JPH0219060Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば椅子やテーブル等に組込んで
テーブルの天板や椅子の背もたれ等の高さや長さ
を調整可能とする伸縮部材の長さ調整機構に関す
る。

（従来技術） 一般にその種の長さ調整機構として、例えば特
開昭59−57603号公報に示されているごとく、伸
縮部材を構成する外筒に固定の基板に、前記外筒
の長さ方向に沿つて配設される複数の係合部を設
け、また伸縮部材を構成する内筒に支持体を設け
て、該支持体に、前記係合部に係合するロツク爪
を枢軸を介して揺動可能に枢支し、このロツク爪
と前記支持体との間に、前記ロツク爪を常時前記
係合部と係合する方向に付勢させるスプリングを
設けると共に、前記係合部に、前記内筒の外筒に
対する伸長時、前記ロツク爪を係合部から離脱さ
せる傾斜面を形成する一方、前記ロツク爪の前記
係合部への係合を規制する規制片をもつた規制体
を、前記支持体に前記ロツク爪の前記係合部への
係合を許す係合位置と係合を解除する規制位置と
にわたつて往復動可能に取付け、この規制体の往
復動方向前後に、前記基板における前記係合部の
配設方向両側に形成した第１及び第２制御片と接
触して前記規制体を前記支持体に対し係合位置と
規制位置とに往復動させる第１及び第２当片を設
けたものが開発されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで以上の構造の長さ調整機構にあつて
は、前記ロツク爪の前記係合部との係合を解除さ
せるための前記規制体を別途形成し、該規制体を
前記支持体に往復動自由に支持する必要があり、
そのため前記規制体の組付けスペースを必要とす
るばかりか、部品点数も多くて組み立てに手間を
要し、全体として機構がそれだけ複雑で大型にな
り重量も重くなると云う不具合がある。

しかして本考案は以上の実情に鑑みて開発した
もので、目的とするところは、部品点数少なくし
てしかも簡単な構造でスペースの狭い場所にも容
易に組込むことの出来る伸縮部材の長さ調整機構
を提供せんとするにある。

（問題点を解決するための手段） しかして本考案は、外筒１に内筒２を伸縮自由
に挿嵌した伸縮部材の長さ調整機構であつて、前
記内筒２に、該内筒２の縦方向に延びる第１ガイ
ド部３１と該第１ガイド部３１の長さ方向一端か
ら前記内筒２の横方向に延びる第２ガイド部３２
とから成る一組のガイド孔３，３を対向状に形成
して、これらガイド孔３，３間にロツク体４を掛
け渡し、該ロツク体４を前記第１、第２ガイド部
３１，３２に沿つて移動自由とする一方、前記外
筒１に、前記内筒２内に挿通する基板５を設け、
該基板５に、前記ロツク体４が前記第２ガイド部
３２に位置する時に嵌合する嵌合溝６を前記外筒
１の縦方向に沿つて複数形成し、該嵌合溝６に、
前記内筒２の前記外筒１に対する伸長時、前記ロ
ツク体４を前記嵌合溝６から離脱させる傾斜面６
０を設けると共に、前記内筒２の前記外筒１に対
する伸長方向最前方に位置する嵌合溝６よりも前
記伸長方向前方に、前記ロツク体４を第２ガイド
部３２から第１ガイド部３１に案内するカム面７
を設け、且つ前記基板５に前記ロツク体４の受け
止め面８を、前記内筒２の前記外筒１に対する退
入方向最前方に位置する嵌合溝６と連続させて形
成し、前記ロツク体４を前記嵌合溝６に嵌合させ
る方向へ付勢させるスプリング９を設けたことを
特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、内筒２を前記外筒１に対して
スライドさせるだけで、前記ロツク体４と嵌合溝
６を形成した前記基板５とスプリング９との基本
的には３部材で、伸縮部材の全長を簡単に変更調
整することが出来るのである。

（実施例） 以下本考案にかかる伸縮部材の長さ調整機構を
図面に示す実施例に従つて説明する。

図に示す伸縮部材は、横断面長円形状とした外
筒と、この外筒１よりも一周り小さな断面長円形
状で、前記外筒１内にスライド自由に挿嵌した内
筒２とからなるのであつて、又前記内筒２は一対
の対向側壁２１，２１とこれら両対向側壁２１，
２１の両端を連結する円弧状の連結側壁２２，２
２とを備え、前記外筒１の上端と前記内筒２の下
端に、前記外筒１の内周面と内筒２の外周面との
間に隙間を埋めるスペーサ１０及び２０をそれぞ
れ組付ける一方、前記外筒１と内筒２との間に本
考案にかかる長さ調整機構を組付けている。

尚図に示す前記伸縮部材は、シートのヘツドレ
ストとシートバツクとの間に組込んで、前記ヘツ
ドレストの高さ調整を行えるようにするものであ
るが、この他例えばテーブル、椅子、棚、照明器
具等の高さや長さを調整するのに用いることも出
来る。

しかして図に示す長さ調整機構は、基本的に
は、前記内筒１に形成した一対のガイド孔３，３
間に掛け渡すロツク体４と、前記外筒１に固定す
る基板５と、該基板５に形成する前記ロツク体４
の嵌合溝６と、前記ロツク体４を前記嵌合溝６と
嵌合する方向に付勢させるスプリング９とからな
り、次にこの長さ調整機構を詳説する。

前記内筒２に形成する前記ガイド孔３，３は、
前記内筒２の縦方向、即ち該内筒２のスライド方
向（第１図上下方向）に延びる第１ガイド部３１
と該第１ガイド部３１の上端から前記内筒２の横
方向、即ち該内筒２のスライド方向と直交する方
向に延びる第２ガイド部３２とから成るＬ字形を
呈し、これらガイド孔３，３を、前記内筒２にお
ける前記対向側壁２１，２１の下端部に対向状に
形成しているのであつて、またこのガイド孔３，
３間に円柱状のロツク体４を掛け渡して、該ロツ
ク体４を前記第１、第２ガイド部３１，３２に沿
つて移動自由と成している。

また前記外筒１に固定する基板５は短冊状の金
属板から成り、該基板５を前記外筒１及び内筒２
内に挿通し、その長さ方向一端を前記外筒１の下
端部内周面にボルト５０で固定して、該基板５を
前記内筒２内に立設している。

この基板５には、前記内筒２のスライド方向に
延びる長孔５１を形成すると共に、該長孔５１に
連通する複数の嵌合溝６を前記外筒１の長さ方向
に沿つて所定間隔ごとに形成している。

そして前記嵌合溝６の上方側内縁に、前記長孔
５１に向かつて斜め上方に傾斜する傾斜面６０を
形成して、前記内筒２の前記外筒１に対する伸長
時、前記傾斜面６０の案内で前記ロツク体４を前
記嵌合溝６から離脱させて前記長孔５１内に移動
させるように成す一方、前記内筒２の前記外筒１
に対する伸長方向最前方に位置する嵌合溝６の前
記傾斜面６０を前記長孔５１側に延長して、該長
孔５１側に前記傾斜面６０と連続するカム面７を
形成し、該カム面７により前記ロツク体４を前記
第２ガイド部３２から第１ガイド部３１に案内す
るように成す一方、前記長孔５１の下縁に前記内
筒２のスライド方向と直交する方向に延びる受け
止め面８を形成して、該受け止め面８で前記ロツ
ク体４を受け止めるごとく成すと共に、該受け止
め面８を、前記内筒２の前記外筒１に対する退入
方向最前方に位置する嵌合溝６の下方内縁と連続
する平滑面に形成している。

一方、前記内筒２の両連結側壁２２，２２間
に、弾性を有する金属線材から形成したヘアーピ
ン状のスプリング９を、前記基板５を挟んで斜め
に掛け渡すと共に、該スプリング９の長さ方向中
間部を前記ロツク体４に当接させて、該スプリン
グ９のばね力により前記ロツク体４を前記嵌合溝
６と嵌合させる方向（第１図右方向）に付勢させ
ている。

次に以上の構成から成る長さ調整機構の作用を
説明する。

第１図に示す状態から伸縮部材の全長をより長
くしたい場合には、前記内筒２を前記外筒１に対
し突出する方向（第１図上方向）に所定ストロー
ク引き抜けばよいのであつて、該内筒２の引き抜
きに伴い、前記ロツク体４が前記傾斜面６０の案
内で前記ガイド孔３，３において前記第２ガイド
部３２から前記第１ガイド部３１側、即ち前記嵌
合溝６から離脱する方向に前記スプリング９に抗
しながら移動して、引き抜き方向前方に位置する
嵌合溝６に順次嵌合するのである。

一方伸縮部材の全長を短くする場合には、まず
前記内筒２を前記外筒１に対し大きく引き抜い
て、第２図に示すごとく前記カム面７により前記
ロツク体４を前記第２ガイド部３２から第１ガイ
ド部３１の上端部に案内すると共に、さらに前記
内筒１を引き抜くのであつて、これに伴い前記内
筒２が前記ロツク体４を残して上方に移動して、
第３図に示すごとく前記ロツク体４が、前記第１
ガイド部３１の下端部に嵌合して、前記嵌合溝６
と嵌合しない位置すなわち前記長孔５１の形成位
置で保持されるのである。

従つてこれ以降前記内筒２は前記外筒１内に退
入する方向（第１図下方向）にスライド可能とな
る。

そこで前記内筒２を前記外筒１に対し退入する
方向にスライドさせると、前記内筒２が前記外筒
１内にほぼ収納される位置で前記ロツク体４が前
記受け止め面８で受け止められ、かかる状態から
更に前記内筒２をスライドさせると、前記内筒２
が前記ロツク体４を残して下方に移動して、第４
図に示すごとく前記ロツク体４が前記第１ガイド
部３１の上端部に来る。かくしてロツク体４は、
前記スプリング９のばね力により前記第１ガイド
部３２側に移動して、前記内筒２の前記外筒１に
対する退入方向最前方に位置する嵌合溝６に嵌合
するのである。

従つて前記内筒２を前記外筒１に対し突出する
方向に再度引き抜けば、前記ロツク体４の嵌合す
る嵌合溝６が順次変更して、伸縮部材を所望の長
さに調整することが出来るのである。

（考案の効果） 以上のごとく本考案によれば、前記内筒２を前
記外筒１に対してスライドさせるだけの簡単な操
作で、前記ロツク体４と嵌合溝６を形成した前記
基板５とスプリング９の基本的には３部材によ
り、伸縮部材の全長を容易に変更調整することが
出来、従つて全体として部品点数及び組付工程の
削減が図れるし、伸縮部材も小型化することが出
来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本考案の一実施例を示す縦
断面図、第５図は要部の横断面図、第６図は同じ
く要部の縦断面図、第７図は内筒の要部の正面図
である。 １……外筒、２……内筒、３……ガイド孔、３
１……第１ガイド部、３２……第２ガイド部、４
……ロツク体、５……基板、６……嵌合溝、６０
……傾斜面、７……カム面、８……受け止め面、
９……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒１に内筒２を伸縮自由に挿嵌した伸縮部材
   の長さ調整機構であつて、前記内筒２に、該内筒
   ２の縦方向に延びる第１ガイド部３１と該第１ガ
   イド部３１の長さ方向一端から前記内筒２の横方
   向に延びる第２ガイド部３２とから成る一組のガ
   イド孔３，３を対向状に形成して、これらガイド
   孔３，３間にロツク体４を掛け渡し、該ロツク体
   ４を前記第１、第２ガイド部３１，３２に沿つて
   移動自由とする一方、前記外筒１に、前記内筒２
   内に挿通する基板５を設け、該基板５に、前記ロ
   ツク体４が前記第２ガイド部３２に位置する時に
   嵌合する嵌合溝６を前記外筒１の縦方向に沿つて
   複数形成し、該嵌合溝６に、前記内筒２の前記外
   筒１に対する伸長時、前記ロツク体４を前記嵌合
   溝６から離脱させる傾斜面６０を設けると共に、
   前記内筒２の前記外筒１に対する伸長方向最前方
   に位置する嵌合溝６よりも前記伸長方向前方に、
   前記ロツク体４を第２ガイド部３２から第１ガイ
   ド部３１に案内するカム面７を設け、且つ前記基
   板５に前記ロツク体４の受け止め面８を、前記内
   筒２の前記外筒１に対する退入方向最前方に位置
   する嵌合溝６と連続させて形成し、前記ロツク体
   ４を前記嵌合溝６に嵌合させる方向へ付勢させる
   スプリング９を設けたことを特徴とする伸縮部材
   の長さ調整機構。