JPH0219395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は液状内容物収納用の罐容器の注口部
材付カバーキヤツプに関するものである。

［従来の技術］ 油、醤油その他の液状内容物を収納する罐容器
から内容物を取出す場合に、容器開口部に嵌着し
て内容物の注出を案内する注口部材やそれを埃等
から保護するカバーキヤツプとしては、従来注出
を案内する注口部材と容器上面全体を覆うカバー
キヤツプとをプラスチツクで別々に構成して２部
品とし、これを罐に添附して販売している。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、これらの注口部材とカバーキヤツプは
別部品であるので管理が煩わしく紛失しやすく、
また、これらの２部品を実際の製品の罐に紛失の
恐れのない状態で添附するには、まず注口部材を
罐上面に適切な位置に適切な姿勢で置き、次にカ
バーキヤツプを被せて注口部材をおさえるという
２工程のセツト作業となるため、やはりコストア
ツプとなるという問題が生じ、これらの問題点の
解決が望まれている。

この考案は上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、注口部材の開放端を完全に覆い埃か
ら保護することができて衛生的であると共に、運
搬・取扱いが便利であり、注口部材の罐容器への
添附作業が１工程で済み、しかも使用材料が単一
でかつその使用量が少なく、構造も簡単なため安
価である、注口部材付カバーキヤツプを提供する
ことを目的とするものである。

［問題を解決するための手段］ この目的に対応して、この考案の注口部材付カ
バーキヤツプは、容器の上端部に嵌着し得る枠体
と、前記容器の上面板に形成された内容物注出用
の開口部に嵌着して前記内容物の注出を案内し得
る注口部材と、及び前記開口部に嵌着した状態に
おける前記注口部材を覆い得る大きさをもつ覆部
材と、を備え、前記注口部材は前記枠体に弱部を
介して切り離し可能に連結して支持されており、
かつ前記覆部材は前記枠体と一体成形されている
ことを特徴としている。

［作用］ 注口部材を容器に添附する場合には枠体を容器
上端部に嵌着する。枠体には注口部材と覆部材と
が一体成形に設けられているので、枠体の嵌着に
よつて注口部材の添附は完了する。内容物を取出
すときはまず、枠体をはずし、次にアルミニウム
箔等でシールされている開口部を開口し、しかる
後に、注口部材を枠体から切り離して、開口部に
挿入して嵌着させる。次に容器を傾けると、内容
物が注口部材をつたわつて流出する。次に内容物
の取り出しが終了したら、覆部材が注口部材の直
上に位置する状態で、再び枠体を容器の上端部に
嵌着する。これにより注口部材の開口部は覆部材
によつて覆われ、埃等の侵入が防止される。

［実施例］ 以下、この考案の詳細を一実施例を示す図面に
ついて説明する。

第１図、第２図、第３図、第５図及び第６図に
おいて、１は注口部材付カバーキヤツプである。
注口部材付カバーキヤツプ１は、枠体２と、注口
部材３と覆部材４とを備える。

枠体２はプラスチツク材料によつて構成され、
第１２図及び第１３図に示すような角形の罐５の
上端部である巻締部６に複数のアンダーカツト部
７によつて嵌着し、巻締部６から上方に一定高さ
立上がる側壁をなし、その内側に罐５の上面板８
と共働して空間１１を擁しており、空間１１の上
面板８からの高さはＯからｈに亙る。枠体２の内
面の高さ方向の中途位置、上面板８からの高さh₁
（h₁＜ｈ）の位置から水平に、部分的中隔膜状に
張り渡されて、注口部材支持部９が形成されてい
る。注口部材支持部９は枠体２と一体に成形さ
れ、その中央部位には注口部材３が、弱部を構成
する細い連結部であるニツク１０によつて注口部
材支持部９に切離し可能に連結支持されて空間１
１内に位置している。

注口部材３は、罐５の上面板８に形成された孔
である開口部１２に、第１４図及び第１５図に示
すように嵌着して内容物１３の注出を案内するも
のである。

このような注口部材３としては、例えば本件出
願人の昭和60年実用新案登録願第66274号（昭和
61年実用新案出願公開第180936号）「注口部材」
に記載したものを用いることができる。

これは、第７図、第１４図、第１６図、第１７
図及び第１８図に示すように、両端開放の筒状を
なし、一方の開放端１４を有する下部１５は、開
口部１２の形状にほぼ等しい外形状を有して罐５
の内部に差込み可能であり、他方の開放端１６を
有する上部１７は下部１５と隣接する部分に外側
に突出する環状フランジ部１８を有し、フランジ
部１８とその下部近傍と、開口部１２の周縁部と
の摩擦力によつて、罐５を傾けたときも注口部材
３は開口部１２から外れることなく、開口部１２
に嵌着した状態を保つように構成されている。下
部１５の一方の側には空気流入用の切欠部２１が
形成され、切欠部２１は開放端１４からフランジ
部１８の近傍にまで達する長さを有する。

上部１７は、フランジ部１８から深さは一様で
あるが径は一様ではなく、切欠部２１と反対の側
の壁の内面は、上部にゆくほど外側に延出し、傾
斜した注出案内の樋状部２２をなしている。

この最も外側に延出した部分の上端、即ち樋状
部２２の先端部２３には舌状の注口ベラ２４が一
体に接続して形成されている。

注口ベラ２４は先細りの形状をなしかつ先端に
ゆくに従つて下降しており、注口部材３を開口部
１２に嵌合させたとき、樋状部２２は罐５の巻締
部６を越えて、注口ベラ２４に接続し、注口ベラ
２４は罐５の側方に突出しつつ下降する。樋状部
２２と注口ベラ２４とは、罐５の液状内容物１３
の注出を案内し得る注出案内面２５を形成する。
注口ベラ２４は、全体として罐５の隣り合う側壁
の平面部分の延長面ａ，ｂが交わつて形成する仮
想の角部空間２６に収納され、梱包その他の取扱
い邪魔にならないように構成される。（第１４
図）。注口部材３の全体の高さh₀はｈより僅かに
小さい（第６図）。

覆部材４は枠体２と一体成形されている。即
ち、枠体２の内面の、上面板からの高さh₁の位置
から水平に、部分的中隔膜状に張り渡され、注口
部材支持部９とは別の位置を占める覆部材支持部
２７が形成されている。覆部材支持部２７は帯状
をなし、その下面の両ヘリ部には全長に亙つて高
さh₁の脚部２８が形成され、枠体２が巻締部６に
嵌着した状態では上面板８との間に空間３１を囲
む。

覆部材支持部２７から僅かにフランジ部１８の
肉厚分だけ一段高くなつて覆部材４が接続してい
る。覆部材４は開口部１２に嵌着した状態の注口
部材３の上端面に接当してこれを覆う部分４ａ
と、注口ベラの上面を覆い得るように角部空間２
６に突出しつつ下降する部分４ｂとを含み、部分
４ｂの先端には、枠体２がこの部分だけ角部空間
２６に突出している部分２ａへと接続している。
覆部材４は従つてこの状態では注口部材３の上端
の開口を塞いでおり、空間１１の中で注口部材３
の内側の空間は外側の空間３１から仕切られてい
る。

部分４ａの上面には垂直に立上がる壁３２が形
成されている。

壁３２の端面３２ａはフレーム２の上端面２ａ
と面一に接続し、その上面板８からの高さはｈで
ある。

以上説明した実施例では注口部材３は注口部材
支持部９にニツクによつて連結されて支持されて
いたが、第８図及び第９図に示す注口部材付カバ
ーキヤツプ１ａのように、１対の腕状の注口部材
支持部９ａによつて両側から挟んだ状態で切離し
可能に支持させるように構成することもできる。
この場合も注口部材支持部９ａと注口部材３は、
枠体２ａが擁する空間１１ａの内側に位置してい
る。

また注口部材付カバーキヤツプ１ａにおいては
覆部材支持部２７は帯状に張渡さずに覆部材４の
輪郭に沿つて脚部２８ａのみを形成して、脚部２
８ａが上面板８に接当することにより、注口部材
３の内側の空間を枠体２ａの擁する空間１１ａ内
で仕切るように構成してある。

注口部材付カバーキヤツプ１及び１ａにおいて
は覆部材４は注口部材３の上端面に沿つた輪郭３
３を有していたが、第１０図及び第１１図に示す
注口部材付カバーキヤツプ１ｂの覆部材４ｃのよ
うに、輪郭が、輪郭３３より大きく単純な線で囲
まれるようにしてもよい。この場合も、覆部材４
ｃは、注口部材３の上端面に接当する部分と注口
ベラ２４の上面を覆う部分４ｂとを含み、脚部２
８ｂによつて上面板８に接当し、支持されるよう
に構成されている。

［効果］ このように構成された注口部材付カバーキヤツ
プ１においては、注口部材３と枠体２が一体に連
結されているから、枠体２を罐５にアンダーカツ
ト７によつて嵌着することにより、罐５への注口
部材３の添附とカバーキヤツプの添附が完了する
ことになり１工程でセツトできる。しかも使用材
料が単一でかつその使用量も少なく、構造が簡単
であるから安価である。また、別部品がないか
ら、運搬・取扱いに便利である。

特に注口部材３として第７図、第１４図、第１
６図、第１７図及び第１８図に示す実施例のもの
を使用する場合には内容物を取出すときはアルミ
ニウム箔等でシールされている開口部７を開口
後、注口部材３を枠体２から切離し、注口ベラ２
４を罐５の側方に突出させた状態で開口部１２に
嵌着させ（第７図）、罐を傾けると、内容物１３
が注出案内面２５を通つて注出される（第１５
図）が、このとき空気が切欠部２１から矢印１９
で示すように罐５内に流入し、注出は脈動を生じ
ることなく円滑に行われる。注口ベラ２４の先端
は下降しているため、内容物１３が注口ベラ２４
の裏面に伝わることがないから、液切れが非常に
良く、従つて注出後の罐外面への液垂れがない。
樋状部２２に付着した内容物は傾斜した注出案内
面２５を伝わつて罐５内に回収され、罐の上面板
８は終始全く汚れることがない。注出後は枠体２
を巻締部６に嵌着させれば注口部材３は覆部材４
により完全に覆われ、埃等の付着が防止でき、衛
生的である。

また、突出部分は枠体の内側の空間内に収容さ
れているから運搬・取扱いに便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係わる注口部材
付カバーキヤツプを示す平面図、第２図は第１図
における−断面図、第３図は第１図に示す注
口部材付カバーキヤツプの底面図、第４図は注口
部材を取去つた後の注口部材支持部の拡大平面
図、第５図は第１図に示す注口部材付カバーキヤ
ツプの使用様態を示すＡ部拡大図、第６図は第１
図における−断面の注口部拡大部分図、第７
図は第５図の−断面図、第８図はこの考案の
他の実施例に係わる注口部材付カバーキヤツプを
示す平面図、第９図は第８図における−断面
図、第１０図はこの考案の更に他の実施例に係わ
る注口部材付カバーキヤツプを示す平面図、第１
１図は第１０図におけるXI−XI断面図、第１２図
は注口部材嵌着前の状態の罐を示す平面図、第１
３図は第１２図に示す罐の正面図、第１４図は注
口部材を示す平面図、第１５図は第１４図に示す
注口部の使用様態を示す縦断面図、第１６図は注
口部材の正面図、第１７図は注口部材の背面図、
及び第１８図は樋状部の縦断面図である。 １……注口部材付カバーキヤツプ、２……枠
体、３……注口部材、４……覆部材、５……罐、
６……巻締部、７……アンダーカツト部、８……
上面板、９……注口部材支持部、１０……ニツ
ク、１１……空間、１２……開口端、１３……内
容物、１４……開放端、１５……下部、１６……
開放端、１７……上部、１８……フランジ部、２
１……切欠部、２２……樋状部、２３……先端
部、２４……注口ベラ、２５……注出案内面、２
６……角部空間、２７……覆部材支持部、２８…
…脚部、３１……空間、３２……壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器の上端部に嵌着し得る枠体と、前記容器の
   上面板に形成された内容物注出用の開口部に嵌着
   して前記内容物の注出を案内し得る注口部材と、
   及び前記開口部に嵌着した状態における前記注口
   部材を覆い得る大きさをもつ覆部材と、を備え、
   前記注口部材は前記枠体に弱部を介して切り離し
   可能に連結して支持されており、かつ前記覆部材
   は前記枠体と一体成形されていることを特徴とす
   る注口部材付カバーキヤツプ。