JPH0217235B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、主として高層建築物いわゆるビル
やマンシヨンなどにおける給水管の管壁スケール
の除去ならびにスケールの発生防止に用いて好適
の給水管のスケール除去装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 上記高層建築物では、通常、水道水を地下の受
水槽にため、これをポンプで屋上の高架槽に送
り、この高架槽から各所要個所に配管された給水
管を介して各所に給水することが行われている
が、外部から受水槽に至るまでの水道本管内には
殺菌のための塩素投入による酸化で生じた酸化鉄
が水流で剥がれて微粉末状に含まれており、この
微粉末が給水管に流入して管壁に固着することに
より、これを核として塩類が結晶析出しスケール
が形成される。このスケールの付着は飲用水とし
て有害とはなされていないが、管内径が次第に減
少して給水能力が落ちる上に管の腐食が進行する
点で、スケール除去が必要であり、その除去手段
としては、給水を停止して既に付着してるスケー
ルを機械的に掻き落すか、薬剤で洗浄剥離する方
法が一般的であるが、このほかに付着したスケー
ルを徐々に除去するとともにスケールの発生を抑
制する新しい方法として管路に永久磁石を介設し
て強力な磁場を水が通過する際、水の分子および
水中の無機物質のイオンが磁気誘導を受けて酸化
され、スケールの主成分である炭酸カルシウムと
水酸化鉄を、炭酸カルシウムは結晶として析出
し、水酸化鉄はコロイド状に分散して除去する磁
気処理効果を利用することが知られている。そし
て、この磁気による方法は、さらに処理すべき水
を予め特殊の岩石つまりアルカリ長石と石英を主
成分とする多孔性の岩石であつて、無水珪酸、酸
化アルミニウムを主要の構成物質とする一般に
「麦飯石」と呼ばれる岩石の層を通過させると、
磁石の磁極間通過の流速の変動による水の磁化率
の変化を常にほぼ一定に保持して効率を向上でき
ることがわかり、近時、この層を収容したタン
クと磁石を組み込んだタンクを相互に接続した装
置が開発されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記層のタンクと磁石のタンクを
別々に設けることは、設置場所を多く要し、かつ
配管工事などの手間を要する以外に、層のタン
クから出る水は、浸漬されている層のごく一部
に接触している水にすぎないから、この層の特
性である無機物質を多く含んでいる水の場合は足
りない成分を溶出し、多すぎる成分は吸着して水
質を調整するという作用が充分に利用されておら
ず、磁化されるべき無機物質にムラが生じるため
磁石のタンクに入つた水の磁気による活性化が不
足している不利がある。

また、磁石のタンクを出て給水管に導入される
水には、スケール成分が遊離状態とはいえ、その
まま残されており、このことは衛生上は差支えな
いとしても、給水管中に長時間停滞している場合
は、再び管壁に付着するおそれがあり、したがつ
て予め外部に取り出すことが望ましい。

（問題点を解決するための手段） このためには、装置全体を、層のタンクと磁
石のタンクを一体に形成するとともに、層を通
過する水流が常に層全体にわたつて同時に接触
する構造とし、さらに磁石のタンクには水中に遊
離されたスケール成分を別個に捕集して外部に取
り出すことができる装置を付加すればよいわけで
あつて、この発明は上記の点に着目して開発した
ものである。

（実施例） この発明の装置の実施例を図面について説明す
ると、全体はステンレス製の密閉円筒容器状の外
箱１の内部に円筒状のせき板２，３ならびに内筒
４が同心的に設けられ、内筒４は頂部を外方に帳
り出して、その内部に磁石５が並立する多数の板
状の永久磁石を上下２段に配設して形成されてい
る。また外箱１の内面とせき板２の間ならびにせ
き板３と内筒４の間には輪状の多孔板６，６を介
して前記岩石の砕石よりなる層７，７が載架収
容されている。

また、内筒４の内部下方には内部に超音波発振
器８を設けて超音波放射部９が形成されその下方
は側方に向けて出水口１０に連つている。そして
超音波放射部９の下方に当る部分にはスケール成
分取出し用の開閉弁１１が設けられ、超音波放射
部９の上部に当る適所には立上り管１２を介して
自動空気抜き弁１３が付設されている。なお、１
４は外箱上面に設けられた自動空気抜き弁、１５
は外箱底部に設けられたドレン抜き弁、１６は入
水口である。

（作用） 上記装置は、通常、建築物屋上の高架水槽に入
水口１６を接続し、出水口１０を給水管に接続し
て設置される。入水口１６より流入した水は外箱
１内面とせき板２との間を層７中を通つて上昇
し、せき板２，３間を下降してせき板３と内筒４
間を層７中を通つて上昇し、内筒４上縁を越え
て内筒４内に入り出水口１０から給水管に向う
が、高架水槽の水面高さより低いため、外箱１内
は常に水が充満されており、この水に対して常時
磁石５による磁気処理および超音波放射部９によ
る超音波洗浄が行われている。なお、この実施例
においては前記磁石は磁束密度3800〜4100ガウ
ス、超音波発振器は40キロヘルツ、層の岩石重
量は300Kgである。

（効果） この発明は上記の構成により、入水口１６を経
て流入する水は、せき板２，３で区画された狭い
通路に挟在する層７，７中を通つて層７，７
に充分接触しながら内筒４上端に至り、その上縁
を越えて一様に内筒４内に流入し磁石５に接する
から、流入水は常にムラがなく磁気処理を受ける
ことができる。

次に、磁気処理された水は続いて超音波放射部
９を介して気泡が発生、成長し、このキヤビテー
シヨンの圧力パルスによる凝集作用により水中の
粒子つまりスケール成分は合体され塊状となつて
下方に沈むから、随時開閉弁１１を開いてこれを
外部に取り出すことができ、所要の超音波洗浄が
行われる。このキヤビテーシヨンにより生じる気
泡中の空気は自動抜き弁１３により外部に放出さ
れるが、圧力パルスによる水の振動はそのまま内
筒４内上方に伝達され、このため磁石５表面に接
する水の粒子は常に変化するため、磁気処理はよ
り効率的に行われる。

このように、この発明においては、単に層お
よび磁石を設けたものと異なり、スケールの除去
を確実に行うことができるとともに、装置全体を
小型にまとめることができ設置も容易である等、
多くの利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明の実施例を示し、第１図は縦
断面図、第２図は第１図Ａ−Ａ位置における横断
面図である。 図中、１は外箱、２，３はせき板、４は内筒、
５は磁石、７は層、９は超音波放射部、１０は
出水口、１１はスケール取出し用の開閉弁、１３
は自動空気抜き弁、１６は入水口を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 周面下部に入水口を有する密閉円筒容器状の
   外箱の内部に、外箱内周面に沿つて無水珪酸、酸
   化アルミニウムを主要の構成物質とする多孔質
   で、水質に応じて無機物質の溶出、吸着を行う岩
   石で集成された円筒状の層ならびに上端に磁石
   を内装し下端を外箱から側方に突出する出水口と
   した内筒を順次設け、さらに内筒の上記出水口に
   連なる部分に超音波放射部ならびに外部に通ずる
   スケール成分取出し用開閉弁、自動空気抜き弁を
   各付設してなる給水管のスケール除去装置。