JPH0196484A - 内接歯車ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野〉 本発明は例えばエンジンに組込まれるトロコイドポンプ
等の内接歯車ポンプに関し、特に、吐出量及び吐出圧が
異なる圧油を吐出できるようにした内接歯車ポンプに関
するものである。

〈従来の技術〉 通常、内接歯車ポンプでは内外両歯車の間の歯室から圧
油を取り出す吐出口が１０設けられ、その吐出口から吐
出される圧油を複数箇所に供給しようとする場合には吐
出口に接続された油路をポンプ外で分岐させることによ
って所要の箇所に分配されている。各所要箇所において
必要とされる油量は分岐された油路に絞り弁あるいは絞
り流路を設けて調整され、各所要箇所において必要とさ
れる油圧は分岐された油路にそれぞれ所要の設定圧のリ
リーフ弁あるいは減圧弁を設けて調整されている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 このように吐出口が一つである従来の内接歯車ポンプに
よって要求される油量や油圧が異なる複数の圧油系統に
所定の圧力を有する圧油を所定量供給しようとすれば油
路に配設された絞り弁、すリーフ弁、減圧弁等を調整す
る必要があるが・一つの圧油供給系統における流量調整
や設定圧調整が供給圧や流量の異なる他の圧油系統の流
量制御や設定圧制御に影宙を与えるので調整作業が複雑
で困難になるという問題がある。

く問題点を解消するための手段〉 本発明は上記の問題を解消するために、例えば第１図な
いし第３図に示すように、円筒形の歯車室２６を有する
ケーシング２５と、該歯車室２６内で内接するように組
合わされた外歯車２８及びこれよりも歯数が少ない内歯
車２７とを備えた内接歯車ポンプにおいて、 上記内外両歯車２７．２９が回転するにつれて両歯車２
７．２８間に形成される歯室３０の容積が増大する範囲
で上記歯室３０に連通ずる吸入口３２を設け、両歯車２
７．２８が回転するにつれで上記歯室３０の容積が減少
する範囲で上記歯室３０に連通ずる複数の吐出口３５．
３７を設けたことを特徴とするものである。

く作用〉 本発明によれば、上記両歯車が回転するにつれて上記歯
室の容積が減少する範囲では歯室の内圧が高められるの
で、歯室から各吐出口を経て圧油を吐出させることがで
きる。

各吐出口の吐出圧は各吐出口が歯室と連通ずるタイミン
グ及び各吐出口が歯室から遮断されるタイミングに依存
する。即ち、歯室の容積が大きい早いタイミングに歯室
と連通ずる吐出口の平均吐出圧は低くなり、歯室の容積
が小さい遅いタイミングに油室と連通ずる吐出口の平均
吐出圧は高（なる。同様に、歯室の容積が比較的大きい
早いタイミングで歯室から遮断される吐出口の平均吐出
圧は低くなり、歯室の容積が小さくなる遅いタイミング
で歯室から遮断される吐出口の平均吐出圧は高くなる。

各吐出口の吐出量は基本的にはその吐出口が油室に連通
している間の歯室の容積変化量によって決定されるが、
複数の吐出口が同時に歯室に連通ずる場合には、各吐出
口への吐出量の総和がそれらの吐出口が油室に連通して
いる間の歯室の容積変化量によって決定され、各吐出口
への分配比率は各吐出口の歯室への開口面積比率に依存
して決定されることになる。

従って、各吐出口の歯室への連通のタイミング、各吐出
口の歯室からの遮断のタイミング、各吐出口の開口面積
等を適宜設定することにより各吐出口の吐出量及び吐出
圧を異ならせることができ、各吐出口に接続される圧油
系統ごとに、他の吐出口に接続される圧油系統の流量調
整や設定圧調整の影響を受けることなく、流量や設定圧
を調整することができ、流量調整や設定圧調整を簡単に
かつ容易にすることができるのである。

上記内外両歯車の歯形は特に限定されず、インボリュー
ト歯形であっても特殊歯形であってもよい。特殊歯形と
しては、トロコイド、対数らせん、楕円、トリコリュー
ト、シュークロイド、サイクロイド、サインカーブ等の
歯形をその例として上げることができる。これらの特殊
歯形の中では比較的加工が容易で安価に形成できるトロ
コイド歯形が推奨される。

吸入口は、特に限定はされないが、例えば歯車室の端面
に開口させればよい。しかし、外歯車の周壁に歯室と外
歯車の外周囲とを連通させる連通孔を形成し、吸入口を
歯車室の周面に開口するように構成してもよい。

各吐出口も吸入口と同様に歯車室の端面に形成すること
も周面に形成することも可能である。歯車室の端面に各
吐出口を形成する場合には歯車室の同一の端面に開口さ
せてもよく、また、歯室を挟んで互いに対向する両端面
に適当に振り分けて開口させてもよい。

各吐出口は少なくともその一部分同士が同時に歯室に連
通されるように形成してもよく、また、互いに同時には
歯室に連通されないように形成してもよい。後者の場合
には一方の吐出口から吐出される圧油の流れと他方の吐
出口から吐出される圧油の流れとが互いに干渉しあうお
それを完全になくすことができる。

〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は本発明の一実施例に係る部分油冷エンジンのオ
イルポンプの縦断正面図であり、第２図は第１図のｎ−
ｎ線に沿う縦断側面図であり、第３図は上記部分油冷エ
ンジンの背面図であり、第４図は上記部分油冷エンジン
のシリンダヘッドの横断平面図である。

この部分油冷エンジン１はクランクケース２の前面にフ
ライホイールファン３を有し、このフライホイールファ
ン３によって起こされる冷却風を導風ケース４によって
エンジン１のシリンダ５、シリンダヘッド６の冷却風路
７及びオイルクーラ８に案内するように構成されている
。また、このエンジン１のクランクケース２の後壁２４
にクランク軸９に連動するトロコイドオイルポンプ１０
が組込まれ、クランクケース２の下部に形成されたオイ
ルパン１１内のオイルがこのオイルポンプ１０によって
汲み上げられて加圧され、一方では潤滑圧油路１２を経
てクランク軸９の軸受部１３に潤滑油として供給され、
他方では冷却油路１５を介してシリンダオイルジャケッ
ト１６に冷却オイルとして供給されるようになっている
。シリンダオイルジャケット１６はシリンダ５のシリン
ダ内周面１７とブツシュロッド挿通室１８との間に形成
され、このシリンダオイルジャケット１６に供給された
冷却オイルは更にシリンダヘッド６内の冷却油路１９を
経て第３図及び第６図に示すヘッドオイルジャケット２
０に供給される。ヘッドオイルジャケット２０は吸気ポ
ート２１の周壁及び排気ポート２２の周壁によって冷却
風路７から遮断された副室２３の周囲に形成されている
。そして、シリンダオイルジャケット１６からヘッドオ
イルジャケット２０を通過する間に加熱された冷却オイ
ルはオイルクーラ８で冷却された後ブツシュロッド挿通
室１８を介してオイルパン１１に戻されるようになって
いる。

上記トロコイドオイルポンプ１０はクランクケース２の
後壁２４と一体に形成されたケーシング２５を備え、第
１図及び第２図に示すようにこのケーシング２５内に形
成された横軸円盤形の歯車室２６内には内接するように
組合わされた内歯車２７と外歯車２８とが収納される。

内歯車２７はトロコイド歯形の４枚の歯を有し、歯車室
２６の中心軸心から第１図上の左横方向に偏心した駆動
軸２９を中心に回転するようになっている。また、外歯
車２８は５枚のトロコイド歯形の歯を有しており、駆動
軸２９により回転される内歯車２７と噛み合いながら歯
車室２６の中心軸心を中心に回転するようになっている
。そして、内歯車２７の各歯によって内歯車２７と外歯
車２８との間に４つの歯学３０が区画される。

第２図に示すように上記歯車室２６のクランクケース２
側の端面の下半分には歯車室２６の端面から軸心方向に
凹入させた吸入口３２が形成されており、この吸入口３
２は歯車室２６の下周囲部まで延長されている。歯車室
２６の下周面には径方向外側に向かって凹入する吸入連
通路３３が形成され、上記吸入口３２はこの吸入連通路
３３を介して歯車室２６の周壁を下側から貫通する吸入
油路３４に連通されている。また、上記歯車室２６のク
ランクケース２側の端面の上半分には歯車室２６の端面
から軸心方向に凹入させた第１吐出口３５と第２吐出口
３７とが形成されており、これら第１第２両吐出口３５
．３７はそれぞれ歯車室２６の斜め左上周部部と斜め右
上周囲部まで延長されている。歯車室２６の周面の斜め
左上部分には径方向外側に向かって凹入する第１吐出連
通路３６が形成され、上記第１吐出口３５がこの第１吐
出連通路３６を介して歯車室２６の周壁を斜め左上側か
ら貫通する潤滑圧油路１２に連通される。また、歯車室
２６の周面の斜め右上部分には径方向外側に向かって凹
入する第２吐出連通路３８が形成され、上記第２吐出口
３７がこの第２吐出連通路３８を介して歯車室２６の周
壁を斜め右上側から貫通する冷却油路１５に連通される
。尚、上記駆動軸２３はギヤ装置３９を介してクランク
軸９に連動連結され、第１図上反時計回り方向に回転す
るようになっている。また、潤滑圧油路１２には第１吐
出口３５からの吐出圧を一定値以下に保持させる圧力設
定弁１４が分岐接続される。

このように構成されたトロコイドオイルポンプ１０によ
れば、内歯車２７と外歯車２日との間に形成された４つ
の歯学３０が内外両歯車２７．２８の回転につれて歯車
室２６内を回転しながら、下半周部分ではその容積が次
第に拡大され、上半周部分ではその容積が次第に縮小さ
れる。そして、歯学３０の容積が拡大される下半周部分
では歯学３０に吸入口３２、吸入連通路３３及び吸入油
路３４を介してオイルパン１１内のオイルが汲み上げら
れ、歯学３２の容積が縮小される上半周部分では一方で
は各歯学３０から第１吐出口３５、第１吐出連通路３６
及び潤滑圧油路１２を介してクランク軸９の軸受部１３
にオイルが潤滑油として供給され、他方では各歯学３０
から第２吐出口３７、第２吐出連通路３８及び冷却油路
１５を介してシリンダオイルジャケット１６にオイルが
冷却オイルとして吐出され、更にこのシリンダオイルジ
ャケット１６から冷却油路１９を介してヘッドオイルジ
ャケット２０に冷却オイルが供給されることになる。

各吐出口３５．３７からのオイルの吐出圧は各吐出口３
５．３７が歯学３０と連通ずるタイミング及び歯学３０
から遮断されるタイミングによって決定され、歯学３０
の容積が大きい早いタイミングで歯学３０と連通ずる吐
出口の平均吐出圧は低（なり、歯学３０の容積が小さい
遅いタイミングで歯学３０と連通ずる吐出口の平均吐出
圧は高くなる。また、歯学３０の容積が大きい早いタイ
ミングで歯学３０と連通ずる吐出口の平均吐出圧は低く
なり、歯学３０の容積が小さい遅いタイミングで歯学３
０と連通ずる吐出口の平均吐出圧は高くなる。ここでは
、第２吐出口３７が先に歯学２４に連通され、また、第
２吐出口３７が第１吐出口３５よりも先に歯学３０から
遮断されるようになっているので、第１吐出口３５から
の吐出圧の方が第２吐出口３５の吐出圧よりも高くなる
。

上記第１吐出口３５は第２吐出口３７が歯学３０から遮
断されるまでに歯学３０に連通されるので、第１吐出口
３５が歯学に連通したとき第１吐出口３５から歯学３０
を介して第２吐出口３７に高圧が伝達されようとする。

しかし、第２吐出ロ３７側への第１吐出口３５の高圧の
影響は第１吐出口３５が歯学に連通ずるタイミングと第
２吐出室３７が歯学３ｏに連通ずるタイミングとを適宜
選定することにより減少させることができ、特に、第２
吐出口３７が歯学３０から遮断された後に第１吐出口３
５が歯学３０に連通されるように構成すれば、第２吐出
ロ３７側への第１吐出口３５の高圧の影響をなくすこと
ができる。

また、各吐出口３５．３７からの吐出量は基本的にはそ
の吐出口３５．３７が歯学３ｏに連通している間の歯学
３０の容積変化量によって決定される。両畦出口３５．
３７が同時に歯学３ｏに連通している間は両畦出口３５
．３７の吐出量の和が両畦出口３５．３７が歯学３０に
連通している間の歯学３０の容積変化量によって決定さ
れ、各吐出口３５．３７への配分比率は各吐出口３５゜
３７の歯学への開口面積比率によって決定される。

尚、上記の一実施例では、吸入油路３４、潤滑圧油路１
２及び冷却油路１５が歯車室２６の周壁を貫通するよう
に形成されているが、これら吸入油路３４、潤滑圧油路
１２あるいは冷却油路１５が従来のトロコイドオイルポ
ンプと同様に歯車室３０の例えばクランクケース２側に
配置されたものも本発明に含まれる。

〈発明の効果〉 以上のように本発明の内接歯車ポンプによれば、上記歯
車室に内外両歯車が回転するにつれて上記歯学の容積が
減少する範囲で上記歯学に連通ずる複数の吐出口が設け
られるので、複数の圧油系統に圧油を吐出させることが
でき、しかも、各吐出口と歯学との連通のタイミング及
び各吐出口と歯学からの遮断のタイミングを適宜選定す
ることにより各吐出口の吐出圧を異ならせることができ
、またこれらのタイミング及び各吐出口の開口面積を適
宜選定することにより各吐出口の吐出量を異ならせるこ
とができる。その結果、ポンプに接続される圧油供給系
統の流量調整や設定圧調整を各吐出口に接続される圧油
供給系統ごとに独立して行うことができ、調整作業が簡
単で容易になるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る部分油冷エンジンのオ
イルポンプの縦断正面図、第２図は第１図のｎ−ｎ線に
沿う縦断側面図、第３図は上記部分油冷エンジンの背面
図、第４図は上記部分油冷エンジンの要部の縦断背面図
、第５図は上記部分油冷エンジンの縦断側面図、第６図
は上記部分油冷エンジンのシリンダヘッドの横断平面図
である。 ２５・・・ケーシング、２６・・・・・・歯車室、２７
・・・内歯車、２８・・・外歯車、３０・・・出室、３
２・・・吸入口、３５・・・第１吐出口、３７・・・第
２吐出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、円筒形の歯車室２６を有するケーシング２５と、該
   歯車室２６内で内接するように組合わされた外歯車２８
   及びこれよりも歯数が少ない内歯車２７とを備えた内接
   歯車ポンプにおいて、 上記内外両歯車２７、２８が回転するにつれて両歯車２
   ７、２８間に形成される歯室３０の容積が増大する範囲
   で歯室３２に連通する吸入口３２を設け、両歯車２１、
   ２２が回転するにつれて上記歯室３０の容積が減少する
   範囲で上記歯室３０に連通する複数の吐出口３５、３７
   を設けたことを特徴とする内接歯車ポンプ