JPH0215577Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、２以上の液体を順次供給するための
装置に関する。

粉末の水和剤を液中に溶解させ、これを噴霧す
る場合に、水和剤が充分に溶解せず、沈降するた
め、常に撹拌が必要とされる。またこの水和剤の
噴霧後に、槽の内部やノズルなどを洗浄する操作
が不可欠である。

従来、この種の撹拌は、撹拌用のプロペラーを
用いて行つており、また槽およびノズル内の洗浄
は、洗浄水を用い、手作業により行われている。
このため薬剤の噴霧作業が煩雑であり、また薬剤
の撒布が自動化できない。

したがつて本考案の目的は、撹拌を圧力空気の
気泡流によつて行い、また薬剤の撒布後に洗浄液
を槽の内部およびノズルなどに自動的に供給され
るようにすることである。

上記目的のもとに、本考案は、薬剤を噴霧する
ための圧力空気によつて気泡を発生し、この気泡
流によつて槽の内部に供給圧をかけながら、薬剤
等の液剤を撹拌し、また槽内部の薬剤の消費後
に、槽の内部に洗浄水などの液体を自動的に供給
できるようにしている。

以下、本考案の構成および作用を図に示す一実
施例に基づいて具体的に説明する。

本考案の多槽式液剤供給装置１は、主要部とし
て、主槽２および１または２以上例えば２つの補
助槽３１，３２を備えている。この主槽２は、密
閉型のものであり、内部で薬剤等の液剤４を収納
しており、空気配管５によつて圧力空気源６に接
続されている。この空気配管５は、主槽２の円錐
状の底の内部で下向きに開口している。またこの
空気配管５は、分岐し、例えば噴霧用のノズル７
にも接続されている。このノズル７は、液剤４の
供給用の配管８によつて主槽２に接続されてい
る。すなわちこの配管８は、主槽２の内部に入
り、空気配管５の下端部分よりもやや上方の位置
で下向きで開口している。なお、主槽２の上部に
排気管９が必要に応じて取付けられている。この
配管管９は、絞り弁１０を介在させ、主槽２の内
部の空気を外部に排出し、その内圧を適当な値に
保持している。

また、複数例えば２つの補助槽３１，３２のう
ち下方の補助槽３１は、主槽２の上方に設けられ
ており、内部に一例として洗浄用の液体１１を封
水状態で収納している。そしてこの補助槽３１の
内部は、配管１２によつて主槽２と接続されてい
る。すなわちこの配管１２の上端は、補助槽３１
の底部で開口しており、またその下端部扮は、主
槽２の内部で、上記配管８の下端部分よりもやや
上方位置で開放している。また他の補助槽３２
は、下方の補助槽３１よりも高い位置に設けら
れ、底部で開口する配管１３によつて補助槽３の
内部の下底部分に開口している。

つぎに上記多槽式液剤供給装置１の作用を説明
する。圧力空気源６は、適当な圧力値の圧力空気
源１４を空気配管５を通じ主槽２の内部に送り込
んでいる。その圧力空気１４は、空気配管５から
出たとき、気泡化し、上昇する過程で主槽２の内
部の液剤４に対流を起こしている。このようにし
て液剤４は、その対流によつて常に撹拌状態にあ
る。

また、主槽２の内部に圧力空気１４が供給され
るため、主槽２の内部が適当な圧力の値に設定さ
れている。このため、主槽２の内部圧力は、液剤
４に作用し、それを配管８によつて外部に送り出
す。一方、ノズル７は、圧力空気１４を取り入れ
て、主槽２の内部の薬剤４を霧状として噴霧して
いく。このとき配管１２が液剤４の中で封水状態
にあるため、補助槽３１の内部で空気置換が行わ
れず、内部の液体１１が主槽２の内部に流れ込ま
ない。なお、主槽２の内部の圧力は、絞り弁１０
を調整し、その内部の空気を外部に放出すること
によつて適当な値に調整できる。

このよにして主槽２の内部の液剤４が噴霧状態
となり、順次消費されていく。液剤４の液面が配
管１２の下端部より下降すると、その配管１２の
内部に主槽２の内部の空気が入り込むため、空気
置換が行われ、これによつて下の補助槽３１の液
体１１が主槽２の内部に入り込む。このようにし
て、この洗浄用の液体１１も配管８を通じノズル
７によつて噴霧される。このとき液体１１は、主
槽２の内部を洗浄するほか、ノズル７の内部をも
同時に洗浄し、液剤４の水和剤などのノズル７の
内部での目詰まりを防止する。

このようにして補助槽３１の液体１１が消費さ
れと、その上の補助槽３２の内部の例えば殺菌剤
などの液体１１が補助槽３１の内部に流れ込み、
続いて主槽２の内部に流れ込む。このような洗浄
過程の後に、補助槽３１の液体１１がノズル７に
よつて噴霧される。

なお、圧力空気源６は、コンプレツサーなどに
よつて発生させられているが、このコンプレツサ
ーは、タイマーなどを内蔵していることにより、
所定の時間の経過後に自動的に停止する。したが
つてこの多槽式液剤供給装置１は、液剤４および
液体１１を順次に撒布し、タイマーの作用によつ
て自動的に停止することになる。したがつてこの
装置は、温室内で消毒作業などを自動的に行うの
に適する。

上記実施例は、ノズル７を用いて液剤４を噴霧
状に撒布しているが、この多槽式液剤供給装置１
は、液状の肥料を供給するのにも用いられる。し
たがつてノズル７は、必ずしも必要とされない。
また圧力空気源６が適当な圧力でない場合には、
空気配管５の部分に圧力調整弁や絞り弁などが必
要に応じて設けられる。また、１つの配管１２，
１３では、空気置換が不充分であれば、それらは
複数設けられる。

本考案では、主槽の内部が気泡の上昇流によつ
て撹拌されるため、主槽内の液剤について特別な
撹拌装置が必要とされず、また主槽内部の液剤が
消費されると、補助槽内の液体が主槽２の内部に
自動的に供給されるため、これによつて主槽内部
の洗浄や液体の順次供給が可能となる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の多槽式液剤供給装置のスケルトン
図である。 １……多槽式液剤供給装置、２……主槽、３…
…補助槽、４……液剤、５……空気配管、６……
圧力空気源、７……ノズル、８……配管、９……
排気管、１０……絞り弁、１１……洗浄用の液
体、１２，１３……配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薬剤等の液剤を収容する密閉型の主槽と、この
   主槽内下底部で開口し圧力空気源に接続された空
   気配管と、上記主槽内で開口し外部の供給位置に
   達する液剤の供給用配管と、上記主槽よりも高い
   位置に設けられ内部で洗浄液等の液体を封水状態
   で収容する１または２以上の密閉型の補助槽と、
   上記主槽内の液剤中で開口し上記補助槽の下底部
   に接続された配管とを具備することを特徴とする
   多槽式液剤供給装置。