JPH0210480Y2

JPH0210480Y2 -

Info

Publication number: JPH0210480Y2
Application number: JP1983180754U
Authority: JP
Priority date: 1983-11-22
Filing date: 1983-11-22
Publication date: 1990-03-15
Also published as: JPS6088299U

Description

【考案の詳細な説明】【考案の属する技術分野】

この考案は圧力管型原子炉に適用して燃料集合
体、しやへいプラグおよびシールプラグ等の炉心
要素の装荷、引抜きを行う燃料交換機に関する。

【従来技術とその問題点】

圧力管型原子炉はよく知られており、一次冷却
水を封入した多数本の圧力管を備え、ここに燃料
集合体、しやへいプラグおよびシールプラグ等の
炉心要素を装荷して炉心を構成している。そして
燃料交換機は指定された圧力管の下端に燃料交換
機を接続し、グラブ操作でシールプラグ、しやへ
いプラグ、使用済燃料を引抜いて交換機内へ収容
し、次に予め交換機内に収容しておいた新燃料等
を圧力管に挿入する。また使用済燃料等は燃料交
換機の走行により燃料交換プールまで移送され、
ここからトランスフアポートを通じてプール内へ
移し替えた後に燃料出入機、トランスフアシユー
トなどを経由して使用済燃料取扱設備へ搬出され
る。次に前記した燃料交換設備の一例を第１図に示
す。図において１は原子炉炉心、２はその圧力管
である。炉心１の下方には燃料交換室３を、また
該燃料交換室３と同レベルで燃料取扱建屋４には
燃料交換プール５が区画され、更に前記の室３と
プール５との間にまたがつて地下式水中移送通路
６が構成されている。そして燃料交換室３内には
走行レール７に沿つて走行する燃料交換機８が、
プール５の上方には燃料出入機９が、更に水中移
送通路６内には水中移送機１０がそれぞれ配備さ
れている。また燃料交換室３と水中移送通路６と
の間は上部に弁付きのスナウト１１を備えたトラ
ンスフアポート１２で連通し、燃料交換プール５
と水中移送通路６との間はトランスフアポート１
３で連通接続している。燃料交換機８はレール７に沿つて炉心１とトラ
ンスフアポート１２との間を走行する走行台車１
４、台車１４に塔載した燃料等を収容する圧力容
器１５、圧力容器１５に収設した燃料集合体、し
やへいプラグ、シールプラグを個々に収容するマ
ガジンおよびその駆動機構、燃料等を圧力管２へ
挿入、引抜き操作するグラブ機構などを備えて構
成されている。そして図示の鎖線位置で圧力容器
１５の上部に備えたスナウト１６を圧力管２へ結
合してグラブ操作により燃料等の装荷、引抜きを
行う。次に走行台車１４を実線位置まで移動した
ところで圧力容器１５の下部に備えた下部ポート
１７へスナウト１２を接続し、この状態で例えば
燃料交換室側に設置したグリツパ１８を上部ポー
ト１９を通じて圧力容器１５の中へ吊り降ろし、
既に収容されている使用済燃料等をグリツパ１８
でつかんだ上で、下部ポート１７、トランスフア
ポート１２を経て水中移送機１０へ移し替える。
水中移送機１０は通路６内を左から右へ移動し、
トランスフアポート１３を通じて燃料出入機９に
より燃料が燃料交換プール５へ引き上げられる。次に上記した燃料交換機８の従来における交換
機本体の内部構造を第２図および第３図に示す。
すなわち円筒形をなす圧力容器１５の内部には、
複数本（図示では８本）の炉心要素収納用のマガ
ジンチユーブ２０を上下２枚の円盤状の支持板２
１の間にまたがつてその周上に架け渡し、かつ中
心の回転軸２２を圧力容器側の支持枠へ軸受２３
を介して回転可能に軸支されたたて軸形回転ドラ
ム式マガジン２４と、マガジンチユーブ２０の中
を昇降移動し、スナウト１６を経て炉心との間で
炉心要素の装荷、引抜き操作を行うグラブ２５
と、該グラブ２５を昇降操作するチエーンドライ
ブ式グラブ昇降駆動機構２６が内蔵設置されてい
る。該グラブ昇降駆動機構２６は、前記回転ドラ
ム式マガジン２４の外側方に敷設された上下方向
のガイドレール２７、ガイドレール２７に沿いド
ライブチエーン２８に連結して昇降ガイドされる
移動体２８ａ、およびガイドレール２７のスリツ
ト、マガジン側の各マガジンチユーブ２０に対応
してその外周側に切欠き開口された放射状のスリ
ツト２９を通じて移動体２８ａとグラブ２５とを
連結するアーム３０から構成されている。なお３
１はマガジン２４と下部ポート１７の間を結ぶ下
部案内管、３２はマガジン２４の下方に配備され
たグラブ２５を待機収容するグラブ案内管、３
３，３４はそれぞれスナウト１６と上部ポート１
９とマガジン２４との間を結ぶ上部案内管であ
る。またマガジン２４、グラブ２５、グラブ昇降
駆動機構２６等はそれぞれ図示されてない伝動機
構を介して駆動動力源に接続されている。上記の構成で、炉心との間で行う炉心要素の装
荷、引抜き、すなわちあらかじめマガジンチユー
ブに収容されている新燃料等の装荷、および炉心
から引抜いた使用済燃料等のマガジンチユーブへ
の回収は、マガジンチユーブ２０、スナウト１６
を通じて昇降移動するグラブ２５の操作で行われ
る。またマガジン２４に対する新燃料等の搬入、
使用済燃料等の搬出は、上部ポート１９、マガジ
ンチユーブ２０、下部ポート１７を通じて第１図
に示したグリツパ１８の吊り上げ、吊り降ろし操
作で行われる。ところで、上記従来の構成では、回転ドラム式
マガジン２４の外側方に並んでグラブ昇降駆動機
構２６が配備されているため、第３図の断面図か
ら明らかなように、圧力容器１５はマガジン２４
とグラブ昇降駆動機構２６の両者を左右に並べて
収容するだけの直径が必要となり、それだけ圧力
容器１５が径大となつて全体の寸法が大形にな
る。ところで、燃料交換作業を短時間で能率よく行
うには圧力容器内に内蔵されているマガジン２４
のマガジンチユーブ本数ができるだけ多いことが
好ましいが、一方ではマガジンチユーブ相互間の
配列ピツチは燃料の臨界ピツチからの制約を受け
ることから、マガジンチユーブの本数を増すとこ
れに相対してマガジン２４の径が大きくなり、こ
の結果益々圧力容器が大形化する。しかも圧力容
器の内部は冷却水で満たされていることもあり、
圧力容器が大形になることはそれだけ燃料交換機
の重量増加につながる。このために燃料交換機の
走行設備、耐震性の面からも、可能な限り径小、
小形な圧力容器内に多数本のマガジンチユーブが
収容できるようコンパクトに構成することが望ま
れる。

【考案の目的】

この考案は上記の点にかんがみなされたもので
あり、その目的は機内の巧みな構成配置により、
小径の圧力容器内の空間を有効に活用して可能な
限り多くのマガジンチユーブを収容できるように
したスペース効率のよいコンパクトな構成の燃料
交換機を提供することにある。

【考案の要点】

上記目的を達成するために、この考案は周上に
マガジンチユーブを並べて構成した回転ドラム式
マガジンを円筒形圧力容器内に同心配置するとと
もに、マガジンの中心部に上下方向の吹き抜き空
間を形成し、この空間内にグラブ昇降駆動機構を
配備したことにより、圧力管の径寸法を回転ドラ
ム式マガジンの外径寸法に対し、一回り大きくす
るだけで小形に構成できるようにしたものであ
る。

【考案の実施例】

第４図、第５図はこの考案の実施例を示すもの
であり、まず回転ドラム式マガジン２４は、複数
本のマガジンチユーブ２０が上下のリング状支持
板３５の間にまたがつてその周上に配列して構成
されており、かつ支持板３５はその外周側の旋回
軸受２３を介して圧力容器１５へ回転可能に同心
的に内蔵支持されており、これによりリング状支
持板３５の内周側には回転支軸等が不要になり、
ここに上下方向に吹き抜ける自由空間３６が形成
されている。ここでこの考案により、前記空間３
６内にはグラブ昇降駆動機構２６が配備され、ガ
イドレール２７のスリツト、およびマガジン２４
の各マガジンチユーブ２０に対応してその内周側
へ向けて放射状に切欠かれたスリツト２９を通じ
てグラブ２５と昇降移動体２８ａとの間を連結ア
ーム３０で連結している。また第５図に明示され
ているように、円筒形の圧力容器１５はマガジン
２４の外径寸法に合わせてそれよりも僅かひとま
わり大きい径寸法に定めて構成されている。なお
上記構成による燃料交換動作は従来のものと同様
な操作で行われる。

【考案の効果】

上記のようにこの考案によれば、回転ドラム式
マガジンを圧力容器内に同心的に配置するととも
に、該マガジンの中心部に上下方向の吹き抜き空
間を形成してこの吹き抜き空間内にグラブ昇降駆
動機構を配備したことにより、従来構成と比べて
円筒形圧力容器の径寸法の縮減化が図れ、小径な
圧力容器内に数多いマガジンチユーブが収設し得
るコンパクトな構成の燃料交換機を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は圧力管型原子炉における燃料交換設備
の全体構成図、第２図および第４図はそれぞれ従
来およびこの考案の実施例による燃料交換機本体
の構成断面図、第３図および第５図はそれぞれ第
２図、第４図における矢視−、−断面図
である。１……炉心、２……圧力管、８……燃料交換
機、１５……圧力容器、１６……スナウト、２０
……マガジンチユーブ、２３……軸受、２４……
回転ドラム式マガジン、２５……グラブ、２６…
…グラブ昇降駆動機構、３５……リング状支持
板、３６……吹き抜き空間。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１スナウト付きの円筒形圧力容器内に複数本の
炉心要素収納用マガジンチユーブを周上に並べ
て組立構成されたたて軸回転ドラム式マガジ
ン、マガジンチユーブ内を昇降するグラブ、お
よびグラブ昇降駆動機構を内蔵してなり、スナ
ウトを炉心側の指定された圧力管へ接続した状
態で、グラブ操作により炉心との間で炉心要素
の装荷、引抜きを行う圧力管型原子炉の燃料交
換機において、前記回転ドラム式マガジンを円
筒形圧力容器内に同心配置するとともに、該マ
ガジンの中心部に上下方向の吹き抜き空間を形
成し、該吹き抜き空間内にグラブ昇降駆動機構
を配備したことを特徴とする圧力管型原子炉の
燃料交換機。２実用新案登録請求の範囲第１項記載の燃料交
換機において、回転ドラム式マガジンの各マガ
ジンチユーブが上下のリング状支持板の間にま
たがつて配列支持され、かつ該リング状支持板
はその外周に配した旋回軸受を介して圧力容器
側へ回転可能に支持されていることを特徴とす
る圧力管型原子炉の燃料交換機。