JPH0215118A - 急速変形によって成形された可変強度材料 - Google Patents

急速変形によって成形された可変強度材料

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JPH0215118A
JPH0215118A JP6777689A JP6777689A JPH0215118A JP H0215118 A JPH0215118 A JP H0215118A JP 6777689 A JP6777689 A JP 6777689A JP 6777689 A JP6777689 A JP 6777689A JP H0215118 A JPH0215118 A JP H0215118A
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Hugo S Ferguson
ヒューゴ スタンレイ ファーガソン
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Mre Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、特に例えば低炭素鋼合金などの基本金属構造
を急速に変形せしめることによって内部エネルギの急速
な変化を生ぜしめて形成された、高い強度と良好な加工
性を有する材料に関し、急速変形は基本金属変態温度を
抑圧して同素体変態を生ぜしぬる。
従来の技術および 発明が解決しようとする課題 同素体変態を行う材料は商業的に著しく重要であり、以
前から公知である。この種の材料のうち古くから知られ
広く使用されているものに鋼がある。鋼は製品に強度と
剛性を与えるのみでなく、各種の形状に成形可能である
。鋼は各種の用途に使用され多くの製品の主要構成品と
なっている。
鋼の化学的組成と熱的および機械的経歴が機械的性質を
決定する。純鉄すなわち不純物を含まない鉄は著しく軟
質である。そこで各種の元素、例えば炭素を加えて物理
的性質を変化させる。詳細には、鋼は鉄鉱石と石灰石と
コークスとを高炉で加熱して溶融鉄を始めにつくる。溶
融鉄(#l)は屡々大量のシリコン、マンガンその他の
元素を含み、これらが合金の物理的性質に著しい影響を
及ぼす。
そこで溶融鉄を塩基性酸素炉または平炉に入れて酸素で
精錬して不純物の量を許容される少鼠とする。その後、
溶融鉄を耐火物て裏張りされた杓子に注ぎ、その他の合
金元素および各種の脱酸剤を加えて最終的な化学的組成
とする。
ここで鋼はインボッ1〜またはスラブとして型または連
続鋳造によって鋳造される。化学的組成が一定であって
も、その後の温度的または機械的処理によって鋼の特性
は変化する。
鋼の重要な特性に同素体変態がある。鋼は体心立方結晶
(bee)構造と面心立方結晶(fcc)構造との間に
変態する。化学的組成の変化なしにこれは行われるが、
これはある温度範囲においては原子の特定の配列、例え
ばbcc構造において結晶格子が他方の配列より安定な
(自由エネルギが少ない)状態であることによる。鋼の
構造は俟えられた温度処理に対して最/h自由エネルギ
状態を与える平衡状態をとり、変態は通常温度変化によ
って生ずる。
結晶構造によって機械的性質が変化する。従って製造時
の同素体変態を制御することにより物理的特性が変化す
る。このため多数の方法、工程があるが、通常ものは通
常の炉、例えばガス炉または電気炉と、適当な冷却方法
、例えば水冷、油冷、水、油またはガススプレィなどが
使用される。
般的には鋼片は変態温度以上に加熱される。共融鋼の場
合、変態温度は単一温度である。
低炭素鋼では変態は加熱速度と加熱経過時間とによる温
度範囲において生ずる。加熱速度が著しく遅く、加熱経
過時間が長いとき、変態開始温度Aelと変態完了(b
ccからfccへ)温度Ae3とがある。ここでeは平
衡状態を示す。加熱時と冷却時とで温度Ael、As2
は変化し幅ができる。加熱状態に対して連続加熱変態曲
線(CHT)が、冷却状態には連続冷却変態曲線(CC
T)が得られる。加熱または冷却について対応するフラ
ンス語によりeに代えCおよびrを付す。鋼はAc3温
度に到達すると完全に高温度物質、代表的にはオーステ
ナイト(fcc鉄と炭素の固溶体)になる。その後、鋼
が温度Ar1以下に冷却されると低温構造、代表的には
boc構造に戻る。低温構造は冷却工程によって変化す
る。例えば、フェライト(bcclt7Jiと炭素の固
溶体)とパーライト(フェライ1〜と炭化鉄との交互の
層状体)とは低温状態で屡々共存し、これはオステナイ
トを炉内または空気冷却によって徐々に冷却することに
よって形成される。炭化鉄はセメンタイトとも名付けら
れる。マルテンサイ1〜は別の低温状態であるがオース
テナイ1〜が中断なしに急速に油または水焼入れによっ
て冷却されたときに生ずる。オーステナイトがマルテン
サイhとパーライトとの中間速度で冷却されるとバイナ
イトが形成される。バイナイ1−は別の低温状態であり
、フェライi〜とセメンタイI・どの混合体である。
それえぞれの低温状態は別々の機械的特性を有する。純
マルテンサイトが最も硬く脆い微細構造を有し、純フェ
ライトは最も軟質である。パーライトは比較的軟質で、
純マルテンサイ1へより延性があるが純フェライトより
少ない。すなわち、加熱および冷却工程と以前の機械加
工作業によって鋼の微細構造と機械的特性とが決定され
る。低炭素鋼が温度Ac3以上に加熱されて室温まで冷
却されると微細な結晶構造が得られる。これは典型的な
結晶微細化方法であって数回行って微細な結晶構造を得
ることができる。所定の硬度に対して微細な結晶構造は
高い強度を示す。
加熱時のAc3およびAc3温度は低炭素鋼に対して加
熱速度の増大に伴って平衡温度から上昇する。
これはランキン氏(Y、 1akhtin)がエンジニ
アリングフィジカルメタラジ誌(Engineerj、
ng PhysicalMetallurgy) (1
965年)ゴルドン社(Gord’on andBre
ach、 N、Y、)に 種々の速度で連続的に加熱するとパーライトはオーステ
ナイ1−に変換するが、一定の温度ではなく、ある温度
間隔で変態する。娠藍連皮瑛太工あれば変態温度も高く
なる。と記載している。
ティチャー1・氏(IE、J、Te1chert)は、
マグロ−ヒル社の雑誌(Ferrous Metall
urgy vol m、 1944)に鋼の熱処理と題
して 「変態図によれば著しく遅い加熱または冷却状態の臨界
点の位置は示されるが、速度が変化したときは示されて
いない。速度が図表と異る状態では加熱と冷却との温度
が相違する。平衡状態に到達する差がヒステレシスであ
り、これは変態が行われるときの変態に対する抵抗であ
る。すなわち、Ac温度は予期される温度より高くなる
。同様に、Ar温度は低くなる。加熱および冷却のこの
差は加熱速度、冷却速度によって変化する。すなわち、
加熱速度が高ければ、Ac温度は高くなり、冷却速度が
高ければ、Ar温度は低くなる。」゛と記載している。
同様な事項は金属便覧(Metal Handbook
、 1985)米国金属協会の28.2頁、カイサー氏
(C,Kr:yser)の基礎冶金工学(Basic 
EngineeringMetall、urgy)の1
89頁、ジレッ1へ氏外(L、 Guil]cシet 
a])著の(An Introduction to 
the 5tudy of Metal、]、。
Hraphy and MacroHraphy)の8
0−81頁に記載されている。すなわち、時間を短縮す
るためには温度を高くすればよい。この特性は代表的に
は拡散制御方法である。
鋼の変プル動作の重要性を認識し、鋼製品、例えばスト
リップをインゴットまたはスラブ(以下型にインゴット
という)から製造し、変態が製造工程中に行わ、れる場
合を説明する。
インゴットはつぎつぎに転造されて薄いストリップとな
る。転造ミルを通過する毎にインゴットは厚さを減少し
長さを増大する。高温転造は温度Ac1以上、通常Ac
3以上で行う。代表的高温転造温度850〜1100℃
において鋼は比較的低い流れ抵抗を有し、冷間転造で厚
さを大きく減少せしめる場合に対比して機械的エネルギ
が著しく少なくてすむ。実際には厚さを一回の通過で2
.5cm以上減少せしめ得る。この温度で鋼は純オース
テナイ1−である。高温転造製品の厚さは0.15cm
以上が通常である。高温転造鋼の強度は焼鈍冷間転造鋼
よりもいくらか高いが、高温転造鋼の成形性は焼鈍冷間
転造鋼よりもいくらか低い。高温転造が完了すると鋼ス
トリップは制御された速度、代表的には水スプレィを使
用して冷却されオーステナイ1−が延性の低温製品、例
えばフェライトとパーライトとに冷間加工に先立って変
化し、鋼の破損が防止される。
通常の冶金的方法において再結晶は鋼を温度AC1以下
に熱処理することによると考えられている3゜熱処理を
温度Ac1以」−で行えは部分的または完全な変態構造
か得られる。
厚さがO,015cm以下の場合は高W+7を転造ミル
で製造されたもの以上の表面体」−げまたは成形性か要
求されるので、ス1−リップは冷間転造処理される1゜
冷間転造は字義的には未加熱の鋼を転造し一〇厚さを減
少せしめることである。鋼の亀裂防廿のため、高温転造
が完了したら鋼スI・リップは制御された遅い速度、代
表的には水スプレィを使用して冷却されてオーステナイ
1〜は延性の低温製品、例えはフェライトとバーライ1
〜とに低温加工に先立って変化せしめられる。冷間転造
は良好な表面体1−げと正確に制御された寸法とを達成
し、これは高温ミルでは不可能である。代表的な5スタ
ンI〜冷間転造ミルにおいてスl〜リップの厚さは75
〜()0%減少せしめられ、各スタンドにおいては40
%以下である。転造工程間にロールの温度はロールの間
隙に存在するスl〜リップ材料の塑性変形によって上昇
し、ス1−リップとロールとの接触によって摩擦エネル
キか発生する。ストリップは冷間転造ミルに入るとき常
温のことも多い。各転造作業後に各スタンドから出るス
I〜リップの温度は常温より相当高い。例えば5スタン
1く冷間転造ミルの第4スタンドから出るストリップの
温度が180℃になる場合もある。最後のスタンド(こ
の場合第5スタン1−)はス1−リップの表面仕上げと
平坦性を制御するから通常は減少率は20%ないし数%
と小である。そこで第5スタンドから出るストリップの
温度は第4スタンドから出るときの温度より通常低いが
常温より著しく高い。冷間転造ミルにおいてストリップ
の温度は、適当な冷却スプレィをストリップとロールと
に指向することによって、ストリップの材料が変態また
は再結晶を行う温度より充分低く維持するようにする。
冷間転造は再結晶温度より低温で行われるが、再結晶温
度は応力を受は塑性的に変形せしめられた粒子が再結晶
を行って応力の無い粒子になる温度である。冷却された
高温転造製品中に存在する等釉粒子は冷間転造によって
機械的に変形せしめられて延伸しまたは帯状の粒子とな
って、その後の熱処理までその状態に維持される。この
変形は効果と欠点とを有する。
第1に、冷間転造は鋼ス1−リップの結晶構造を実質的
に変形せしめ、従って内部の位置変位か著しい。これに
よってストリップの内部応力か増加する。単純低炭素鋼
の引張り応力か約65 K(H/ nun2に著しく増
大し、延性が低下する。材料の破損に対する変形量は延
性によって定まるから著しく冷間加工された材料は少量
の変形のみが許容される。鋼をさらに冷間加工によって
変形するためには延性を高くして破損を防止する必要が
ある。従って冷間転造によってさらに厚さを減少させる
ためには鋼スI〜リップに」回以−にの熱処理を行って
その後の冷間転造または冷間加工のために延性を回復し
なければならない。この処理は硬度と強度とを減少させ
るが延性を増大させる。冷間転造ミルによって得られた
ストリップは通常の使用[1的に対して過度に硬く脆い
。延性を回復する熱処理が焼鈍であり、焼鈍炉内でオー
ステナイト化温度範囲に加熱して室温まで緩徐に冷却す
る。これによって延伸され応力を受けたフェライトとバ
ーライ1へとの粒子は始めにオーステナイ1−に変化し
緩徐な冷却中に等軸の応力のないフェライトとバーライ
1−との粒子となり、ストリップの内部応力は解放され
る。別法としてストリップを温度Aclの直下の温度に
加熱して適当な時間保持し、応力のない粒子に再結晶せ
しめ、その後に緩除する。ストリップは炭素量によるが
約20〜24 Kg/mm2 の引張り強度を有し、破
損なしに更に冷間転造が可能である。焼鈍は通常バッチ
法により緩徐な昇温と長い保持時間と緩徐な冷却とによ
って最大の成形性を与える。焼鈍温度は代表的には73
0〜950℃である。この日数は通常5〜6日である。
焼鈍工程が製鋼工程の隘路とならないように多数の焼鈍
炉を同時にかつ時間差をもって作動せしめる。
ある炉が装填状態、別の炉が加熱状態、別の炉が冷却状
態、別の炉が未装填状態となるようにする。
このような焼鈍方法は設備および作動に太きい資本を必
要とし大きい空間を必要とする。焼鈍されたストリップ
はテンパーミルを通して所望の平坦性と冶金学的特性と
表面仕上げとを与える。これは少量、代表的には数%以
下の変形を与え、対応する延伸をストリップに与える。
第2に、冷間加工された鋼は方向性を有する。
延伸された非等軸の粒子はスi〜リップが転造された方
向に平行な方向とこれに直角な方向とで機械的および電
気的性質が相違する。例えば冷間加工され焼鈍されない
ストリップは転造方向に横方向に沿って、すなわち粒子
の主軸に直角な方向で転造方向に平行な方向より実質的
に成形性が高い。
変態区域における熱処理と再結晶とは方向性を全部また
は一部消滅させる。完全な再結晶は方向性を完全に消滅
させ、焼鈍熱処理は等軸粒子組織に再結晶させるために
使用される。材料を完全にオーステナイトに変化させて
、つぎに室温まで徐冷すれば完全に変態した構造、すな
わち完全に焼鈍された等軸構造が得られる。
上述のように連続ストリップ焼鈍ラインが開発され、ス
トリップは1時間以内で焼鈍される。このラインでは鋼
のストリップがミル速度で別々の加熱区域、冷却区域を
通過し、ストリップは加熱され、所定温度に維持され、
徐冷または急冷される。この工程は種々の速度で行われ
、速度は部分によって変化してよい。ラインはストリッ
プを数回熱処理するようにしてよい。オーステナイト区
域まで材料の温度を急速に上昇させるためには大量の熱
が使用される。この工程は均斉な構造の最終製品を得る
が、コストは著しく高い。詳細にはストリップ焼鈍装置
は建設費が250億円にも達する。高温熱処理はストリ
ップの表面に酸化物の層(スケール)をつくる。酸化物
の量は高温保持時間と共に増加する。スケールを表面か
ら除去するために付加的な処理が必要である。通常の連
続焼鈍ラインは表面清浄化装置を有しているが、コスト
増を招く。別法として連続焼鈍ラインを通るストリップ
を不活性または還元性雰囲気で覆う。
これも設備費用および運転コストを増加させる。
従ってこの製造工程において冷間転造された低炭素鋼合
金は、比較的高い引張り強度と硬度と対応的に低い成形
性とを有する焼鈍されない冷間転造製品と、高い成形性
と比較的低い引張り強度と硬度、代表的には非焼鈍の冷
間転造製品の172以下の強度と硬度とを有する焼鈍さ
れた製品とのいづれかに選択される。低炭素鋼合金は市
販の鋼合金中で最も安価であり、広く使用されているが
高い強度と成形性との両者を同時には満足しない。
その結果、使用者は高い強度と成形性とのどちらが所望
の用途に重要であるかを決定して材料を選択する。しか
し、高強度と成形性との選択が許容不能、すなわち高強
度と良好な成形性との両者が要求される場合には高強度
低合金鋼(H8LA)またはその他の材料を低炭素鋼に
代えて使用する。しかし、これらの材料は低炭素鋼より
製造困難で高価である。さらに、低炭素鋼に対比して溶
接性、成形性が悪い場合も屡々ある。
さらに、錫板の製造時に使用されるブラックプレートの
製造における従来の方法は最終目的に適する製品を得る
ために適当でない。米国特許明細書箱2,393,36
3号(″363特許と略称する)、米国特許明細書箱3
,323,953号(’953特許と略称する)にはス
トリップなどで強力な芯部(コア)と軟質な表面部とを
有する材料を得る方法が開示されている。′363特許
には通常の熱処理によって表面の再結晶を行わせるがコ
アの再結晶は行わせない方法が開示される。適当な材料
が比較的高い温度、例えば約820℃に表面加熱されて
表面に再結晶を行わせる。所望の深さまで再結晶された
ら加熱を停止し、適当に冷却して過剰の熱を除き、再結
晶の進行を防止する。″953特許は表面区域の材料を
コア部の材料より再結晶し易い材料とする。
この材料はリムつき材料と名付けられ、0.15%以下
のマンガン含有量を有する。ストリップ形式で比較的に
高い温度、ここでは約430〜620℃の温度で充分な
時間焼鈍されて表面を実質的に再結晶させるが、コアは
再結晶させない。
′363特許および′953特許に開示されたような従
来技術による表面の再結晶はいくつかの欠点を有し、使
用が著しく制限される。第1にこれらは制御された量の
熱を処理される月料の所望の深さに与える。材料が吸収
する熱量は多くの原因、周囲空気への伝導、材料表面の
反射性などによって変化する。これらは材料によって、
さらに同材料でも各加工片によって変化し、加熱工程を
複雑化する。さらに、再結晶は拡散によって制御される
工程であるから時間に依存する。屡々著しく長い時間、
代表的には数秒ないし数分が材料またはその一部が再結
晶するために必要である。材料を加熱して制御された量
の熱を表面から所望の深さまで特定の時間の間与えるこ
とを、同一または異る材料の異る加工片に反復的に正確
に達成することは著しく困難である。
従って例えば安価な低炭素鋼合金などから形成された材
料に現在使用されているものよりも高い強度と高い成形
性との両者を与える技術が要望されている。
課題を解決するための手段 本発明の目的は同素体変態を行う安価な材料に現在使用
されている各種材料よりも高い強度と高2″( い成形性との両者を与えるにある。
本発明の別の目的は変形せしめられたとき亀裂、破壊な
どを生しない高強度材料を得るにある。
本発明の別の目的は高い成形性と低い強度とを有する表
面部と比較的高い強度と低い成形性とを有するコアとを
有する材料を得るにある。
本発明の別の目的はバッチ法または連続法による焼鈍工
程を必要とせず、従って製造時に実質的にスケール除去
作業を必要としない材料を得るにある。
本発明の特殊な目的は表面清浄化作業の必要性が最少な
材料を得るにある。
本発明のさらに別の目的は内部エネルギの量が小であっ
て従って耐腐食性が高い表面構造をもつ材料を得るにあ
る。
本発明のさらに別の目的は方向性が最少な材料を得るに
ある。
上述およびその他の目的は本発明により、代表的には低
炭素鋼合金であって表面付近では等相粒子を有し内部(
コア)では変形(帯状)粒子を有する材料によって達成
される。コアの帯状粒子は断面全体に等相粒子を有する
同一材料よりも引張り強度(降伏強度)が高い。表面の
等相粒子・構造は表面に、従って材料に高い延性を与え
る。
この材料は帯状の基本金属構造をあるエネルギレベルと
速度とで急速に変形せしめてその連続加熱同素体変態温
度を低下せしめることによって製造される。詳細には、
本発明者は当業者の常識に反して、連続加熱同素体変態
の−1−力および1ぐ方温度AclおよびAc3は材料
の加熱速度か1..000’C/秒以」−に増加すると
実質的に低下することを見出した。実際上、加熱速度が
io、ooo℃/秒以上に増加すると低下が顕著である
。従って基本金属が高速度で加熱されると帯状構造から
等軸構造に従来の知識で期待されるよりも遥かに低い温
度で変化する。本発明の原理によれば後述するようにこ
の加熱速度は基本金属を適当な方法で急速に変形するこ
とによって容易に達成可能である。
この方法によって製造された材料は、例示的には低炭素
鋼合金であって表面付近では等相粒子を、内部では帯状
粒子を有する。内部(コア)の帯状粒子は等相粒子を断
面全体に有する同一金属に比して高い引張り強度(降伏
強度)を与える。表面に沿って存在する等相粒子は表面
部、従ってこの材料に延性を与える。
一般的には、同素体変態を行う材料、例えば鋼の製造時
に通常は機械的エネルギを例えばロール、ダイなどの適
当な工具装置、転造、鍛造、押出し工程などによって与
えることにより、その弾性限度を超えて適当な形状に変
形せしめる。材料に与えられた機械的エネルギの一部は
実際に材料を変形せしめるために使用される、すなわち
結晶構造の固有の結合エネルギに打勝って変位密度を増
大する。エネルギの他の部分は変形せしめられる材料と
工具装置との間の摩擦に打勝つために使用される。この
エネルギの大部分は熱となる。工具装置が材料の表面に
、例えば転造、押出し工程のように当接配置されている
ときは滑動摩擦に消費された熱の一部は工具装置に残部
は材料に伝達される。この熱を取除くため、水溶性油、
油と水の混合液、または単なる水がロールと材料の表面
に指向されてロールの温度または材料の温度が著しく上
昇して材料がロールに固着しまたは酸化することを防止
する。
本発明によれば金属が変形せしめられるとき金属の温度
が急速に上昇する。
特に、冷間転造が使用されるとき従来技術に反してロー
ルの温度はストリップの温度より相当に高く、ロールを
冷却することはほとんどまたは全く行わない。転造され
る材料がロールに固着することを防止するに充分な潤滑
剤がロールに適用されるが、その量はロールまたは材料
に冷却が行われることがないようにする。この結果、材
料の温度はローラを通過するとき上昇する。ミル変数、
すなわちロール速度、ロール寸法、ロールに適用される
潤滑剤の量、ロール温度、ストリップの温度などを使用
される特定のミルに適合するように調節し、材料を急速
に変形せしめてそれによって著しく高い加熱速度を材料
に与えてその上方および下方変態温度を低下せしめるよ
うにする、。
ロール(またはダイなどの工具装置)に与えられる機械
的エネルギは、材料を変形せしめることと、材料とロー
ルとの表面間の表面接触の滑動摩擦とに消費される。転
造工程において材料とロールとの間に滑動がないときは
ロールとストリップとは一点または一線で接触する。こ
の点または線を接触の中立点または中立線という。スト
リップは断面積を減少せしめられるから、ロール装置に
入る材料はロール装置から出る材料よりも速度が遅い。
中立点の前でロールに接触する材料はロール表面よりも
速度が遅く、中立点の出口側において材料はロール表面
よりも速い速度で運動する。このことと、ロールによっ
てストリップに与えられる高い圧力とによって大きい滑
動摩擦が生ずる。滑動摩擦のためのエネルギは中立点の
前および後においてロールに接触している材料の変形の
ためのエネルギにほぼ等しい。変形および滑動摩擦に消
費されたエネルギは熱に変換するが、エネルギの一部は
この変形に基く付加的な弾性エネルギとして材料の構造
内に貯えられる。ロール寸法、ロール速度および材料の
厚さを適切に定めることによってストリップに与えられ
るエネルギの速度を材料の全断面積について充分に大と
することができ、材料の温度をその全断面積について低
下せしめられたAc3変態温度以上とすることができる
。Ac3変態温度はストリップの温度上昇速度が充分に
大であることによって低下せしめられる。これによって
ストリップは完全に変態する。この結果、軟質、低強度
の等軸粒子が材料の全断面積を占める。
変態の生ずる時間が短いから粒子は焼鈍の場合のように
成長しないが、焼鈍の場合と同様な強度と延性とを有す
る。
本発明によれば、材料の強度と延性とは材料が変態せし
められる深さを制御することによって所定の範囲に設定
される。これによって良好な加工性をストリップに与え
、冷間加工構造のいくつかの利点を維持する。特に、等
軸粒子に変化せしめられた表面材料は焼鈍構造と同様な
延性を有し、変化せしめられなかったコアは冷間転造構
造と同様な高い強度を有する。
強度と延性との範囲は完全に等軸構造となされた粒子の
ストリップの対応する値と完全に帯状粒子のストリップ
の対応する値との間の範囲である。
変態の深さは任意に定められ、表面位置では殆どまたは
全く変態は生ぜず、材料の中心位置の場合は全材料が等
軸粒子構造となる。変態しないコアは変態した表面より
高い強度と低い延性とを有するから、材料が変態した深
さが製造された材料の強度と延性とを決定する。
詳細には、ロールとストリップとの熱伝導性は比較的低
いから摩擦熱は両者の表面に集中する。
従って滑動摩擦熱に基くストリップ表面の加熱はストリ
ップ全体の加熱より大であって変形による全体の加熱に
加算される。従ってストリップの各表面に位置する材料
は高い温度、例えば低下したAc3温度にストリップの
内部(コア)が加熱されるより以前に加熱され、従って
コアより早く変態する。この結果、冷間転造ストリップ
では生じたような表面破損なしに機械的加工を行うこと
ができる。コアは冷間転造構造の比較的高い強度特性を
維持する。この材料は冷rift加工材料より軟質であ
るか完全な等軸構造はど軟質ではない。
好適な実施例の説明 本発明の技術は固体状態で同素体変態に行うすべての材
料に適用して急速加熱によって変態温度を低下すること
を可能とする。材料としてはチターウム、錫、鉄合金(
鋼)、マグネシウム合金、各種銅合金、各種アルミニラ
11合金および各種ニッケル合金を含む。これらの内、
低炭素鋼合金は著しく重要であるから、以下の説明はこ
の合金について行う。当業者は容易に本発明を同素体変
態を行う他の鋼合金およびその他の材料に適用1丁能で
ある。
低炭素鋼において加熱時にAclおよびA(,3変態温
度は加熱速度を増加するとその下方および]−力平衡温
度AelおよびAc3からい〈1)か上Hすることは以
前から知られている。従って短時間て変態を行わせるた
めには温度をI:、昇させる必要かある、。
これは公知の連続加熱変態図(CHT図)としてSA[
11018鋼の例を示す第1図に明示されでいる1、加
熱速度の増大に伴う変態温度の上昇は代表的には浸透制
御工程がある。
このCHT図および後述する他のCIIT図は、ダッフ
ァ社(Duffers 5cientific、 In
c、)のグリ−プル(GLEIEBLE) 1.500
単相ライン周波数電気抵抗加熱熱的/機械的測定装置を
改造した装置によって得られた。CIITデータを得る
ために使用された試験片は直径12.7 mmで中央部
が直径5 mmに中心の両側各5 mmにおいて減少せ
しめた丸棒である。試験片の両端は銅の楔ジョーで把持
され、ジョーは適当なジヤツキによって測定装置に取付
ける。試験片の長さは約70mmである。C旧データを
得るために試験片は60ヘルツの単相電流によって電気
的に加熱され、発生する熱は試験片を焦がれる電流と電
気抵抗との関数である。試験片の温度制御のために使用
された装置はクリ−プル1500装置の温度直線化モシ
ューノ喧1532モジュール)をライン周波数の各半サ
イクル毎に平均温度測定を行うモジュールに代えたもの
である。各測定は単相正弦波電流の値がゼロになったと
きに行う。第13] 図〜第3図に示す加熱速度は中央スパン部に前群され表
面に取付けられた熱電対によって測定された見掛けの速
度である。電流および熱は試験片の軸方向に流れるから
試験片の軸線に直角な平面は加熱速度に無関係で実質的
に等温度である。従って、表面に取付けられた熱電対は
良好な測定結果を与える。変態による試験片の構造的寸
法の変化は温度測定および制御のために熱電対か取付け
られた平面において測定した。この装置は+g和交流加
熱装置を使用しているから、加熱電流の特定の半サイク
ルに生ずる実際の瞬間的加熱速度は測定された見掛けの
加熱速度の2〜2.5倍程度で著しく高い。図面におい
て加熱速度は°C/秒の単位で示す。各図面のX軸に沿
う時間は変態を行うに必要な最少時間を示す。試験片は
室温(約20℃)から加熱される。急速加熱による変態
温度の変化は試験片に与えるエネルギの斌と速度とによ
って定まる。
1018鋼のCHTデータを得る前に試験片は1〕50
℃に加熱され、20秒保持される。その後17℃の直線
的な冷却速度(CR)で冷却された。
第1図に示すように室温の1018鋼の構造は区域10
4にあり、フェライトとバーライ1〜とから成る。
平衡変態温度はAclとAc3である。曲線102は変
態の開始、従って加熱時のAct、(下方変態温度)を
示す。曲線101は変態の終了、従って加熱時のAc5
(J:方変態温度)を示す。鋼が曲線10】の上方、す
なわち区域100にあるときオーステティ1−構造をと
る。鋼が曲線101と曲線102との間、すなわち区域
103にあるときは2相構造をとり一部がオステナイト
に変態している。このことは公知であり、比較的加熱速
度(HR)が低いとき、すなわち約100″C/秒以下
の場合変態温度AclとAc3とは図示のようにいくら
か上昇する。従来は、加熱時の変態は浸透法によって制
御可能であり、変態温度は加熱速度を増加すると上昇す
ると考えられてきた。例えばラクチン(Y、 Lakh
tin)氏はその著書「物理冶金工学J(Enl;in
eeringPhysica]Metallurgy)
ゴルドンブリーチ社Gordon and Breac
h、 NetyYork、 1965)に次のとおり述
べている。
[各種速度で連続的に加熱すると・・・・パーライトは
オーステナイトに変態する・・・・一定の温度ではなく
ある温度範囲において・・・・。加熱速度が増加すると
変態温度は上昇する。」 ティチャート(E、 J、 Te1chert)氏は鋼
の熱処理と題して鉄冶金(Ferrous Metal
lurgy)第3巻(マグロウヒル社)にっぎの通り述
べている。
「変態図は極端に遅い加熱または冷却状態では臨界点を
正確に示していない。変態図を求めた特定の速度とは異
なる速度を使用した場合は加熱時または冷却時の臨界点
温度は相違する。平衡状態に到達するための差はヒステ
レシスであり、これは金属が変態を行う場合の抵抗であ
る。従って、温度Acは予期した温度よりいくらか高い
温度で生ずる。同様に温度Arはいくらか低くなる。加
熱および冷却状態におけるこの差は加熱および冷却速度
によって変化する。すなわち加熱速度が高くなれば温度
ACは高くなり、冷却速度が高くなれば温度Arは低く
なる。」 同様な記載は金属便覧(Metal Handbook
)の28゜2頁、ケイサー(C,Keyser)氏の著
書基礎冶金工学(Basic Engineering
 Metallurgy)の189頁、さらにジレット
(L、Guillet et al)氏の著書(An 
Introduction to the 5tudy
 of Metallography andMacr
ography)の80−81頁にも示される。実際的
に従来の教示によれば変態時間を短縮するためには温度
を高くしなければならない。
本発明者は従来広く知られ信じられてきたことに反して
、変態温度Acl、Ac3は加熱速度が250℃/秒以
上に増加すると上昇しないで実質的に降下することを見
出した。
これは第2図に示される。図は1018鋼のCI(T図
であって、第1図の線もそのまま示しである。
本発明者が求めた加熱速度が高い部分を鎖線で示す。線
101′と線102″とはそれぞれ温度Ac3、Acl
 を示す。図に明かのように加熱速度が250℃/秒以
上に増加すると低下し始める。加熱速度が上昇すると加
工は特に顕著である。
図のように試験片が10,000℃/秒で加熱されると
温度Aclは約400℃以下で、温度Ac3は約500
℃であり、加熱速度が250°C/秒、1,000℃/
秒のときの約825℃、800℃と対比される。すなわ
ち、試験片が10,000℃/秒で550℃に加熱され
ると試験片は完全にオーステナイト(fcc)になる。
試験片を550℃に保持し、または適当な速度で冷却す
ると、著しく加工性のよい軟質延性構造が得られる。1
0,000℃/秒で加熱し材料が400℃に到達したら
加熱を停止して得られたものは区域103にある。ここ
では低温構造の一部のみがオステナイトに変態している
。しかし、加熱速度を15.000℃/秒とすると40
0℃で完全なオーステナイト変態が行われる。この温度
では炭素鋼を空気中に数秒間保持しても表面スケールの
生成は著しく少い。従って通常の使用目的においては表
面の清浄化は不必要である。
別法として第2図で加熱15,000℃/秒速度が15
.000℃/秒以上であると最大変態温度は250〜3
00℃まで低下する。この比較的低い温度では炭素鋼は
表面スケールを生成せず、従って表面の清浄化は不必要
である。
第3図はC)IT図を示すが、鋼は5AE4140であ
る。
図において公知の部分はそれぞれ上方および下方変態温
度Ac3、Aclを示す線部分301,302であり、
本発明による部分3011および302′は鎖線で示す
区域300はオーステナイト区域であり、区域303は
2相区域、区域304は、室温で安定な低温製品(bc
c構造)である。正確な低温製品は以前の熱処理によっ
て、特に冷却工程によって異なり、オーステナイト区域
300からの試験片の温度を減少させる。第2図、第3
図に示す曲線のAcl、Ac3変態温度曲線は加熱速度
250℃/秒以下では相違する。詳細には第2図におい
て1018鋼におけるAcl、Ac3温度は加熱速度が
250℃/秒まで増加する間は増加する。第3図の5A
E4140鋼においては増加は見られない。加熱速度2
50℃/秒以下では従来の理論と一致する。しかし、第
2図の曲線に示す高加熱速度の場合には従来のものと全
く相違する。
図に示す結果は試験片の等温度断面における変態時の直
径の変化を測定して得られ、試験片はbCCからfee
に変態する。
この発見に基いて、本発明は高い加熱速度で比較的低い
温度で変態を行わせることを可能とし、表面スケールの
発生を最少とし従来の焼鈍およびスケール除去作業を不
要とする。すなわち、ある種の同素体材料では適量のエ
ネルギを高速で44料に与えることにより低い温度で変
態せしめ得る。
高い加熱速度は、例えば転造、押出し、鍛造などによっ
て材料を急速に変形せしめることにより達成可能である
。詳細には、鋼スI−リップの厚さを減少せしめるため
弾性限度祭超える機械的エネルギをロールを介して与え
て変形せしめる。鋼に与えられる機械的エネルギの一部
は実際に材料を変形せしめる、すなわち結晶構造の固有
の結合エネルギに打勝つために使用される。エネルギの
別の部分は変形される鋼とロールとの間の摩擦を克服す
る。このエネルギの大部分は熱に変換する。
転造または押出し工程において機械がス1ヘリツブの表
面に接触しているとき、滑動摩擦で発生した熱の一部は
ロールに残部はス1ヘリツブに伝達される。従来技術で
はこの熱の除去が要求され、大量の水、水溶性曲または
/111と水の混合液がロールとス1−リップの表面と
に指向されてロールとストリップとの温度が上昇するこ
とを防止し、ス1−リップがロールに固着したり、スト
リップが冶金学的に変化したり酸化したりすることを防
止する。
本発明によれば機械の温度は高温に維持され、変形工程
において発生した熱のうち限定された量のみが材料(ス
1−リップ、板またはワイヤ)から除去される。冷間転
造の場合、従来技術に反してロルの温度は入ってくるス
トリップの温度よりも著しく高く、ロールを所望の高温
度に維持するに必要な冷却のみが行われる。冷間転造]
工程の開始時に外部熱源から熱がロールに供給されて所
望の高温度としてから、ス1−リップが、ロール403
゜403″の表面速度より遅い速度で供給される。区域
407.407′においてストリップの表面速度はロル
の表面速度より大である。従って、区域406.406
′において及び区域407.407′においてロールと
ス1ヘリツブとの間に大きい滑動が存在する。ロルによ
ってスl−リップに大きい圧力が作用しているから表面
間の滑動摩擦によって大量の熱が発生する。前述のよう
に従来技術では摩擦を減少させるためロールの表面と入
ってくるス1ヘリノブとに潤滑剤をスプレィする。本発
明において滑動摩擦はストリップに高い加熱速度を与え
るため有利に利用される。従って摩擦を減少させる潤滑
剤は不要であり、ストリップがロールに焼付くことを防
止するための少量の潤滑剤を使用する場合は例外的にあ
る。
ロール403.403′がス1へリップ401を転造す
るとき両ロールの温度はストリップが変形せしめられる
ときに発生する熱および滑動摩擦によって発生する熱に
よって加熱される。従来技術では表面温度の上昇を防止
するためロールを水または潤滑剤のスプレィによって冷
却した。本発明によればロールは所望の転造温度、通常
摂氏数百度に予熱され、または温度が上昇するようにな
される。転造温度は特定の加熱速度によって変化し、加
熱速度はス1−リップ401が転造される状態によって
変化する。通常は、ロールの速度をその他のロール装置
の変数を考慮して定めて、変形と滑動摩擦とによってス
l−リップに毎秒摂氏数千度の加熱速度が与えられるよ
うに定める。
詳細には、ロール403,403′の速度を調節して所
望の瞬間的加熱速度と、従って変態深さを定める。この
ことは多くのテストによって明かとなされた。テス1〜
において、20−ル型ロール装置が使用され、ロールの
直径は約50.8 cmである。低炭素鋼(炭素0.8
%)のス1−リップ(試験片)が、第1回に厚さ約0 
、3cmから通常の冷間転造工程で約0.15cmに5
0%減少せしめた。つぎに、ガス輻射ヒータを使用して
ロールの表面温度を約300℃とした。ロールの速度を
約914m/分に調節した。
ロールのギャップを調節してストリップの厚さが約0.
15cmから約0.076 cmになるように設定した
各ロールと試験片の対応する表面間には約1 、8cm
の接触距離が形成された。試験片の厚さの減少は約50
%で、試験片がロールから出る速度は、約1143m/
分であり、入る時の速度より約25%大である。これら
の表面速度は近代の冷間転造装置では通常である。実際
に、近代の冷間転造装置では出口速度が約1829m/
分に達するものもある。
表面速度が約915m/分であると、試験片の各表面と
ロールの対応する各表面と接触は0.000656秒/
cI11となり、接触時間は0.00116秒となる。
供試ロール装置の作動変数がこの所望値に到達すると冷
間転造された約0.15cmの厚さの試験片が装置に導
入される。確認転造試験時に試験片の表面区域の材料の
温度が200℃」−昇したら、これは加熱速度が約18
0,000℃/秒であることを示す。
この加熱速度によって試験片の表面区域の月料の温度は
低下した変態温度Ac3以上となり、表面区域の材料は
変態する。表面区域の変態は第12図および第13図に
明示されている。
第11図は試験片の断面の顕微鏡写真であり、変態した
表面区域と変態しないコアとを示す。顕微鏡写真は12
5倍で試験片の粒子組織を明確にするため2%の硝酸腐
食を行っている。図示のように表面部にはいくらか固着
が生している。ス1へリップのこの表面粗さはその後に
ロール装置を通過せしめて少量の減少を行わせることに
よって除去できる。
第11図の試験片の変態した表面区域は第12図に明示
される。図は500倍の写真である。変態した区域の厚
さは約0.0025〜0.0051 cmである。
試験片の内部の約0.0051 cmより深い位置の材
料の温度は変態温度Ac3またはAclに到達しないが
、これはロールによって与えられる変形量が少いことに
よる。従って変態は表面からこの深さまでしか到達しな
い。試験片内の変態したおよび変態しない材料の硬度を
50グラムの負荷のダイアモンド錐を使用するマイクロ
硬度計を使用して測定した。表面から0.038cmの
深さからコアの中心までの硬度は178 HV50であ
った。表面から0.0013cmの深さでの硬度は66
 HV50であった。ここに()IV)はビッカース硬
度であることを示し、50は測定時の負荷を示す。試験
片のコアは変態した表面区域より2.5倍以上硬度が高
い。変態区域の深さを増加するためには変形量を高くす
ればよく、変形によって材料に与えられるエネルギの量
が増加し、第5図に示す材料501は変形した結晶構造
、特に冷間加工された帯状構造を有するが、材料501
は等軸構造で本発明により帯状構造のコアと等軸構造の
表面とを持つものとしてもよい。別法として材料501
を比較的高い内部エネルギを有する構造、例えばマルテ
ンサイトまたはバイナイトとしてもよい。これらの材料
が本発明によって変形せしめられるとストリップ504
は表面付近に等軸構造を有しコアにマルテンサイ1〜ま
たはバイナイトを有する。
ロールとストリップとの熱伝導率は比較的低いからエネ
ルギが与えられた位置に加熱が生じる。
変形がストリップの全断面に均等であれば変形エネルギ
も全断面に本質的に均等に分布する。しかし、ストリッ
プとロールとの間の摩擦に打勝つためのエネルギはスト
リップの表面区域で放散される。この結果、変形による
加熱と摩擦エネルギとの和としてストリップの表面温度
はコアより迅速に上昇する。ストリップ504の各表面
区域510.510′に存在する材料は高い温度、例え
ば温度式c3以上に到達し、コア511は到達しない。
表面区域は変態するがコアは変態しない。滑動摩擦を減
少し変形の量と速度とを例えば小径のロールを使用する
ことによって増大すると加熱速度の大きい区域が表面か
らさらに深い区域まで到達し、温度がAc3以上となっ
て全断面が第4図に示すように等軸粒子構造に変態する
。しかし、加熱を予め定めた深さで終了せしめるとスト
リップのある深さ、すなわち第5図の距離d、 d’ま
での区域が、温度Ac3以上となり変態するがコアの部
分は温度Aclに到達しない。この結果、材料の表面区
域は等軸粒子に変態して比較的延性となるがコアは比較
的高い降伏強度を持つ帯状粒子構造を保持する。
本発明により、変態の到達する距離d、d’を制御する
ことにより降伏強度と延性とを所望の範囲に設定可能で
ある。表面からの変態深さは、殆どまたは全く変態しな
い表面位置から全材料が等軸粒子構造に変態する中心平
面までの間の任意の深さに設定可能である。変態しない
コアは冷間加工構造に関連する高い降伏強度と低い延性
とを有し、変態した深さは月料の最終的な降伏強度と延
性とを決定する。詳細には変態の深さか浅いときは製品
は主として延伸変形した粒子からなり高い強度を有する
が延性は冷間加ニストリップとほぼ同様である。変態の
深さがコアに向って増加すると等軸粒子構造に変態する
材料が増加し冷間加圧構造より延性が増大する。強度は
対応的に完全冷間加工構造より減少するがこれはコアの
断面積に対応する。しかし、冷間加工構造(帯状粒子)
がコアに存在するから完全等軸粒子構造に対比して高い
強度を有する。この強度の増加はコアの厚さと変態した
表面区域の厚さとの費によって変化するが、10〜35
%になる。
変態の深さはストリップが加熱される時間を制御するこ
とによって制御される。1加熱時間は変形の量とロール
の速度との関数であり、変形の量はロールの接触距離に
よって制御される。これらの変数の内、変形速度の増加
はロールの直径を減少させることによって、他のロール
装置の変数を変更するよりも容易に変更することかでき
る。現在では著しく小径の作業ロールが特殊の冷間転造
装置に使用されている。小径の作業ロールは高強度材料
を転造するために使用される。制御変数(ロル直径、ロ
ール温度、ロール速度および材料の厚さ)を適切に選択
することによって変態深さを制御することができる。従
って降伏強度と延性とは完全な等軸粒子構造に関連する
値と完全な帯状粒子構造に関連する値との間の範囲で所
望の値に設定することができる。実際の変態深さは第8
図に示すよう◆こ予め定めた値の近傍である程度変化す
るが、これは合金の成分その他のストリップの特性の局
部的な変化に基いている。
ロール403.403′の直径の変化の影響は大である
。ストリップ503の所定の減少率に対してロルの直径
が増加するとロールとストリップとの接触表面積が増加
する。従ってロールと接触するストリップの長さ、すな
わちロール接触距離が対応的に増加する。これによって
スリップ距離および摩擦加熱が増加する。
小径のロールを使用してストリップを転造する技術は開
発されている。ロールの直径が減少するとロールの撓み
が対応的に増加する。撓みの制御のためには適当なバッ
クアップロールを使用する。
1つ以」二のバックアップロールが作業ロールに接触し
て回転して作業ロールの剛性を増大する。
ロール403 403’の直径を減少して表面速度を維
持させると変形率は著しく増加する。ロールの直径の減
少はロールの撓みの制御とバイト角度、すなわちストリ
ップ401または501がロールに接触する角度とによ
って制限される。この角度が過大となるとストリップは
適切にロールに供給されなくなる。ストリップがロール
に接触する時間を一定とし表面406および407のス
トリップに接触する長さ(ロール403の場合)か減少
して]/2になったとすると平均変形率は2倍となる。
変形率は全体としての加熱速度を決定するから、ロール
直径の減少は与えられたストリップ速度に対して大きい
ロールより高い加熱速度を与える。この状態において大
きい表面加熱が可能であり、材料501に与える変形は
小である。
ストリップの表面の急速加熱は各ロールの初期表面温度
をストリップの所望の目的温度とほぼ等しく維持するこ
とによって強化される。ロールの温度の正確な制御は実
際上達成困難であるから、ストリップの所望の目的温度
の上方および下方の予め定めた値の間に延長する温度範
囲内に、例えば目的温度の下方50℃から上方100℃
の範囲に制御する。ロールを高い温度に維持することに
よってストリップが変形せしめられているときストリッ
プからロールに伝達されて失われる熱を最少とする。別
法としてロールがストリップより低温であるときストリ
ップはロールによって冷却される。
ストリップとロールとの間の熱伝達時間は著しく短いが
、この時間内にロールに伝達される熱はストリップの変
形時に生ずる熱を減少させることができ、ストリップの
加熱速度を減少させる。しかし、ロールを高温に維持す
る、特にストリップの所望の目的温度付近に維持すると
、その後の変形間にストリップからロールに伝達される
熱が著しく少ない。この結果、変形時に発生する熱はす
べてストリップを加熱する。そこで、ロールへの熱伝達
をなくすことによってストリップの加熱速度が増大する
上述説明を考慮して本発明についての付加的な説明を行
う。
第6図は変態しない基本金属構造の試験片の断面の顕微
鏡写真を1018鋼の冷間加工前の状態として示す。写
真は500倍で2%の硝酸腐食を行って粒子構造を明確
としている。図示のように全構造が等軸粒子である。試
験片の機械的特性は本質的に無方向性である。
第7図は第6図と同一の金属を厚さで80%の冷間転造
加工を行った後の断面の顕微鏡写真である。写真は50
6倍で2%の硝酸腐食を行って粒子構造を明確としてい
る。加工によって延伸された粒子(帯状構造)の機械的
特性は著しく方向性を有する。本質的には、変形された
構造内では再結晶または変態が生じていない。この変形
された構造は第6図の等軸構造の2倍以上の硬度を有す
る。
第8図は第6図と同一基本金属の試験片800の断面顕
微鏡写真であるが、試験片は本発明により変形せしめら
れ、特にグリ−プル(GREEBLE) 1500装置
によって矢印804.804′の方向に試験片の関連す
る転造表面に対して高速転造されている。写真は100
倍で2%の硝酸腐食を行って粒子構造を明確としている
。この場合、変形率、滑動摩擦および温度上昇は充分に
高く迅速で試験片の表面区域810,810′に完全な
変態が生じており、表面区域はコア811に向って下方
に、それぞれ表面810゜810′ まで延びている。
表面区域810,810′の軟質等軸粒子から、変形に
よって生じた強く延伸された帯状構造まで構造が変化し
ている。各表面に存在する滑動摩擦が充分に迅速な加熱
を生じて材料は変態温度Ac3を超えて完全に変態する
。コア部811の材料は変態温度Ac+を超えるに充分
な加熱速度を受けず、従って変態しない。区域813゜
813′における加熱速度は変態温度Aclを超えるに
充分であるが変態温度Ac3を超えるに不充分である。
その結果区域813,813″は2相区域となり。
各構造すなわち等軸粒子と延伸した粒子との両者を含ん
でいる。この試験片を製造するため、前述したように改
変されたグリ−プル装置を使用してSAE 1018鋼
の試験片に対する冷間転造装置の作動をシミュレートし
た。試験片は厚さ3 、2mm幅5mm高さ7mmで厚
さ方向に圧縮した。詳細には、試験片をインコネル71
8の円筒形アンビル(インコネルはInternati
onalNickel Corporationの登録
商標である)で保持し、高速鍛造によって急速変形を行
った。変形作業の直前にアンビルを400℃に予熱し、
試験片はアンビル間に自由に懸吊した。
急速変形のためにグリ−プル装置のストローク速度は1
,200mm/秒とした。これによって試験片の表面で
測定して24 、000℃/秒の加熱速度が達成された
試験片800を形成する金属は2種の基本的に異る形状
の粒子を含み、異るエネルギレベルに存在する材料を含
む。延伸変形された粒子は大量のエネルギを含むが、こ
れは完全焼鈍構造の特性であるbcc格子構造に存在し
た固有の結晶結合エネルギに打勝つためのエネルギが付
与されて延伸変形、z すなわち結晶が塑性的に変形せしめられたことによる。
変形によって位置変化が著しく生じ内部歪が増大する。
等軸粒子は変形せしめられていないから比較的内部応力
がなく、変形せしめられた粒子より内部エネルギが少な
い。第8図の構造においてコア区域811の粒子のエネ
ルギレベルは表面区域810.810′を形成する粒子
のエネルギレベルより高い。2相区域813,813′
のエネルギレベルはコア区域と表面区域との中間にある
。このエネルギの差によってコア区域には高い強度が、
表面区域には延性と良好な加工性とが与えられる。従来
技術では本発明によって多エネルギレベル構造をつくる
ことは示していない。従来技術による応力がない低エネ
ルギ粒子構造を得る手段は焼鈍である。ストリップの焼
鈍は本発明のような局部的変態を与えるものでなかった
。詳細には、焼鈍はバッチ法も連続法もストリップの温
度を全体的に、その全断面について温度Ac3以上に上
昇せしめ、ストリップ全体を完全に変態させた。この結
果、ストリップ全体が変態されて等軸構造である最低エ
ネルギ状態となる。表面かlン〕予め定めた深さまでス
トリップを選択的に本発明に示すように変態させること
は従来技術では著しく困難である。特に、大きい内部歪
を有する材料は焼鈍時に破損を発生する傾向がある。破
損は表面亀裂として始まりコア部に向って拡って破壊に
到達する。本発明によればこの傾向は防止される。すな
わち、コア部の材料は表面区域の材料より著しく太きい
応力を受けている。冷却時にコアに発生する残留歪は表
面区域を圧縮状態とする。これは表面か低い降伏強度に
よって破損することを防止するが、この破損は大きい歪
が生じたときの完全焼鈍材料の一つの特性である。高い
内部エネルギを有して利料の表面に位置する変形された
結晶粒子は腐食しやすい。本発明の材料の変態した表面
構造は内部エネルギが低いから従って材料の腐食に対す
る抵抗が高い。
第9図は試験片800のマイタロ硬度を示す図で、第8
図の線816−816’に沿ってマイクロ硬度を横軸と
して示す。試験片の表面812.812′か図の上端お
よび下端に示される。この硬度は、クヌープ(Knoo
p)マイクロ硬度計で100 gの荷重で行った。
試験片800の硬度は表面812.812′付近で著し
く低い。コア8]1の硬度はSA[E 1018単純炭
素鋼を冷間加工で約90%減少せしめたものの硬度と同
等である。表面付近の材料の硬度は完全に焼鈍されたS
AE 1018炭素鋼の硬度よりいくらか高い。鋼の強
度は硬度に比例するから試験片800の表面付近の材料
の強度はコアの強度より低い。また、鋼の延性は硬度が
低いときに犬で、硬度が高いときに小である。従って試
験片800の表面812.812′付近の材料の延性は
コア811の延性よりも大である。
2相区域813.813′の材料の延性と硬度とはコア
811と表面区域812.812′との関連する値の中
間にある。従って、第8図の材料は表面の良好な延性と
コアの高い強度との両者を有する。すなわち、高強度と
良好な加工性とを持つ材料が得られる。
本発明によって強化された低炭素鋼ストリップは多スタ
ンド冷間転造ミルまたは単一スタンドミルで製造可能で
ある。例えば5スタンドミルの第4スタンドを適当に調
節して、スI〜リップが通過するとき表面区域に所望の
変態を行わせることができる。このようにすると転造ミ
ルを出たス1−リップはそのまま使用可能である。焼鈍
などの熱処理は不必要である。さらに、変態か摂氏数百
度程度で行われるから表面スケールの発生はなく、また
は最少である。表面スケールは存在しても最少の設備、
例えば軽い浸漬工程で除去することかできる。
例えば低炭素鋼などの同素体変態を行う各種材料は本発
明によって強度を35%以上増加して適切な延性を保持
するようにすることか[可能である。
上述のように、チタニウム、錫、マグネシウム、各種ア
ルミニウム合金、各種銅合金、各種ニッケル合金なども
同素体変態を行う。チタニウム合金は高価であるが各種
用途、特に高強度と軽量とか重要である航空機の外皮な
どに広く使用されている。本発明によれば材料は延性を
保持して強度を増加することができる。例えば所定の厚
さのチタニウム板(ストリップ)を表面から予め定めた
深さまで延性の等相粒子構造に変態せしめコア部を硬化
され変形された冷間加工構造に保持されるようにするこ
とができる。この板は完全に焼鈍されたものより強度が
高く、しかも延性を有する。強化された板と同一強度を
得るためには完全に焼鈍された板の厚さを厚くする必要
がある。これは材料の使用量を増加し高価となる。本発
明によって強化されたチタニウム板を使用すれば簿い材
料が使用可能で、従来のものに対比して費用と重量とを
節減可能である。チタニウム合金は著しく高価で単一用
途、例えば航空機の製造に大量に使用されるから、材料
費の節減1ま特に重要である。通常の低炭素鋼の場合も
強度が35%程度増加するので他の高価な鋼合金を代替
することができる。さらに、薄い強化された鋼材は多く
の用途、例えば自動車、機械装置の本体部品などに使用
可能で、完全に焼鈍された低炭素鋼の厚い板に対比して
著しい重量および材料の節減を可能とする。
ロール403.403′の直径の変化の影響は大である
。ストリップ503の所定の減少率に対して口ルの直径
が増加するとロールとス1へリップとの接触表面積が増
加する。従ってロールと接触するストリップの長さ、す
なわちロール接触距離が対応的に増加する。これによっ
てスリップ距離および摩擦加熱が増加する。しかし、大
径のロールと小径のロールとが同一表面速度で回転する
と大径のロールによる変形率と加熱速度とは同一減少率
の小径のロールによるものよりも少なくなる。
小径のロールを使用してストリップを転造する技術は開
発されている。ロールの直径が減少するとロールの撓み
が対応的に増加する。撓みの制御のためには適当なバッ
クアップロールを使用する。
1つ以上のバックアップロールが作業ロールに接触して
回転して作業ロールの剛性を増大する。
ロール403 403″の直径を減少して表面速度を維
持させると変形率は著しく増加する。ロールの直径の減
少はロールの撓みの制御とバイト角度、すなわちストリ
ップ401または501がロールに接触する角度とによ
って制限される。この角度が過大となるとストリップは
適切にロールに供給されなくなる。ストリップがロール
に接触する時間を一定とし表面406および407のス
トリップに接触する長さ(ロール403の場合)が減少
して1/2になったとすると平均変形率は2倍となる。
変形率は全体としての加熱速度を決定するから、ロール
直径の減少は与えられたストリップ速度に対して大きい
ロールより高い加熱速度を与える。この状態において大
きい表面加熱が可能であり、材料501に与える変形は
小である。
ストリップの表面の急速加熱は各ロールの初期表面温度
をストリップの所望の目的温度とほぼ等しく維持するこ
とによって強化される。ロールの温度の正確な制御は実
際上達成困難であるから、ストリップの所望の目的温度
の上方および下方の予め定めた値の間に延長する温度範
囲内に、例えば目的温度の下方50℃から上方100℃
の範囲に制御する。ロールを高い温度に維持することに
よってストリップが変形せしめられているときストリッ
プからロールに伝達されて失われる熱を最少とする。別
法としてロールがストリップより低温であるときストリ
ップはロールによって冷却される。
ストリップとロールとの間の熱伝達時間は著しく短いが
、この時間内にロールに伝達される熱はストリップの変
形時に生ずる熱を減少させることができ、ストリップの
加熱速度を減少させる。しかし、ロールを高温に維持す
る、特にス1へリップの所望の目的温度付近に維持する
と、その後の変形間にストリップからロールに伝達され
る熱が著しく少ない。この結果、変形時に発生する熱は
すべてストリップを加熱する。そこで、ロールへの熱伝
達をなくすことによってストリップの加熱速度が増大す
る。
上述説明を考慮して本発明についての付加的な説明を行
う。
第6図は変態しない基本金属構造の試験片の断面の顕微
鏡写真を1018鋼の冷間加工前の状態として示す。写
真は500倍で2%の硝酸腐食を行って粒子構造を明確
としている。図示のように全構造が等軸粒子である。試
験片の機械的特性は木質的に無方向性である。
第7図は第6図と同一の金属を厚さで80%の冷間転造
加工を行った後の断面の顕微鏡写真である。写真は50
0倍で2%の硝酸腐食を行って粒子構造を明確としてい
る。加工によって延伸された粒子(帯状構造)の機械的
特性は著しく方向性を有する。本質的には、変形された
構造内では再結晶または変態が生じていない。この変形
された構造は第6図の等軸構造の2倍以上の硬度を有す
る。
第8図は第6図と同一基本金属の試験片800の断面顕
微鏡写真であるが、試験片は本発明により変形せしめら
れ、特にグリ−プル(GREEBLE)1500装置に
よって矢印804,804′の方向に試験片の関連する
転造表面に対して高速転造されている。写真は100倍
で2%の硝酸腐食を行って粒子構造を明確としている。
この場合、変形率、滑動摩擦および温度上昇は充分に高
く迅速で試験片の表面区域810,810′に完全な変
態が生じており、表面区域はコア811に向って下方に
それぞれ、表面810゜810′ まで延びている。表
面区′域810.810′の軟質等軸粒子から、変形に
よって生じた強く延伸された帯状構造まで構造が変化し
ている。各表面に存在する滑動摩擦が充分に迅速な加熱
を生してAA料は変態温度Ac3を超えて完全に変態す
る。コア部811の材料は変態湿度へclを超えるに充
分な加熱速度を受けず、従って変態しない、1区域81
3.813′における加熱速度は変態温度Ac、]を超
えるに充分であるが変態温度Ac3を超えるに不充分で
ある。その結果区域813.813′は2相区域となり
、各構造すなわち等軸粒子と延伸した粒子との両者を含
んでいる。この試験片を製造するため、111工述した
ように改変されたグリ−プル装置を使用して5AE10
18鋼の試験片に対する冷間転造装置の作動をシミュレ
ー1− t、た。試験片は厚さ3.2nunlll  
5mm高さ7川Il+で厚さ方向に圧縮した。詳細には
、試験片をインコネル7]8の円筒形アンヒル(インコ
ネルはInternat、1onalNickel C
orporaL、ionの登録商標である)で保持し、
高速鍛造によって急速変形を行った。変形作業の直曲に
アンヒルを400’Cに予熱し、試験片はアンヒル11
nにt111膨こ懸R’r シた。
急速変形のためにクリ−プル装置のス1ヘローク速度は
1,200mm/秒とした。これによって試験片の表面
で測定して24 、000℃/秒の加熱速度が達成され
た。
試験片800を形成する金属は2種の基本的に異る形状
の粒子を含み、異るエネルギレベルに存在する材料を含
む。延伸変形された粒子は大量のエネルギを含むが、こ
れは完全焼鈍構造の特性であるbcc格子構造に存在し
た固有の結晶結合エネルギに打勝つためのエネルギが付
与、されて延伸変形、すなわち結晶が塑性的に変形せし
められたことによる。変形によって位置変化が著しく生
じ内部歪が増大する。等軸粒子は変形せしめられていな
いから比較的内部応力がなく、変形せしめられた粒子よ
り内部エネルギが少ない。第8図の構造においてコア区
域811の粒子のエネルギレベルは表面区域810.8
10′を形成する粒子のエネルギレベルより高い。2相
区域813.813″のエネルギレベルはコア区域と表
面区域との中間にある。このエネルギの差によってコア
区域には高い強度が、表面区域には延性と良好な加工性
とが与えられる。従来技術では本発明によって多エネル
ギレベル構造をつくることは示していない。従来技術に
よる応力がない低エネルギ粒子構造を得る手段は焼鈍で
ある。ス1−リップの焼鈍は本発明のような局部的変態
をljえるものでなかった。詳細には、焼鈍はバッチ法
も連続法もストリップの温度を全体的に、その全断面に
ついて温度Ac3以上に一ヒ昇せしめ、ストリップ全体
を完全に変態させた。この結果、ストリップ全体が変態
されて等軸構造である最低エネルギ状態となる。表面か
ら予め定めた深さまでス1ヘリツブを選択的に本発明に
示すように変態させることは従来技術では著しく困餠で
ある。特に、大きい内部歪を有する材料は焼鈍時に破損
を発生する傾向がある。破損は表面亀裂として始まりコ
ア部に向って拡って破壊に到達する。本発明によればこ
の傾向は防止される。すなわち、コア部の材料は表面区
域の材料より著しく大きい応力を受けている。冷却時に
コアに発生する残留歪は表面区域を圧縮状態とする。こ
れは表面が低い降伏強度によ−〕で破損することを防止
するか、この破損は大きい歪が生じたときの完全焼鈍材
料の一つの特性である。高い内部エネルギを有して材料
の表面に位置する変形された結晶粒子は腐食しやすい。
本発明材料の変態した表面構造は内部エネルギが低いか
ら材料の腐食に対する抵抗が高い。
第9図は試験片800のマイクロ硬度を示す図で、第8
図の線816−816’に沿ってマイクロ硬度を横軸と
して示す。試験片の表面812.812′が図の上端お
よび下端に示される。この硬度は、クヌープ(Knoo
P)マイクロ硬度計で100gの荷重で行った。
試験片800の硬度は表面812.812′付近で著し
く低い。コア811の硬度はSAE 1018単純炭素
鋼を冷間加工で約90%減少せしめたものの硬度と同等
である。表面付近の材料の硬度は完全に焼鈍されたSA
E 1018炭素鋼の硬度よりいくらか高い。鋼の強度
は硬度に比例するから試験片800の表面付近の材料の
強度はコアの強度より低い。また、鋼の延性は硬度が低
いときに犬で、硬度が高いときに小である。従って試験
片800の表面812.812′付近の材料の延性はコ
ア811の延性よりも犬である。
2相区域813.813′の材料の延性と硬度とはコア
811と表面区域812,812′との関連する値の中
間にある。従って、第8図の材料は表面の良好な延性と
コアの高い強度との両者を有する。すなわち、高強度と
良好な加工性とを持つ材料が得られる。
本発明によって強化された低炭素鋼ストリップは多スタ
ンド冷間転造ミルまたは単一スタンドミルで製造可能で
ある。例えば5スタンドミルの第4スタンドを適当に調
節して、ス1−リップが通過するとき表面区域に所望の
変態を行わせることができる。このようにすると転造ミ
ルを出たストリップはそのまま使用可能である。焼鈍な
どの熱処理は不必要である。さらに、変態が摂氏数百度
程度で行われるから表面スケールの発生はなく、または
最少である。表面スケールは存在しても最少の設備、例
えば軽い浸漬工程で除去することかできる。
例えば低炭素鋼などの同素体変態を行う各種材料は本発
明によって強度を35%以上増加して適切な延性を保持
するようにすることが可能である。
上述のように、チタニウム、錫、マグネシウム、各種ア
ルミニウム合金、各種銅合金、各種ニッケル合金なども
同素体変態を行う。チタニウム合金は高価であるが各種
用途、特に高強度と軽量とが重要である航空機の外皮な
どに広く使用されている。本発明によれば材料は延性を
保持して強度を増加することができる。例えば所定の厚
さのチタニウム板(ストリップ)を表面から予め定めた
深さまで延性の等軸粒子構造に変態せしめコア部を硬化
され変形された冷間加工構造に保持されるようにするこ
とができる。この板は完全に焼鈍されたものより強度が
高く、しかも延性を有する。強化された板と同一強度を
得るためには完全に焼鈍された板の厚さを厚くする必要
がある。これは材料の使用量を増加し高価となる。本発
明によって強化されたチタニウム板を使用すれば薄い材
料が使用可能で、従来のものに対比して費用と重量とを
節減可能である。チタニウム合金は著しく高価で単一用
途、例えば航空機の製造に大量に使用されるから、材料
費の節減は特に重要である。通常の6り 低炭素鋼の場合も強度が35%程度増加するので他の高
価な鋼合金を代替することができる。さらに、薄い強化
された鋼材は多くの用途、例えば自動車、機械装置の本
体部品などに使用可能で、完全に焼鈍された低炭素鋼の
厚い板に対比して著しい重量および材料の節減を可能と
する。
本発明の強化された材料は従来の高強度で適宜の加工性
を持つ材料に対比していくつかの明確で重要な効果を有
している。
第1の重要な効果は価格である。本発明の材料と同等の
強度と延性とを有する従来の材料は入手可能であるが高
価である。これには幾つかの理由がある。第1に、従来
の高強度と良好な加工性とを有する材料は特異で高価な
合金要素、例えばコロンビウム、バナジウムなどを含む
。本発明の材料はこれらの合金要素の量が少くまたは全
く含まないで従来のものと同様な強度と加工性とを有す
る。さらに、従来の合金は冷間加工ミルを出て熱処理を
受ける。これは連続法またはバッチ法によって焼鈍を行
う設備を別に必要とする。焼鈍炉とB 関連する付帯設備、例えば軌道、車輌、トラクタ、クレ
ーン、雰囲気設備などは著しく高価である。
連続焼鈍装置はさらに高価である。完全な等軸構造を短
時間で生成して最終製品に延性を付与するための焼鈍法
として従来は変態温度Ae3を超える温度とすることが
必要であった。この温度とすると焼鈍を保護雰囲気中で
行わなければストリップの全表面に大量のスケールが発
生する。大量のスケールを除去する装置は高価であり、
通常は危険で腐食性の処理剤を使用し、これは入手およ
び廃棄のための費用が高い。別法として保護的な雰囲気
中での焼鈍は大量の所要のガス、例えば窒素、分解アン
モニアなどを必要とし、後者は高価である。従って、焼
鈍設備は初期費用が高く、運転費用も高く、これらが生
産されるストリップの価格に加算される。本発明はこれ
らの費用を不要とする。本発明の材料は比較的低温、す
なわち摂氏数百度で変態を行うから表面スケールの発生
は最少、または無く、簡単で安価な浸漬(ピックリング
)処理で除去できる。表面スケールが無いならば処理は
不要でコストはさらに節減される。さらに、従来技術で
は金属を焼鈍後に冷間転造して硬度を増加することが屡
々行われた。本発明によれば従来の焼鈍は不必要で、強
度増加のために冷間転造を行う必要がない。これによっ
て1つ以−ヒの転造工程と関連する労力および転造装置
を省略することができる。従って従来の材料に対比して
さらにコス1−を節減することができる。
さらに、単純炭素鋼はl(S L Aまたは合金鋼より
も抵抗溶接が容易である。本発明によって強化された単
純炭素鋼を同等の強度と延刺とを有する従来のH3LA
または合金鋼に代替使用すると、溶接作業が容易で安価
であり、コストかさらに節減される。
これらのコストの節減の結果、本発明によって強化され
た材料は同等の強度と延性とを有する従来の高価な合金
を代替可能であり、有利である、。
すなわち、従来適当な強度を持たなかった安価な延性の
低炭素鋼合金が延性を維持したまま本発明によって強化
された。従来は通常の熱処理による高強度の合金鋼が必
要とされたが、本発明によれば低炭素鋼合金を冷間加工
したコアによって強化し良好な加工性を与える等軸構造
の表面部を含むものとすることによって代替する。本発
明の方法は低炭素鋼に限定されず、各種合金材料を含む
例えは、低合金材料を本発明によって強化して、降伏強
度と延性とを高級合金鋼によって達成されるものと同等
とすることができ、従ってこの合金鋼のための合金成分
を節減することができ、製造費用と材料費とを節減でき
る。
第2の重要な効果は本発明による高い強度と良好な加工
性とを有する材料は方向性が少く、前述のように腐食抵
抗が高いという点である。通常の従来の材料は焼鈍され
た後に冷間加工によって強化される。この構造は変形さ
れた粒子を表面に有し、これが方向性を有する。従って
冷間転造材料には横方向応力による表面亀裂が発生しや
すい。
この亀裂は内部に拡がり材料全断面に伸びて材料の破壊
となる。これに反して本発明の材料は表面に等軸粒子構
造を有するから比較的内部エネルギが少く各方向につい
て延性である。従って、本発明の材料は方向性が少な〈
従来の材料に対比して表面亀裂と腐食の傾向が少ない。
当業者には第4図、第5図に示すロールは各種公知のロ
ールと代替可能であることか理解されよう。さらに、2
つ以上のロール装置を設けてストリップにつぎつぎに変
態を行わせることもできる。
この場合、各ロール装置はストリップに与えられる高速
変形の結果として変態か生ずるようにする。
つぎつぎの変態によってつぎつぎの粒子の微細化が行わ
れ、すなわちつぎつぎの全体的または部分的変態によっ
て次第に微細化された粒子が得られる。各ロール装置に
おいて局部的変態が生ずるから別々の転造工程間におい
て熱処理を行う必要がない。ストリップが所望の変態を
生ずるために必要とされる転造工程の回数は所望の減少
率と最終の所望のス1−リップの厚さによって決定され
る。
第13図において本発明の装置の別の概略側面図、詳細
には2つの作業ロール1310.1310’と2つのバ
ックアップロール1303.1303’とを使用す7ユ る単一の40−ルスタンド1300が示される。作業ロ
ールはスl〜リップ]301を受入れる。転造されたス
トリップ1304は矢印J309の方向に出る。作業ロ
ル1310.1310’はそれぞれ矢印13o8.13
08’の方向に回転し、バックアップロール1303.
1303’はそれぞれ矢印1304.1304’の方向
に回転する。
作業ロールは比較的小径であり、ストリップ1301を
転造するための力は大径のロールの場合よりも少ない。
典型的には作業ロールの直径は12.フないし25.4
 cmであり、バックアップロールの直径は25.4〜
]、01.6 cmである。これらのロールの支持軸受
は充分な力を支持可能(図示しない)とする。
本発明によれば作業ロールは高温となされる。作業ロー
ルの支持軸受を低温とするため、作業ロールの軸端と支
持軸受とは冷却する必要がある。別法として、冷却要求
を軽減しまたは除去するために作業ロールの表面の材料
を熱伝導率の低い材料とする。この材料を使用すれば作
業ロールの表面を適当な高温としてコアおよび軸端を室
温または室温付近とすることができる。そこで、各作業
口ルの表面を適当なセラミックまたは高温材料の比較的
厚い被覆で形成する。図示実施例では作業ロール131
0.1310’は適当な材料、例えばシリコンカーバイ
ドの被覆1311.1311’を、コア(軸部)131
2.1312’にそれぞれ接着して有する。このような
セラミック材料は熱伝導率と比熱とか低いから少ない熱
によって温度を上昇させることが可能である。熱伝導率
が低いからロールの表面からコア1312.1312’
に流れる熱量は小であり、作業ロール支持軸受の冷却は
不要または少なくてすむ。
センジミア(Sendzimir)ミルでは作業ロール
が複数のロールによって運動が制限されているので作業
ロールの支持軸受は不必要である。セラミックまたは高
温材料で被覆されたロールはすべて鋳鉄または鋼などの
金属で製造されたロールよりも利用可能の熱が少ない。
作業ロールの軸部への熱伝達が少ないのみでなくセラミ
ックまたは高温材料の被覆1311.1311’の使用
はバックアップロール1303.1303’への作業ロ
ールからの熱伝達を小とする。
各作業ロールの表面温度はロールが材料1301に接触
するとき所望の温度となるようにする。作業ロール13
12.1312’は出口側でスプレィ冷却器1313.
1313’によって水または水と油の適当な混合液がス
プレィされて冷却される。ロール1312.13]2’
は始動時または作業中必要に応じて加熱される。そのた
めに適当なヒータ1315.1315’がそれぞれ入口
側に設けられる。供給されるストリップはスプレィ冷却
器1314.1314’によって冷却され、ス1−リッ
プの温度を室温または室温付近とする。ストリップがロ
ール1312.13]、2’に入る前に以前の冷間転造
によって発生した熱を除去する必要がある。冷間転造が
充分に以前に行われストリップが室温または室温付近に
冷却していれば冷却装置は不必要である。以前の冷間転
造作業によってストリップの冷却または加熱の必要性が
変化する。
バンクアップロール1303.1303’はバックアッ
プロール用として通常使用される適当な鋼または鋳鉄製
とする。作業ロール1310.1310’の軸は望まし
くは適当な鋼、特に高張力合金鋼とする。転造作業時に
作業ロールはいくらか曲げられるから、作業ロールのコ
アは転造作業時□の連続的、間欠的、側方負荷に堪える
必要がある。作業ロールに大きい側方負荷が作用する場
合、付加的な側方支持ロルを設ける。作業ロールの表面
に使用される材料は高い硬度を有し、大きい圧縮負荷に
堪え、処理されるストリップに満足される転造表面を与
えるための表面仕上げを行うに適し、本発明の方法の実
施における高温において安定である必要がある。作業ロ
ールが受ける最高温度は約摂氏500度である。セラミ
ック(適当な高温材料)として約摂氏1200度で安定
であるものは容易に入手可能であり、このような材料で
軸を被覆することによって作業ロールは容易に製造する
ことができる。別法として鋼の軸を適当な熱絶縁剤、例
えばセラミックで覆い、さらに管状のカバー、例えば厚
内の管で熱絶縁剤を保護してもよい。適当なセラミック
または適当な高温材料は入手可能であり、管状のカバー
を金属でなくセラミックまたは適当な高温材料としても
よい。
本発明による材料の等軸表面構造と帯状コア構造とはコ
ア部分のみに方向性を有する。この残留方向性はクロス
転造方法によって減少または除去することができる。ス
トリップを適当な長さに切断してクロス転造ミルに挿入
する。連続的クロス転造ミルは著しく高価である。
高速変形を行わせるためには転造以外の方法も可能であ
る。この方法として鍛造、押出しくワイヤ引抜き)があ
る。等軸粒子の表面と延伸した粒子のコアとを有する材
料が転造によるストリップまたはシートとして、押出し
によるワイヤとして、または他の形状、特に薄い断面形
として鍛造(爆発鍛造を非限定的に含む)によって、容
易に形成可能である。押出しの場合、押出しダイは温度
上昇可能なものとし、潤滑剤は不要または最少とする。
材料がダイを通る速度および減少率は所望の変形□と変
形される材料に対する高い加熱速度とを与えるように適
切に調節される。潤滑剤を使用するときは材料がダイに
焼付くことを防止するに充分であるがダイを冷却するに
不充分とする。ダイは材料の最終所望温度よりいくらが
高い温度とし、伝導によってダイか材料を冷却すること
がないようにする。前述のように転造に関連して伝導加
熱損失を防止するために材料の加熱速度を増加すること
によって変態温度をさらに低下させることができる。
本発明によって製造されたワイヤの断面斜視図が第10
図に示される。ワイヤ1000は変形した延伸した粒子
を含むコア1010と、同軸に整合する2相区域102
0と、表面区域1030とを含む。表面区域は表面10
40から半径方向内方に延長し変形した等軸粒子からな
る。コアは高い強度に与え、表面区域は延性を与える。
ワイヤは円形断面をして示すが、他の形状、例えば正方
形、矩形、楕円形、3角形などとすることができ、単に
タイの形状を変えればよい。
本発明のいくつかの実施例を示して説明したが、当業者
は各種の変形を容易に実施することができ、これらは本
発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
第1図は代表的な単純低炭素鋼、例示的に1.018鋼
の公知の連続加熱変態(CHT)図、第2図は第1図の
変態図を破線で示し本発明による高い加熱速度時のもの
を鎖線で示す1018鋼のCHT図、第3図は第1図と
は別の材料、例示的に中炭素型5AE4140鋼のCH
T図で本発明によるものを鎖線で示す図、第4図は20
−ルスタンドを使用し本発明により完全等軸粒子構造を
得る状態を示す概略側面図、第5図は20−ルスタン1
−を使用し本発明により各表面から所定の深さまで完全
等軸粒子構造を、およびコアにおいて延伸した(帯状)
粒子構造を得る状態を示す概略側面図、第6図は冷間転
造前などの変形しない基本金属構造の試験片の断面の顕
微鏡写真図、第7図は冷間転造により厚さを約80%減
少せしめた第6図と同一金属の試験片の断面の顕微鏡写
真図、第8図は第6図と同一金属の試験片であるが本発
明によって変形せしめられ等軸粒子構造が各表面から予
め定めた深さまて延在し強く冷間加工された帯状構造が
コアに存在する状態を示す試験片の断面の顕微鏡写真図
、第9図は試験片の断面の硬度の分布を示すグラフ、第
10図はワイヤ形式の本発明の材料の断面斜視図、第1
1図は本発明による実際のロール作業によって製造され
て、変態した表面と変態しないコアとを有する試験片の
125倍の顕微鏡写真図、第12図は第11図と同様な
試験片の500倍の顕微鏡写真図。第13図は2つの作
動ロールと2つのバックアップロールとを有する40−
ル装置によって本発明の材料を製造する状態を示す概略
側面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)同素体変態を行い且つ連続加熱上方および下方変態
    温度を有する基本金属から製造された材料にして、該基
    本金属はその内部エネルギの変化率が同素体変態温度を
    低下せしめ且つ該基本金属の一部分に同素体変態を行わ
    しめるに充分な速い速度で変形せしめられ、該材料がそ
    の断面において、 実質的に実質的な等軸粒子から成り、該材料の表面から
    有限の深さまで内方に延長する第1の区域にして、該第
    1の区域内の実質的にすべての基本金属が上方変態温度
    以上となって、これによって前記実質的な等軸粒子に変
    態している第1の区域と、 実質的に変態していない粒子から成り、材料の残りの部
    分内に位置する第2の区域にして、該第2の区域内の実
    質的にすべての基本金属が下方変態温度より低い温度に
    到達し、これによって変態していない第2の区域と、 前記第1および第2の区域間にあって実質的な等軸粒子
    と変態していない粒子とから成りる第3の区域にして、
    該第3の区域内の実質的にすべての基本金属が下方変態
    温度以上の温度に到達し、これによって少くとも部分的
    に変態している第3の区域と、を含むことを特徴とする
    前記材料。 2)請求項1に記載の材料にして、基本金属がチタニウ
    ム合金、錫合金、鉄合金、マグネシウム合金、同素体変
    態を行う銅合金、同素体変態を行うアルミニウム合金、
    同素体変態を行うニッケル合金を含み、基本金属に適当
    な量のエネルギが適当な変化率で与えられたとき上方お
    よび下方変態温度が低下することを特徴とする前記材料
    。 3)請求項2に記載の材料にして、前記変形が転造、押
    出しまたは鍛造によって生ずることを特徴とする前記材
    料。 4)請求項3に記載の材料にして、前記変形が基本金属
    内に10,000℃/秒を超える加熱速度を生ずるに充
    分であることを特徴とする前記材料。 5)請求項4に記載の材料にして、前記変形が基本金属
    のストリップを転造することによって行われ、ストリッ
    プは比較的低温に維持され、該ストリップの表面に接触
    するロールはストリップの温度より高い所望の温度に維
    持されることを特徴とする前記材料。 6)請求項5に記載の材料にして、前記基本金属が前記
    急速な変形を受ける前に比較的高い内部エネルギを有し
    、すなわち変形された結晶構造を有することを特徴とす
    る前記材料。 7)請求項6に記載の材料にして、前記基本金属がマル
    テンサイトまたはバイナイト構造であることを特徴とす
    る前記材料。 8)請求項5に記載の材料にして、前記基本金属が前記
    急速な変形を受ける前に実質的な等軸構造を有すること
    を特徴とする前記材料。 9)同素体変態を行い且つ連続加熱上方および下方変態
    温度を有する基本金属から製造された材料にして、該基
    本金属はその内部エネルギの変化率が同素体変態温度を
    低下せしめ且つ実質的にすべての該基本金属が上方変態
    温度以上となるに充分な速い速度で変形せしめられ、こ
    れによって同素体変態が実質的にすべての該基本金属に
    行われ、且つ前記材料がその全断面において実質的に実
    質的な等軸粒子から成ることを特徴とする前記材料。 10)請求項9に記載の材料にして、前記基本金属がチ
    タニウム合金、錫合金、鉄合金、マグネシウム合金、同
    素体変態を行う銅合金、同素体変態を行うアルミニウム
    合金、同素体変態を行うニッケル合金を含み、基本金属
    に適当な量のエネルギが適当な変化率で与えられたとき
    上方および下方変態温度が低下することを特徴とする前
    記材料。 11)請求項10に記載の材料にして、前記変形が転造
    、押出しまたは鍛造によって生ずることを特徴とする前
    記材料。 12)請求項11に記載の材料にして、前記変形が基本
    金属内に10,000℃/秒を超える加熱速度を生ずる
    に充分であることを特徴とする前記材料。 13)請求項12に記載の材料にして、前記変形が基本
    金属のストリップを転造することによって行われ、スト
    リップは比較的低温に維持され、ストリップの表面に接
    触するロールはストリップの温度より高い所望の温度に
    維持されることを特徴とする前記材料。 14)請求項13に記載の材料にして、前記基本金属が
    前記急速な変形を受ける前に比較的高い内部エネルギを
    有し、すなわち変形された結晶構造を有することを特徴
    とする前記材料。 15)請求項14に記載の材料にして、前記基本金属が
    マルテンサイトまたはバイナイト構造であることを特徴
    とする前記材料。 16)同素体変態を行い且つ連続加熱上方および下方変
    態温度を有する基本金属から製造された材料にして、該
    基本金属はその内部エネルギの変化率が同素体変態温度
    を低下せしめ且つ実質的にすべての該基本金属が下方変
    態温度以上となるに充分な速い速度で変形せしめられ、
    これによって少くとも部分的な同素体変態が実質的にす
    べての該基本金属に行われていることを特徴とする前記
    材料。 17)請求項16に記載の材料にして、前記基本金属が
    チタニウム合金、錫合金、鉄合金、マグネシウム合金、
    同素体変態を行う銅合金、同素体変態を行うアルミニウ
    ム合金、同素体変態を行うニッケル合金を含み、基本金
    属に適当な量のエネルギが適当な変化率で与えられたと
    き上方および下方変態温度が低下することを特徴とする
    前記材料。 18)請求項17に記載の材料にして、前記変形が転造
    、押出しまたは鍛造によって生ずることを特徴とする前
    記材料。 19)請求項18に記載の材料にして、前記変形が基本
    金属内に10,000℃/秒を超える加熱速度を生ずる
    に充分であることを特徴とする前記材料。 20)請求項19に記載の材料にして、前記変形が基本
    金属のストリップを転造することによって行われ、スト
    リップは比較的低温に維持され、ストリップの表面に接
    触するロールはストリップの温度より高い所望の温度に
    維持されることを特徴とする前記材料。 21)請求項20に記載の材料にして、前記基本金属が
    前記急速な変形を受ける前に比較的高い内部エネルギを
    有し、すなわち変形された結晶構造を有することを特徴
    とする前記材料。 22)請求項21に記載の材料にして、前記基本金属が
    マルテンサイトまたはバイナイト構造であることを特徴
    とする前記材料。
JP6777689A 1988-03-22 1989-03-22 急速変形によって成形された可変強度材料 Pending JPH0215118A (ja)

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US07/171,642 US4874644A (en) 1987-03-27 1988-03-22 Variable strength materials formed through rapid deformation
US07/171,642 1988-03-22

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