JPH0215772Y2

JPH0215772Y2 -

Info

Publication number: JPH0215772Y2
Application number: JP1982119123U
Authority: JP
Priority date: 1982-08-04
Filing date: 1982-08-04
Publication date: 1990-04-27
Also published as: JPS5922708U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、プラスチツクブローボトルに係り、
更に詳しくは、内容物の減圧作用力によつても何
ら変形を起こさない、ボトル胴部に補強リブを設
けたプラスチツクブローボトルに関する。

プラスチツクブローボトルは、食品関係材料等
を充填するものとして広く利用されているが、食
品関係材料、例えばソース、シヨウ油、トマトケ
チヤツプ等のボトル充填内容物を高温で殺菌する
必要がある場合や、酸素吸収性のある内容物をボ
トルに充填した場合などには、従来のプラスチツ
クブローボトル（以下、ボトルと略記する。）の
胴部は減圧作用力や手等の保持圧力によつて縮み
変形を起こしやすいものである。そこで近年、こ
れを防止するために、ボトル胴部全周に形成した
細溝状の凹部、さらには胴部下部に形成した浅広
状の凹部の形状や本数を工夫したり、その他胴部
全体の肉厚を厚くすることなどが行なわれてい
る。しかしながら、前者のようにボトル胴部に各
種形状の凹部を形成したものでは、凹部自体が幅
方向にたわみ易いので、減圧作用力による変形を
完全に無くすることは無理であり、またデザイン
的な制約を生じたり、ラベル等の貼着に問題があ
る。後者のように肉厚を厚くしたものでは、ボト
ルの重量増ひいてはコストアツプとなるので自ず
から限界がある、という問題がある。しかも、特
にボトルにかかる減圧作用力は、予めどのような
位置や形態で発生するか予測することは困難であ
り、充填物の種類、温度範囲等によつてかなり変
化してボトルにゆがみを生ずる、という問題もあ
る。

本考案は、上記の従来の問題を解決し、かなり
変化する充填内容物の減圧作用力や外力による変
形を起こさない、ボトル胴部に補強リブを設けた
プラスチツクブローボトルを提供せんとするもの
で、その要旨は、ボトル胴部に、ボトル壁をボト
ル内方に向けて屈曲させかつその屈曲部の裾部同
士を密接させるとともに屈曲部内部を非接触状態
とした補強リブを設けたことを特徴とするプラス
チツクブローボトルに存する。

以下、本考案を図面と共に説明するに、第１図
は本考案のプラスチツクブローボトルの一例の部
分断面正面図、第１図のＡは第１図に示すＡ部分
による補強リブの拡大断面説明図、第２図は本考
案の他の例を正す正面図、第３図は第２図の−
線断面矢視図、第４図は第１図の本考案の一例
を成形する一態様を説明する断面略図である。

第１図に示すように、本考案の一例のプラスチ
ツクブローボトルは、その上方に開口状の口栓部
１を有し、下方には底部２を有しており、その中
間は薄肉状の胴部となつている。さらに、ボトル
の上方胴部３には断面円弧形の細溝状の凹部３１
が複数本形成してあり、ボトルの下方胴部４には
皿形をした浅広状の凹部４１が設けてある。さら
に、ボトルの略中間の胴部内面全周に細篩状の補
強リブ５が形成してある。この補強リブ５は、ボ
トル壁をボトル内方に向けて屈曲させかつその屈
曲部の裾部５１同士を６で示すように密接させる
とともに屈曲部内部を非接触状態としたので、例
えば第１図のＡに示すように、その形状は胴部を
形成しているボトル壁の肉厚の２倍以上の厚さｔ
及び高さｈを有している。この補強リブは、ボト
ル形状等によつて異なるが通常0.5〜５mmから選
択される。また、かかる横方向補強リブ５の成形
は、好ましくは胴部内面全周にわたるものであれ
ば良く、しかも、第１図に示すような凹部の多い
ボトルにあつては胴部の略中央部に１個所設けれ
ば良いし、また図示していないが胴部に凹部が無
いものや少ないボトルの場合は胴部に２〜３個所
設けると良い。また、第２図及び第３図に示すよ
うに、補強リブ５は、ボトルの縦方向のリブであ
つても良く、この場合のリブの厚さｔ及び高さは
上記した横方向のリブの場合と同様で良い。ま
た、縦方向補強リブの形成位置は、好ましくは胴
部内面上下にわたるものであれば良く、また胴部
に凹部が無いものや少ないボトルの場合には第２
図に示すように胴部に数個所設けると良い。

補強リブ５の裾部５１の６で示す密接状態に接
触した状態であり、屈曲部の内部は非接態である
ので、屈曲部の角度にゆとりがある加熱殺菌時等
に内容物が熱膨張して内圧上昇を生じた場合に補
強リブの裾部から若干拡張し屈曲が拡がり易く、
応力を吸収してボトルの破壊を防ぐ効果がある。

本考案のボトルにおけるかかる補強リブの形成
は、ブロー成形時のストレツチロツドの上昇に対
して圧力流体の吹込のタイミングを遅くしたり、
プリフオームの加熱時に温度分布をつけたり、あ
るいはこれらを組合せる方法、あるいは特殊な形
状の金型を使用する方法などによつて容易に行う
ことができる。

すなわち、第１図に示す如き横方向（周方向）
補強リブ５を有するボトルを成形するには、例え
ば第４図に示すように、金型９によるブロー成形
時パリソン８を成形温度に加熱する際に、パリソ
ン８の補強リブを形成したい個所の温度を他の個
所よりも高温になるように温度分布を与えてお
き、次にストレツチロツド７を上昇させるととも
にこの上昇開始よりも若干（0.3〜２秒）遅いタ
イミングで圧空吹込孔１０から圧力流体を吹き込
んで、前記パリソン８を成形すると、第１図に示
すような補強リブ５を有するボトルが得られる。
この補強リブ５形成される理由は、まずパリソン
８をストレツチロツド７により縦延伸すると高温
の部分が他の部分より大きく延伸され、次に若干
遅いタイミングで圧力流体を吹き込み横方向に延
伸すると、既に大きく延伸されて伸び難くなつて
いる高温部分よりもその他の比較的低温部分が延
伸され易いので速く金型９の内面に沿うまで延伸
され、遅く延伸される高温部分は行き場所を失な
つてたるんでしまい、最終的にはこのたるみの部
分が補強リブ５になるものである。

また、他の方法として、第４図において、ボト
ル成形用金型９の、補強リブを形成すべき位置に
点線で示すような薄板スペーサー１２を金型内面
から出入自在に装着しておき、まずこの薄板スペ
ーサー１２を金型空間内に突出させた状態で、加
熱されたパリソン８を吹込み成形すると、薄板ス
ペーサー１２によりその部分のボトル壁が内方に
深く屈曲した状態のボトルが得られる。続いて、
ボトル内の圧力を保つたまま薄板スペーサー１２
を金型内面に没入させると、前記ボトル壁の屈曲
部の裾部５１が内圧によつて密接状態となり、第
１図に示すような補強リブ５が形成されるのであ
る。

以上詳記したように、本考案のボトルは、ボト
ル胴部に、ボトルの胴部壁をボトル内方に向けて
屈曲させかつその裾部同士を密接させるとともに
屈曲部内部を非接触状態とした補強リブを設けた
ため、ボトルの変形、特に内容物の減圧作用力に
よるボトルの軸方向の変形を防止する性能には従
来になく優れ、しかも裾部同士が密接して平らな
のでボトルの外周面にはラベルの貼着等の邪魔に
なるような凹凸もなく外観デザインの自由度が高
く、取扱も良好で、その上成形も極めて容易であ
るばかりか、屈曲部の内部が非接触状態なで内圧
上昇の場合の応力吸収にも優れているなど、工業
上価値ある顕著な特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のプラスチツクブローボトルの
一例の部分断面正面図、第１図のＡは第１図に示
すＡ部分による補強リブの拡大断面説明図、第２
図は本考案の他の例を示す正面図、第３図は第２
図の−線断面矢視図、第４図は第１図の本考
案の一例を成形する一態様を説明する断面略図で
ある。１……口栓部、２……底部、３……上方胴部、
３１……細溝状の凹部、４……下方胴部、４１…
…浅広状の凹部、５……補強リブ、５１……裾
部、６……密接部、７……ストレツチロツド、８
……パリソン、９……金型、１２……薄板スペー
サー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ボトル胴部に、ボトル壁をボトル内方に向けて
屈曲させ、かつその屈曲部の裾部同士を密接させ
るとともに屈曲部内部を非接触状態とした補強リ
ブを設けたことを特徴とするプラスチツクブロー
ボトル。