JPH02139031A - 熱変換熱輸送方法および装置 - Google Patents

熱変換熱輸送方法および装置

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JPH02139031A
JPH02139031A JP20117589A JP20117589A JPH02139031A JP H02139031 A JPH02139031 A JP H02139031A JP 20117589 A JP20117589 A JP 20117589A JP 20117589 A JP20117589 A JP 20117589A JP H02139031 A JPH02139031 A JP H02139031A
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JP
Japan
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heat
emulsion
medium
slurry
heat medium
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Application number
JP20117589A
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English (en)
Inventor
Yasuo Koseki
小関 康雄
Akira Yamada
章 山田
Hideaki Kurokawa
秀昭 黒川
Isao Okochi
大河内 功
Katsuya Ebara
江原 勝也
Sankichi Takahashi
燦吉 高橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、物質の相変化に伴う転移熱を利用して熱交換
、熱貯蔵、熱輸送を行う方法および装置に係り、特に、
高密度蓄熱、熱輸送が可能な熱変換熱輸送方法および装
置に関する。
〔従来の技術〕
従来、蓄熱方法としては、太陽熱利用のように、熱源変
動がある場合の温熱蓄熱をはじめ、深夜電力を利用した
温水ボイラを用いた温熱蓄熱、圧縮式ヒートポンプを用
いた氷蓄熱が用いられていた。
氷蓄熱は、冷水蓄熱に比べ、相変化を利用するため、蓄
熱密度が大きいが、冷却管の周囲に着氷し、熱交換性能
が低下するので、圧縮式ヒートポンプの成績係数が低下
し、消費電力が増大する欠点があり、氷スラリー化が望
まれている。
一方、近年、地域冷暖房システム設置の要望が高まり、
それに用いる蓄熱、熱輸送の効率向上が望まれている。
高効率熱輸送を実現する手段として、すでに、「冷凍J
  (voQ50.Nci572.P:3−8.昭50
、6)に、ガスハイドレート結晶を利用した氷スラリー
化(不完全凝固状態)が提案され、冷水輸送に比べ、高
効率熱輸送が可能であることが述べられている。
また、高密度蓄熱を実現させる手段として、特開昭61
−165593号公報(出願昭和60年1月16日)に
、スラリー、シャーベット状蓄熱が提案され、その製造
にW(水)中にWよりも凝固点の高いO(油)成分を液
滴として分散させたO/Wエマルジョン(液中に溶解し
ない他の液が滴状に分散している状態)を用いる方法が
述べられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のうち、前者の熱輸送方法に関しては、ハ
イドレート生成の安定性が充分でないこと、粒径調整法
が大変なこと、氷片が板状になりやすく流動性が乏しい
こと等の難点があり、また後者の蓄熱力、法に関しては
、O/WエマルジョンではO成分は新油性物質であり、
種類が少なく選定が限定されること、粒子と周囲液体の
比重調整の余裕が限定され、比重差による相分離がおこ
りやすい等の問題があった。
本発明の課題は、流動性のある微細スラリーを安定して
製造することにより、高密度蓄熱、熱輸送が可能な熱交
換、蓄熱、熱輸送の方法とその装置を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題は、親油性熱媒体と非親油性熱媒体を混合し
てW10型エマルジョン(新油性均一液相(○相)中に
、それに溶けない他の非親油性液(W相)を適状に分散
した状態)とし、該エマルジョン熱媒体を冷却すること
によってエマルジョン中の非親油性熱媒体の微細液滴を
固化し微細球状粒子としてスラリー状熱媒体にする放熱
工程と。
該スラリー状熱媒体を輸送する熱輸送工程と、前記スラ
リー状熱媒体を加熱することによって前記固化した粒子
を液滴化したエマルジョン熱媒体とする吸熱工程とを有
する熱変換熱輸送方法によって達成される。
用いる液i’l (W)相の非親油性熱媒体は、親油性
熱媒体(O相)より高い凝固温度(液体から固体へ変わ
る温度)を持ち、かつ0相にほとんど溶解しない性質を
有している。
蓄熱及び熱輸送能力を上げるには、W相の媒体の凝固熱
が大きくかつ比熱も大きい方がよく、かつW相のスラリ
ー重量濃度が大きい方が良いが、スラリーの流動性を確
保するため、50%以下が望ましい。
スラリーの流動性は、W10エマルジョンの球状液滴を
固化させるため、球状粒子となるので良好だが、さらに
輸送時の固体と液体の比重による分離を防止するため、
W相の非親油性媒体の固体時の密度は、0相媒体のそれ
に近い方が有利であり、実用的にはその比が0.95〜
1.2程度が望ましい。
放熱工程のあとにスラリー状熱媒体貯蔵工程を備え蓄熱
機能を持っていることを特徴とする請求項1に記載の熱
変換熱輸送方法としてもよい。
放熱工程の進行状態を液滴の固化時の体積変化を利用し
て貯蔵工程における混合熱媒体の液位に基づいて検出す
ることを特徴とする請求項6に記載の熱変換熱輸送方法
とすると操作が容易である。
上記の課題は、親油性熱媒体と非親油性熱媒体を混合し
た混合熱媒体を冷却してスラリー状熱媒体にする放熱手
段と、該スラリー状熱媒体を貯蔵するスラリー貯蔵手段
と、該スラリー状熱媒体を加熱してエマルジョン熱媒体
にする吸熱手段と、該エマルジョン熱媒体を貯蔵するエ
マルジョン貯蔵手段と、前記各手段を接続する配管とを
備え、前記混合熱媒体を送給するポンプが、前記エマル
ジョン貯蔵手段と前記放熱手段入口とを接続する配管及
び前記吸熱手段出口と前記エマルジョン貯蔵手段とを接
続する配管に設置されている熱変換熱輸送装置によって
も達成される。
また、スラリー貯蔵手段とエマルジョン貯蔵手段とが、
混合熱媒体貯蔵手段として同一容器に形成されているこ
とを特徴とする請求項8に記載の熱変換熱輸送装置とし
てもよい。
吸熱手段または放熱手段が混合熱媒体、貯蔵手段に内装
されていることを特徴とする請求項9に記載の熱変換熱
輸送装置としてもよい。
容器に千鳥型にじゃま板が設けられていることを特徴と
する請求項9に記載の熱変換熱輸送装置としてもよいし
、じゃま板が水平方向に設けられていることと、エマル
ジョン熱媒体を容器に出し入れする配管が該容器の下部
に接続されていることと、スラリー状熱媒体を容器に出
し入れする配管が該容器の上部に接続されていることと
、を特徴とする請求項9に記載の熱変換熱輸送装置とし
てもよい。
吸熱手段出口とエマルジョン貯蔵手段とを接続する配管
に設置されているポンプが、前記吸熱手段の入口側配管
に設置されているポンプとして動作可能な配管を備えて
いることを特徴とする請求項8または9に記載の熱変換
熱輸送装置とすれば、使用範囲を広げることができる。
放熱手段が液化天然ガスの気化器であることを特徴とす
る請求項8または9に記載の熱変換熱輸送装置を用いて
、L N Gの気化熱を利用することができる。
また、混合熱媒体を親油性熱媒体と非親油性熱媒体とに
分離するウマルジョン分離手段と、分離された親油性熱
媒体と新たな非親油性熱媒体とを混合してエマルジョン
化するエマルジョン化手段と、を備えていることを特徴
とする請求項10に記載の熱変換熱輸送装置として、冷
熱利用と温熱利用の双方に用いてもよい。
混合熱媒体貯蔵手段に内装されている放熱手段または吸
熱手段が、圧縮式ヒートポンプで冷却もしくは加熱され
ることを特徴とする請求項10に記載の熱変換熱輸送装
置としてもよく、吸熱手段が、建物内に配置された冷房
用熱交換器であることを特徴とする請求項16に記載の
熱変換熱輸送装置としてもよい。
吸熱手段がコンピュータを冷却する装置であることを特
徴とする請求項16に記載の熱変換熱輸送装置すること
もできる。
〔作用〕
親油性熱媒体とそれより高い凝固温度を有し、かつそれ
と溶は合わない非親油性熱媒体が混合されて、混合熱媒
体を形成する。この混合熱媒体はエマルジョン化される
ので、液滴となる側の媒体を、所要の固化温度を有する
ものを選択、使用すると、前記混合熱媒体を冷却したと
き、液相側は固化せず液滴側の媒体のみが固化する。エ
マルジョン中の液滴は微細な球形をなしており、固化し
た粒子も球形であるから、固化によって形成されたスラ
リー液の流動性は良好である。また、液滴から固体粒子
へ、あるいは固体粒子から液滴へ相変化を行うので、蓄
熱する熱量が大きい。
蓄熱、熱輸送できる熱量は、液滴の相変化によるため、
エマルジョン中の液滴密度(濃度)が高い程大きい。本
発明は液滴が均一でかつ微細なので、出きる固体粒子も
球状で均一な微細粒子となるため、高濃度でも十分スラ
リーとしての流動性が保てるので、蓄熱・熱輸送能力が
大きい。また固化するのは液滴のみであるため、スラリ
ー濃度のコントロールが容易であり、他方式のごとく、
濃度増大による流動性不良・操作不良のトラブルはない
請求項1に記載の本発明によれば、非親油性熱媒体が固
化融解を行うので、現在知られている相変化蓄熱剤の内
、使用可能なものが多く、蓄熱温度や熱輸送温度に関連
する液滴の固化温度や、比重差に基づくエマルジョンの
固液分離防止のための比重の選択の自由度が大きい。
請求項6に記載の本発明によれば、温熱もしくは冷熱が
熱貯蔵工程に一旦貯えられるから、冷熱もしくは温熱が
供給される時間帯と、冷熱もしくは温熱が消費される時
間帯に差があっても、支障なく熱変換熱輸送が行われる
また、エマルジョン中の液滴が凝固すると体積が変化す
るから貯蔵されている混合熱媒体の液位は、液滴がその
何%が固化されているかによってきまる。逆に混合熱媒
体の液位を検出すれば、該混合熱媒体中の液滴の何割が
固化しているかが判定できる。液滴の固化している割合
がすなわち、混合熱媒体の蓄熱の割合であり、液位の測
定により蓄熱の割合が判定され、液滴の固化を更に継続
すべきか、停止すべきかが容易に判定される。
例えば、液滴が水の場合は、固化(水)すると溶精が約
1割増大し、固化量の増大により、スラリー溶植も増大
するので、同化状態が液位変化で判定できる。
Sn請求項に記載の本発明によれば、スラリー液がポン
プを通ることがないので、スラリー中の固化粒子により
ポンプ内部が損傷されることがない。
請求項9に記載の本発明によれば、スラリー貯蔵手段と
エマルジョン貯蔵手段が同一容器に一体に形成され、貯
蔵手段が全体として小型化される。
請求項10に記載の本発明によれば、混合熱媒体貯蔵手
段に吸熱手段もしくは放熱手段が内装され、貯蔵されて
いる混合熱媒体が貯蔵手段内で冷却もしくは加熱される
ので、混合熱媒体貯蔵手段と別に吸熱手段もしくは放熱
手段を設ける必要がない。
請求項11に記載の本発明によれば、混合熱媒体貯蔵手
段である容器内に千鳥型にじゃま板が設けられるので、
容器内部が曲折して連続するひとつの流路を形成し1、
この流路の一方の端から流入するスラリー液またはエマ
ルジョンは、ピストン流れとなって該流路内を流れ、流
路内に以前に存在した流体と互いにまじり合いにくい。
請求項12に記載の本発明によれば、スラリー液は混合
熱媒体貯蔵手段をなす容器の上方から下方に向ってエマ
ルジョン液をおきかえるので、容器の据付床面積を増加
させることなく、上下方向の長さを長くすれば前記容器
の貯蔵量が増大する。
請求項13に記載の本発明によれば、1基のポンプを、
吸熱手段でスラリー液がエマルジョン液に変えられると
きは該吸熱手段出口で使用し、吸熱手段でエマルジョン
液がスラリー液に変えられるときは該吸熱手段入口側で
使用される。
請求項14に記載の本発明によれば、液化天然ガスが気
化する際の気化熱が放熱手段である気化器の伝熱管を介
して混合熱媒体から奪われ、混合熱媒体がスラリー液化
される。
請求項15に記載の本発明によれば熱変換・熱輸送装置
内の混合熱媒体が抜きとられてエマルジョン分離手段に
よって親油性熱媒体と非親油性熱媒体とに分離され、分
離された親油性熱媒体と新たな非親油性熱媒体とがエマ
ルジョン化手段で混合エマルジョン化されて前記熱変換
・熱輸送装置に充填される。
請求項16に記載の本発明によれば、混合熱媒体貯蔵手
段内の混合熱媒体が圧縮式ビー+−ポンプにより、冷却
もしくは加熱され、混合熱媒体のW相の熱媒体が相変化
する。
請求項17に記載の本発明によれば、建物内に配置され
た冷房用熱交換器で混合熱媒体が吸熱してエマルジョン
化され、このエマルジョン熱媒体が混合熱媒体貯蔵手段
に内装された放熱手段において、該放熱手段を冷却する
圧縮式ヒートポンプにより冷却されてスラリー液となる
請求項18に記載の本発明によれば、混合熱媒体はスラ
リー液となっても流動性がよく、かつ単位流量あたりの
熱輸送量が大きいから、コンピュータの局所冷却に要求
される、小型の冷却装置が実現される。さらにコンピュ
ータ内の半導体チップの温度上昇により、作動異常が起
こるため、均一温度に冷却することが、信頼性向上に必
須である。本発明は、一定温度で起こる相変化(融解)
を利用するため、冷却中は一定温度になるため、半導体
チップの均一冷却が可能となり、信頼性が大帳に向上す
る。
〔実施例〕
以下1本発明を実施例を用いて詳細に説明する。
本発明では、0相をなす親油性熱媒体とW相をなす非親
油性熱媒体を混合した混合熱媒体(以下、混合熱媒体と
いう)を用い、W相をなす液体の同化温度の選定によっ
て、温熱乃至冷熱の蓄熱、熱輸送が可能である。
0相は親油性熱媒体であり、各種市販有限熱媒体オイル
が使用でき、温熱の蓄熱熱輸送用には高温でも安定な高
沸点油、冷熱の蓄熱、熱輸送用には、同化温度の低い油
が適している6温熱用としては、ジフェニル、ジフェニ
ルオキサイド、パラフィン系炭化水素等を主成分とした
油が適している。冷熱用としては、モノイソプロピルナ
フタレン、ジイソプロピルナフタレン、トリイソプロピ
ルナフタレン、ジメチルナフタレン等のナフタレン系や
、ジベンジルトルエン、エチルジェフエニール、ジアリ
ルアルカン、バラシイメン、重質アルキンベンゼン等を
主成分とする油が適している。
また、W相としては、蓄熱、熱輸送温度に応じて、各種
の有機物、無機物の市販潜熱蓄熱剤の内、非親油性のも
のが使用できる。、例えば、太陽熱利用等ノ温熱用に、
CaCO2−6H20(約30’C) 、N a zS
 O4・10 HzO(約32℃)、NaHPOh・ 
12HzO(約35℃)  、NazSzOa・5Hz
O(約48℃)、NaCHaC○0 ・3thO(約5
8℃)、Ba (OH)x・8H20(約78’C)、
Mg (NOa)z・6H20(約89℃)、M g 
CQ z −6H2O(約116℃)の無機物か、それ
らの混合物があり、過冷却防止等の添加も必要になる。
括弧内の数字は固化温度を示し、その温度の前後が、蓄
熱、熱輸送温度で、30℃〜120℃程度が適している
。一方冷熱用には、凝固潜熱が大きい(蓄熱、熱輸送密
度が大きい)水′力1主で、これに無機物を加えて固化
温度を変えた無機水溶液が適する。
本発明でW10エマルジョンを安定に生成させるために
、親油性乳化剤を用いる方がよく、適当な乳化剤として
は、多価アルコール脂肪酸部分エステル(脂肪酸モノグ
リセライド、ソルビタン脂肪酸モノエステル等)やポリ
オキシアルキレン系(ポリオキシプロピレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類等)の非イオン性乳化剤がある。
第1図に本発明の熱変換熱輸送装置の第1の実施例を示
す。この熱変換熱輸送装置は、主要な構成として、貯槽
と、放熱回路と、吸熱回路とを備えている。
貯槽1は、エマルジョン貯蔵手段と、スラリー貯蔵手段
とが同一容器に形成されているもので。
槽内には、じゃま板11が鉛直方向に千鳥型に設けられ
、槽内が一つの曲折する通路をなしている。
放熱回路は、エマルジョン熱媒体の熱を奪ってスラリー
状熱媒体に変える放熱手段である冷却器2と、冷却器2
の入口と貯槽1内に形成された前記曲折する通路の一端
とを接続するエマルジョン送出管22と、前記冷却器2
の出口と、前記貯槽1内に形成された曲折する通路の他
端とを接続するスラリー戻り管25と、前記エマルジョ
ン送り出し管22に介装されて貯槽1内のエマルジョン
熱媒体を冷却器2に送り出す冷却ポンプ21とを備えて
いる。
吸熱回路は、スラリー熱媒体に熱を与えてエマルジョン
熱媒体に変える吸熱手段である加熱器3と、加熱器3の
入口と貯槽1内に形成された前記曲折する通路の前記ス
ラリー戻り管25が接続されている側の端部とを接続す
るスラリー送出管32と、加熱器3の出口と貯槽1内に
形成された前記曲折する通路の前記エマルジョン送出管
が接続されている側の端部とを接続するエマルジョン戻
り管35と、該エマルジョン戻り管35に介装されて加
熱器3でできたエマルジョン熱媒体を貯槽1へ送りこむ
加熱ポンプ31とを備えている。
貯槽1には、W10エマルジョン状態および/またはW
相が固化(粒子化)したスラリー状態の混合熱媒体(親
油性熱媒体をO相とし、非親油性熱媒体をW相として混
合した熱媒体)が貯蔵されている。
はじめに、冷熱蓄熱、熱輸送を例に本実施例の動作を説
明する。まず、W相に水、O相にバラシイメン、乳化剤
にソルビタンモノオレートを用いて、O相の母液41に
W相の微細液滴42が分散したW10エマルジョン状態
のエマルジョン熱媒体(以下W/○エマルジョン液とい
う)4を作り、貯槽1に貯える。
冷熱蓄熱は、混合熱媒体であるW10エマルジョン液4
を貯槽1から冷却器2へ送って冷却し、微細液滴のみを
固化させ、母液41に微細粒子52を分散させたスラリ
ー状熱媒体であるスラリー液5を生成させ、貯槽1の他
方へ戻す。槽内にはじゃま板11が千鳥型(たがいちが
い)に設置されていて、曲折した通路が形成されており
、戻されたスラリー液5は、この通路の一方の端からピ
ストン流れて他方へ動いていき、槽内の混合熱媒体はW
10エマルジョン液からスラリー液へ変化していく。混
合熱媒体の流れはクローズドサイクルをなしていて系外
への流出はないが、液滴が固体の微細の粒子に変わると
、比重が変化するため体積が変化し、貯槽1内の混合熱
媒体の液位が変化する。従って、エマルジョンからスラ
リーへの変換率で示される蓄熱の進行状況は、貯槽1に
設置された液面計12で監視することができる。
W相が水の場合は液滴の粒子化により、体積が増大する
ため、蓄熱の進行につれて液位が上昇し。
所定の液位になったことが検出されたら蓄熱完了と判定
して蓄熱を終了する。蓄熱量に基づく蓄熱の起動停止は
、液面計12の信号により■冷却器2の起動、停止、■
冷却ポンプ21の起動、停止、■弁23の開閉で制御さ
れる。
熱輸送吸熱操作では、貯槽1の一方より冷熱利月光に設
置された加熱器3にスラリー送出管32を通して、スラ
リー液5が輸送され、該スラリー液5は、加熱器3で周
囲から吸熱してスラリー液中の粒子52が液化して微細
液滴となり、母液′41に前記微細液滴が分散したW/
○エマルジョン液4となって、加熱ポンプ31により貯
槽1の他方に戻される。熱輸送吸熱操作の進行は蓄熱と
同様に液面計12で監視し、加熱ポンプ21、弁33、
加熱器3で制御される。
温熱蓄熱熱輸送の場合は、W相としてCaCQ z・6
H20等を選定し、加熱した状態でW10エマルジョン
液を形成する。この混合熱媒体は常温ではW相が固化し
、スラリー液5となっている。操作は冷熱蓄熱、熱輸送
時とは逆に、加熱器3を用いて蓄熱し、エマルジョン送
出管22で熱輸送し。
冷却器2で放熱して温熱を発生させて暖房等に用いる。
つまり蓄熱は、槽内のスラリー液5を槽の一方から加熱
器3へ送って吸熱させ、スラリー液中の粒子を融解して
液滴としてW10エマルジョン液4を生成し、これを加
熱ポンプ31で貯槽1の他方へ戻す。槽内にはじゃま板
11により曲折する通路が形成されていて、混合熱媒体
はW10エマルジョン液が流入した側から、前記通路内
をピストン流れでスラリー液5が、W10エマルジョン
液4におきかえられていく。温熱蓄熱の進行状況は冷熱
蓄熱の場合と同様、液位の変化を液面計12で検出して
監視され、該液面計12が発する信号に基づいて、加熱
器3、加熱ポンプ31の起動停止および弁33の開閉制
御が行われる。
温熱放熱では、貯槽1内に形成された通路のW10エマ
ルジョンが送りこまれた側の端から、W10エマルジョ
ン液4が冷却ポンプ21により冷却器2に送りこまれる
。送りこまれたW10エマルジョン液4は、冷却器2内
で放熱し、温度が降下して液滴42が固化し、スラリー
液5となって貯槽1内の前記通路の他端へ戻る。冷却器
2は逆にW/○エマルジョン液によって加熱され、その
温熱が暖房等に利用される。
本実施例の特徴は、貯槽1内にじゃま板を入れて混合熱
媒体の流れをピストン流れに近くしたこと、貯槽に液面
計を設け、液面の高さに基づいて蓄熱、放熱を制御でき
るようにしたこと、混合熱媒体を送給するポンプをスラ
リー液がとおる流路でなく、W/○エマルジョン液が通
る流路に設け、ポンプによるスラリー液の微細化を防止
し、スラリーによるポンプの二ローションを防止すると
ともに、ポンプの撹拌力によるW10エマルジョンの合
体防止を行っている点にある。
第2図に示す第2の実施例においては、貯槽1を立型に
し、貯槽の設置床面積を低減しており、液面計12によ
る蓄熱、放熱の制御、ポンプの設置位置は、前記第1の
実施例と同様である。財槽内のじゃま板11は、立型貯
槽であることを考えて水平方向に設けられ、混合熱媒体
の流れを全体として上下方向となるようにしである。第
2図においては、冷却ポンプ21の吸込側配管および加
熱ポンプ31の吐出側配管は、いずれも貯槽lの底部に
接続されているが、スラリー液の母液と同化粒子の比重
差が大きい場合は、粒子の沈降、」ユ昇を考慮して接続
位置を定める必要がある。
第3図に示す実施例は、小蓄熱容量形の深夜電力を用い
る圧縮式ヒートポンプ利用冷熱蓄熱冷房の例である。圧
縮式ヒートポンプ6と混合熱媒体の貯槽1とがビルの屋
上に設置され、蓄熱は深夜電力を用いて圧縮式ヒートポ
ンプ6で、槽内のW10エマルジョン液を冷却し、分散
している液滴を固化粒子化して、スラリー化することに
よって行う。冷房時は、スラリー液をスラリー送出管3
2で各階の放熱器34へ送って冷房し、冷熱を放出して
粒子が液化したW10エマルジョン液を。
加熱ポンプ31により貯槽1へ戻す。蓄熱量に基づく蓄
熱、放熱の制御は、液面計12が発する信号に基づいて
、圧縮式ヒートポンプおよび加熱ポンプ31を起動停止
して行われる。本実施例の特徴は、小蓄熱容量形の場合
を考慮して、冷却器と貯槽を一体構造とした冷却管24
内装型貯槽にある。冷房運転は、必要に応じて圧縮式ピ
ー1−ポンプ6を起動した蓄熱運転と同時に行うのも有
効である。温熱蓄熱暖房操作も、前記第1の実施例と同
様に行うことができる。
第4図は、本発明の特徴のひとつとして、流動性のある
氷スラリーが生成されることを利用し、液化天然ガス(
LNG)の冷熱回収に本発明を適用した第4の実施例を
示す。L N Gタンク7に弁−を介して気化器71が
設けられ、タンク7中のLNGは、気化器71で熱を吸
収して気化し、気体の天然ガスNG72となって利用先
に供給される。気化器71は、L N Gを低温側、混
合熱媒体(エマルジョン熱媒体)を高温側とする混合熱
媒体から見た放熱手段をなしている。前記気化器71に
ポンプ21を備えたエマルジョン送出管22およびスラ
リー戻り管25で接続された貯槽1が設けられ、該貯槽
1は、さらにスラリー送出管32およびポンプ31を備
えたエマルジョン戻り管35を介して、吸熱手段である
地域冷房負荷34に接続されている。ポンプ21で気化
器71へ送出されたエマルジョン熱媒体は、LNGに熱
を奪われて冷却され、エマルジョン中に分散した液滴が
固化して、流動性のあるスラリー液となって貯槽1へ戻
される。貯槽1はエマルジョン貯蔵手段とスラリー貯蔵
手段とが同一容器に形成されて、混合熱媒体貯蔵手段を
なしている。貯槽1にためられたスラリー液は、建物の
冷房等の地域冷房負荷34に、スラリー送出管32を経
て送られ、吸熱してエマルジョン化した後、貯槽1へ還
流する。これまでLNGから冷熱を回収するとき、水を
用いたため、気化器の伝熱管周囲に着氷し、伝熱性能が
低下すると同時に氷に流動性がないため、冷熱輸送は熱
輸送密度の低い冷水輸送であったが。
本実施例によれば、熱媒体が混合熱媒体であるので気化
器伝熱管への着氷がなく、冷熱を相変化を利用しかつ流
動性のあるスラリー液により、高熱輸送密度で輸送でき
る。
第5図は、熱輸送および熱交換を高性能化した、コンピ
ュータの局部冷却に本発明を適用した第5の実施例を示
す。半導体の集積度が増すにつれ、半導体チップ当りの
発熱量が増大し、その局所冷却が重要となっている。コ
ンピュータ内部は小型化のため部品が密集しており、冷
却媒体の通路になる空間が狭い。従って、小量の冷却媒
体を送つて大きい冷却効果を得る必要がある。さらに構
造上、被冷却体(半導体チップ)の近くに、冷却冷媒か
らみての吸熱部を設置できないことが多い。
本発明の熱変換輸送方法によれば、熱媒体の熱輸送密度
が大きいので、小さい冷媒流量で大きな冷却効果かえら
れ、かつ該熱媒体(スラリー液)の流動性がよいので、
吸熱部を分離、小型化しやすい。本実施例は、放熱手段
である冷却器2と、該冷却器2を冷却する圧縮式ヒート
ポンプ6と、ヒートポンプ6の熱放出部61と、吸熱手
段である半導体チップ冷却部81と、冷却器2の出口と
半導体チップ冷却器81人口とを接続するスラリー送出
管32と、半導体チップ冷却器81出口と冷却器2の入
口とを接続するエマルジョン戻り管35と、エマルジョ
ン戻り管35に備えられたポンプ31とを含んでいる。
冷却器2、スラリー送出管32.半導体チップ冷却部8
1.エマルジョン戻り管35およびポンプ31からなる
閉回路には、混合熱媒体が封入されており、冷却器2で
冷却された混合熱媒体は、スラリー液となってスラリー
送出管32を経て、半導体チップ冷却部81へ流入する
。スラリー液は、半導体チップ冷却部81で半導体チッ
プから発生する大量の熱を効率良く吸収し、スラリー中
の固化粒子が溶解して液滴となり、エマルジョンに変わ
る。このエマルジョン熱媒体は、ポンプ31によって冷
却器2へ還流し、この冷却器2はヒートポンプ6で冷却
されるので、エマルジョン熱媒体はまたスラリー液とな
って上記循環を繰り返す。上述の混合熱媒体の循環によ
り、半導体チップで発生した熱は、小量の高熱輸送密度
のスラリー液で冷却除去され、W10エマルジョンにな
って熱輸送され、コンピュータ外部の圧縮式ヒートポン
プ6の熱放出部61から系外へ放出される6本実施例は
、コンピュータを対象にしたものであるが、局所冷却が
必要な他の分野1例えばバイオケミカル分野等への適用
も可能であり、さらに逆に局所加熱も可能である。
第6図は、前記第3の実施例と同様、熱輸送を主目的に
、地域冷暖房装置のビル内熱輸送に、本発明を適用した
第6の実施例を示す。
前記第3の実施例においては、混合熱媒体の冷却に圧縮
式ヒートポンプを用いたが、本実施例においては、エネ
ルギー供給プラント100より供給される冷熱(または
温熱)を、各建物に;i2置さ・れて冷却器2(または
加熱器3)で、W10エマルジョン液(またはスラリー
液)で濃縮(高密度化)して回収し、各階の放熱器34
で放出される。
従来は熱媒体として水を用いたため、熱輸送密度が小さ
く、かつ冷熱輸送の場合、温度が5〜7℃のため、大口
径の管で大量の熱媒体(冷水もしくは温水)を送る必要
があり、負荷変動時の対応や急速冷房時の対応に難があ
った。本実施例によれば、熱輸送密度が高くなり、かつ
冷熱輸送の場合。
熱媒体をより低温(0℃)の氷スラリーにできるので配
管径が小さくてすみ、負荷変動時、急速冷房時の対応が
容易である。本実施例では、混合熱媒体のコストが水よ
り高いため、熱媒体を大量に必要とするエネルギー供給
プラント100と各建物間の熱輸送には、混合熱媒体を
用いていないが、総合的な経済性を考慮して、得策であ
れば、この領域にも混合熱媒体を用いることができる。
第7図は、冷熱利用と温熱利用の切り替えを考慮した本
発明の第7の実施例を示す。本発明の装置においては、
原則として、W10エマルジョン液が流れる配管にポン
プを設けるので、冷熱利用と温熱利用の切り替えには、
W相媒体の交換とポンプ設置位置の変更を要する。本実
施例は、貯槽に冷却器を内装した形式を対象としている
が、別体になっているものにも同様に適用可能である。
本実施例と、第3図に示された実施例との相違点は、ま
ず、加熱ポンプ31の系統図上の設置を変えるための三
方弁120が貯槽1と加熱器(兼冷却器)3人口を接続
する管32に設けられ、同じく三方弁121,122が
加熱ポンプ31の出入口配管35に設けられて、三方弁
121を三方弁122と貯槽1の間の管35に接続する
管36と、三方弁120を三方弁122と加熱ポンプ3
1の間の管35に接続する管38と、三方弁122を三
方弁120と加熱器3の間の管32に接続する管37と
が設けられていることである。
管36,37,38および三方弁120,121゜12
2からなる配管が、吸熱手段出口とエマルジョン貯蔵手
段とを接続する配管に設けられたポンプを前記吸熱手段
の入口側配管に設置されているポンプとして動作可能に
する配管である。
さらに、W相液を交換するために、ヒータ97を内装し
た温熱用W相液タンク92と、冷熱用W相液タンク93
と、該タンク93を上流端とし、ポンプ95および三方
弁123を介装した管63と、前記タンク92を上流端
とし、前記三方弁123を下流端とする。ポンプ94を
介装した管64と、前記管63の下流端に接続されたエ
マルジョン製造器91と、ポンプ96を介装した管98
で貯槽1に接続されたエマルジョン分離器90と、該エ
マルジョン分離器90のO相液側とエマルジョン製造器
91を接続する管62と、エマルジョン分離器90のW
相液側と前記タンク92.93を三方弁124を介して
接続する管99とを備えている。
冷熱利用時は、タンク93から冷熱用W相液をポンプ9
5で三方弁123を経て、エマルジョン製造器91へ送
り、ここで、エマルジョン分離器90で分離された0相
液と混合してW10エマルジョン液を形成する。形成さ
れたW10エマルジョン液は貯槽1へ送られ、内装され
た放熱手段24によって冷却されてスラリー液となる。
このスラリー液は、三方弁120を経て加熱器3へ送ら
れ、冷熱を放出するとともに、白身は加熱されてW10
エマルジョン液になる。このW10エマルジョン液はポ
ンプ31により、三方弁121゜122を経て貯槽1へ
還流し、再び放熱手段24で冷却されて循環を繰り返す
温熱利用に切替えるときは、三方弁120〜122が操
作され、貯槽1−三方弁12o−Irf38−ポンプ3
1−三方弁122−管37−加熱器3−三方弁121−
管36−貯槽1なる流路が形成される。また、三方弁1
23,124が操作され、タンク92−ポンプ94−三
方弁123−タンク91なる流路およびエマルジョン分
離器90−三方弁124−タンク93なる流路が形成さ
れる。次いで、貯槽1内のW10エマルジョン液が、ポ
ンプ96によりエマルジョン分離器90へ送られ、O相
液とW相液が分離される。分離されたO相液はエマルジ
ョン製造器91へ送られ、′W相液(冷熱利用用)は三
方弁124を経て、冷熱用W相液タンク93へ送られる
。また、温熱用W相液タンク92からは、温熱用W相液
がポンプ94により、三方弁123を経てエマルジョン
製造器91へ送られ、前記O相液と混合されて、温熱用
W10エマルジョンを形成し、貯槽1に送りこまれる。
温熱用W相液は常温では固化するので、上記操作はタン
ク92内のヒータ97で加熱し、液状態として行われる
。貯槽1においては、前記放熱手段24が、W10エマ
ルジョン液を加熱する加熱手段として機能し、W10エ
マルジョンのスラリー化を防止する。温熱利用(暖房)
は、貯槽1からW10エマルジョン液がポンプ31によ
り、前記のように形成された流路を通って、加熱器3へ
送りこまれ、ここで温熱を放出して暖房を行い、自身は
冷却され、スラリー液となって貯槽1へ還流する。この
スラリー液は放熱手段24によって加熱され、固化され
ていたW相粒子が溶解してW/○エマルジョン液となり
、上記循環を繰り返す。
本実施例の冷熱用熱媒体としては、W相を水(40%)
、0相をバラシイメン系熱媒体(60%)、乳化剤をソ
ルビタンモノオレエート(O相に対し4%)としてW1
0エマルジョン液を作り、0℃で微細液滴(W相)を固
化させて、氷スラリーにして貯槽1に蓄熱し、加熱器3
ヘスラリ−輸送して冷房に用いた。冷房に用いられた氷
スラリーは加熱器3内で解氷し、10℃のW10エマル
ジョン液となって貯槽1へ還流する。このときの熱輸送
密度は、38.4Kcaffi/kgと、冷水輸送(7
℃→13℃で6KcaQ/kg)の6倍以上となった。
また、従来例である氷スラリーの製造方法では、板状氷
片(固体粒子)のため、流動化できる濃度は20%(本
発明の実施例の半分)であり、熱輸送密度も本発明の半
分と少ない。また本発明で生成できるスラリー液に含ま
れる固体粒子は球状で、エマルジョン製造条件を変えて
液滴経を制御することにより、10から100μm位ま
での固体球状粒子が容易に生成できるため、流動性のあ
るスラリー濃度限界は50%に向上できる。
また本発明は、微細な均一粒径の球状固体粒子を含むた
め、パイプ翰送時の比重差による固体粒子と液の分離が
しにくく、固体粒子の比重は液体に比べ0.95〜1.
20程度であれば1分離なしにパイプ輸送が可能である
温熱用には、W層をチオ硫酸ナトリウム(NazS 2
03 ・51−I20)40%、0相にシフに)L/系
熟熱媒体60%し、これに上記乳化剤を加えて、60℃
でエマルジョン化して蓄熱した。エマルジョン状態で、
この混合熱媒体を加熱器31\送り、暖房に用いた。加
熱器3で熱を放出した混合熱媒体は、自身冷却されて4
8℃近傍でW相が固化し。
40℃のスラリー液となって貯槽へ還流する。このとき
の温熱輸送密度は20KcaQ/kgと温水輸送(48
℃→40℃でaKca(M’kg)に比べて2倍以上に
なった。
以上のように、本実施例によれば、冷熱利用、温熱利用
の切り換えを三方弁の切り換え操作のみで容易に行うこ
とができる。
第1〜7の実施例はいずれもW10エマルジョン液を蓄
熱および熱輸送媒体として用いたが、用途により蓄熱の
みに用いた方が良い場合があり、その例を第8の実施例
として第8図に示す。図中、冷却器2はスラリー戻り管
25およびポンプ21を介装したエマルジョン送出管2
2で貯槽1に接続され、この回路内には混合熱媒体が封
入される。
また、貯槽1には放熱手段24が内装され、該放熱手段
24は加熱器3と共に閉回路をなし、該回路にはブライ
ン1000が充填されている。冷却器2でW10エマル
ジョンが冷却されてスラリー液となり、貯槽1に蓄熱さ
れる。貯槽に蓄熱された冷熱は、放熱手段24を介して
ブライン1000に伝達され、該ブラインが利用先の加
熱器3へ熱輸送する。本実施例は、W10エマルジョン
の高蓄熱密度と、伝熱管着氷による伝熱性能低下がない
ことを利用したもので、熱輸送にブライン等を使用して
他の方式の暖冷房と組合わせるのに適している。
〔発明の効果〕
請求項1,2,3,4.5に示す本発明の方法によれば
、混合熱媒体の一方の熱媒体の固相一液相の相変化を利
用し、親油性熱媒体中に分散して球状をなしている非親
油性熱媒体の液滴が固化されるので、固化した粒子も球
状となり、さらに粒子は互に液相の熱媒体で隔てられて
おり、粒子が相互にくっついて流動性を阻害することも
ないので、流動性に富んだスラリー液を得ることが可能
となり、蓄熱熱輸送密度が大きい。請求項6に記載の本
発明によれば、熱貯蔵工程を備えるので、冷熱もしくは
温熱が供給される時間帯と、冷熱もしくは温熱が消費さ
れる時間帯が異っても供給される冷熱もしくは温熱を有
効に利用することが可能となり、深夜電力や各種プラン
トで発生する排熱、冷熱の利用を可能とする効果がある
請求項7に記載の本発明によれば、放熱工程の進行状況
を混合熱媒体の液位によって検知するので、蓄熱状態を
常に把握することが可能となり。
蓄熱不足や過剰放熱等の事態を避ける効果がある。
請求項8に記載の本発明によれば、請求項1の方法が奏
する効果に加え、スラリー液がポンプを損傷することが
ないので、ポンプの寿命を延長する効果がある。
請求項9に記載の本発明によれば、スラリー貯蔵手段と
エマルジョン貯蔵手段とが同一容器に形成されるので装
置が小型化される効果がある。
請求項10に記載の本発明によれば、混合熱媒体貯蔵手
段に、放熱手段もしくは吸熱手段が内装されるので、装
置を小型化し、熱の外部への放散を少なくして、熱を有
効に利用する効果がある。
請求項11に記載の本発明によれば、混合熱媒体貯蔵手
段が、じゃま板によって、曲折した通路を形成するごと
く仕切られるので、スラリー液化した混合熱媒体もしく
はエマルジョン液化した混合熱媒体が、前記通路の一端
から他端に向って、ピストン流れで流れ、エマルジョン
液とスラリー液とが互いに混じり合うことがないので、
効率的な蓄熱が可能となる効果がある。
請求項12に記載の本発明によれば、混合熱媒体貯蔵手
段を、混合熱媒体が、上方から下方へもしくはその逆に
流れるようにするので、貯槽の上下方向の長さを長くし
て、貯槽の容量を大きくすることが可能となり、貯蔵手
段の占有床面積を小さくする効果がある。また、スラリ
ー化した場合、もしくはエマルジョン化した場合の親油
性熱媒体と非親油性熱媒体の比重差がある時に、スラリ
ー液もしくはエマルジョン液を上方としてエマルジョン
液とスラリー液中のW相の混じり合いの防止を可能とす
る効果がある。
請求項13に記載の本発明によれば、ポンプが吸熱手段
出口側に設けられた状態としても、吸熱手段入口側に設
けられた状態としても動作可能なので、混合熱媒体を吸
熱手段において、スラリー化する場合でも、エマルジョ
ン化する場合でもエマルジョン側で混合熱媒体を駆動す
ることが可能となり、ポンプ1個で暖冷房のいずれにも
対応できる効果がある。
請求項14に記載の本発明によれば固化する粒子は固化
しない熱媒体により囲まれているので液化天然ガスの気
化熱を、気化器の伝熱管に着氷を生ずることなく有効に
利用できる効果がある。
請求項15に記載の本発明によれば、混合熱媒体を、親
油性熱媒体と非親油性熱媒体とに分離するエマルジョン
分離手段と、分離された親油性熱媒体と新たな非親油性
熱媒体とを混合してエマルジョン化するエマルジョン化
手段とが設けられたので、エマルジョン中で液滴となる
非親油性熱媒体を交換して、同化温度の異なる混合熱媒
体とし、冷熱貯蔵・輸送と温熱貯蔵・輸送を切りかえる
ことが可能となり、ひとつの装置で簡単に暖冷房切替可
能とする効果がある。
請求項16に記載の本発明によれば、混合熱媒体貯蔵手
段に内装された放熱手段もしくは吸熱手段が、圧縮式ヒ
ートポンプで冷却もしくは加熱されるので、深夜電力を
用いて蓄熱することが可能となり、蓄熱を経済的に行う
効果がある。
請求項17に記載の本発明によれば、深夜電力によって
蓄熱した熱を冷暖房に使用できるので、経済的な冷暖房
を実現する効果がある。
請求項18に記載の本発明によれば、熱輸送密度と流動
性の高い混合熱媒体がコンピュータの局部冷却媒体とし
て用いられるので、冷却装置の小型化が可能となり、コ
ンピュータを小型化すると共に、半導体チップを一定温
度で均一に冷却できるため信頼性が向上する効果がある
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例を示す系統図、第2図は
本発明の第2の実施例を示す系統図、第3図は本発明の
第3の実施例を示す系統図、第4図は本発明の第4の実
施例を示す系統図、第5図は本発明の第5の実施例を示
す系統図、第6図は本発明の第6の実施例を示す系統図
、第7図は本発明の第7の実施例を示す系統図であり、
第8図は本発明の第8の実施例を示す系統図である。 1・・・混合熱媒体貯蔵手段(貯槽)、2・・・放熱手
段(冷却器)、3・・・吸熱手段(加熱器)、4・・・
エマルジョン熱媒体(エマルジョン液)、5・・・スラ
リー状熱媒体(スラリー液)、6・・・圧縮式ヒートポ
ンプ、8・・・コンピュータ、11・・・じゃま板、1
2液面計、21・・・ポンプ(冷却ポンプ)、22・・
・配管(エマルジョン送出管)、24・・・混合熱媒体
J191手段に内装された吸熱手段(冷却管)、25・
・・配管(スラリー戻り管)、31・・・ポンプ(加熱
ポンプ)、32・・・配管(スラリー送出管)、34・
・・冷房用熱交換器(放熱器)、35・・・配管(エマ
ルジョン戻り管)、36,37.38・・・管、41・
・・親油性熱媒体(母液)、42・・・非親油性熱媒体
(液滴)、52・・・非親油性熱媒体(同化粒子)、7
1・・・LNGの気化器、90・・・エマルジョン分薄
手段(エマルジョン分離器)、91・・・エマルジョ第
1図 第2図 第 図 34・・・冷房熱交換器(放熱器) 第 図 第 図 第 36、37.38・・・管

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、親油性熱媒体中にそれより高い凝固温度を有しかつ
    それに難溶性の非親油性熱媒体を液滴として分散させた
    エマルジョンとし、該エマルジョン熱媒体を冷却するこ
    とによつてエマルジョン中の液滴を固化し粒子としてス
    ラリー状熱媒体にする放熱工程と、該スラリー状熱媒体
    を輸送する熱輸送工程と、前記スラリー状熱媒体を加熱
    することによつて前記固化した粒子を液滴化してエマル
    ジョン熱媒体とする吸熱工程とを有することを特徴とす
    る熱変換熱輸送方法。 2、非親油性熱媒体を重量濃度で50%以下に調整した
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱変換熱輸送方法。 3、非親油性熱媒体として、親油性熱媒体より高い比熱
    を有するものを用いたことを特徴とする請求項1に記載
    の熱変換熱輸送方法。 4、非親油性熱媒体として、凝固温度における固化した
    時の密度が、親油性熱媒体の0.95〜1.20のもの
    を用いたことを特徴とする請求項1に記載の熱変換熱輸
    送方法。 5、放熱工程、熱輸送工程及び吸熱工程の少なくとも1
    つ以上を一定温度で操作させることを特徴とする請求項
    1に記載の熱変換熱輸送方法。 6、放熱工程のあとにスラリー状熱媒体貯蔵工程を備え
    ていることを特徴とする請求項1に記載の熱変換熱輸送
    方法。 7、放熱工程の進行状態を貯蔵工程における混合熱媒体
    の液位に基づいて検出することを特徴とする請求項6に
    記載の熱変換熱輸送方法。 8、親油性熱媒体と非親油性熱媒体を混合した混合熱媒
    体を冷却してスラリー状熱媒体にする放熱手段と、該ス
    ラリー状熱媒体を貯蔵するスラリー貯蔵手段と、該スラ
    リー状熱媒体を加熱してエマルジョン熱媒体にする吸熱
    手段と、該エマルジョン熱媒体を貯蔵するエマルジョン
    貯蔵手段と、前記各手段を接続する配管とを備え、前記
    混合熱媒体を送給するポンプが、前記エマルジョン貯蔵
    手段と前記放熱手段入口とを接続する配管及び前記吸熱
    手段出口と前記エマルジョン貯蔵手段とを接続する配管
    に設置されていることを特徴とする熱変換熱輸送装置。 9、スラリー貯蔵手段とエマルジョン貯蔵手段とが、混
    合熱媒体貯蔵手段として同一容器に形成されていること
    を特徴とする請求項8に記載の熱変換熱輸送装置。 10、吸熱手段または放熱手段が混合熱媒体貯蔵手段に
    内装されていることを特徴とする請求項9に記載の熱変
    換熱輸送装置。 11、容器に千鳥型にじやま板が設けられていることを
    特徴とする請求項9に記載の熱変換熱輸送装置。 12、じやま板が水平方向に設けられていることと、エ
    マルジョン熱媒体を容器に出し入れする配管が該容器の
    下部に接続されていることと、スラリー状熱媒体を容器
    に出し入れする配管が該容器の上部に接続されているこ
    とと、を特徴とする請求項9に記載の熱変換熱輸送装置
    。 13、吸熱手段出口とエマルジョン貯蔵手段とを接続す
    る配管に設置されているポンプが、前記吸熱手段の入口
    側配管に設置されているポンプとして動作可能な配管を
    備えていることを特徴とする請求項8または9に記載の
    熱変換熱輸送装置。 14、放熱手段が液化天然ガスの気化器であることを特
    徴とする請求項8または9に記載の熱変換熱輸送装置。 15、混合熱媒体を親油性熱媒体と非親油性熱媒体とに
    分離するエマルジョン分離手段と、分離された親油性熱
    媒体と新たな非親油性熱媒体とを混合してエマルジョン
    化するエマルジョン化手段とを備えていることを特徴と
    する請求項8、10に記載の熱変換熱輸送装置。 16、混合熱媒体貯蔵手段に内装されている放熱手段ま
    たは吸熱手段が、圧縮式ヒートポンプで冷却もしくは加
    熱されることを特徴とする請求項8、10に記載の熱変
    換熱輸送装置。 17、吸熱手段が、建物内に配置された冷房用熱交換器
    であることを特徴とする請求項8、10に記載の熱変換
    熱輸送装置。 18、吸熱手段がコンピュータを冷却する装置であるこ
    とを特徴とする請求項8、10に記載の熱変換熱輸送装
    置。
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