JPH02127565A - ステンレス織布の加工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はステンレス織布の周囲をシーム溶着加工する方
法に関し、特にステンレスと溶着し得る耐食性の優れた
金属粉末を加工部分に補給して、シーム溶着加工する方
法に関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕ステン
レス織布は耐食性及び導電性に優れているとともにステ
ンレスメツシュと比べて表面積が大きいため、電池の電
極基板、フィルター、各種機械部品等に適している。こ
のような用途に用いる場合ある程度の平面剛性ば必要で
あり、例えばポリマー二次電池等の電極基板として用い
る場合自重によって屈曲しない程度の剛性が必要とされ
る。

そこで、ステンレス織布の一部分あるいは全面に焼き入
れを施したり、酸化処理を施したりすることにより、剛
性の向上が計られている。しかし上記処理を行うと、ス
テンレスの自由エネルギーが減少し、織布が不活性化し
て導電性が低下したり、微小溶融が生じて表面積が減少
したりする。

また、剛性を向上するためにステンレスの帯等で織布の
周囲に枠をし、溶接することも行われているが、織布の
重量が増大するという問題や、作業工程が増加するとい
う問題がある。

従って本発明の目的は、耐食性及び導電性に優れ、かつ
表面積が大きいというステンレス織布としての特性を劣
化させず、織布の重量の大幅な増大を伴わずに、簡単な
作業工程で必要な剛性をステンレス織布に付与する加工
方法を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等はステンレ
ス織布の周囲にステンレス等の金属粉末をすり込んだ上
で、シーム溶着加工することにより、電極基板、フィル
ター、各種機械部品等として必要な剛性を有するととも
に、ステンレス織布としての特性の劣化がなく重量の増
大がほとんどないステンレス織布を得ることができるこ
とを発見ｉ１、本発明を完成した。

すなわち、本発明のステンレス織布の加工方法は、ステ
ンレス織布の周囲にステンレスと溶着し得る耐食性の金
属粉末をすり込んだ後、シーム溶着することを特徴とす
る。

本発明を以下詳細に説明する。

本発明の方法に使用するステンレス織布は、８〜１２μ
ｍのステンレスの細繊維を多数（約１万本）撚り合わせ
た糸を織ったものである。このようなステンレス織布は
一般に同じ大きさのステンレスメツシュ（２０〜５００
　　μｍ程度のモノフィラメントからなる）より著しく
大きな表面積を有するので、ポリマー二次電池用電極基
板等に用いる場合、ポリマーとの付着性が良好である。

本発明の方法において、ステンレス織布にすり込む金属
粉末として、ステンレスと溶着し得る耐食性の優れた金
属の粉末を用いる必要があるが、具体的にはステンレス
粉末、ニッケル粉末、クロム粉末を１種又は２種以上使
用する。このような粉末の粒径は２〜１００　μｍ程度
であればよい。

次に本発明の加工方法について説明する。

まず、ステンレス織布を必要な大きさに裁断し、その周
囲の加工部分に上記金属粉末をすりこむ。

加工部分の大きさ及びすりこむ金属粉末の量は、織布中
のステンレスの割合やシーム溶着の幅、厚さ等により異
なるが、通常、織布の目付量（ｇ／ｃｒｌ　）の１〜１
０倍程度の金属粉末をすりこむのが好ましい。加工部分
の幅が狭いとシーム溶着の強度が不足し、加工部分が広
すぎると織布としての特性が劣化し好ましくない。

次に電子ビーム、レーザビーム、アーク等によりシーム
溶着加工を行う。電子ビームを照射する場合は真空雲囲
気中で行うのが好ましい。レーザとしては出力の大きい
ＹＡＧレーザやＣＯ２レーザを用い、１００〜１５，０
００　Ｗ　　照射するのが好ましい。

電子ビーム、レーザビーム、アーク等のエネルギーによ
り、ステンレス織布にすりこまれた金属粉末とステンレ
スの撚糸とが融着し、シーム溶着される。このとき、補
給された金属粉末により穴あきやシーム途切れ等が防止
され、十分な強度を有するシーム部分を形成することが
できる。

なお、電子ビーム、レーザビーム等のフォーカス径をシ
ーム幅とすることにより、１回の走査で溶着を行うこと
ができるが、それより狭いフォーカス径として、複数回
走査することによりシーム溶着を行うこともできる。

シーム溶着終了後、織布に残った余分な金属粉末を除去
する。

〔実施例〕

本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。

実施例１ １２μｍのステンレス繊維を約１万本撚り合わせた糸を
あや織にしたステンレス織布を１２５　ｍｍＸ　１４５
　ｍｍの大きさに裁断した。

得られたステンレス織布片の周囲の幅５ｍｍに、粒径＃
２００のステンレス粉末を０．５ｇ／ｃａ！の鷹で均一
にすり込んだ。第１図はその状態を概略的に示すステン
レス織布の加工部分付近の拡大断面図であり、ステンレ
スの撚糸１の縦糸及び横糸からなるステンレス織布にス
テンレス粉末２が付着している。

次に、レーザ照射によりステンレス織布片の周囲を溶着
し、織布片に残留しているステンレスの粉末を除去した
。

得られた織布のシーム溶着加工の幅は５ｍｍであった。

さらに、溶着の強度を確認するために、溶着加工された
ステンレス織布の断面を観察したところ、第２図に示す
ように、シーム部分４はステンレス粉末の補給により十
分な肉厚で溶着されており、穴あきやシーム途切れ等が
なかった。またシーム部分４はステンレス織布よりも薄
くなっているが、ステンレス粉末が補給されているので
十分な強度を有する。また未加工部分５はステンレスの
特性（耐食性、導電性等）の劣化がなく、ステンレス撚
糸３よりなる織布の構造にも変化がなかった。このよう
にして得られたステンレス織布は下端を固定した状態で
直立させたとき、自重で屈曲しない剛性を有していた。

比較例１ ステンレス粉末を補給しない以外は実施例１と同様の条
件で、ステンレス織布にシーム溶着加工を施し、シーム
溶着部付近の断面を、実施例１と同様にして観察した。

このようにして加工したステンレス織布は自己支持性が
なく、下端を固定した状態で放置すると、大きく屈曲し
た。

〔発明の効果〕

以上に詳述した通り、本発明においては、ステンレス等
の金属粉末をステンレス織布の加工部分にすり込んだ上
で、シーム溶着加工を行うので、厚みが均一で穴あきや
シーム途切れ等のない良好なシーム部が得られ、十分な
溶着の強度が得られる。その結果、加工部分以外には構
造の変化や、特性の劣化を全くおこさずに、必要な強度
及び剛性を有するステンレス織布を簡単な工程で得るこ
とができる。

このようなステンレス織布は表面積が大きく、導電性及
び耐食性に優れているとともに、十分な強度、剛性を保
持するので、電池の電極基板、フィルター、各種機械部
品等の種々の用途に使用するのに好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によりステンレス織布の加工
部分にステンレス粉末をすりこんだ状態を概略的に示す
拡大断面図であり、 第２図は本発明の一実施例によるステンレス織布のシー
ム溶着部分付近の構造を示す拡大断面図である。 １．３・・・ステンレスの撚糸 ２・・・・・ステンレス粉末 ４・・・・・シーム部分 ５・・・・・未加工部分

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）ステンレス織布の周囲にステンレスと溶着し得る
   耐食性金属の粉末をすり込んだ後、シーム溶着すること
   を特徴とするステンレス織布の加工方法。
2. （２）請求項１に記載のステンレス織布の加工方法にお
   いて、前記耐食性金属の粉末がステンレス粉末、ニッケ
   ル粉末及びクロム粉末の１種又は２種以上からなること
   を特徴とする方法。
3. （３）請求項１乃至２のいずれかに記載のステンレス織
   布の加工方法において、前記シーム溶着をレーザ又は電
   子ビームの照射又はアークにより行うことを特徴とする
   方法。