト６の上
端部に係合しているスイツチ１８は開路し、カバ
ー１−ポール２−プランジヤー４−導磁板５の磁
路が消滅し、第１のバネ８の作用によつてプラン
ジヤー４はポール２から徐々に下方へ移動する。
この動作はダイヤフラム７を押下げ、第３のバネ
１４によつて一方に押圧されている吐出弁１５を
動作させることにより、ポンプ室１０にあつた燃
料を吐出室１１を介し吐出口１７から排出する。
なお、この動作中、スイツチ１８の開閉動作によ
り接触子２０間にアークが生じることによりガス
が発生する。このガスは接触子２０に絶縁物を生
成させ導通不良に至らせたり、スイツチ１８を構
成する機構部品を酸化させ、機能障害を起させる
などの問題がある。そこでこのガス抜きを目的と
して保護カバー１９に通路１９Ａ及び１９Ｂが配
設されているのである。

このようにガス抜きの通路は通路１９Ａから通
路１９Ｂを介して大気へと通じているが、これは
この種のポンプはガソリンなど引火性の良いガス
濃度中で使用されることが多く、スイツチ１８の
接触子２０間に生ずる火花（アーク）で内部で爆
発が生じても、その火炎が外部へ伝播しないよう
比較的長い通路としている。

従来の装置は以上のように構成されており、ス
イツチ部Ｂの保護カバー１９はポリプロピレンな
どの熱可塑性樹脂成形品で作られているが、上記
に説明の通り、ガス抜きの通路は比較的長い通路
を必要とするため、例えば第１図の様な形状に成
形すると、成形型が複雑で、コスト的に高く、ま
た外形が大きくて取付上じやまになるなどの欠点
があつた。

この考案は上記の様な従来の欠点を除去するた
めになされたもので、ガス抜きの通路を電磁部Ａ
のカバー１と保護カバー２１間の内部に配設する
ことにより、形状が簡素で、コスト的に安価で、
信頼性の高い電磁駆動式往復動ポンプを供給する
ことを目的としている。

以下この考案の一実施例を第２図、第３図につ
いて説明する。なお図において、１〜１８、及び
２０は上記の第１図と同様であるので説明を省略
する。２１は本考案の保護カバーであり、その開
口端が内外周の２重壁２１Ａ，２１Ｂに構成され
ていて、その内壁の一部に第１の通気穴２１ｃが
設けられるとともに、その反対側の外壁の一部に
第２の通気穴２１Ｄが設けられ、かつこの保護カ
バー２１をカバー１に装着したとき、保護カバー
２１とカバー１との間に形成される環状の空間、
つまり上記内外壁間の通路２１Ｅをガス抜き通路
として利用したものである。

次にその動作について説明する。なおポンプ及
びスイツチの動作は上述と同様であるので説明を
省略する。プランジヤー４の動作によつてシヤフ
ト６に係合しているスイツチ１８の接触子２０を
開路する時、接触子２０間にアークが生じてこれ
がスイツチ１８の機能へ悪影響を及ぼすことは前
述の通りであるが、このガスは通気穴２１ｃ−通
路２１Ｅ−通気穴２１Ｄを通り大気へと放たれる
ため、上記の様なガスによる弊害は生ぜず、また
本考案のガス抜きの通路は保護カバーとヨークと
の間でしかも従来のものより狭くかつ長く配設さ
れており、本ポンプがガソリンなど引火性の良い
ガス濃度中で使用されスイツチ１８の火花で保護
カバーの内部で爆発を生じても、その火炎は通気
穴２１ｃ、通路２１Ｅ、通気穴２１Ｄを介して大
気へ伝播しにくいものである。

以上の様にこの考案では、ガス抜きの通路を電
磁部Ｂのカバー１と保護カバー２１間の内部に配
設したので、形状が簡素で、保護カバーを製作す
るにおいてもコストを安価にでき、防爆性能も向
上することができるなどの効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁駆動式往復動ポンプの正面
断面図、第２図はこの考案の一実施例を示す正面
断面図、第３図はその保護カバーの横断面図であ
る。 図中、１はカバー、２１は保護カバー、２１
Ａ，２１Ｂは二重壁、２１ｃ，２１Ｄは通気穴、
２１Ｅは通路である。尚、図中同一符号は同一又
は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電磁石部とそれに連動したスイツチ部とポンプ
   部を備え、燃料の吸入吐出作用を行う電磁駆動式
   往復動ポンプにおいて、上記スイツチ部を覆う保
   護カバーの開口端に内外周２重のリング壁を設
   け、その内壁一部に通気穴を設けるとともに、こ
   の通気穴と反対側の外壁一部に通気穴を設け、こ
   れら内外壁と上記電磁部を内蔵するカバーとが形
   成する環状空間をガス抜き通路としたことを特徴
   とする電磁駆動式往復動ポンプ。