JPH0212279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はエンジンに関するもので、詳しくは、
シリンダの構造に関するものである。

〔従来技術〕

特に４サイクルエンジンでは、エンジンの高さ
方向のコンパクト化を図るために、シリンダを構
成するスリーブを、クランクケース側へずらして
レイアウトさせる場合がある。このようなエンジ
ンでは、スリーブをそのまま下方へずらした場合
には、第１図からも明らかなように、スリーブ１
の下端１ａがクランクホイール２に当つてしまう
ため、スリーブの下端１ａを削除している。した
がつて、このようなエンジンでは、ピストン３の
下死点で、該ピストンが、スリーブ１の下端１ａ
からはみだしてしまい、ピストン３の首振り運動
を有効に防止できない。その結果、このようなエ
ンジンは、打音を発生し易い。

一方、エンジンには、シリンダ壁とピストンと
の打音および局所的な摩耗等を減少させる目的
で、第１図に示したように、ピストンピン４の中
心Ａをシリンダ（スリーブ１）の中心Ｂより適宜
距離ｌ（1.5〜３mm）オフセツトさせた所謂オフセ
ツトピストンがある。

しかしながら、このようなオフセツトピストン
も、上記したエンジンでは、必ずしも十分な効果
が得られない。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記問題点に鑑みて、より騒
音の少ないエンジンを提供することにある。

〔考案の構成〕

即ち、本考案では、オフセツトピストンを採用
するとともに、スリーブの側圧を受ける側の下端
が、クランクホイール間に位置するのを利用し、
そのスリーブ下端を、下死点におけるピストンの
下端より下方に延設し、もつてピストンの首振り
運動を抑えることによつて上記目的を達成してい
る。

〔実施例〕

以下図面に示した実施例を参照しながら本考案
を説明する。第２図、第３図は本考案に係るエン
ジンの要部を示したものである。

このエンジンは、ピストン１３の下死点で、ピ
ストン１３がスリーブ１１の下端１１ａからはみ
出すように構成されている。そして、このエンジ
ンでは、ピストンピン１４の中心Ａが、シリンダ
（スリーブ１１）の中心Ｂに対して適宜距離ｌ
（1.5〜３mm）だけオフセツトされており、かつス
リーブ１１の側圧を受ける側、即ち第２図におけ
る左右側のうち、オフセツトさせた側のスリーブ
下端１１ａを下方に延設し、そこに第３図に示し
たような延設部１１ｂを形成している。この延設
部１１ｂの下端１１ｃと他のスリーブ下端との距
離Ｌは、ピストン１３が下死点に達した際に、ビ
ストン１３の下端１３ａが延設部１１ｂからはみ
出さない程度に設定されている。

したがつて、このようなエンジンでは、爆発
後、ピストン１３は、第２図に示したように、ス
リーブ１１の左側面を摺動しながら降下する。そ
の際、ピストン１３の右側下端１３ａは、モーメ
ント力を受けてスリーブ１１の右側面に沿つて降
下し、下死点までスリーブ１１の延設部１１ｂに
よつて案内される。

なお、ピストン１３が下死点から上昇する際に
は、ピストン１３は第２図におけるスリーブ１１
の右側面を摺動する。

〔考案の効果〕

上記したように、本考案に係るエンジンでは、
ピストンが下死点に至つても、スリーブの延設部
によつて案内されているので、ピストンの首振り
を可及的に小さく抑えることができ、したがつて
打音の減少に著効を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエンジンの要部を概念的に示し
た断面図、第２図は本考案に係るエンジンの要部
を概念的に示した断面図、第３図はそのスリーブ
の形状を示した側面図である。 １１……スリーブ、１１ａ……下端、１１ｂ…
…延設部、１３……ピストン、１３ａ……下端、
１４……ピストンピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下死点でピストンがスリーブ下端からはみ出す
   ように構成されたエンジンにおいて、上記ピスト
   ンのピストンピン中心をシリンダ中心に対してオ
   フセツトさせるとともに、上記スリーブの側圧を
   受ける側の下端のうち、少なくともオフセツトさ
   せた側を、下死点に占位するピストンの下端より
   下方に延設させたことを特徴とするエンジン。