JPH02145896A - 水抄造シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な水抄造シート、さらに詳しくいえば、
優れた吸水寸法安定性を有し、例えばクツションフロア
バッキング材、ガスケット、ルーフィング材、難燃壁紙
、遮音紙、襖紙、フィルターなどとして好適なポリアク
リロニトリル系繊維を含有する水抄造シートに関するも
のである。

従来の技術 従来、クツシコンフロア用バッキング材などに使用され
るシートは、通常カルボキシ変性スチレン−フタジエン
系共重合体ラテックスをバインターとして用いたアスベ
ストシートが使用されてきたが、アスベスト安全衛生上
問題のあることが指摘され、最近では、繊維、高分子重
合体ラテックス及び充てん剤から成る水分散性組成物を
抄造して得られる複合シート、あるいはガラス不織布シ
ートなどが使用されるようになってきた。

前記複合シートの製造方法としては、例えば水分散性の
セルロースパルプやガラス繊維、ポリオレフイン繊維、
ナイロン繊維、ポリエステル繊維などの繊維類と高分子
重合体ラテックスとタルク、クレー、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウムなどの充てん剤とを水中に分散
させたのち、これに硫酸アルミニウムなどの無機凝集剤
、あるいはカチオン性やアニオン性の水溶性高分子凝集
剤を加えて水分散性凝集体（フロック）を形成させ、次
いでこれを抄造し、乾燥する方法が知られている（特公
昭５７−４９６８０号公報、特開昭５６−４７７９号公
報）。

しかしながら、このような方法においては、繊維として
セルロースパルプを単独で用いると吸水寸法安定性が極
端に低下する。この吸水寸法安定性を向上させるために
、ガラス繊維やポオレフィン繊維、ポリエステルａｍを
併用することが考えられるが、これらの併用によっても
十分に満足しうる吸水寸法安定性は得られず、しかもガ
ラス繊維を多く用いた場合には、人体の皮膚に接すると
炎症を起こすおそれがあるし、またポリオレフィン繊維
、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などの合成繊維を用
いた場合には、塩ビ系のクツションフロアや壁装物のバ
ッキング材などの用途で必要とされる耐熱性が低下する
。

一方、ガラス不織布シートは、ガラス繊維を主体とした
水抄造シートであって、平滑な表面が得られるように充
てん剤やバインダーを抄造時に添加したり、含浸させた
り、あるいは塗工したりしたものであるが、皮膚に接触
した際にガラス繊維に起因した炎症を起こすおそれがあ
る上、折れやすいなどの欠点を有している。

発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来のクツションフロア用バッキ
ング材などに使用されるシートが有する欠点を克服し、
吸水寸法安定性に優れ、かつ良好な耐熱性を有し、しか
も皮膚に触れても炎症を起こさないような水抄造シート
を提供することを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段 本発明者らは、クツションフロア用バッキング材として
好適な水抄造シートを開発するために鋭意研究を重ねた
結果、従来の抄造用原料の基本成分であ゛る水分散性繊
維とバインダー、又はこれらと充てん剤から成るものに
おいて、水分散性繊維の少なくとも一部としてポリアク
リロニトリル系水分散性繊維を所定の割合で含有させる
ことによりその目的を達成しうろことを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、水分散性繊維、バインダー及び場
合により充てん剤から成る水抄造シートにおいて、水分
散性繊維の少なくとも一部として、ポリアクリロニトリ
ル系水分散性繊維を全重量に基づき１〜８０重量％の割
合で含有することを特徴とする水抄造シートを提供する
もの′である。

以下、本発明の詳細な説明する。

本発明の水抄造シートには、必須成分として、ポリアク
リロニトリル系水分散性繊維を含有させることが必要で
ある。このポリアクリロニトリル系水分散性繊維として
は、アクリロニトリル単独重合体又はアクリロニトリル
単位を好ましくは７０重量％以上、より好ましくは９５
重量％以上含有する共重合体を繊維状にしたもので、か
つ軟化点を有しないものが用いられる。

前記共重合体における共重合成分については、アクリロ
ニトリルと共重合可能な単量体であればよく、特に制限
はない。このような単量体としては、例えばメタクリロ
ニトリルをはじめ、スチレンやビニルトルエンなどの芳
香族ビニル化合物、アクリル酸メチルやメタクリル酸メ
チルなどのアクリル酸系エステル、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、プロピオ
ン酸ビニルなどのビニルエステル、さらには塩化ビニノ
呟塩化ビニリデンなどが挙げられ、これらは１種用いて
もよいし、２種以上を組み合わせて用いてもよい。

該ポリアクリロニトリル系繊維の繊度と繊維長について
は特に制限はないが、ｌＯデニール以下の繊度で、約ｔ
ｏａｍ以下の繊維長のものが平滑性のあるシートが得ら
れやすく、好適である。

このようなポリアクリロニトリル系繊維を使用した場合
、他の既知の水分散性有機高分子繊維を用いた場合に比
べて得られたシートは優れた吸水寸法安定性と高い熱間
強度（高温雰囲気でのシート強度）が付与される。

本発明の水抄造シートには、前記ポリアクリロニトリル
系水分散性繊維を単独で用いてもよいし、また他の水分
散性繊維と共に用いることもできる。

この他の水分散性繊維としては、例えばセルロースパル
プ、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ガラス繊
維、ポリビニルアルコール繊維、セラミック繊維（ロッ
ク繊維など）、炭素繊維などがある。これらの他の水分
散性繊維は１種用いてもよいし、２種以上を組み合わせ
て用いてもよい。特に、該ポリアクリロニトリル繊維と
セルロースパルプの併用は、シート強度が高く、かつ平
滑性の優れたシートが得られやすいため、好ましい。

本発明シートにおける構成成分の１つであるバインダー
は、前記水分散性繊維や必要に応じて用いられる充てん
剤をたがいに結合させるためのものであって、通常、天
然又は合成の高分子重合体を含む水性ラテックスが用い
られる。このようなラテックスとしては、例えば天然ゴ
ムラテックスや、イソプレンやブタジェンやクロロプレ
ンなどを共重合成分とするジエン系共重合体ラテックス
、アクリル酸エステル系共重合体ラテックス、塩化ビニ
リデン系ラテックスなどの合成高分子重合体ラテックス
が挙げられるが、これらのラテックスの中で、シートを
製造する際の乾燥温度以下でフィルム形成性を有するも
のが、高いシート強度を付与しうるので、好ましい。ま
た、フィルム形成性を有しないラテックスでもフィルム
形成性を有するラテックスと併用することにより、有利
に用いることができる。

前記の合成高分子重合体ラテックスは、所望の単量体を
公知の乳化重合法により重合させることによって製造す
ることができる。この際、使用しうる単量体としては、
例えばブタジェン、クロロプレン、イソプレンなどのジ
エン系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル
などのニトリル系単量体、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル系単量体、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル
、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル
酸ブチノ呟アクリル酸２−エチルヘキシル、メタクリル
酸２−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステルやメタ
クリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチルな
どのエチレン性不飽和カルボン酸、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸２−ヒ
ドロキシエチノ呟　メタクリル酸２・ヒドロキシエチル
、アクリル酸２−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性
不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、メタ
クリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和カルボン酸
のグリシジルエステル、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、Ｎ−メチロールアクリルアミド、Ｎ−ブトキシメ
チルアクリルアミドなどのアミド系単量体、さらには塩
化ビニルや塩化ビニリデンなどが挙げられる。

これらの単量体を乳化重合して得られる高分子重合体ラ
テックスの中で、特にゲル含有量（トルエン不溶分）が
５０重景％以上のカルボキシ変性ブタジェン系ラテック
ス及びカルボキシ変性アクリル酸エステル系ラテックス
が、シートに高い熱間強度を付与しうるので、好適であ
る。

本発明シートシートには、前記の水分散性繊維及びバイ
ンダー以外に、所望に応じクレー、タルク、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの
粉末の中から選ばれた少なくとも１種の充てん剤を含有
させることが°できる。

これらの充てん剤は、その添加によって、シートのコス
トダウンをはかれるとともに、シートの密度をコントロ
ールすることができるし、また、充てん剤として水酸化
アルミニウムや水酸化マグネシウムなどを多量に用いＩ
；場合や塩化ビニリデン系ラテックスとの併用により、
シートに難燃性を付与することができる。

本発明の水抄造シートにおいては、通常、水分散性繊維
の含何量は２〜９５重量％、バインダーの含有量は固形
分換算で３〜７０重量％であり、また、場合により９５
重量％以下の範囲内で充てん剤を含むことができる。特
に好ましい含有割合については、水分散性繊維の含有量
が５〜８０重量％、バインダーの含有量が５〜５０重量
％、充てん剤の含有量が２０〜８０重量％の範囲で選ば
れる。さらに、本発明の水抄造シートにおいては、該水
分散性繊維の少なくとも一部として、すなわち全部又は
一部としてポリアクリロニトリル系水分散性繊維を１〜
８０重量％、好ましくは３〜６０重量％の割合で含有す
ることが必要である。水分散性繊維の含有量の合計が２
重量％未満ではバインダーの含有量が７０重量％を超え
る場合には抄造しにくくなるし、水分散性繊維の含有量
が９５重量％を超える場合やバインダーの含有量が３重
量％未満の場合、あるいは充てん剤の含有量が９５重量
％を超える場合にはシート強度が極端に低下する傾向に
ある。また、該ポリアクリロニトリル系水分散性繊維の
含有量が１重景％未満では吸水寸法安定性の付与効果が
十分に発揮されないおそれがあるし、８０重量％を超え
るとシート強度が極端に低下する。

本発明の水抄造シートの製造方法については特に制限は
なく、従来公知の水抄造法を用いることができる。代表
的な水抄造法としては、例えば水分散性繊維と高分子重
合体ラテックスと所望に応じて用いられる充てん剤とを
水性媒体に分散させたのち、これに多価金属塩や高分子
凝集剤を添加したコロイド的に不安定化して水分散凝集
体を形成させ、次いで金網などの多孔質担体上でろ水し
て湿潤シートを作成し、これを乾燥する方法を挙げるこ
とができる（特公昭５７−４９６８０号公報）。

また、充てん剤を用いずに水分散性繊維と高分子重合体
ラテックスとからシートを作成する場合においては、該
高分子重合体ラテックスをあらかじめ多価金属塩や高分
子凝集剤の添加やｐｕ調整などの化学的手段、あるいは
高速かくはんなどによる機械的手段でコロイド的に不安
定化して、大粒子径の水分散体を形成させ、次いでこれ
と水分散性繊維とを混合して、通常の抄造法に従って抄
造し、乾燥することによって所望のシートを製造するこ
ともできる。

前記多価金属塩としては、例えば硫酸アルミニウム、ミ
ョウバン、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなど一般
に公知のものを用いることができ、また、高分子凝集剤
としては、カチオン性やアニオン性の重合体、例えばカ
チオン性デンプン、カチオン性又はアニオン性ラテック
ス、ポリエチレンイミン、ポリシロキサン、あるいはカ
ルボキシ変性ポリアクリルアミド、アクリルアミドとジ
メチルアミノエチルメタクリレートとの共重合体、アク
リルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリド 系ポリマーなどを用いることができる。

本発明の水抄造シートを製造する際には、所望に応じ、
従来抄造において慣用されている種々の添加剤、例えば
各種デンプン及びその誘導体、メラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノール系樹脂、ウレタン系樹脂などの乾燥紙力増強剤
や湿潤紙力増強剤、各種染料、カーボンブラック、酸化
防止剤、各種セルロース誘導体、ポリビニルアルコ−、
Ｉｌｚ。

グリオキザール、リン系やポリアクリル酸ナトリウム系
分散性、さらには不溶性セッケン、オイル、ワックスエ
マルジョンなどの潤滑剤、各種消泡剤、防腐剤などを添
加することができる。

発明の効果 本発明の水抄造シートは、水分散性繊維とバインダーと
所望に応じて用いられる充てん剤とを含有し、かつ該水
分散性繊維として、少なくともポリアクリロニトリル系
水分敵性繊維を所定の割合で含有したものであって、優
れた吸水寸法安定性と高い熱間強度を有し、かつ皮膚に
接しても炎症を起こさないなどの特徴を有し、例えばク
ツションフロアのバッキング材、ガスケット、ルーフイ
ング材、難燃壁紙、遮音紙、襖紙、フィルターなどに好
適に用いられ、極めて工業的価値が高い。

実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。

なお、シートの物性は次のようにして求めた。

（１）　　常温シート強度 シートを１．５ｃｍ巾に切断し、２３°Ｃの雰囲気下で
引張試験機（新興通信工業（株）製ＴＭＣ５００）にて
強度を測定した。

（２）熱間強度 １５ｃｍ巾のシートを１８０℃で５分間加熱後、１８０
℃雰囲気中で引張試験機にて強度を測定した。

（３）吸水寸法安定性 １．５ｃｍ巾で２０ｃｍの長さの試験片を水中に２４時
間放置し、取り出し縦方向に伸びた割合を測定し、％で
表示した。

また、水分散性繊維及び高分子重合体ラテックスとして
、次のものを用いた。

水分散性繊維； （１’）　　ＮＢＫＰ　：漂白針葉樹クラフトパルプ７
リーネス約４５０ｍｆｆ （２）　　ＰＡＮ：ポリアクリロニトリル系繊維（１）
カミロンＴ−ＵＰ（旭化成工業（株）製）１．５デニー
ル、繊維長３ｍｍ （Ｉ［）Ａ　−１０１（旭化成工業（株）製）３デニー
ル、繊維長３朋 （３）ガラス繊維：繊維長３　ｍｍ、繊維径９μ（４）
ポリエチレン繊維： ＳＷＰ　Ｅ６２０、平均繊維長１．３ｍｍ（５）ポリエ
ステル繊維（ポリエチレンテレフタレート）：６．２デ
ニール、繊維長０．１３５ｍｍ高分子ラテックス （１）　　Ｃ−５ＢＬ（カルボキシ変性スチレンブタジ
ェン系ラテックス）： （Ｉ　）Ｌ４４５３（旭化成工業（株）製）固形分４８
重量％ （ｎ　）Ｌ２６０１（旭化成工業（株）製）固形分５０
重量％（ハードタイプ） （２）アクリル系ラテックス： Ｆ　−２２００（旭化成工業（株）製）実施例１ 容量２１２の円筒状ガラスビーカーに、本釣ＩＱを入れ
たのち、これに水分散性繊維としてＮＢＫＰ　２重量部
及びＰＡＮ　３重量部を加えてよくかきまぜ、次いでこ
れに充てん剤としてタルク７５重量部を加えた。次に、
これにエポキシ系湿潤紙力増強剤〔商品名ニーラミンＰ
　−５６００、三井東圧化学（株）製〕０．５重量部を
添加したのち、高分子重合体ラテックスとしてＣ−５Ｂ
Ｌ（Ｉ　）２０重量部（高分子重合体換算）をかきまぜ
を続けながら加え、次いで硫酸アルミニウム約２重量部
を添加し、さらに０．５重量％水溶液のポリアクリルア
ミド系弱アニオン性高分子凝集剤〔ダイヤフロックＡＰ
　７０５、ダイヤフロック（株）製〕を水相がほとんど
透明になるまで添加して、水分散凝集体を形成させた。

次にこのようにして得られた水分散凝集体を角型シート
マシン（２５ｃ１ｎＸ　２５ｃｍ）に移したのち、該凝
集体濃度が０．３重量％になるように水で希釈して、８
０メツシユの金網でろ過し、湿潤シートを得、次いでこ
の湿潤シートをプレスし、約１００００の熱ロールで乾
燥した。なお、水分散性繊維、高分子重合体ラテックス
（高分子重合体換算）及び充てん剤の合計量が約２５ｇ
（約４００ｇ／ｍりになるように配合した。このように
して得られたシートの物性を表に示す。

実施例２〜９、比較例１〜７ 表に示す種類と量の水分散性繊維に高分子重合体ラテッ
クス及び充てん剤を用い、実施例１と同様にしてシート
を作成し、物性を評価した。その結果を表に示す。

この表から、明らかに本発明の水抄造シートは極めて優
れｔ；吸水寸法安定性を有することが分がる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　水分散性繊維、バインダー及び場合により充てん剤
   から成る水抄造シートにおいて、水分散性繊維の少なく
   とも一部として、ポリアクリロニトリル系水分散性繊維
   を全重量に基づき１〜８０重量％の割合で含有すること
   を特徴とする水抄造シート。 ２　バインダーが高分子ラテックスである請求項１記載
   の水抄造シート。 ３　高分子ラテックスの含有量が固形分換算で全重量に
   基づき２〜７０重量％である請求項２記載の水抄造シー
   ト。 ４　充てん剤の含有量が全重量に基づき９５重量％以下
   である請求項１記載の水抄造シート。 ５　水分散性繊維の全含有量が全重量に基づき２〜９５
   重量％である請求項１記載の水抄造シート。