JPH0191981A - カム軸の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、内燃機関用のカム軸に関し、二種類の部材を
結合し、一体化する接合カム軸の製造技術に関する。

（従来技術と問題点） 現在、自動車用エンジンに求められている性能としては
、低燃費、高出力、高応答性、軽量化などがあげられる
。これに伴ないカム軸にも高負荷、高面圧の過酷な条件
でも使用できる耐摩耗性や、あるいは軽量化などが要求
されるようになってきた。

耐摩耗性の要求に対しては、従来から、カムノーズを部
分的にチル化させた低合金鋳鉄製カム軸が広く自動車用
エンジンに使用されている。しかし、カムノーズを部分
的にチル化させるためには、大小さまざまな冷し金が必
要となり、造型時に手間がかかるという問題がある。ま
た、炭化物形成元素（例えば、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｗ、Ｖ、Ｂ
など）の合金材料を使用する方法は、耐摩耗性の改善に
優れた効果を示すが、材料が硬すぎてカム軸端部のタッ
プ加工が難しいという問題がある。この他、カム駒をレ
ーザなどの高熱源で再溶融して硬化させるとか、高合金
材の焼結材料でカム駒を作成して組み立てるなどの方法
もあるが、いずれも処理に時間がかかり、均一な品質維
持も難しい。

一方、カム軸の軽量化の要求に対しては、カム軸を中空
にするなどの方法がとられている。鋳造による方法は、
中子を用いることで簡単に中空部材を得ることができる
。しかし、カム軸端部にいろいろな制約があって、中子
がカム軸とカム軸端部を貫通できない場合、中子は中本
１カ所による片持ちとなる。このため中子はケレンなと
で支持しなければならず、このケレンのセットに手間が
かかることや、中子が溶湯により浮き上がって製品が偏
肉するなどの問題がある。

このような問題があって、予めカム軸用の中空部材とカ
ム軸端部用の部材を目的とする材質で別々に作成してお
き、後にこれを接合する方法が従来から試みられていた
。この種の接合の方法としてはろう付性、融接法などが
知られている。

ろう付による方法は、二つの金属の接合面を、ろう金属
で接合する方法である。この方法は、接合面の前処理が
必要で、また、二つの金属はぬれ性の良いことが必要で
ある。接合強度は、ろう材の強度に依存し一般的に低い
という欠点がある。

融接による方法は、二つの金属を溶融状態とし、機械的
圧力をかけずに接合する方法である。接合強度は強いが
、母材を溶融させるため、鋳鉄系では、炭素が熱によっ
て酸化されやすい。また、溶接部がチル化すると、収縮
量が大きいため、割れを生じやすい欠点がある。

（発明の構成） 本発明は、耐摩耗性に優れたカム軸部（１）と加工性に
優れたカム軸端部（２）を別々の材質で作成し、一方を
固定し、他方を回転させつつ接触させて加圧し、このと
き発生する摩擦熱で双方の部材を接合して一体化したこ
とを特徴とするカム軸の製造方法を提供することで上記
のような問題点の解決を行った。

本発明の方法によれば、カム軸用の中空部材０、）とカ
ム軸端部用の部材（２）は、予め目的とする材質で別々
に製作しておくことができる。

中空部材（１）は、耐摩耗性に優れた材質を選ぶことが
でき、しかも、両端が中水となるような鋳型が使用でき
るため、中子が浮き上がって偏肉することもない。この
ように、別々の部材を接合することで耐摩耗性と加工性
に優れたカム軸を作成することができる。

（実施例） 以下に、本発明を実施例に基づき説明する。

まず、表１の組成ａ、ｂ、ｃによる、外形がφ３３ｎ＋
ｍ、内径φ１９ｎｙ＋＋で長さ４００ｍｍの中空部材と
、５ＫＤ−１１相当材および低合金普通鋳鉄による外径
φ３８ｍｍ、長さ４０ｎｎのカム軸端部材を作成した。

これらａ、ｂ、ｃの中空部材と５ＫＤ−１１相当材のカ
ム軸端部材を、そしてａ、ｂ、ｃの中空部材と低合金普
通鋳鉄のカム軸端部材を、それぞれ組合せて接合した。

接合装置の概略を第１図に示す。図のように中空部材を
固定側に、カム軸端部材を回転側に取り付け、９６０　
ｒ　ｐ　ｒｎで回転させ、これに中空部材を５０ｋｇ／
ａｍ２の圧接圧で押しつけた。圧接を開始してから約４
０秒で、中空部材とカム軸端部材は接合した。

これに、７７０℃、５時間の熱処理（炉冷）を施した後
、第２図に示す方法で中央部に２０００ｋｇの荷重を加
え、接合部の強度を試験した。

（効果） それぞれどの組合せも、２０００　ｋｇの荷重を加えて
も、接合部分に何の異常も認められず、エンジンの動弁
部品として過酷な使用条件にも充分耐えることが確認さ
れた。このようにして接合したカム軸は、カム軸端部の
加工性もよく、また、母材を溶融させないため、接合部
の金属組織中の炭素が酸化されることもなく、融接部が
チル化してクラックが入ることもない。カラーチエツク
の結果、加工および熱的負荷によるクラックなど認めら
れなかった。

断面組織を観察した結果も、微細な組織が均一に融合し
ており良好なものであった。しかし、鋳鉄系では、摩擦
熱により接合部の黒鉛が白銑化するため、黒鉛が晶出し
ていない、たとえば、中空部材に１５Ｃｒ合金鋳鉄、２
７Ｃｒ合金鋳鉄、カム軸端部材に５ＫＤＩＩ相当の焼き
鈍し材の組合せが、靭性、接合力で有利である。

以上のことから、本発明のカム軸の製造方法は、軽量で
、耐摩耗性に優れ、加工が容易なカム軸の製造方法であ
ることが理解できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、接合装置の略凹 第２図は、加重試験を示す図 図中　　１：中空部材 ２：カム軸端部材 ３：チャック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 耐摩耗性に優れたカム軸部と加工性に優れたカム軸端部
   とを別々の材質で作成し、一方を固定し、他方を回転さ
   せつつ押圧して摩擦溶接を行い、双方の部材を接合して
   一体化したことを特徴とするカム軸の製造方法。