JPH021814B2 - - Google Patents

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JPH021814B2
JPH021814B2 JP60062239A JP6223985A JPH021814B2 JP H021814 B2 JPH021814 B2 JP H021814B2 JP 60062239 A JP60062239 A JP 60062239A JP 6223985 A JP6223985 A JP 6223985A JP H021814 B2 JPH021814 B2 JP H021814B2
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JP
Japan
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metalate
water
anion
alkylene oxide
alkylene
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JP60062239A
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JPS60218342A (ja
Inventor
Robaato Burigusu Jon
Roorensu Okoonaa Jooji
Howaado Robuson Jon
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Union Carbide Corp
Original Assignee
Union Carbide Corp
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Publication date
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Publication of JPH021814B2 publication Critical patent/JPH021814B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C29/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
    • C07C29/09Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by hydrolysis
    • C07C29/10Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by hydrolysis of ethers, including cyclic ethers, e.g. oxiranes
    • C07C29/103Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by hydrolysis of ethers, including cyclic ethers, e.g. oxiranes of cyclic ethers
    • C07C29/106Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by hydrolysis of ethers, including cyclic ethers, e.g. oxiranes of cyclic ethers of oxiranes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
発明の目的 産業上の利用分野 本発明は、メタレートアニオンを含有し且つ選
択性を増進させる解離可能物質を使用して、アル
キレンオキサイドと水とからモノアルキレングリ
コールを製造する方法に関する。本発明の方法は
アルキレンオキサイドを先ずメタレートアニオン
と、次いで水と順に接触させることにより高い選
択性においてモノアルキレングリコールを製造す
ることを可能とする。 従来の技術 例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール及びブチレングリコールのようなアルキレン
グリコール類を製造する為の工業的方法は、対応
するアルキレンオキサイドを大過剰モル量の水の
存在のもとで液相水和させることを含む〔例えば
カーク・オスマー:Encyclopedia of Chemical
Technology Vol.11、第三版939頁(1980年)参
照〕。この加水分解反応は典型的には例えば約
100°から約200℃までの中程度の温度においてア
ルキレンオキサイドの1モル当たり15モルの過剰
量で水をその反応帯域に供給しながら行なわれ
る。この加水分解の主な副生物は例えばジアルキ
レングリコール、トリアルキレングリコール及び
テトラアルキレングリコールのようなジ及びポリ
グリコール類である。これらジ及びポリグリコー
ル類の形成は主としてアルキレンオキサイドとア
ルキレングリコールとの反応に基づくものと信じ
られている。アルキレンオキサイド類は一般にア
ルキレングリコール類との反応性が水との反応性
よりも高いので、水との反応をより容易にする為
に大過剰量の水が使用され、それによつてモノグ
リコール生成物への工業的により有利な選択性を
得るようにしている。 アルキレングリコール類はその加水分解反応混
合物から回収しなければならないから、大過剰量
の水はよりエネルギー消費の大きな操作をもたら
し得る。典型的にはこの水は蒸発によつて除去し
てアルキレングリコールを含有する残留液を残す
ようにし、このものは蒸留によつて精製される。
従つてモノグリコール生成物に対する選択性を維
持し又は増進させながら使用水量を減少させるこ
とはエネルギー効率の観点から有利であると考え
られる。 この加水分解反応は触媒を用いずとも進行する
けれども、しかしなが酸類や塩基類の存在は反応
速度を上昇させる。けれどもこれら酸あるいは塩
基の触媒は種々の欠点を示す。例えば、塩基触媒
は一般にモノグリコール生成物の形成に対して選
択性がなく、そして酸触媒は一般に腐食問題を伴
う。従つて工業的な方法では一般に比較的中性の
加水分解条件(例えばPH6〜10)が用いられる。 アルキレンオキサイド類の水和反応において使
用できることが示唆されている種々の酸触媒の代
表的なものは、フツ素化されたアルキルスルホン
酸イオン交換樹脂(1979年8月21日に発行された
米国特許第4165440号公報)、カルボン酸類及びハ
ロゲン酸類(1978年9月5日に発行された米国特
許第4112054号公報)、強酸性カチオン交換樹脂類
(1978年8月15日に発行された米国特許第4107221
号公報)、脂肪族のモノ―及び/又はポリカルボ
ン酸類(1976年1月20日に発行された米国特許第
3933923号公報)、カチオン交換樹脂類(1962年11
月6日に発行された米国特許第3062889号公報)、
酸性ゼオライト類(1962年3月3日に発行された
米国特許第3028434号公報)、二酸化イオウ(1957
年9月24日に発行された米国特許第2807651号公
報)、トリハロゲン酢酸(1949年6月7日に発行
された米国特許第2472417号公報)及び助触媒と
して銅を用いた燐酸アルミニウム(1977年3月29
日に発行された米国特許第4014945号公報)であ
る。 これらの酸触媒に加えて、炭酸ガスの存在のも
とでアルキレンオキサイドを水和させる為の多数
の触媒が挙げられている。これらの例としては例
えば塩化物、臭化物及びヨウ化物のようなアルカ
リ金属のハロゲン化物(英国特許第1177877号公
報)、例えばトリエチルアミンやピリジンのよう
な有機第三級アミン類(1976年10月14日付のドイ
ツ特許公開第2615595号公報および1981年12月22
日発行の米国特許第4307256号公報)、第四級ホス
ホニウム塩(1979年7月3日に発行された米国特
許第4160116号公報)、塩素型又はヨウ素型のアニ
オン交換樹脂類(1982年8月27日に発表された日
本特許公開第57−139026号公報)及び例えば部分
的にアミンで中和されたスルホン酸樹脂のような
部分的アミン中和されたスルホン酸触媒(1983年
7月12日に発行された米国特許第4393254号公報)
等が挙げられる。 金属酸化物を含む種々の金属含有化合物がアル
キレンオキサイドの加水分解用の触媒として提案
されている。例えば1938年12月27日に発行された
米国特許第2141443号公報は例えばアルミナ、ト
リア又はタングステン、チタン、バナジウム、モ
リブデン又はジルコニウムのそれぞれの酸化物の
ような水和性金属酸化物の存在のもとでアルキレ
ンオキサイドと水とを反応させることによつてグ
リコール類を製造することを開示している。この
反応は液相においてこのような相を維持するのに
適当な温度及び圧力の条件のもとで行なわれる。
この公報の例7においてこの特許の権利者は、黄
色タングステン酸触媒をシリコンエステル、アル
コール及び水の混合物の添加混合及び引続いてこ
の触媒を乾燥することにより機械的により安定に
することを開示している。同様に、1957年9月24
日に発行された米国特許第2807651号公報には、
アルキレンオキサイドと水との反応をアルカリ金
属塩基、アルコレート類、又はチタン、タングス
テン又はナトリウムの酸化物によつて接触させる
ことが公知であると述べられている。例えばバナ
ジウム、モリブデン、タングステン、チタン、ク
ロム、ジルコニウム、タンタル、レニウム及びニ
オビウムのような多くの金属がα―オレフイン類
の1,2―エポキシドを作る為の触媒の成分とし
て提案されており、そしてしばしばこれらは引続
く加水分解反応において存在している。例えば
1969年10月27日に発行された米国特許第3475499
号公報の例及び例において11〜15個の炭素原
子を含むN―α―オレフイン類の混合物をナフテ
ン酸モリブデン触媒の存在のもとでエチルベンゼ
ンヒドロパーオキサイドによつてエポキシ化する
ことが記述されている。蒸留の後でその1,2―
エポキシド類及びモリブデン含有触媒を含む塔底
液を0.5%の水酸化ナトリウムの含まれた水と90
℃の温度において接触させる。次にその反応生成
物を蒸留し、そして1,2―エポキシド類の転化
率は100%であつたことが報告されており、その
1,2―グリコール類への選択性は94%であつた
と報告されている。 より最近になつて、1981年7月7日に発行され
た米国特許第4277632号公報には、モリブデンと
タングステンとからなる群より選ばれた少なくと
もひとつ以上の触媒の存在のもとでアルキレンオ
キサイドを加水分解させることによつてアルキレ
ングリコール類を製造する方法が記述されてい
る。この特許公報には、その触媒が金属モリブデ
ン又は金属タングステンあるいは例えば酸化物、
酸類、ハロゲン化物、隣化合物、多価酸類、アル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩及び種々の酸あるいは多価酸類の重金属塩並び
に有機酸塩等のような上記金属の有機又は無機化
合物であつてもよいことが開示されている。ここ
に挙げられた方法のひとつの対象はアルキレンオ
キサイド類の加水分解であるとされており、その
際、ポリグリコール類のような副生成物が認めう
る量で生成することなく、化学量論量の約1〜5
倍量の水が存在している。この反応は炭酸ガスの
存在のもとで実施することができるけれども、も
しこの反応を窒素、空気等の存在のもとで実施し
た時にはその反応混合物のPHを5ないし10の範囲
内に調節しなければならないということがその特
許権者によつて述べられている。1979年10月5日
に発表された日本特許公開第54−128507号公報に
は、金属タングステン及び/又はタングステン化
合物を用いてアルキレンオキサイドと水とからア
ルキレングリコール類を製造する方法が開示され
ている。 1981年6月17日に発表された日本特許公開第56
−073035号公報には、チタン、ジルコニウム、バ
ナジウム、ニオブ、タンタル及びクロムの群から
選ばれた少なくとも一種以上を含む化合物よりな
る触媒の存在のもとで炭酸ガス雰囲気においてア
ルキレンオキサイドを加水分解させる方法が開示
されている。これらの化合物としては酸化物、硫
化物、酸類、ハロゲン化物、燐化合物、多価酸、
種々の酸及び多価酸のアルカリ金属塩、種々の酸
及び多価酸のアンモニウム塩及び種々の酸の重金
属塩が含まれる。 1981年6月17日に発表された日本特許公開第56
−073036号公報には、アルミニウム、シリコン、
ゲルマニウム、すず、鉛、鉄、コバルト及びニツ
ケルよりなる群より選ばれた少なくとも一種以上
を含む化合物からなる触媒の存在のもとで炭酸ガ
ス雰囲気においてアルキレンオキサイドを加水分
解させる方法が記述されている。 1981年7月25日に発表された日本特許公開第56
−92228号公報は、高純度のアルキレングリコー
ル類を製造する方法に関する。ここに開示された
方法は炭酸ガスの存在のもとでのアルキレンオキ
サイド加水分解工程からモリブデン及び/又はタ
ングステン含有触媒を回収する為の蒸留方法を挙
げている。この公開公報には、その触媒がモリブ
デン及びタングステンの種々の化合物よりなる群
から選ばれた少なくとも一種以上の化合物であ
り、その際この化合物は、アルカリ金属の種々の
化合物、アルカリ土類金属の種々の化合物、第四
級アンモニウム塩及び第四級ホスホニウム塩より
なる群から選ばれた少なくとも一種以上の添加物
と組合わせることができると述べられている。好
ましい触媒としてはモリブデン酸、モリブデン酸
ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステ
ン酸、タングステン酸ナトリウム及びタングステ
ン酸カリウムが挙げられている。ヨウ化カリが各
実施例において用いられているただひひとつの添
加物である。 J.H.Robson及びG.E.Kellerの1982年9月30日
に出願し現在放棄されている米国特許出願第
428815号及び1985年5月11日に発行された米国特
許第4551556号公報は水溶性バナジウム塩の存在
のもとに隣位アルキレンオキサイドと水との反応
によつて高い選択性においてモノアルキレングリ
コール類を製造することを開示している。そして
これに開示された方法によればモノグリコール生
成物に対する有利な選択性と共に水のアルキレン
オキサイドに対する低い割合を使用することがで
きる。このバナジウム塩の対イオンは用いた反応
条件のもとで水溶性バナジウム塩をもたらすよう
に選ばれ、そして挙げられているカチオン類はア
ルカリ金属類、アルカリ土類金属、第四級アンモ
ニウムイオン、アンモニウムイオン、銅、亜鉛及
び鉄である。このバナジウム塩は塩の形で、又は
例えばシリカ、アルミナ、種々のゼオライト類及
び粘土のような担体の上に載せて反応系中に導入
することができるということも開示されている。
バナジウム酸イオンが水溶性であるので、このも
のは反応系から失われる場合が考えられ、従つて
反応帯域からの排出液からこれを回収する為に何
らかの手段を備える必要がある。 発明の構成 本発明の方法はアルキレングリコールの製造に
関し、そしてこれは会合生成物形成帯域中でアル
キレンオキサイドを、このアルキレンオキサイド
の少なくとも一部分がメタレートアニオンと会合
して会合生成物を提供するのに充分な条件のもと
で、メタレートアニオンを含有し且つ選択性を増
進させる解離可能物質と接触させることよりな
る。このアルキレンオキサイドとメタレートアニ
オンとの接触はポリグリコールを形成する量の水
の実質的に不存在のもとで、即ち存在するいかな
る水もジアルキレングリコールやポリアルキレン
グリコールを重大な量で形成するには不充分な量
でしか存在しないような条件のもとで行なわれ
る。従つて、実質的に無水の条件が存在すること
も可能であるれども若干の水の存在は禁止されな
い。次いでその会合生成物はグリコール形成帯域
においてアルキレングリコールを形成するのに充
分な条件のもとで水と接触させる。次にそのアル
キレングリコールはメタレートアニオンと分離す
ることができ、そしてこのメタレートアニオンは
その工程において所望の場合に再使用することが
できる。 本発明の方法によれば、モノアルキレングリコ
ール生成物に対して非常に高い選択度、そして実
質的に100%の選択度においてモノアルキレング
リコールを製造することが可能である。即ち、ジ
アルキレングリコールやポリアルキレングリコー
ルを副生成物として得ることを望まない限り、こ
の発明の方法は高級グリコール類の生成を実質的
に除いてモノアルキレングリコール生成物を製造
することを可能にする。従つてアルキレンオキサ
イドの単位量当りより多量の所望の生成物、即ち
モノアルキレングリコールを得ることができるば
かりでなく、モノアルキレングリコールと高級グ
リコール類とを分離する為の設備費やエネルギー
費を避けることさえも可能である。 またこれと異なつて、本発明の方法によれば、
少量で但し制御された量のジアルキレングリコー
ルあるいは更に高級のポリアルキレングリコール
類を生成するように操業することも可能である。
本発明のこの態様は若干のジアルキレングリコー
ルが望まれるような場合に特に有利であるが、し
かしながら従来の加水分解条件のもとで操業した
時には所望量を超えるジアルキレングリコールが
形成されるであろう。 本発明の方法はまた、加水分解の全過程に対し
て追加的な設計上の柔軟性をも提供する。例えば
アルキレンオキサイドとメタレートアニオンとか
らの会合生成物の形成はアルキレンオキサイドの
加水分解と同様に発熱反応であるが、各段階の熱
発生の程度は本発明の方法の第一段階におけるメ
タレートアニオンの量を変化させることによつて
変えることができる。或る極端な場合には、この
第一段階においてアルキレンオキサイドを実質的
に完全に会合生成物に転化会合させる為に充分な
量のメタレートアニオンと適当な工程条件とが用
いられる。第二段階においては比較的わずかな発
熱が存在するであろう。別な場合として、第一段
階においてアルキレンオキサイドの一部分だけを
会合生成物に転化し、そして第二段階においてよ
り多量の熱発生が生ずるようにすることもでき
る。 本発明の方法においてアルキレングリコール類
を製造するのに用いることのできるアルキレンオ
キサイド類は一般式 の構造を有する隣位アルキレンオキサイドであ
り、但し上記式においてR1,R2,R3及びR4は互
いに同一であつても異なつていてもよく、そして
夫々水素、又は1〜約20個までの炭素原子の炭化
水素基含有置換基である。これらR1,R2,R3
びR4はしばしば水素、1個〜約10個までの炭素
原子のアルキル基、約12個までの炭素原子を有す
る二環式アリール基、約15個までの炭素原子を有
する単環式又は二環式のアラルキル基、2〜3個
の炭素原子を有するアルケニル基及び3個〜約8
個の炭素原子を有するシクロアルキル基を表わす
か、あるいはまたこれらR1,R2,R3及びR4の二
つが一緒になつて3個〜約8個までの炭素原子を
有する環状構造を意味する。アルキレンオキサイ
ドの代表的なものとしては、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、及びイソブチレンオ
キサイド、1,2―ブチレンオキサイド及び2,
3―ブチレンオキサイドを含むブチレンオキサイ
ド類、ペンチレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、シクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
好ましくはこのアルキレンオキサイドは2個又は
3個の炭素原子を有する脂肪族アルキレンオキサ
イド、即ちエチレンオキサイド及びプロピレンオ
キサイドである。 アルキレンオキサイド類はそれらの製造方法も
同様であるが、よく知られている。例えばアルキ
レンオキサイドは触媒の存在のもとでオレフイン
を有機ヒドロパーオキサイドと反応させるか、又
はアルケンを銀触媒の存在のもとで原子状酸素含
有ガスによつて部分酸化させることにより作るこ
とができる。 対応するアルキレングリコールを形成させる為
の反応剤として水(液体水又は水蒸気として)も
用いられる。通常この水は適当な品質のアルキレ
ングリコール製品を提供するのに充分な純度のも
のである。液体状態の水を蒸留し、あるいは例え
ばイオン交換処理によつて脱塩してもよい。 メタレートアニオンは少なくとも1個の金属原
子と、通常二重結合している酸素原子として特徴
付けられるような少なくとも1個の酸素配位子と
を含むアニオン性構造によつて特徴付けられるも
のである。 本発明の方法において用いることのできるメタ
レートアニオンは、陽性酸化状態、例えば少なく
ともプラス3価以上、例えば+4〜+6あるいは
更に+7の酸化状態を有する多価金属よりなり、
そして遷移金属と、通常二重結合した酸素原子と
して特徴付けられる少なくとも一個以上の酸素配
位子とを有する。これらメタレートアニオンは下
記式 〔(A)qM(O)〕a- で表わすことができ、但しこの式においてa-
−1価と−4価との間にあるようなアニオンの負
の荷電数を表わし、AはMの残りの結合価(q)
を充足するようなひとつ以上の置換基を表わし、
それらは互いに同一であつても異なつていてもよ
く、そして例えばこれは二重結合した酸素、例え
ば通常1個〜約12個までの炭素原子を有するアル
キル基、アルコキシ基、アシル基、アリール基、
アミノ基、ホスフイン等のような有機残基、ハロ
ゲン類(例えば塩素、フツ素、ヨウ素)、―O―
又は―S―であることができ、その際その酸素原
子の残りの結合価は遊離のイオンの形であるか又
は金属原子に結合され(例えば二価金金あるいは
多価金属を含むメタレート等のような)ている
か、又はカチオンに結合されている。最も一般的
にはAは―O―あるいは=Oである。出発有機メ
タレート中のAが―O―と異なり例えば塩素であ
つても、この最初の置換基はプロセスの過程の間
に―O―によつて置換えられるようになることが
可能である。 これらメタレートアニオンに特に好ましい金属
としては、もちろん例えばレニウムやゲルマニウ
ムのような他の金属を使用することも可能である
が、例えばバナジウム、モリブデン及びタングス
テンのような周期律表第Vb及び第b族の金属
が含まれる。特に有用なメタレートアニオンの代
表的なものとしては、モリブデン酸アニオン、タ
ングステン酸アニオン、メタバナジウム酸アニオ
ン、ピロバナジウム水素アニオン及びピロバナジ
ウム酸アニオンが含まれる(多くのメタレートア
ニオンについての錯塩化学に基づいて実用種の厳
密な構造は異なつていることができるけれども)。
このメタレートアニオンは、しばしば 〔MoO42-、〔VO3-、〔V2O7H〕3- 〔V2O74-および〔WO42- の式で特徴づけられる少なくともとひとつ以上の
アニオンよりなるけれども、しかしながらこれら
メタレートアニオン、中でもバナジウム酸アニオ
ンの化学は複雑であつてこの方法の条件のもとで
の厳密な化学式は異なつていることが証明される
かも知れないと言うことは認められる。 バナジウム、タングステン及びモリブデンのそ
れを含むメタレートアニオンの必ずしも全てがア
ルキレンオキサイドとの所望の活性を示すわけで
はない。例えばパラモリブデン酸アニオン及びパ
ラタングステン酸アニオンが(メタレートアニオ
ンとして添加された時に)選択性を増進させる為
の活性はあつたとしてもわずかでしかないようで
あることが観測されている。 この発明の方法は二段階で行なわれ、そしてそ
の第一段階ではポリグリコールを形成する量の水
は存在しない条件で、そしてその第二段階で加水
分解によるアルキレングリコールの形成が行なわ
れるので、この方法を一段階で行なつたとした場
合よりも広い範囲のメタレートアニオンを使用す
ることができる。例えば第一段階の各条件をその
会合生成物の形成の為に最適化することができ、
そしてまた第2段階のそれもアルキレングリコー
ルの生成のために最適化することができる。従つ
て水の存在のもとではモノアルキレングリコール
への選択性に実際に影響を与えないような種々の
メタレートアニオンでさえも本発明に従う方法に
おいて用いることができる。 しかしながら本発明の態様においてはメタレー
トアニオンの金属は周囲のアルキレンオキサイド
に関してそのアニオンの核親和性および電子親和
性に基いて選ばれる。例えばメタレート内の金属
はしばしばエチレンオキサイドに関して同一条件
のもとでレニウム酸アニオンにおいてレニウムに
よつて示されるよりも大きな核親和性を有してい
る。またメタレートとしての金属がエチレンオキ
サイドに関して同じ条件のもとでオルソバナジウ
ム酸におけるバナジウムが示すよりも大きな電子
親和性を有しているということはしばしば該当す
る。 メタレート中の金属の核親和特性と電子親和特
性とを近似する特に便利な方法の一つは実質的に
同じ加水分解条件のもとで、たゞし対象とするメ
タレートアニオンと参照アニオンとの等モル量
(アニオンに関して)を用いてモノエチレングリ
コールへの選択性と転化速度とを比較することで
ある。簡単のためにカチオンがナトリウムである
とする。もしモノエチレングリコールへの転化速
度および/または選択性がレニウム酸アニオンと
してのレニウムによつてもたらされるそれよりも
少ない場合にはそのメタレートの金属は恐らくエ
チレンオキサイドに関してレニウムより低い核親
和性を有する。もしジエチレングリコールおよび
ポリエチレングリコールの生成量がエチレングリ
コールの生成速度に関係なくオルソバナデートと
してのバナジウムによつてもたらされるそれより
も大きい時は、そのメタレートとしての金属は恐
らくエチレンオキサイドに関してオルソバナジウ
ム酸アニオンよりも電子親和性が低い。 メタレートアニオンはカチオンと会合してお
り、そして特に水性媒体中ではそのカチオンから
解離することができる。 それらカチオンは水、アルキレンオキサイドお
よびアルキレングリコールに対して実質的に不活
性であり、そして好ましいカチオンはそのデグラ
デーシヨン生成物がアルキレングリコールの品質
に逆の影響を及ぼさないかまたはアルキレングリ
コール製品から容易に除去できるようなものであ
る。 メタレートアニオンに対するカチオンとしては
アルカリ金属塩類、第4級アンモニウム塩類、ア
ンモニウム塩類等のような水溶性メタレートを生
ずるものが含まれ、またそのメタレートアニオン
がアルキレンオキサイドと会合、すなわち反応に
達することができる場合は反応条件において水中
に実質的に不溶性であるかまたは僅かな溶解度し
か示さないようなカチオンが含まれる。この反応
性はそのメタレートアニオンがそのカチオンから
解離されることができるときに存在すると信じら
れている。すなわち水中に僅かな溶解度しか示さ
ず、そしてこのメタレートアニオンを強固に結合
して保持するバナジウム酸カルシウムは受容し得
るメタレート含有化合物の一つであることは見出
されていない。他方において、カチオンが本質的
に不溶性の第4級アンモニウムカチオンである場
合には、そのメタレートアニオンの解離可能な性
質が本発明に従つてこのものゝ有用性を許容する
と信じられる。 有機基含有メタレート(以下において有機メタ
レートと呼ぶ)が一般に好ましく、というのはそ
れらは水と相溶しない有機溶剤中に優先的に溶解
することができるかまたは水中に実質的に不溶性
であり、従つてアルキレングリコール/水の生成
物からメタレートアニオン含有物質を分離するこ
とが例えば抽出あるいは相分離によつて容易に実
施できるからである。 有機メタレートは次式 〔(R0nYox+〔Lx+z-1〔(A)qM(O)〕a- によつて表わすことができ、但しこの式において
〔(R0nYox+は正の荷電xを有する有機基含有カ
チオンであり、そしてYはイオン電荷担持中心で
ある多価元素を表わし、R0の各々は同一であつ
ても異つていてもよく、そしてこれはその有機基
含有カチオンがヒドロカルビル置換基を有する少
なくとも1つ以上のR0を有するということを条
件として水素またはヒドロカルビル含有置換基を
意味し、mはYがR0基のすべてと分け合う電子
対の平均数を表わし、nは電荷担持中心の数であ
り、その際m,nおよびxはx=n(V−m)の
式によつて関係づけられ、そしてこの式において
VはYの平均酸化状態の価数を表わし、その際そ
れぞれのYによつてR0に結合するのに用いられ
た各電子対は1の値で与えられ、そしてYの酸化
状態の値はR0に結合している電子対とx/nと
の合計であり、その際xは1または2の正数であ
り、またその際Lはx′の正荷電を有し且つその有
機基含有カチオンと異つていても同一であつても
よく、その際x′は通常1または2であり、またそ
の際zは有機基含有カチオンの数であつて1から
3までである。従つてメタレートアニオンの負の
荷電aは x+〔(z−1)(x′)〕の値となる。 有機基含有カチオン中で使用できるヒドロカル
ビル含有置換基は少なくとも1個以上の炭素原子
を含み、またしばしば4個以上の炭素原子を含有
しており、そして更にアニオンと反応性のない
種々の基で置換されていることができる。 Lは如何なる適当なカチオンであつてもよく、
そしてしばしば、アニオンの電荷をバランスさせ
るための他の有機基含有カチオンまたは非有機基
含有カチオンである。Lとしてはアルカリ金属、
アルカリ土類金属、銅、亜鉛、鉄、アンモニウム
カチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウム
カチオンおよび他の例えばアルキル、アルコキ
シ、アシル、アリール、アミノ、ホスフイノ等の
ような1個から約12個までの炭素原子を有する基
を含むような有機基含有カチオン類を含むことが
できる。 適当なカチオン類としては、下記式A又はB の構造のものを含むことができ、但しこれらのう
ち式AについてはYは窒素、燐または砒素を表わ
すか、または式Bについてはこれは硫黄を表わ
し、従つてそれらの構造はアンモニウム類、ホス
ホニウム類、アルソニウム類およびスルホニウム
類を表わし、またR5,R6,R7およびR8のそれぞ
れは互いに同一であつてもまたは異つていてもよ
く、そして一緒になつた環状構造を形成すること
ができる。それらR5,R6,R7およびR8の例とし
ては、水素あるいは1個以上の炭素原子を有する
置換または非置換の炭化水素基である。代表的な
カチオンはこゝで参照のために挙げるJ.R.Briggs
およびJ.H.Robsonの1987年9月19日に発行され
た米国特許第4667045号公報にあげられている。 これらR5,R6,R7およびR8の少なくとも一つ
は有機または無機の固体に結合されているかまた
は錯結合していることができる。例えば1987年9
月16日発行されたR.D.Best.J.A.Collier.B.T.
KeenおよびJ.H.Robsonの台湾特許第27502号公
報には、他の種々の可能性の中でも、そのメタレ
ートアニオンと会合している第4級アンモニウム
または第4級ホスホニウムであることができるよ
うな電気的に正の錯化位置を有するような種々の
アニオン交換樹脂が開示されている。 同様に使用することのできる他の有機基含有カ
チオンとしては、下記 〔(R9 3P)2N〕+ (但しこの式でR9はそれぞれ同一であつてもま
たは異つていてもよく、そしてR5ないしR8につ
いて述べたと同一のものであることができる)の
式で表わされるビス(ハイドロカルビル―ホスフ
イン)イミニウムがあげられる。 具体的なイミニウム類は前記特許出願第(D―
13956)号の中にあげられている。 有機基含有カチオン類の例としては、例えばテ
トラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニ
ウム、テトラ―n―プロピルアンモニウム、テト
ラ―n―ブチルアンモニウム、テトラ―iso―ブ
チルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウ
ム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラフエニ
ルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、
テトラドデシルアンモニウム、テトラオクタデシ
ルアンモニウム等のようなテトラハイドロカルビ
ルアンモニウム類、例えばトリメチルアンモニウ
ム、トリエチルアンモニウム、トリフエニルアン
モニウム、トリドデシルアンモニウム、トリオク
タデシルアンモニウム等のトリハイドロカルビル
アンモニウム、例えばジメチルアンモニウム、ジ
エチルアンモニウム、ジ―n―ブチルアンモニウ
ム、ジ―n―ヘプチルアンモニウム、ジフエニル
アンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ジドデ
シルアンモニウム、ジオクタデシルアンモニウム
等のジハイドロカルビルアンモニウム類、例えば
メチルアンモニウム、n―ブチルアンモニウム、
ドデシルアンモニウム、オクタデシルアンモニウ
ム、フエニルアンモニウム、ベンジルアンモニウ
ム等のハイドロカルビルアンモニウム類、例えば
テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホ
ニウム、テトラ―n―プロピルホスホニウム、テ
トラ―n―ブチルホスホニウム、テトラ―iso―
ブチルホスホニウム、テトラ―iso―ブチルホス
ホニウム、テトラメチルブチルホスホニウム、テ
トラヘプチルホスホニウム、テトラフエニルホス
ホニウム、テトラベンジルホスホニウム、テトラ
ドデシルホスホニウム、テトラオクタデシルホス
ホニウム等のテトラハイドロカルビルホスホニウ
ム類、例えばトリメチルホスホニウム、トリエチ
ルホスホニウム、トリフエニルホスホニウム、ト
リドデシルホスホニウム、トリオクタデシルホス
ホニウム等のトリハイドロカルビルホスホニウム
類、例えばジメチルホスホニウム、ジエチルホス
ホニウム、ジ―n―ブチルホスホニウム、ジ―n
―ヘプチルホスホニウム、ジフエニルホスホニウ
ム、ジベンジルホスホニウム、ジドデシルホスホ
ニウム、ジオクタデシルホスホニウム等のジハイ
ドロカルビルホスホニウム類、例えばメチルホス
ホニウム、n―ブチルホスホニウム、ドデシルホ
スホニウム、オクタデシルホスホニウム、フエニ
ルホスホニウム、ベンジルホスホニウム等のハイ
ドロカルビルホスホニウム類、例えばビス(トリ
フエニル―ホスフイン)イミニウム、ビス(トリ
ベンジル―ホスフイン)イミニウム、ビス(トリ
メチル―ホスフイン)イミニウム、ビス(トリド
デシル―ホスフイン)イミニウム等のビス(ハイ
ドロカルビル―ホスフイン)イミニウム類、例え
ばN,N′―ビス(トリメチル)プロピレンジア
ミン、N,N′―ビス(トリフエニル)プロピレ
ンジアミン、N,N′―ビス(トリオクタデシル)
プロピレンジアミンのような第4級化ジアミン類
および例えばP,P′―ビス(トリメチル)プロピ
レンジホスフイン等のような第4級化ジホスフイ
ン類があげられる。 メタレートアニオンはあとでの化学反応によつ
て所望のメタレートアニオンに変えることができ
るような形で、またはメタレートアニオンの形で
反応混合物に加えられる。従つてハロゲン化物、
硫化物等の金属含有化合物を所望のメタレートア
ニオンに対する前駆物として使用することができ
る。これらの前駆化合物の若干のものは加水分解
反応の間にメタレートに転換され得る。 このメタレートは塩の形で使用されるか、また
はその反応系の中に例えばシリカ、アルミナ、分
子篩、ゼオライト類、粘土等のような担体の上に
載せて導入することができる。この方法を実施す
る場合にそのメタレートは一般に溶解した、混合
した、懸濁した、または液相中の固定床内に析出
した形である。メタレートはこれをその反応系中
に導入されるアルキレンオキサイドと混合するこ
とによつてこれに送り込むことができ、またこれ
はこの反応系に別の入口から導入することも可能
であり、あるいはこれは反応帯域中に不溶解性の
有機相または固相として保持しておくこともでき
る。メタレート含有添加剤が水溶性である場合に
はその反応帯域に補給することが望ましい。メタ
レートの導入の具体的な手段は重要ではなく、そ
してメタレートはしばしばその反応の開始時に供
給され、及び/またはその反応の間に一定の割合
で連続的にまたは間欠的に加えられる。 上に述べたようにアルキレングリコール類は対
応するアルキレンオキサイドから直接水と反応さ
せることによつて作ることができるけれども、し
かしながらその形成されたアルキレングリコール
はまたアルキレンオキサイドと反応してジアルキ
レングリコールあるいはポリアルキレングリコー
ルの副生成物を形成し得る。本発明の方法に従え
ばこのアルキレンオキサイドとメタレートとがあ
る会合生成物を形成すると考えられており、この
ものが次いで水と反応してグリコールを形成す
る。その会合生成物はアルキレンオキサイドと反
応して高級グリコールを形成する反応性がいずれ
にしても非常に低い。すなわちモノアルキレング
リコールへの高い選択性を達成することができ
る。 本発明の方法においては第一段階においてアル
キレンオキサイドとメタレートアニオンとをアル
キレンオキサイドの少なくとも一部がメタレート
アニオンと会合するに充分な条件のもとで液状媒
体の中で接触させる。アルキレンオキサイドのメ
タレートと会合する部分は用いた方法の形式と生
成させようとするジエチレングリコールおよび高
級グリコール類の量に依存して広い範囲で変化す
ることができる。例えば実質的にジアルキレング
リコールを含まないモノアルキレングリコールを
得ようとする場合にはそのアルキレンオキサイド
の本質的にすべてをメタレートアニオンと会合さ
せることができ、あるいはまたメタレートアニオ
ンと未だ会合するに至つていないすべてのアルキ
レンオキサイドをその液状媒体からこれが水と接
触してアルキレングリコールを形成するに先立つ
て除去してもよい。 化学量論的に、アルキレンオキサイドと会合す
るのに不充分なメタレートアニオンを用いた場合
でもなおモノアルキレングコールの非常に高い収
率を得ることができる。この現象は、アルキレン
グリコール形成段階においてその会合生成物が水
と接触した時に迅速にアルキレングリコールとメ
タレートアニオンとを生ずるために現われると信
じられる。このように再生したメタレートアニオ
ンはそのようにしてアルキレンオキサイドと水と
のモノアルキレングリコールへの反応の選択性の
増進のために利用することができる。 供給されるメタレートアニオンの量もそのアル
キレングリコール形成段階の反応条件のもとでの
アルキレンオキサイドと水との反応性に対するメ
タレートとアルキレンオキサイドとの相対的な反
応性に依存する。例えば、化学量論的にアルキレ
ンオキサイドと反応して会合生成物を形成するに
必要な量よりも相当に少ないメタレートアニオン
を供給した場合でも活性のバナジウム酸アニオ
ン、モリブデン酸アニオン及びタングステン酸ア
ニオンを用いてモノアルキレングリコールへの高
い選択性を得ることができる。これはこれらのメ
タレートのアルキレンオキサイドに対する相対的
な活性によつて現われるものである。 一般に、会合生成物形成段階におけるアルキレ
ンオキサイドのメタレートアニオンに対するモル
比は約20:1から1:20の範囲内、例えば約5:
1から0.5:1まで、そして最も好ましくは約
3:1から0.9:1までの範囲である。例えばあ
る種のモリブデン酸アニオン及びタングステン酸
アニオンのようにアルキレンオキサイドと会合す
るための反応位置が一つ以上存在するようなメタ
レートアニオンを用いた場合には、従つてそのメ
タレートアニオンの量は少なくすることができ
る。ある場合には会合生成物形成段階の間に本質
的にすべてのアルキレンオキサイドがメタレート
アニオンと会合するに至るほどに充分な量のメタ
レートアニオンを供給するのが望ましいことがあ
る。他の場合に、前述したような種々の方法上の
利点を提供しあるいはメタレートアニオンの必要
量を減少させるためにその供給されるメタレート
アニオンの量は化学量論に基いてその反応に必要
な量の約5から90、或いは95%までの範囲にする
ことも可能であり、従つて会合生成物形成段階か
らの生成物がこの段階へ供給される非会合の形の
アルキレンオキサイドの約5ないし90モル%をな
すようにすることもできる。 液状媒体はアルキレンオキサイド及びメタレー
ト含有成分によつて提供されてもよく、あるいは
またそのアルキレンオキサイドを溶解させる溶媒
を用いることも可能である。会合反応が発熱性で
あるので熱を発散させてそれにより高温の発生を
防ぐように溶媒を使用することが一般に望まし
い。通常この溶媒はアルキレンオキサイドの重量
の40倍又はそれ以上までの量で供給され、すなわ
ち溶媒のアルキレンオキサイドに対する重量比は
約30:1から1:30まで、そしてある場合には約
20:1から1:5の範囲である。 溶媒は好ましくはアルキレンオキサイド及びメ
タレート化合物と反応性でないのがよいが、しか
しながらある場合には例えば1,2―ジメトキシ
エタンのような相互作用性溶媒を使用するのが望
ましいことがある。一般にアルキレンオキサイド
は反応条件のもとでその溶媒とすべての割合にお
いて溶解することができるけれども、しかしなが
ら溶媒とアルキレンオキサイドとが実質的に溶解
し合わない場合でも本発明の方法は有効な場合が
ある。 種々の有機溶剤、特に水と相溶しないような有
機溶剤が望ましく、というのはグリコール形成段
階の生成物中の水含有相の除去が相分離によつて
容易に行うことができるからである。液状溶剤の
例としては、アルキル基、シクロアルキル基及び
芳香族基含有溶剤、特にハロゲン化アルキル類、
シクロアルキル類及び芳香族類、例えばシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ナフテン、ジクロロメタン、1,1,2―
トリクロロエタン、シリコーンオイル、鉱油類等
があげられる。実質的に水に不溶性の溶剤を使用
した場合に種々の利点が存在するけれども、また
水に溶解する種々の溶媒、例えばアセトン、ジメ
チルスルホキシド等を使用することも可能であ
る。上にあげた溶媒の必ずしもすべてが本発明の
方法に適していわけではない。 メタレート含有物質及び/または会合生成物は
会合生成物形成段階の条件のもとで実質的に固体
または液体の状態で存在することができる。液体
状態の場合にはしばしば溶剤が使用される。一般
にこの溶剤は実質的に水不溶性であつてメタレー
ト含有物質が水よりも優先的にその中に溶解する
ような溶剤であり、例えばメタレート含有物質が
有機メタレートであつてこの有機メタレートが25
℃において水よりも優先的にその中に溶解するの
に充分な炭素原子数を有するような有機溶剤であ
る。通常この有機メタレートは25℃においてその
溶剤中に1当り少なくとも約50g上の量で溶解
することができる。ある場合にはこの有機メタレ
ートは25℃において水中に溶解する量に比べてト
ルエン中で少なくとも5倍量以上溶解することが
できる。従つてグリコール形成段階のあとでのメ
タレートアニオンの回収が容易になる。 水不溶性相は水に比べて比重が大きくても小さ
くてもよい。しばしばこの水不溶性相の比重はそ
のグリコール形成段階において生じた例えば水性
のアルキレングリコール含有相のそれよりも充分
に異つていて相分離が容易になつており、すなわ
ちそれら両者の比重がグリコール形成段階におけ
る除件のもとで少なくとも約0.05以上、例えば少
なくとも約0.1g/ml以上異つていることができ
る。 会合生成物形成段階においては、ポリグリコー
ルを形成するような量の水は実質的に存在しな
い。水の存在はアルキレングリコールの形成をも
たらすことができ、これがメタレートアニオンの
アルキレンオキサイドとの反応と競合し得るので
存在する水の量はジアルキレングリコール及びポ
リアルキレングリコールのかなりの量を形成する
には不充分である。しばしば、1%以下、好まし
くは0.5%よりも僅かなアルキレンオキサイドが
会合生成物形成段階においてジアルキレングリコ
ールまたはポリアルキレングリコールに転化され
る。許容できる水量はメタレートアニオンのアル
キレンオキサイドとの反応性、アルキレンオキサ
イドのメタレートアニオンに対するモル比、およ
びアルキレンオキサイドと水との相対的な濃度等
を含む多くの因子に左右される。従つてある場合
には水はその反応媒体の実質的な部分を構成する
ことができる。通常水対アルキレンオキサイドの
モル比は約0.5:1よりも少なく、例えば0.1:1
よりも低い。好ましくは液状媒体はアルキレンオ
キサイドとメタレートアニオンとの接触段階の間
において約5重量%以下、そして最も好ましくは
約0.5%よりも僅かな水を含有している。ある場
合にはその液状媒体は実質的に水を含まないけれ
ども、しかしながらその他の場合にはメタレート
アニオンの安定性を高めるために若干の水が存在
してもよく、すなわち例えばその液状媒体の少な
くても約0.001重量%、中でも約0.01重量%以上
が水であることができる。 会合生成物の形成はその反応に対し、そして液
相を維持するために充分な温度並びに圧力の条件
のもとで行われる。しかしながら温度はメタレー
ト含有化合物及び会合生成物に過大な逆の影響が
もたらされる程に高くてはならない。反応はしば
しば約20℃と約220℃または250℃との間、そして
中でも約50℃と200℃との間、またある場合には
約80℃と180℃との間の温度において行われる。
ある場合にはメタレートアニオンは高い温度にお
いて水の不存在のもとで還元を受け易いので低い
温度、すなわち約140℃または150℃よりも低い温
度が好ましい。会合生成物形成段階において水が
存在しており、そして例えばバナジウム酸アニオ
ン、モリブデン酸アニオン、またはタングステン
酸アニオンのような比較的活性のメタレートアニ
オンが存在している場合には、より低い温度、例
えば約35℃から120℃までの範囲の温度がポリグ
リコール形成反応を抑制するためにしばしば好ま
しいであろう。会合生成物形成過程は大気圧以
下、大気圧、又は大気圧以上の圧力において実施
することができる。しかしながらしばしば、会合
生成物を液相に維持するのに充分な圧力が用いら
れる。便利なために、この反応は典型的には大気
圧よりも高い種々の圧力、例えば約0.1から1000
Kg/cm2ゲージの圧力で、そして好ましくは約2な
いし100Kg/cm2ゲージにおいて行われる。 アルキレンオキサイドはその反応条件のもとで
ガス状であることができ、そしてその液状媒体中
に気泡の細かな分散体の形で導入することができ
るけれども、しかしながらもつとも多くの場合
に、アルキレンオキサイドが液相として維持され
るのに充分な圧力が用いられる。 会合生成物の形成は好ましくは不活性のガスの
存在のもとで行うことができる。用いることので
きるガスの例は、空気、炭酸ガス、窒素ガス、ア
ルゴン等である。炭酸ガスはしばしばこの方法の
性質により、そしてアルキレンオキサイド原料
(特にエチレンの部分酸化による)によつてしば
しば存在する。炭酸ガスのアルキレンオキサイド
に対するモル比はその反応媒体のPHに影響を与え
ることを望まない限り、これを0.1:1以下、特
に0.05:1よりも低く維持するのがしばしば望ま
しい。会合生成物形成反応は実質的にすべてのメ
タレートアニオンが反応することを確実にするの
に充分な時間にわたつて行われる。しかしながら
この発明の諸利点がメタレートアニオンの一部分
だけしか用いられない場合でも達成できるという
ことは明らかである。通常、会合生成物形成帯域
中でメタレートアニオンの少なくとも約10または
25%(化学量論に基いて)が会合生成物の形成に
用いられる。 実質的に完全な反応を達成するのに必要な時間
は温度、存在する反応剤の量等を含む他の種々の
条件によつて定まる。この反応は非常に微少な時
間、例えば1秒間の何分の1かの間に行うことが
でき、そして所望の場合には数時間までの間、例
えば0.01秒から5時間までの範囲、好ましくは約
1秒から30分までの範囲において行なうことがで
きる。 反応媒体のPHはしばしば比較的中性の範囲、例
えば約5と11との間、好ましくは約6から10.5ま
での範囲、そしてもつともしばしばこのPHの値は
約5から10までの範囲内である。例えばバナジウ
ム酸アニオン、タングステン酸アニオンおよびモ
リブデン酸アニオンのような幾つかのメタレート
アニオンを用いた場合に、この反応媒体のPHは存
在するメタレート種を決定する。例えば、強い塩
基性においてはオルソバナジウム酸アニオンが主
体となり、一方中性の条件ではメタバナジウム酸
アニオンが存在することになる。別な例において
より酸性の媒体は多核モリブデン酸アニオンの形
成を促進し、これはしばしば会合生成物の形成に
対していずれにしても僅かな活性しか有しない。 このPHは酸あるいは塩基の添加、または当業界
においてよく知られているように緩衝液の添加に
よつて所望の範囲内に維持することができる。し
かしながら種々の塩類の存在やその性質はそのカ
チオンがメタレートアニオンに対するカチオンと
置き換わり得るということを考慮しなければなら
ない。他の型の加水分解過程において所望のPH値
を維持するためにこれまで提出されている機構は
炭素ガスあるいは例えば硫酸、塩酸および酢酸の
ような種々の有機または無機の酸の添加を包含し
ている。これら反応媒体のPH値を維持するための
薬剤は例えば炭酸ガスを用いる吹込みにより、ま
たは各種反応剤を反応器中に導入するに先立つて
一つ以上の反応剤に添加することによつてその反
応の間に添加する等のように如何なる簡便な態様
で添加することも可能である。 このPH値を所望の範囲内に維持することはメタ
レートアニオンの安定性を高めるという二次的な
効果をももたらすことができる。 メタレートアニオンとアルキレンオキサイドと
によつて形成された会合生成物は次にアルキレン
グリコール形成段階においてアルキレングリコー
ルを形成するのに充分な条件のもとで水と接触さ
せる。この水は液状の形で、又は水蒸気の形で供
給することができる。その会合生成物形成段階か
らの流出液は、アルキレングリコールを水と分離
する為に直接処理することができるが、この流出
液はまた、例えば未会合のアルキレンオキサイド
を分離するように処理することも可能である。 好ましくはこのグリコール形成段階において使
用する水の量は、化学量論に基づいてこの段階へ
の供給混合物中のアルキレンオキサイドの値と反
応するのに少なくとも充分な量であり、そしてこ
のアルキレンオキサイドの値はメタレートアニオ
ンと会合したアルキレンオキサイドと未反応のア
ルキレンオキサイドとの合計量に等しい。即ち水
または水蒸気の全アルキレンオキサイド量に対す
るモル比は約1:1から50:1の間である。会合
生成物は分離相を与える場合があり、そして連続
的に水性相を通過させてもよく、あるいは水蒸気
又は水をこれを通して通過させてもよい。従つて
反応媒体中のある与えられた区間部分中での水又
は水蒸気のアルキレンオキサイド値に対するモル
比は、その反応帯域に供給された全反応物に基づ
く前述のモル比よりも大きいか、又は小さい場合
がある。アルキレングリコールを作り出す為の水
として水蒸気を使用した場合には、いずれにして
もそのアルキレングリコール生成物中に液態水が
存在しており、従つてこれを例えば蒸発によつて
その生成物から分離する必要がある。即ち水蒸気
のアルキレンオキサイド値に対するより高い割合
が有利であり、例えば約5:1から40:1のモル
比が有利である。他方において、水を化学量論に
基づいてそのアルキレンオキサイド値と反応させ
るのに必要な量よりも多い量で使用した時には、
これはそのアルキレングリコール生成物から除去
しなければならない。従つてエネルギー効率の観
点から全アルキレンオキサイド値に対してより低
い割合の水、例えば約1:1から約5:1のモル
比が望ましい。一般に水の全アルキレンオキサイ
ド値に対する比率は、モノアルキレングリコール
生成物への選択性を過大に犠性にすることなくそ
の化学量論的に求めた比率に近似するものであり
得る。その上に、会合生成物からのアルキレング
リコールの形成反応はアルキレンオキサイドと水
との反応におけるよりもより低い発熱性であるの
で、過剰量の水を熱の消散の為に存在させる必要
がない。 所望の場合には、グリコール形成段階を溶媒の
存在のもとで実施することができる。この溶媒は
会合生成物形成段階において用いたそれと同一で
あつてもあるいは異なつていてもよく、そして相
互作用性溶剤、PH調節剤等のような種々の助剤を
グリコール形成段階の媒体に加えることができ
る。適当な溶剤及び相互作用性溶剤としては、会
合生成物形成段階について前述したものの多くが
含まれる。水不溶性の溶媒を使用する場合にはし
ばしば、アルキレングリコール生成物はその溶剤
よりも水に優先的に溶解することができ、それに
よつて、この溶剤の例えば相分離による回収が容
易になる。用いる溶剤の量は会合生成物形成段階
において使用するそれと同一であつても、又は異
なつていてもよい。いずれにしても溶媒を使用す
る場合には、この溶媒のグリコール形成段階に送
りこまれる全アルキレンオキサイド値に対する重
量比は約50:1と1:50との間、例えば約30:1
から1:30までの範囲、そしてしばしば約20:1
から1:5までの範囲である。 グリコール形成段階において用いる温度及び圧
力は、会合生成物形成段階において用いたそれと
同一であつても異なつていてもよい。グリコール
を形成させる反応はある場合に低い温度において
も進行する。従つて、グリコール形成段階におい
て用いる温度を選ぶ場合に著しい柔軟度が存在す
る。例えば、充分に低い温度であつてアルキレン
グリコールと未反応アルキレンオキサイドとの反
応が防止されるか、又はいずれにしてもジアルキ
レングリコールやポリアルキレングリコールがほ
んのわずかしか形成されない範囲まで抑制される
ような温度を使用することができる。他方におい
て、メタレート含有物質及び/又はアルキレンオ
キサイド及びアルキレングリコールに過大な逆の
影響が及ぼされないような温度以下の高い温度を
用いることもできる。この温度はしばしば、約20
℃と220℃又は250℃との間、中でも約30℃から
200℃までの範囲、そして最も多くの場合に約80
℃から180℃までの範囲である。 圧力はグリコール形成帯域における条件のもと
で会合生成物とメタレート含有化合物とを非気相
状態に維持するのに充分な圧力である。この圧力
は通常、アルキレングリコール並びに他のいかな
る溶媒をも液相として維持するのに充分である。
ほとんどの場合に水は液相として供給され、そし
てグリコール形成段階において液相状態に維持さ
れる。この圧力は通常、大気圧よりも高く、例え
ばゲージ圧力で約0.1Kg/cm2ないし1000Kg/cm2
好ましくは2〜100Kg/cm2の範囲である。 水とアルキレンオキサイド値(会合生成物及び
アルキレンオキサイド残部として)との反応は一
般にそのアルキレンオキサイド値の全てが反応す
ることを確実にするのに充分な時間にわたつて行
なわれる。この反応はしばしば非常に短い時間間
隔にわたつて、例えば1秒間の数分の一程度にわ
たつて行なわれ、そして中でも約1秒から約30分
間にわたり行なわれるけれども、例えば5時間又
はそれ以上の比較的長い時間を用いることも可能
である。 グリコール形成段階における液状媒体のPHは典
型的には比較的中性の範囲、例えば約5と11との
間、好ましくは約6〜10.5、そして最も多くの場
合に約6〜10の範囲に維持される。会合生成物形
成段階に関連して上に述べたように、PHを調節す
るのに用いるいかなる添加剤も、そのメタレート
含有物質に逆の作用をもたらすことを避けるとい
う基準に従つて選ぶべきである。 グリコール形成反応は、好ましくは不活性であ
つて、会合生成物形成段階において存在していた
のと同一か又は異なつていてもよいガスの存在の
もとで行なうことができる。適当なガスとして
は、空気、炭酸ガス、窒素、アルゴンガス等が挙
げられる。炭酸ガスはしばしば存在しており、そ
して一般に炭酸ガスの全アルキレンオキサイド値
に対するモル比は、この炭酸ガスが反応媒体のPH
に影響を及ぼすように供給された場合でない限
り、0.1:1以下の値である。炭酸ガスは1986年
3月25日に発行されたB.T.Keenの米国特許第
4578524号公報に挙げられているように、バナジ
ウム酸アニオンによつてもたらされる選択性を増
進させるような量で用いることができる。 この方法はいかなる簡便な態様で行なつてもよ
い。例えばこの方法は二つの容器中で行なうこと
ができ、そしてその第一の容器は会合生成物を形
成させる為に、そしてその第二の容器はアルキレ
ングリコールを形成させる為に用いる。またこの
方法をいくつかの帯域の備えられた単一の容器中
で行なうことも可能であり、そしてこの容器の第
一の部分においてメタレートアニオンとアルキレ
ンオキサイドとが接触し、そして次の部分におい
て水又は水蒸気が注入される。この容器は各反応
成分の接触を促進する為の手段が設けられている
ことができる。例えば撹拌機、充填材、トレー及
び必要な場合に他の、液/液又はガス/液の接触
を促進させる手段を用いることができる。 本発明の方法のある態様のものの場合に、メタ
レートアニオン含有物質は非水性相中に留まつて
おり、即ちそのメタレートアニオン含有物質は固
体相又は水不溶性相よりなつていることができ
る。本発明のこのような態様の場合には、より溶
解性の良好なメタレートアニオン含有物質の少量
をその方法過程の間に反応媒体中に加えてその非
水性相中のメタレートアニオン含有物質を安定化
させるのを助けるのが望ましい場合がある。この
添加されるメタレートアニオンはしばしば約
1000ppmよりも少ない量で、例えば1986年1月4
日に発行されたB.T.Keenの米国特許第4579983号
公報に記述されているように重量で約5〜
250ppmの量で供給される。 アルキレングリコール生成物はグリコール形成
段階からの反応媒体と分離することが望ましい。
好ましくはメタレート含有物質も分離して会合生
成物形成段階へ戻し、それにより工業的に有利な
連続方法を提供するのがよい。この分離の為の技
術は有利には、アルキレンオキサイドからアルキ
レングリコールを製造する為の総合化された方法
を提供することを考慮して選ぶのがよい。例えば
この分離は、もし会合生成物形成段階及び/又は
グリコール形成段階において水不溶性溶媒が用い
られており、そしてその選ばれた溶媒が水よりも
そのメタレート含有物質に対して良好な溶媒であ
るけれども、そのアルキレングリコールに対して
は水よりも劣つた溶媒である場合には、相分離に
よつて行なうことがきる。アルキレングリコール
に富んだ水性相は例えば多重効用蒸発装置を用い
て水を除去し、そして例えば真空蒸留等によつて
蒸留してそのモノアルキレングリコールを高級グ
リコールの不純物や他の不純物から精製すること
により、高純度モノアルキレングリコールを回収
するように精製することができる。メタレートア
ニオンに富んだ溶媒相は会合生成物形成段階へ再
循環することができる。 しかしながら本発明の諸利点を得るために二液
相反応系を使用することは不必要である。例えば
固体メタレート含有物質を用いた場合には、アル
キレングリコールを沈降又はろ過の後で液態相と
して分離することができる。 メタレート含有物質は、このメタレート含有物
質が優先的に溶解できる不溶性液体と接触させる
ことによつてそのアルキレングリコール含有相か
ら抽出することができる。より立ち入つた論議に
ついては1985年3月28日に発行されたB.T.Keen
等の特公昭60−622433号公報を参照されたい。ま
たそれらと異なつて、アルキレングリコール含有
媒体は、例えばダウ・ケミカル・カンパニー社か
ら入手することのできる塩素型のDOWEX(TM)
MSA−1樹脂のようなアニオン交換樹脂と接触
させてメタレートアニオンを回収することも可能
である。この樹脂は分離して再生し、そしてその
メタレートアニオンを会合生成物形成段階へ戻す
ことができる。アルキレングリコールは適当な手
段で回収し精製することができる。より立ち入つ
た論議については1985年12月24日に発行されたJ.
A.Collierの米国特許第4560813号公報を参照され
たい。またこれと異つてアルキレングリコールか
ら蒸留(例えば蒸発又はフラクシヨン蒸留)によ
つてメタレートアニオン含有物質を回収すること
も可能である。例えば約100℃又は120℃以上のよ
うな高温分離過程を使用する場合には、少量の水
を供給することが多くのメタレートアニオンの安
定性を増進させる。 以下に挙げる諸例は本発明の理解を助ける為の
ものであつて、何らこれに限定を加えるものでは
ない。これらの例において各固体の全てのパーセ
ント及び「部」の値は重量基準であり、そして液
体及びガスの場合の全てのパーセント及び「部」
の値は特に示唆しない限り容積基準である。 各反応生成物の分析はChromosorb 101(登録
商標、ペンシルバニア州BellefonteのSupelco,
Inc、より入手できる60/80メツシユのもの)を
充填した10ft×1/8inのステンレス鋼カラムを
用いて温度プログラムされたガスクロマトグラフ
イーによつて行つた。注入試料(2−3μ)は
1.5〜2.0gの加水分解生成物に内部標準として
0.12〜0.15gの2―エチル―1,3―ヘキサンジ
オールを加えたものから作られていた。例8ない
し例11においては分析は、約50μの試料を0.1ml
のRegisil〔登録商標、イリノイ州Morton Grove
のRegis Chemical Company社から入手できる
N,N―ビストリメチルシリルトリフルオロアセ
タミド(BSTFA)〕に血清びん中で加えて少な
くとも約12時間混合することによつて行なつた。 選択性は〔G/(M+D+T)〕×100(%)で定
義され、但しここでGは対象とするグリコールの
重量を、Mはモノアルキレングリコールの重量
を、Dはジアルキレングリコールの重量を、そし
てTはトリアルキレングリコールの重量を夫々表
わす。 例 1 100mlの丸底ガラスフラスコに約3.01gのビス
−〔ビス(トリフエニルホスフイン)イミニウム〕
モリブデートを装入し、そしてこのフラスコの中
に約14.35gのエチレンオキサイドを凝縮注入し
た。次いで10mlのジクロロメタン(0℃)を加え
た。この混合物を約3時間静置した。次いで溶媒
とエチレンオキサイドとを真空のもとに追出した
(絶対圧で約1〜2ミリバール)。約10mlの1,
1,2―トリクロロエタン及び0.18gの蒸留水を
その残渣に加え、そして大気圧のもとで約2時間
20分にわたりドライアイス/アセトンコンデンサ
ーのもとで還流させた。凝縮器を1,1,2―ト
リクロロエタン及び次いで水により洗浄した。水
性相を分離し、そして含まれたモノエチレングリ
コールを分析した。ジエチレングリコールやトリ
エチレングリコールは検出されなかつた。 例 2 コンデンサーを備えた50mlの撹拌機付丸底ガラ
スフラスコに4.9gのビス(テトラ―n―ヘキシ
ルアンモニウム)モリブデート及び20mlのトルエ
ン(水素化カルシウムより蒸留したもの)を装入
した。得られた混合物を氷水中で約0.5℃に冷却
し、そして約9.52gのエチレンオキサイド(約0
℃)を加えた。この混合物を大気圧のもとで約5
時間還流させた。揮発性部分を真空のもとに追出
し(絶対圧で約1〜2ミリバール)、そして緑色
の粘稠な物質が得られた。この物質に20mlのトル
エンと約0.107mlの水とを加え、そしてこの混合
物を大気圧のもとで2時間にわたり加熱還流し
た。この溶液の最初の緑色は淡褐色に変化した。
コンデンサーを約2mlの水及び次いで5mlのトル
エンにより洗浄した。揮発性部分はこのフラスコ
から蒸留除去し、そしてその底に絶対圧約0.5ミ
リバールの圧力のもとで約95〜98℃の温度におい
てエチレングリコールが回収された。 以下に挙げる第1表は以上に説明した各例と同
様の他の例についての結果を挙げる。
【表】 例 8ないし11 下記の反応原液を調製した: 溶液A:2.0gのBTHAM*)及び5.0gのジクロロ
メタン 溶液B:2.0gのBTHAM及び5.0gのテトラヒド
ロフラン 溶液C:2.0gのBTHAM及び5.0gのテトラヒド
ロフラン 溶液D:0.4gのBTHAM及び4.0gのテトラヒド
ロフラン 溶液E**):4.4gのエチレンオキサイド及び46ml
のジクロロメタン 溶液F**):4.4gのエチレンオキサイド及び46ml
のテトラヒドロフラン 註*):〔ビス(テトラヘキシル)アンモニウム〕
モリブデート 註**):冷却した(約0゜〜5℃) 約9cmの長さ及び約1.3cmの外直径を有するス
テンレス鋼マイクロ反応器を用いて行なつた。上
記溶液A〜Dのうちのひとつと上記溶液E及びF
のひとつとの一定割合を適当な寸法の注射器を用
いてマイクロ反応器中に(共に予め乾燥された)
導入し、このマイクロ反応器を閉じてこれを60℃
の恒温槽中に入れ、往復運動のもとに2時間保つ
た。次いでそのマイクロ反応器を取出して一晩に
わたりほぼ室温にまで冷却、開放し、水を加え、
再び閉じてもう一度60℃の恒温槽中で1時間加熱
した。次にこのマイクロ反応器を冷却して内容物
を分析した。結果の詳細は第2表に挙げてある。
【表】 註 * モノエチレングリコール選
択性
** エチレンオキサイドの転化
不完全

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルキレンオキサイドを、その少くとも一部
    が、メタレートアニオンと会合するのに充分な条
    件のもとで、選択性を増進する解離可能なメダレ
    ートアニオン含有物質と接触させ、しかしてこの
    場合該接触はポリグリコール形成量の水の実質的
    な不存在下において行い、次いでそのアルキレン
    オキサイドと会合したメタレートアニオンをアル
    キレングリコールの形成に充分な条件のもとで水
    と接触させることよりなる、アルキレングリコー
    ルの製造方法。 2 メタレートアニオンが、式 〔(A)qM(O)〕a (但しMは官能的陽性酸化状態を有する多価金属
    を意味し、AはMの残余の原子価(q)を充足す
    る一つまたはそれ以上の置換基を表わし、そして
    aはこのアニオンの負の荷電数である)を有する
    ものである特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 メタレートアニオンがモリブデート、タング
    ステート、メタバナデート、ピロバナデートおよ
    び水素ピロバナデートの各アニオンよりなる群か
    ら選ばれる、特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 アルキレンオキサイドが下記式 (但しこの式においてR1,R2,R3及びR4の各は
    同一でも異なつていてもよく、そして夫々水素、
    1個から10個までの炭素原子を有するアルキル
    基、12個までの炭素原子を有する単環式又は二環
    式のアリール基、7個から10個までの炭素原子を
    有するアルカリール基、7個から15個までの炭素
    原子を有する単環式又は二環式のアラルキル基、
    2ないし3個の炭素原子を有するアルケニル基及
    び3個から8個までの炭素原子を有するシクロア
    ルキル基を表わし、そしてR1,R2,R3及びR4
    うちの2つが連結して3個から8個までの炭素原
    子を有する環構造を表わす)を有する、特許請求
    の範囲第3項記載の方法。 5 アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド
    である、特許請求の範囲第4項記載の方法。 6 アルキレンオキサイドのメタレートアニオン
    に対するモル比が20:1と1:20との間である、
    特許請求の範囲第1項記載の方法。 7 エチレンオキサイドのメタレートアニオンに
    対するモル比が20:1と1:20との間である、特
    許請求の範囲第5項記載の方法。 8 会合していないエチレンオキサイドの少なく
    とも一部を、エチレンオキサイドと会合したメタ
    レートアニオンと水とを接触させるに先立つて、
    その液状媒体から除去する、特許請求の範囲第7
    項記載の方法。 9 アルキレンオキサイドの5ないし90%がメタ
    レートアニオンと会合しておらず、そしてこれが
    その液状媒体と共に水との接触のために送られ
    る、特許請求の範囲第6項記載の方法。 10 液状媒体が、エチレンオキサイドとメタレ
    ートアニオンとの接触段階の期間において約5重
    量%よりも少ない水を含んでいる、特許請求の範
    囲第5項記載の方法。 11 液状媒体がエチレンオキサイドとメタレー
    トアニオンとの接触の段階において0.5重量%よ
    りも少ない水を含んでいる、特許請求の範囲第1
    0項記載の方法。 12 液状媒体が、そのメタレート用の有機溶剤
    よりなる、特許請求の範囲第6項記載の方法。 13 溶剤のアルキレンオキサイドに対する重量
    比が20:1と1:5との間である、特許請求の範
    囲第12項記載の方法。 14 溶剤が水と実質的に不混和性である特許請
    求の範囲第12項記載の方法。 15 溶剤がベンゼン、トルエン、キシレン、ジ
    クロロメタン、および1,1,2―トリクロロエ
    タンよりなる群から選ばれた少なくともひとつよ
    りなる、特許請求の範囲第14項記載の方法。 16 メタレートアニオンが少なくとも一種の有
    機基含有カチオンを有している、特許請求の範囲
    第14項記載の方法。 17 有機基含有カチオンが、そのメタレート
    を、25℃において、水に比較して有機溶剤に優先
    的に可溶性とするのに充分な数の炭素原子を有し
    ている、特許請求の範囲第16項記載の方法。 18 有機基含有カチオンが、式 〔(R0nYox+ (この式においてYはイオン電荷担持中心である
    多価元素を表わし、R0は水素か、又はYがヒド
    ロカルビル置換基を有するR0の少なくとも一つ
    を有することを条件としてヒドロカルビル含有置
    換基であり、mはYがR0基の全部と共に分け合
    つている電子対の平均数を表わし、そしてnは電
    荷担持中心の数であり、その際m,n及びxはx
    =n(V−m)の式によつて関係付けられており、
    但しこの式でVはYの官能的酸化状態の平均を表
    わし、その際各YがRに結合するに当たり各Yに
    よつて使用される各電子対は1の値であり、そし
    てYの形式酸化状態はR0に結合している電子対
    とx/nとの合計であり、そしてxは1又は2の
    整数である)で表わされるものである特許請求の
    範囲第17項記載の方法。 19 有機基含有カチオンがアンモニウムカチオ
    ンよりなる、特許請求の範囲第18項記載の方
    法。 20 アンモニウムカチオンがテトラアルキルア
    ンモニウムカチオンよりなる、特許請求の範囲第
    19項記載の方法。 21 有機基含有カチオンが第4級ホスホニウム
    カチオンよりなる、特許請求の範囲第18項記載
    の方法。 22 有機基含有カチオンがビス(トリ置換ホス
    フイン)イミニウムカチオンよりなる、特許請求
    の範囲第18項記載の方法。
JP60062239A 1984-03-28 1985-03-28 モノアルキレングリコールの二段階的製造方法 Granted JPS60218342A (ja)

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