JPH0220022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 ａ 産業上の利用分野 本考案は、一般家庭において浴槽内の湯・水を
浄化し、衛生的で気持よく入浴し、かつ省エネル
ギーにもなるような、簡便な家庭風呂用浄水装置
に関するものである。

ｂ 従来の技術 わが国の一般家庭での入浴法は、浴槽に満した
湯の中に身を入れてゆつくりと温まるものであ
り、またその湯は１人が１回ずつ使い捨てるので
なく、その後も家庭の別の者がが同様に身体を入
れて入浴するものである。そのため、身体の垢や
ほこりの如きゴミ等が湯水中に混つて湯が濁る原
因になり、また湯面に浮いたり沈んで湯底にたま
つたりすることが多い。

それは後から入浴する者にとつてあまり気分の
よいものではなく、そこで例えば湯面に浮いたゴ
ミ等をすくい上げる細かい網に把手をつけたもの
や、またいわゆる循環式の浴槽の出・入口に、濾
過器を取付けるもの等が提案されている。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 従来の風呂水浄化手段において、網ですくい上
げるものは手軽であるが、湯面上に浮いたゴミ等
だけを取除けるだけで、湯水中や湯底中にたまつ
たゴミ等は取除けない。また循環用の出・入口に
取付ける濾過器は、湯水中にただようゴミ等の除
去はできるが、湯面に浮んだり湯底に沈んだゴミ
等の除去はできず、あまり効果的なものとは言い
難い。

本考案は従来手段が有する上記問題点を解決し
ようとするものである。即ちその目的とするとこ
ろは、比較的シンプルな構成で、取扱いも簡便で
ありながら、湯面・湯水中・湯底のゴミ等を効果
的に除去でき、かつ湯水の循環もできて、衛生的
で気持よく入浴できるとともに、省エネルギーの
一助にもなる一般家庭風呂用浄水装置を提供する
ことにある。

ロ 考案の構成 ａ 問題点を解決するための手段 本考案の家庭風呂用浄水装置は、水中ポンプ１
と濾過器２をホース３で連通させてなり、前記水
中ポンプ１は、吸入側にろうと形状の吸入口部材
４を取付け、かつ湯中における吸入口部材４の大
径先部５を、湯面７下近くの位置に浮せる浮力の
浮き８と、湯底に沈ませる重さの重り９とを選択
的に取付可能としたものである。

上記構成において、吸入口部材４は水中ポンプ
１へ着・脱可能に取付けることが望しく、また該
部材４の大径先部５近傍に側方吸入用口６を多数
個形成し、その側方吸入用口６は大径先部５近く
の周部に丸孔６ａを形成しても、また凹溝６ｂを
形成したものでもよい。浮き８と重り９は、水中
ポンプ１自体または吸入口部材４に着・脱可能に
取付けることが望ましいが、浮き８付の吸入口部
材４と重り９付の吸入口部材４を別個に用意し
て、選択的に水中ポンプ１に取付けるようにして
もよい。浮き８は例えば発泡プラスチツク製と
し、それを装着した際の吸入口部材４付水中ポン
プ１が、その吸入口部材４の大径先部５を湯面７
下の１cm程度の位置に保つて湯水中に浮べていら
れる浮力のものとする。

なお吸入口部材４の大径先部５には、第４図の
如くその開口の中央部分を塞ぐように遮板１０を
設けておいてもよい。これは湯面下でも吸込時に
渦の発生を防止するためであるが、更に第５図の
如く、側方吸入用口６を残して他を密閉状に遮板
１０を形成することも考えられる。濾過器２は、
波形のペーパフイルタを用いて、清掃のため取外
し可能とすることが望しい。

図において、１１は濾過器２からの循環パイ
プ、１２はゴミ等、１３は水中ポンプ用のコード
線で、前記ホース３と一体的に水中ポンプ１へ導
いてある。１４は浴槽、１５は内底部である。

ｂ 作用 本考案の家庭風呂用浄水装置を使用するには、
第１図の如く吸入口部材４付の水中ポンプ１を、
浴槽１４内の湯水中に入れるとともに、濾過器２
を浴槽１４外に置いて循環パイプ１１を浴槽１４
内に入れ、ポンプ１を作動させればよい。

この場合に、湯面７に浮んだゴミ等１２を除去
するのであれば、吸入口部材４付の水中ポンプ１
に浮き８を装着して湯水中に入れる。これによ
り、第１図・第２図の如く上向きになつた吸入口
部材４の大径先部５が湯面７下の１cm程度の位置
に浮んで、ポンプ１にて湯を吸込む。そのため湯
面７近くの湯水がろうと形状の吸入口部材４から
吸込まれ、それに伴つて吸込まれたゴミ１２等
が、ホース３を介して濾過器２に達してそこで濾
され、浄化された湯水が循環パイプ１１から浴槽
１４へ戻る。なお、吸入口部材４で湯面７近くの
湯水を吸引時に、渦巻きが生じるとポンプ１内に
空気を吸込み、浮力が増して吸入口部材４の上端
が湯面７に接近、または湯面７上に出て、濾過能
力を低下させるおそれがある。しかし吸入口部材
４の大径先部５近傍に、側方吸入用口６を多数個
形成しておけば、この側方吸入用口６から湯水が
吸入口部材４内に流れ込むことになるので、浮力
を押えて吸入口部材４が湯面７下の所定位置にな
るようにし、同時にポンプ１への空気の吸込みが
阻止される。

さらに第４図・第５図の如く、吸入口部材４の
大径先部５に遮板１０を設けてあれば、上記の如
き渦巻きの発生はほぼ完全に防止できる。

次に浴槽１４の内底部１５に沈んだゴミ等１２
を除去した場合には、第３図の如く吸入口部材４
付の水中ポンプ１に重り９を装着して湯水中に入
れればよい。これにより、下向きになつた吸入口
部材４が浴槽１４内の内底部１５において周辺か
ら湯水を吸込むので、それに伴ない湯底に沈んで
いたゴミ等１２が吸引され、前記と同様にポンプ
１・ホース３・濾過器２・循環パイプ１１を経て
濾過・浄化された湯水になる。この際に、吸入口
部材４の大径先部５が浴槽内底部１５に密着して
も、側方吸入用口６から周辺の湯水をゴミ等１２
と一緒に吸込めることになる。

なお湯水の中央部分におけるゴミ等１２は、浴
槽１４内の湯の対流・循環により、前記の湯面７
近くでの吸引、または内底部１５での吸引によつ
て濾過・浄化できるが、例えば棒その他によつて
吸入口部材４が浴槽１４の中央付近にあるように
してもよい。また入浴しながら使用する場合に
は、手によつて吸入口部材４を適当な位置にもつ
ていけばよい。

ハ 効果 以上で明かな如く、本考案の家庭風呂用浄水装
置によれば、一般家庭用として比較的シンプルな
構成で、取扱いも簡便でありながら、湯面・湯水
中・湯底の垢・ほこりの如きゴミ等を自動的に吸
引し濾過でき、浄化した湯水を浴槽へ戻すことが
できる。それゆえ、衛生的で気持よく入浴できる
ことになり、湯水を節約できるとともに、湯水の
循環により燃料も節約でき、省エネルギーの一助
にもなるものある。なおその際に、吸入口部材か
らの空気の吸込みや、該部材が浴槽内底部に密着
して吸入不能となる問題点は、該部材の側方吸入
用口の形成により防止できるので、湯水の濾過・
浄化の効率は変らなくなつている。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は使
用状態を示す一部縦断斜視図、第２図は浮きを付
けて使用時の一部縦断拡大正面図、第３図は重り
を付けて使用時の一部縦断拡大正面図、第４図は
吸入口部材の他の実施例の斜視図、第５図は吸入
口部材のさらに他の実施例の斜視図である。 図面符号、１……水中ポンプ、２……濾過器、
３……ホース、４……吸入口部材、５……大径先
部、６……側方吸入用口、７……湯面、８……浮
き、９……重り。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水中ポンプ１と濾過器２とをホース３で連通さ
   せてなり、前記水中ポンプ１は、吸入側にろうと
   形状の吸入口部材４を設け、かつ湯水中における
   吸入口部材４の大径先部５を、湯面７下近くの位
   置に浮せる浮力の浮き８と、湯底に沈ませる重さ
   の重り９とを選択的に取付可能としたことを特徴
   とする、家庭風呂用浄水装置。