JPH0211228B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は食品の加工方法及びその装置に関し、
特に、アイスクリーム等の食品塊を個々の所望の
形状に分別する方法及び装置に関する。

従来の技術 周知のこの種の加工装置においては、開閉可能
なダイアフラム又は絞りにて構成する往復運動可
能な切断部材を有しており、この切断部材は食品
材料が適当な食品の供給源又はリザーバから圧
送、供給する供給管の出口又はそれに隣接した位
置に設けられ、塊の状態で供給される食品を所望
の量、所望形状に分別する。特に、この種の装置
は、オートメーシヨン化したミートボールの製造
に使用されている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、この種の従来の装置には、場合
によつては、所望する特定の形状の個別の分別体
を容易に分別することができないという欠点があ
る。例えば、絞りに供給される食品材料が圧縮性
であつたり、絞りに供給される食品塊の供給が、
一定の圧力で実質上連続的に行なわれている場合
に、絞りが十分に開いた位置と閉じた位置との間
を実質上一定の速さで往復運動するとすれば、一
般に、球形の分別体を得ることはできないものと
なる。ミートボールの製造においては、ミートペ
ーストは圧縮性がなく、標準的な供給システムで
はミートペーストが律動的に送られ、従つて、実
質的に球形の断片を製造するような方法で材料の
供給量を増加したり減少したりするように、圧力
に同調して絞りを開いたり閉じたりできるので、
上記の問題は起こらない。しかしながら、アイス
クリームの製造においては、例えば、アイスクリ
ームは実質的に一定の圧力で圧送、供給されてお
り、このアイスクリームは、圧縮性を有してい
る。この場合、上述した従来の装置では、開いた
状態のドウエル時間が閉じた状態のドウエル時間
に比例して増加するように、運転周期中絞りの速
さを適当に調節することによつてのみ、実質的に
球形の断片を製造することができる。しかし、従
来の装置では、絞りをそのドウエル時間を所望の
割合で調節するように絞り、運転装置を機械的に
動作させるのは困難なことがあり、さらにこの方
法では、この装置にアイスクリームの供給流速を
変えて、所望の形状の分別体を製造できるような
柔軟性を与えることは困難である。

問題点を解決するための手段 従つて、本発発明の目的は、所望形状の分別体
を容易に製造することのできる食品加工装置を提
供することにある。本発明に係る食品加工装置
は、出口ダクト中を通過する食品塊を個々の分別
体に形成するために前記出口ダクト中又は前記出
口ダクトに隣接して設けられた開閉位置間を往復
運動可能な絞りから成る分別手段と、前記出口ダ
クトに連通して食品塊を供給する供給管と、前記
供給管に連通するとともに、前記分別手段の駆動
機構に接続されて前記出口ダクト中を通過する食
品塊の流速が前記分別手段の動作に同期して変化
するように、前記供給管内の圧力を変化させる圧
力可変装置とから構成される。

本発明による装置は、従来にはある運転状態の
下では得られなかつたような形状でも、所望する
形状の個々の分別体を提供することが可能であ
る。例えば、上述したように、実質的に球形のア
イスクリームを製造したい場合には、絞りが十分
に開いている状態か又はそれに近い状態にあると
きには、出口ダクトに隣接した供給管付近の圧力
が相対的に増加し、逆に絞りが十分に収縮した状
態か又はそれに近い状態にあるときには圧力が減
少するように、圧力可変装置を開閉可能な絞りか
ら成る分別手段に同調させることができる。これ
によつて、絞りを通つて圧送される食品の量を絞
りの動作に対応して変化させることができ、圧力
を適当に調節できる圧力可変装置を用いて、実質
的に球形の分別体を形成することが可能となる。

さらに、本発明による装置は、他の形状の分別
体を得ることもできる。例えば、分別手段が十分
に閉じた状態に近づくときに圧力が相対的に増加
するように圧力可変装置を操作すると、一般に円
錐形の分別体が作られる。他の操作方法も予想で
きる。

本発明による食品加工装置の圧力可変装置は、
分別手段の操作に同調して、供給管内に所要の圧
力変化を生起することのできる適当な手段から構
成できる。このように、例えば該圧力可変装置
は、可撓性ダイアフラムにて構成することができ
る。ダイアフラムは内方へ変位させて供給管内部
の圧力を相対的に増加し、ダイアフラムを緩めて
圧力を減少させることが可能である。しかしなが
ら、本実施例においては、圧力可変装置は内部に
往復運動するピストンを据え付け、供給管と連絡
しているシリンダーから成る。該ピストンの運動
は、出口ダクトに隣接した供給管の内部に所望の
圧力変化をもたらすために有効である。実施例の
装置は、特に実質的に球状のアイスクリームを分
別、形成するのに都合がよく、該供給管は製造し
た分別体が重力の影響で落下するように下方に向
いた出口ダクトを含み、該圧力可変装置は反対
側、即ち出口ダクトより配置される。該ピストン
は、その下降動作によつて食品を供給管の出口方
向に押出すように配置されている。

本実施例においては、圧力可変装置のピストン
は、ばねによつて供給管から離れた方向に偏向し
ており、圧搾空気によつて作動する。該圧搾空気
はピストンの供給管より遠い側に供給され、ばね
圧に抗して作用して、ピストンを供給管側に押圧
する。

ピストンが分別手段の操作に同調する制御手段
は、都合のよい形式を選択することができる。例
えば、これらの制御手段は、空気圧制御回路およ
び（又は）電子制御回路にて構成することができ
る。該ピストンが圧搾空気によつて作動するとい
う実施例では、圧搾空気供給電源のスイツチは、
分別手段の運転装置に機械的に連結されている。
該分別手段が開閉可能な絞りであるような実施例
においては、該運転装置は、回転部材にて構成
し、その回転が絞りの開いた状態と狭い状態との
間の往復運動を引き起こすように回転部材をリン
クによつて絞りの作動アームに連結する。該回転
部材には、該部材の回転の所定区間において圧搾
空気スイツチと噛合するように配置したカムが設
けられる。

また、他の実施例では、圧搾空気スイツチはピ
ストンの圧搾空気供給電源に直接接続されてお
り、この場合、所望のピストンと絞りの動作との
同調は、回転部材のカムの位置を適切に定めるこ
とによつて達成できる。あるいは、空気圧回路の
接離によつて該ピストンに供給された圧搾空気の
推力のタイミングと持続時間を制御することも可
能となる。

実施例 以下に、本発明の実施例を、添附図面に関し
て、実例のみを用いて説明する。

第１図は本発明による装置の概略を示す部分斜
視図、第２図は第１図で示した装置の一部分の分
解斜視図である。第３ａ図及び第３ｂ図は第１図
及び第２図で示した作動サイクルを概略的に示し
ており、第４図は第１図乃至第３図に示した装置
の変形例において使用するのに適した空気圧回路
を示している。

まず、第１図に示すように、個別に分別された
アイスクリームを製造する装置は、図示しない適
当な供給源から吐出された塊状のアイスクリーム
は供給管１を通つて供給される。供給管１はその
端部に下向きの出口ダクト２を有しており、分別
されたアイスクリームはその自重によつてこの出
口ダクト２を通つて重力によつて落下し、例え
ば、分別された個別のアイスクリームを輸送する
ためにコンベヤーによつて離れた包装場所に搬送
される。

第２図に示すように、出口ダクト２の内部に
は、カメラの多羽根シヤツターと同様に動作する
開閉可能なダイアフラム又は絞り３の形式の分別
手段が設けられている。このように、絞り３は、
回転リング４に連結している。回転リング４は、
上部と下部の取り付け円板６と７の間にクランプ
で留めたプラスチツクスペーサ円板５に回転可能
に取り付けられている。上記のように構成した分
別手段は出口ダクトに固定されたキヤリングプレ
ート８にボルト止めされている。絞り３は、既知
の方法で円板４と連動されており、円板４の揺動
に応じて開閉させるように構成した複数の羽根９
を有している。各羽根９には、円板６の下面に作
られた図示しない溝及び該リング４の上面の穴１
１に嵌合する上向き及び下向きに突出したピン１
０を設けられている。

第１図に示されるように、絞りの運転装置は、
リング４に固定され、リング４から外側に放射状
に突出したアーム１４にコンロツド１３によつて
接続された回転台から成つている。コンロツド１
３は、ピンと溝の係合１５によつて回転台１２に
偏心して固定されており、この係合１５によつ
て、適当な運転手段による回転台１２の回転が絞
りの十分に開いた状態と狭い状態の間の往復運動
を引き起こす。開閉の程度及び例えばそれによつ
て生じるアイスクリームの断片の大きさは、コン
ロツド１３の長さ及び回転台１２の係合１５の放
射状の位置を変えることによつて調節することが
できる。

さらに、第１図に示されるように、本発明によ
る装置は、鉛直方向のシリンダー１７形式の圧力
可変装置１６から成つており、シリンダー１７
は、供給管に連通しており、その中にピストン１
８が設けられている。ピストンを上方に偏向させ
るように、ピストンの真下に偏向用ばね１９が配
置されている。空気圧スイツチ２１を通して、図
示されない圧搾空気源に接続した線２０によつて
供給管１から離れたシリンダーに、圧搾空気を供
給することができる。該シリンダー１７に供給さ
れた圧搾空気は、ばね１９に抗して作用し、ピス
トン１８を下方へ、即ち供給管の方向へ押圧す
る。空気圧スイツチ２１は、作用部材２２を含
み、作用部材２１を押し下げるとスイツチ２１の
内部にあるバルブに作用してこれを開放し、シリ
ンダーに圧搾空気を供給する。第１図に示される
ように、絞りの運転装置の一部を形成する回転台
１２には、回転台が回転する間に、空気圧スイツ
チ作用部材２１と噛み合うようにカム２３が配設
されてくる。このように回転台にカム２３を適当
に置くことによつて、所望する方法で絞りの運転
サイクルとピストンの働きを同調させることがで
きる。

ピストン１８の動きによつて、出口ダクトに隣
接した供給管１の内部の圧力が効果的に変化する
ことが認められる。斯かる圧力変化は、例えば、
アイスクリームが出口ダクトに押しやられる速さ
を変化させる。このように、ピストンが下方に向
かつて変位されている間には、圧力が相対的に増
加し、アイスクリームの出口の流出量は増加す
る。逆に、ピストンが上方に向かつて動いている
ときは、少量のアイスクリームがシリンダーの下
部に入ることができ、圧力が相対的に減少し、そ
れに対応して出口の流出量が減少する。

上述したように、本発明による装置は、実質的
に球形のアイスクリームの断片を形成するのに、
特に好都合であり、第３ａ図及び第３ｂ図は、こ
の場合にピストンが絞りとどのように同調してい
るかを示している。第３ａ図に示される位置は、
絞り３が十分に収縮した直後の状態に対応してい
る。サイクルのこの時点で、空気圧スイツチ２２
は「OFF」の位置にあり、ピストン１８はばね
１９の働きによつて上方に移動する。従つて、第
３ａ図に矢印で示されるように、シリンダーの下
の部分に入つたアイスクリームが幾らか上向きに
流れ、その結果、出口ダクトに隣接したシリンダ
ーの内部の圧力が相対的に減少する。このように
して出口ダクトを通るアイスクリームの流出量は
減少する。

第３ｂ図は、ピストンが上部に近づくときの休
止状態を示し、絞り３が十分に開いた直後の状態
を示している。この状態では、供給管の内部の圧
力は相対的に増加し、これに対応して、出口流出
量が増加する。絞りが十分に開いたとき、又は十
分に開いた直後に、カム２３は圧搾空気をシリン
ダーに供給するような空気圧スイツチの操作部材
と噛み合う。第３ｃ図に示されるように、この作
用により、ピストンは下向きに変位し、供給管の
内部の圧力はさらに増加し、その結果、出口流出
量はさらに増加する。第３ｄ図に示されるよう
に、絞り３が狭くなる状態に戻ると、供給管の内
部の圧力と出口流出量をそれぞれ減少させるよう
に、ピストン１８は再び上方へ動く、この方法で
は、絞りが十分に開いた状態か又はそれに近い状
態にあるときには、相対的に多量のアイスクリー
ムが排出され、絞りが収縮しているときには、相
対的に少量のアイスクリームが排出されるように
して、実質的に球形の断片が製造できることが認
められる。しかしながら、種々の形状が得られる
ような種々の方法でピストンと絞りの運転サイク
ルとを同調させることが可能である。例えば、絞
りが閉じているときにピストンの下り工程が起こ
ると、一般に円錐形の断片が製造される。

また、例えば、供給管に供給されたアイスクリ
ームの流動が、２つの味又は色のアイスクリーム
から成り、一方の色の内側の流れが他方の色の外
側の流れに囲まれていると、製造されるアイスク
リームの断片は、一方の色のアイスクリームによ
つて他方の色のアイスクリームが完全に囲まれ
て、卵のようなアイスクリームが得られる。

第４図は第１図乃至第３図に示される装置の変
形例による空気圧回路を示している。斯かる回路
は、ピストンに供給される空気パルスのパルス幅
と絞りの操作に関するタイミングを変えることが
できる手段を提供する。この変形例によれば、回
転台１２に取り付けたカム２３によつて、カム駆
動スイツチを投入すると、空気信号がフリツプフ
ロツプに送られ、このフリツプフロツプの動作変
化によつて主空気が空気タイマーＡ及びＢに導入
される。例えば、0.4乃至３秒の遅れをタイマー
Ａによつて予めセツトした後、主空気がピストン
に供給された状態に切り換えられる三方バルブＣ
に空気信号を用いる。さらにタイマーＢによつて
予め時間をセツトした後、空気信号がフリツプフ
ロツプの第２入力に供給され、フリツプフロツプ
は、ピストンに空気を供給するのを止めるように
リセツテイングシグナルがバルブＣに適用される
ように置き換えてもよい。このように、タイマー
Ａは、カムによつて作動するスイツチの投入に応
じて、ピストンに供給される空気パルスのタイミ
ングを制御し、同時にタイマーＢはパルスの長さ
を制御することがわかる。特に、本装置を比較的
ゆつくりした速さで作動するときには、第４図の
修正を使用することが好ましいことがわかつた。

発明の効果 以上のように、本発明によれば、圧縮性のアイ
スクリームのようなものでも、実質的に球形の断
片を製造することができ、さらに、分別手段と圧
力可変装置の同調の仕方によつて他の形状の断片
も得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による装置の部分的な斜視図の
概要、第２図は第１図で示した装置の一部分の分
解斜視図である。第３ａ図乃至第３ｄ図は、第１
図及び第２図で示した作動サイクルを概略的に示
しており、第４図は、第１図乃至第３図に示した
装置の修正型と共に使用するのに都合のよい空気
圧回路を図解している。 １：供給管、３：絞り、１３：コンロツド、１
６：圧力可変装置、１８：ピストン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 出口ダクト中を通過する食品塊を個々の分別
   体に形成するために前記出口ダクト中又は前記出
   口ダクトに隣接して設けられた開閉位置間を往復
   運動可能な絞りから成る切断手段と、前記出口ダ
   クトに連通して食品塊を供給する供給管と、前記
   供給管に連通するとともに、前記切断手段の駆動
   機構に接続されて前記出口ダクト中を通過する食
   品塊の流速が前記切断手段の動作に同期して変化
   するように、前記供給管内の圧力を変化させる圧
   力可変装置とから構成される食品加工装置。 ２ 前記圧力可変装置が、前記供給管に連通する
   とともに、その内部に往復運動可能なピストンを
   有するシリンダから構成されることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載の食品加工装置。 ３ 前記ピストンが、ばねにより前記供給管から
   離間する方向に付勢されており、前記ピストンに
   対して前記供給管と反対側に供給される圧搾空気
   により駆動されることを特徴とする特許請求の範
   囲第２項に記載の食品加工装置。 ４ 圧搾空気供給スイツチが、前記切断手段の駆
   動機構と機械的に連結されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第３項に記載の食品加工装置。 ５ 前記スイツチが空気圧回路を介して前記ピス
   トンに連結されており、これにより、前記ピスト
   ンに供給されるタイミング及び／又は圧力パルス
   の長さを変化させることが可能なことを特徴とす
   る特許請求の範囲第４項に記載の食品加工装置。 ６ 前記駆動機構が、前記切断手段のコンロツド
   に接続された回転部材を有し、該回転部材には、
   該回転部材の回転動作の所定部分において前記圧
   搾空気供給スイツチと係合するカムが設けられて
   おり、前記回転部材の回転動作により前記切断手
   段が往復運動することを特徴とする特許請求の範
   囲第４項又は第５項に記載の食品加工装置。