JPH0211783B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電磁的に作用するリニアモータによ
り、スライドバルブを摺動させてインレツトポー
トとアウトレツトポートとの間を連通する連通穴
の有効開口量を制御して、流体の連通流量を制御
するもので、特に電流に比例して制御する電動式
流量制御バルブ装置に関するものである。

一般に、この種の電動式流量制御バルブ装置
は、中空鉄心と、該鉄心上に摺動可能に配設され
たスライドバルブと、該スライドバルブ上に形成
されるボビンに巻かれた電磁コイルの巻線に対し
直角に磁束が通るように配列された永久磁石と、
該永久磁石の磁気回路を前記鉄心とともに形成す
る磁性体のヨーク或いはボデイとにより可動コイ
ル型リニアモータを構成し、更に前記中空鉄心上
に形成された連通穴の有効開口量を制御する前記
スライドバルブを連通穴を全開とする方向に付勢
するスプリングとを備えている。

しかしながら、この様な従来の電動式流量制御
バルブ装置を、エンジンのアイドリング回転を制
御するためにスロツトルバルブの吸気系をバイパ
スした吸気通路中に配設した場合、アイドリング
中にバルブ装置の電気回路部に断線が生じるとリ
ニアモータを作動させる電流が断たれて、スライ
ドバルブがスプリングにて全開状態に保持される
こととなる。このために、大量の大気が供給され
て、アイドリング状態にそぐれない程にエンジン
回転数が急上昇するという欠点がある。

そこで本発明は前述の欠点を解消することを目
的とするもので、その基本的な構成は、スライド
バルブ上に弁孔を形成し、この弁孔により、前記
中空鉄心上に形成される連通穴の有効開口量を制
御して、電磁コイルへの通電停止時に初期流量を
有し、通電後電流の増加と伴に一旦増加し、その
後減少するような連通流量の特性をもつ電動式流
量制御バルブ装置とすることにある。

以下、本発明の一実施例について、添付図面に
従つて説明する。図示される電動式流量制御バル
ブ装置１０に於て、スロツトルバルブ（図示略）
の吸気系をバイパスした吸気通路を形成するイン
レツトポート１１とアウトレツトポート１２を有
するボデイ１３の図示右方端にはカバー１４が気
密的かつ一体的に結合されている。ボデイ１３内
の軸上には磁性体からなる中空鉄心１５が配設さ
れる。該鉄心１５上には非導電性の部材からなる
スプリングホルダー１６との間に配設されたスプ
リング１７，１８にて左方に付勢される非導電性
の部材からなるボビンホルダー２５を固着される
非磁性体の部材からなるスライドバルブ１９が摺
動可能に配設されている。該スライドバルブ１９
には電磁コイル２０が巻かれ、該電磁コイル２０
の巻線方向に対し直角に磁束が通るように一対の
永久磁石２１，２２が配設される。磁性体からな
るヨーク２３は永久磁石２１，２２の発生する磁
束の磁気回路を前記鉄心１５と共に形成し、それ
により可動コイル型リニアモータを構成してい
る。

中空鉄心１５上には、その内部の中空部１５ａ
とその外部空間１５ｂとを連通する複数の長穴形
状の連通穴２４が形成される。該連通穴２４の開
口部をスライドバルブ１９とこれに固着されたボ
ビンホルダー２５とに一体的に形成された弁孔１
９ａが摺動可能となつている。この弁孔１９ａ
は、連通穴２４より軸方向に短い長穴形状をして
おり電磁コイル２０への通電を停止した場合にス
プリング１７，１８にてスライドバルブ１９の保
持される位置において、連通穴２４の開口右端よ
り左方にその開口右端を、そして前記連通穴２４
の開口左端より左方にその開口左端を有する。
尚、弁孔１９ａと連通穴２４の軸方向の長さが同
一の形状でも良い。

ここで、鉄心１５の中空部１５ａはその左方開
口端１５ｃを介してアウトレツトポート１２に連
通し、一方外部の空間部１５ｂはインレツトポー
ト１１に連通し、更にインレツトポート１１は大
気源（図示せず）にアウトレツトポート１２は負
圧源（図示せず）に連通するものである。電磁コ
イル２０の両端はそれぞれボビンホルダー２５に
装着されたスプリング１７，１８に電気的接続さ
れる。このスプリング１７，１８はそれぞれバル
ブ駆動回路（図示せず）出力を電磁コイル２０に
印加する一対のリード線３０と電気的に接続され
る。

従つて、電磁コイル２０に印加される電流値に
応答してスライドバルブ１９が作動変位し連通穴
２４の有効開口量をスライドバルブ１９に形成し
た弁孔１９ａにより制御することとし、その結果
両ポート１１，１２間の連通が、つまり負圧源に
流入する大気流量が制御される。

本バルブ装置１０は、前述のように構成される
ことにより、非通電時にはあらかじめもたせた有
効開口量に応じた初期流量が供給される。通電状
態となつて電流が増加するに応じてスライドバル
ブ１９が右方に変位して弁孔１９ａにて制御され
る連通穴２４との間の有効開口量が増加し、流量
は初期流量から比例的に増加する。更に、電流が
増加すると弁孔１９ａと連通穴２４の両左端が重
なり合つて両孔１９ａ，２４の右端が重なり合う
まで有効開口量が全開となり、略一定の最大流量
が流れる。電流が更に増加すると弁孔１９ａにて
制御される連通穴２４との間の有効開口量が減少
し、流量が最大値から比例的に減少することとな
る。

従つて、本バルブ装置は従来のものとは異なり
非通電時連通穴は全開とはならないので、アイド
リング時に電磁コイルへの電流が断線により断た
れてもエンジン回転数が急上昇することを防止で
きる。これとともに、エンジン停止後にマイナス
20〜30℃の雰囲気中に放置されてスライドバルブ
の摺動面が氷結にて固着しても、必要な適量のエ
ア供給が可能であるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本発明装置の一実施例の縦断面を示す。 １０：電動式流量制御バルブ装置、１１：イン
レツトポート、１２：アウトレツトポート、１
３：ボデイ、１５：中空鉄心、１７，１８：スプ
リング、１９：スライドバルブ、１９ａ：弁孔、
２０：電磁コイル、２１，２２：永久磁石、２
３：ヨーク、２４：連通穴、２５：ボビンホルダ
ー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ インレツトポートとアウトレツトポートを有
   するボデイと、該ボデイの軸上に配設される中空
   鉄心と、該中空鉄心の外周上に摺動可能に配設さ
   れ円筒形状であるスライドバルブと、該スライド
   バルブ上に巻かれた電磁コイルの巻線に対し直角
   に磁束が通るように配列された永久磁石と、該永
   久磁石の発生する磁束の磁気回路を形成する磁性
   体部材と、前記電磁コイルに電流を供給し前記ス
   ライドバルブを付勢するスプリングとを有する電
   動式流量制御バルブ装置において、 前記中空鉄心上に形成される連通穴と前記スラ
   イドバルブ上に形成される弁孔とが前記コイルへ
   の通電停止時に初期開口量を有し、 前記コイルへの通電後には、通電電流の増加と
   共に、前記連通穴の有効開口量が一旦増加した後
   減少する電動式流量制御バルブ装置。