JPH02145679A - 中和剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば事故等で容器やパイプラインなどの外
部へ漏洩した酸又はアルカリ物質を、緊急に中和処理す
る際に用いられる中和剤に関し、特に、中和処理作業の
現場で、中和反応が終了したか否かを、即時に且つ明確
に判定できるようにしたものである。

〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕産業界で
は種々の酸、アルカリ類が広く使用されており、その中
にはいわゆる劇物として扱われるものも多い。従来、こ
れらの劇物が事故等で漏洩した場合、例えば塩酸が漏洩
した場合は、中和剤としてクラフト紙袋に封入されてい
る炭酸水素ナトリウムをスコップなどで散布して中和処
理している。

しかしながら、上記の中和剤も塩酸もいずれも無色であ
り無色同士の反応となるから、中和反応が終了したのか
否かの判定ができない。そのため次のような問題点が生
じていた。

■　中和終了が確認できない不安から、過剰の中和剤を
散布してしまうこととなり、不経済である。

■　かといって、中和不完全な処理のまま後処理として
水で流した場合は、残存酸で公害が発生するおそれがあ
る。

このような問題点は、劇物がアルカリの場合も同様であ
ることはいうまでもない。

そこで本発明は、上記従来の問題点に着目してなされた
ものであり、その目的とするところは、酸、アルカリ等
の漏洩事故時における中和剤処理の反応終了点を確実迅
速に判定できる中和剤を提供することにより、上記従来
の問題点を解決することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本発明は１．漏洩した酸又は
アルカリを中和処理する中和剤において、該中和剤中に
中和終了判定剤を含有せしめたことを特徴とする。

上記中和終了判定剤としてはｐＨ指示薬が好適である。

本発明の対象となる酸、アルカリ等の劇物としては多数
のものが挙げられるが、例えば酸類としては、塩酸、硝
酸、硫酸、無水硫酸９発煙硫酸。

リン酸、クロロスルホン酸、加水分解して硫酸と塩酸を
生じる塩化スルフリル、フルオロホウ酸。

フッ化水素酸、ジクロールシラン、ギ酸、酢酸。

アクリル酸、その他がある。

又例えばアルカリ類としては、苛性ソーダ（水酸化ナト
リウム）、苛性カリ　（水酸化カリウム）。

アンモニア水、その他がある。

上記の酸類の中和剤としては、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等を使用するこ
とができる。

又、上記のアルカリ類の中和剤としては、例えばリン酸
アンモニウム、硫酸アルミニウム等を使用することがで
きる。

これらの中和剤は、１種だけでなく２種以上のものを組
み合わせて用いることも可能であり、固体又は水溶液と
して用いることができる。

更に、粉末の固結防止剤、流動性付与剤を添加したもの
を用いることもできる。

上記中和剤中に含有せしめる中和終了判定剤としては、
その変色域がＰＨＩＩ〜ｐＨ４の範囲の一般的なｐＨ指
示薬（酸塩基指示薬）として、フタレン系、スルホンフ
タレン系、アゾ系、トリフェニルメタン系、ベンゼイン
系、ニトロ系等の指示薬が使用可能である。具体例を挙
げれば、酸中和剤に混合するものとしては例えばブロム
フェノールブルー、ブロムチモールブルー、ブロムクレ
ゾールグリーン、メチルレッド、２．５ジニトロフエノ
ール等がよく、これに対して、アルカリ中和剤に混合す
るものとしては例えばフェノールレッド、チモールブル
ー、フェノールフタレン、チモールフタレン等がよい。

更に、２種のｐＨ指示薬の混合、又は１種のｐＨ指示薬
と色素とを混合してなる混合指示薬も使用可能であり、
例えばメチルオレンジとインジゴカルミン、ブロムクレ
ゾールグリーンとメチルレッド、フェノールフタレンと
メチルグリーン等の混合指示薬がある。

これらのｐＨ指示薬のうち、特に酸性色から塩基性色、
或いは塩基性色から酸性色への変色が観察しやすいもの
、例えば青又は赤色に変色を示すもの等が、明確な判定
がし易く、特に好適と考えられる。

これらｐＨ指示薬の中和剤に対する添加量はｐｐｍオー
ダの微量でよい。

〔作用〕

中和剤の変色により、中和反応の終了点が確実に判定で
きるから、過剰の中和剤を散布してしまうことはなくな
り、経済的である。又、中和不完全な処理のまま水で流
すこともなくなり、残存成分で公害が発生するおそれも
なく安全である。

以下、本発明の詳細な説明する。

〔実施例１〕 酸中和剤を次の組成（ｗｔ％）に構成した。

中和剤　・・・−・・−・−・・−・−・炭酸水素ナト
リウム９７％固結防止剤・−・−−−一−−−−ホワイ
トカーボン　　３％中和終了判定剤−・−・ブロムフェ
ノールブルー０ｐｐｍ この酸中和剤を、コンクリート床面に流出させた１１の
３５％塩酸に散布して中和したところ、中和終了点で青
色に変色が観察された。その時点で散布を止め、酸中和
剤の使用重量を測定した。

その使用重量は１．２　ｋｇであった。これは理論中和
量とほぼ等しい値であり、かくして流出塩酸をムラなく
完全、確実に中和することができた。

一方、上記の実験を、中和終了判定剤を添加しない中和
剤を用いて同様に行ったところ、酸中和剤の使用重量は
３　ｋｇとなった。これは理論中和量の約２．５倍を散
布したことになる。

〔実施例２〕 アルカリ中和剤を次の組成に構成した。

中和剤　−・−・・−・−・−・・・・−硫酸アルミニ
ウム　９７％固結防止剤・・−−−一−−−−−−・−
ホワイトカーボン　　３％中和終了判定剤−・−ブロム
チモールブルー０ｐｐｍ このアルカリ中和剤で、実施例１の場合と同様に流出さ
せた３０％苛性ソーダを中和したところ、中和終了点で
青色に変色が観察され、苛性ソーダをムラなく完全、確
実に中和することができた。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、漏洩した酸又は
アルカリを中和処理する中和剤に中和終了判定剤を含有
せしめた。そのため、中和終了が確実に判定でき、過剰
の中和剤を散布してしまうことがなくなり、非常に経済
的であり、かつ又、中和不完全な処理で公害が発生する
おそれもない中和剤を提供できるという効果が得られる
。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）漏洩した酸又はアルカリを中和処理する中和剤に
   おいて、該中和剤中に中和終了判定剤を含有せしめたこ
   とを特徴とする中和剤。
2. （２）中和終了判定剤はｐＨ指示薬である請求項（１）
   記載の中和剤。