JPH0211048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエアゾル吸入肺活量計（inhalation
spirometer）装置に関する。

ある種の患者においては、エアゾル噴霧を完全
に吸入し、肺に平均に分配する能力に欠けるた
め、典型的なエアゾル吸入器の使用が有効でない
ことが知られている。これは、手持エアゾル吸入
器からの薬剤の放出と吸入を適正に調整すること
のできない患者に起ることと考えられる。

「吸気吸入肺活量計装置」なる名称の米国特許
第4210155号は吸気吸入装置と共に使用する蓄積
器（accumulator）および吸入速度を測定するた
めに使用することのできる肺活量計
（spirometer）を開示している。この装置におい
ては、吸入室への供給は、加圧ガスを噴霧器内に
入れた液体中に通して霧を生じさせる噴霧器具に
よつて行なう。この特許では、噴霧器は２〜10
／分の速度で約15psiを必要とすることが開示
されている。このような空気または酸素圧は、一
般に、病院でしか利用できず、明らかなごとく、
別途、ポンプ装置または圧縮ガスシリンダーと、
連動する圧力調節弁を必要とする。

本考案は典型的な吸入器からのエアゾル噴霧の
吸入を改善するための装置を提供するものであ
る。本考案においては、エアゾル吸入器を蓄積室
へ噴射し、患者が吸入を開始するまで蓄積室で噴
霧を保持する。吸入が開始されると、空気が蓄積
室から吸入管内およびマウスピースを介して患者
の方へ流れる。吸入の間、吸入室の穴によつて空
気も吸入室へ入ることができる。吸入管に第１の
弁が設けられ、この弁は空気を吸入室から吸入管
へのみ通し、空気が吸入管から吸入室へ逆流する
のを防ぐ。第２の弁が吸入管に設けられ、吐気を
吸入管から外部へ通し、吸入室に入らないように
している。また、吸入管には計量器もしくは肺活
量計が設けられており、吸入による負圧を計測
し、エアゾル噴霧を肺へ適正に分布させるための
充分な吸入が行なわれていることを示すために用
いる。

添付の第１図は患者が本考案のエアゾル吸入肺
活量計装置をを手に持ち、吸入している状態を示
す説明図である。第２図は第１図に示すエアゾル
吸入肺活量計装置の分解平面図、第３図は該装置
の側面図である。

まず、第１図には患者が本考案のエアゾル吸入
肺活量計装置１０を使用しているところを示して
ある。この装置は蓄積室１２を有し、その中へ典
型的なエアゾル吸入器１４からのエアゾル噴霧が
供給される。エアゾル吸入器は患者の右手１６で
所定の方法に従つて操作される。患者はマウスピ
ース１８で吸気することにより肺に空気を吸い込
む。吸入の間、管２０内はわずかに負圧になる。
肺活量計２２が管２０の上に設けられ、フロート
６６の高さによつて圧力を示すために用いられ
る。患者の吸入は管２０内の圧力の作用による。

第２図には第１図に示した装置の分解平面図を
示してある。ただし、エアゾル吸入器１４は便宜
上、90゜回転させて示してある。図示した型のエ
アゾル吸入器はエアゾル噴霧液を保持する容器１
５を有する。エアゾル吸入器１４を蓄積室１２と
接続するためにアダプター３０を用いる。蓄積室
１２の管３２がアダプター３０を受ける。

蓄積室１２は半分づつの部品３４および３６か
らなり、室を清掃するために分解できる。室の半
分の部品３４のクリツプ３８がもう一方の半分の
部品３６のリム４０の切欠きスロツト４２にかみ
合う。リム４０のスロツトもしくは開口４２は意
図的にクリツプ３８より大きく作られており、室
内の圧力が周囲の雰囲気より低くなると、室１２
の内部へ空気が通過するようになつている。開口
４２の大きさを調節することにより、蓄積室１２
内の負圧を調節することができる。室１２の出口
は、吸入管２０の入口４６にかみ合う、わずかに
テーパーの付いたプラスチツク管４４のような適
当な手段により吸入管２０と連結している。管４
４の端部には、空気を蓄積室１２から吸入管２０
へ通過させる一方向弁４８がある。この空気流の
方向を第３図の矢印で示す。

第２図および第３図に示すごとく、管２０の端
部には患者が吸入しやすいようにマウスピース５
０がある。また、管２０のマウスピースと反対側
の端部には吐気穴５２が設けられている。第２の
一方向弁５４が管２０の端部に設けられ、空気を
第２図の矢印で示す方向のみに通す。この弁５４
は第１図にも示す。弁５４も弁４８も、吸入また
は吐出圧下の低圧空気流を所望の方向に調整する
ダイアフラム弁のような適当な弁でよい。

吸入管２０の頂部には指示器（肺活量計）２２
が設けられている。好ましい態様においては、指
示器は２本の平行な管６０および６２からなる。
内側の管６２は吸入管２０の内部と直接通じてい
る。外側の管６０の底部は、該管と吸入管２０の
接続部にて管６０の底部に設けられた適当な穴６
４によつて周囲の雰囲気と直接通じている。管６
０ははまたその頂部に栓もしくはキヤツプを有
し、該頂部を密封してある。管６２を囲み、か
つ、管６０の内部に位置するように、フロート６
６が設けられ、これは管６２に沿つて、かつ、管
６０の内部を自由に上昇したり、加工したりす
る。

空気を吸入すると、管２０内に負圧が生じ、第
３図に示すごとく、フロート指示器６６は管６２
に沿つて上昇する。肺活量計２２のフロート６６
は、患者の吸入速度が室１２内に入つている蒸気
もしくはエアゾル噴霧を肺中に適正な速度で吸い
込むのに充分であることを患者が視覚的に決定で
きるようにする。

好ましい態様における弁４８および５４は好ま
しくは、管２０および２４を横断して伸長するゴ
ム弁部材である。

本考案のエアゾル吸入肺活量計装置は第１図に
示すごとく、肺活量計２２を上方に向けて保持し
て用いる。患者はマウスピースを、歯の間を通し
て口中に入れ、舌の上にのせ、唇をしつかりと閉
じ、管２０を通して空気を吸い込む。鼻での呼吸
が困難な場合、患者の鼻にクリツプを付してもよ
く、また、鼻をつまんでもよい。つぎにエアゾル
吸入器を操作して薬剤を蓄積室１２に入れる。つ
いで、患者はゆつくりと、深い呼吸を行なう。患
者はフロート６６が指示器もしくは肺活量計２２
の頂上へ上昇するに充分なだけの吸入を行なえば
よい。患者はフロートができるだけ長く上方に保
持されるように吸入し、吐気する前に約５秒間呼
吸をとめる。

ついで、患者は室２０を通し、弁５４を介して
空気を雰囲気へ吐き出す。空気を吐き出す間、弁
４８は閉じており、吐き出した空気が蓄積室１２
へ再び入ることを防止する。吸入、吐出は４回以
上くり返し、蓄積室１２にはじめに入れた薬剤の
全てが吸入されるようにする。

以上、本考案の好ましい態様について説明した
が、本考案はこれに限定されるものではなく、本
考案の精神を活かして種々の変形、修正を加える
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のエアゾル吸入肺活量計装置の
１具体例の使用状態を示す説明図、第２図は第１
図の装置の分解平面図、第３図は第１図の装置の
側面図である。 図面中の主な符号はつぎのものを意味する。１
０……エアゾル吸入肺活量計装置、１２……蓄積
室、１４……エアゾル吸入器、２０……吸入管、
２２……肺活量計、４８および５４……弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エアゾル噴霧を保持する蓄積室、 該蓄積室に接続し、エアゾル噴霧を蓄積室に入
   れるエアゾル噴霧吸入手段、 該蓄積室を吸入管に接続する、第１の一方向弁
   手段および接続管を有する接続手段、および 該吸入管に接続した、該吸入管内の圧力を示す
   手段、 からなり、該圧力を示す手段により吸入管内の圧
   力で吸入速度を示し、 該吸入管が、該管から吐気を通過させる第２の
   一方向弁を有することを特徴とするエアゾル吸入
   肺活量計装置。