JPH018241Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案はマシニングセンタ、中ぐりフライス
盤のように主軸に装着した工具を主軸に挿通した
引上げねじで引上げる形式のものにおける工具引
上げ装置に関する。

従来技術 工具を主軸に装着したときテーパ部を確実に嵌
合させ締付ける形式の１つであるドローバを用い
て工具のテーパシヤンク端のプルスタツドを引上
げるものにおいてはドローバは回転せず軸方向に
のみ動くため締付け時に工具が回転させることが
ないので回転による干渉の恐れはない。然し他の
形式の引上げねじを回転させ工具のねじと螺合さ
せて締付けるものにおいては、本装置の如く引上
げねじとその駆動装置の出力軸とが主軸の工具着
脱位置で連結するようにセレーシヨンクラツチが
噛合わされるようになつており、工具の着脱時に
工具の引上げねじが回転されるため主軸がつれ回
わりされて工具が作業者、工作物等と干渉して危
険がともなうので、通常主軸が工具着脱位置に移
動されたとき主軸が回わらないように主軸側と主
軸頭側に設けたセレーシヨンクラツチを噛合わせ
るようにしている。そしてこのそれぞれのセレー
シヨンクラツチは主軸が工具着脱位置に移動位置
決めされたとき噛合わない場合の対策として両方
のセレーシヨンの片方が逃げるように構成されて
いる。主軸が工具着脱位置に位置決めされたとき
主軸を回転しないように固定するセレーシヨンが
噛合わない場合に若し引上げねじに回転を伝達す
るセレーシヨンが噛合うと引上げねじが回転され
るにともない主軸がつれ回りされるため危険であ
つた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上記に鑑みなされたもので、主軸が工
具取付位置に位置決めされたとき若し主軸の回転
を阻止するセレーシヨンが噛合わないときには引
上げばねを駆動する回転力を伝達するセレーシヨ
ンも必ず噛合わないようにして引上げねじの回転
に主軸がつれ回りをしないようにすることであ
る。

問題点を解決するための手段 主軸の穴端部に回転可能に設けられ主軸に挿通
した引上げねじに回転的に連結されるとゝもに該
引上げねじと軸方向に相対移動可能で更にその端
部に回転連結用の歯部を有する第１連結筒と、前
記引上げねじの駆動装置の出力軸に軸方向に摺動
可能で回転的に連結され前記第１連結筒の歯部と
噛合する歯部を有する第２連結筒と、該第２連結
筒を軸方向に付勢して歯部の噛合い位置に位置さ
せるばね部材と、前記主軸の端部に取付けられた
外歯部材と、主軸が工具着脱位置で該外歯部材と
噛合う内歯部を有し主軸と同心で軸方向に摺動可
能の円筒体と、該円筒体が噛合い位置から外れた
とき噛合い位置に復帰させるばね部材と、該円筒
体の端面に設けられ前記主軸が工具着脱位置に移
動されたとき前記外歯部材が噛合わず前記円筒体
を軸方向に移動させたとき前記第２連結筒と当接
してその歯部の噛合いを外すように軸方向に移動
させる中間シリンダとを備えたものである。

実施例 以下本考案の実施例を図面にもとづき説明す
る。主軸頭１に挿通されたスリーブ２には複数の
軸受によつて回転可能に主軸３が軸承されてお
り、この主軸３の先端面には中心より離れた位置
にドライブキー３ａが設けられ後部外周にはスプ
ライン３ｄが削設されていて主軸への回転を伝達
するクラツチ４が嵌合されている。主軸中心には
貫通穴３ｂが穿設されその先端のテーパ穴３ｃに
は工具Ｔが装着され、更に穴３ｂとは工具Ｔのテ
ーパシヤンクの雌ねじと螺合するねじを先端に有
しキー溝５ａとねじ５ｂとを後端に削設した引上
げねじ５が挿通されている。この引上げねじ５の
ねじ５ｂにはナツト６が螺合していて軸部にはナ
ツト６に続いて順次カラー７，緩衝用皿ばね８，
円筒座９が挿通されており、主軸３の貫通穴３ｂ
の段部で止められたブシユ１０と接する円筒座１
１の端面と円筒座９の端面の間に圧縮ばね１２が
張設されている。主軸３がスリーブ２とゝもに工
具取付けのため後退した位置の主軸々端に対応す
る位置で主軸３と同心で主軸頭１にキーで軸方向
のみ摺動可能であつて内歯のセレーシヨン１３ａ
を固着した円筒体１３が支承されている。この円
筒体１３と主軸頭１との嵌合面には軸方向に穴１
４が削設され、こゝに円筒体１３が摺動したとき
正常位置に引戻すためのばね１５が介装され、ば
ね１５が飛出さないように円筒体１３の外径より
小径のばね押え１６が円筒体１３の端面に取付け
られている。主軸３の端面には主軸３が工具取付
位置でセレーシヨン１３ａの内歯と噛合う外歯を
有するセレーシヨン１７が締着されており、この
セレーシヨン１７には、端部にセレーシヨン用外
歯１８ａをまた内側に引上げねじ５のキー５ａと
嵌合して引上げねじ５へ回転力を伝えるためのセ
レーシヨン筒１８が軸受によつて回転のみ可能に
軸承されており、カラー７，緩衝用皿ばね８を介
して圧縮ばね１２の力がナツト６をセレーシヨン
筒１８の内端面に圧接して引上げねじ５の引込み
位置を規定している。このときの円筒座９，１１
の間隔が工具Ｔと引上げねじ５との適切な螺合長
さになるように決められている。引上げねじ５を
回転させる駆動モータ１９の回転は歯車箱２０に
よつて減速され、その出力軸２１に突出位置を規
定する鍔２２ａを有する連結筒２２が嵌装されキ
ー溝２１ａにキー２２ｂが噛合しており、先端の
セレーシヨン用の内歯２２ｃがセレーシヨン筒１
８のセレーシヨン用歯部１８ａと噛合可能であつ
て、連結筒２２の内側に介装した圧縮ばね２３に
よつて連結筒２２の突出位置で両セレーシヨン用
歯部２２ｃ，１８ａが噛合わされる。また円筒体
１３の端面のセレーシヨン１３ａの外に更に中間
リング２４が固着されている。この中間リング２
４は片側のリング径は縮径されそのボス部分２４
ａが連結筒２２のセレーシヨン歯部の端面と僅か
の隙間を持つて対向しており、円筒体１３のモー
タ１９側への移動で連結筒２２を押しセレーシヨ
ンの歯部２２ｃがセレーシヨン筒１８のセレーシ
ヨン歯部１８ａと噛合わないように拘束する。

作 用 工具着脱が指令されると主軸スリーブ２は軸方
向に後退して工具着脱位置に位置決めされる。こ
のとき主軸３の端に締着したセレーシヨン１７が
主軸頭１に移動可能に設けた円筒体１３のセレー
シヨン１３ａと噛合うと主軸の回転は阻止され、
またセレーシヨン筒１８のセレーシヨン歯部１８
ａが連結筒２２のセレーシヨン歯部２２ｃと噛合
う引上げねじ５は駆動モータ１９の回転がが出力
軸２１，連結筒２２，セレーシヨン筒１８を介し
て伝達され主軸３端のテーパ穴３ｃに工具Ｔが手
または支持台に支えられて装着されると引上げね
じ５によつて工具は締着され引上げねじに所定の
トルクが作用したとき駆動モータ１９の回路に挿
入した図示しない電流検出器の信号によりモータ
が停止される。しかし主軸３が工具着脱位置に位
置決めされたとき主軸３端のセレーシヨン１７が
円筒体１３のセレーシヨン１３ａと噛合せず山と
山とが当接すると円筒体１３はばね１５を圧縮し
て駆動モータ１９側に移動する。このとき中間リ
ング２４も一体となつて移動するため縮径部のボ
ス２４ａの端面が連結筒２２の端面を押して後退
させセレーシヨン２２ｃ，セレーシヨン筒１８の
セレーシヨン歯部１８ａの噛合が阻止される。従
つて駆動モータ１９が回転されてもセレーシヨン
筒１８は回転されず引上げねじ５が回転されない
ため主軸３のつれ回りが起らない。主軸３が工具
着脱位置に位置決めされた後、一定時間過ぎても
駆動モータ１９の回転が引上げねじ５に伝達され
ないため引上げねじ５には所定のトルクが発生せ
ずモータ回路の電流検出値は所定値に上昇しない
のでアラーム信号が出力される。これにより主軸
３を工具着脱位置より移動させる。主軸３の移動
で中間リング２４も移動し連結筒２２はばね２３
の力で押し戻されセレーシヨン歯部２２ｃは噛合
可能位置に、また円筒体１３はばね１４の力で戻
され同様にセレーシヨン１３ａも噛合い可能位置
に復帰する。再び主軸３を工具着脱位置に位置決
めする。このようにして主軸３の回転の阻止用セ
レーシヨンの噛合いをまつて工具を手で挿入して
引上げねじ５によつて工具を主軸テーパ穴３ｃに
締着させるものである。

効 果 以上詳述したように本考案は、主軸の回転を阻
止するセレーシヨンが噛合わないときにはセレー
シヨンの山と山の係合によつて固定側のセレーシ
ヨンを有する円筒体が軸方向に動かされるように
し、この円筒体端面に設けた中間リングによつて
引上げねじを回転させるセレーシヨンの噛合いも
行なわれないようになしたので、主軸が固定され
ないときに引上げねじも回転されず工具締上げに
よる主軸のつれ回りがなくなり、作業者に危害を
与えたり工作物等との干渉を起す恐れがなく安全
に作業ができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は引上げねじ駆動部分及び主軸回転阻止
部分の断面図、第２図は主軸の工具装着部の断面
図である。 ３…主軸、５…引上げねじ、１３…円筒体、１
３ａ…セレーシヨン、１７…セレーシヨン、１８
…セレーシヨン筒、１８ａ…セレーシヨン、２２
…連結筒、２２ｃ…セレーシヨン、１５，２３…
ばね、２４…中間リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工具が主軸に装着されたとき主軸に挿通した引
   上げねじで締上げられドライブキーで駆動される
   ものにおいて、前記主軸の穴端部に回転可能に設
   けられ前記引上げねじに回転的に連結されるとと
   もに該引上げねじと軸方向に相対移動可能で更に
   その端部に回転連結用の歯部を有する第１連結筒
   と、前記引上げねじの駆動装置の出力軸に軸方向
   に摺動可能で回転的に連結され前記第１連結筒の
   歯部と噛合する歯部を有する第２連結筒と、該第
   ２連結筒を軸方向に付勢して歯部の噛合い位置に
   位置させるばね部材と、前記主軸の端部に取付け
   られた外歯部材と、主軸が工具取付位置で該外歯
   部材と噛合う内歯部を主軸と同心で軸方向に摺動
   可能の円筒体と、該円筒体が噛合い位置から外れ
   たとき噛合い位置に復帰させるばね部材と、該円
   筒体の端面に設けられ前記主軸が工具着脱位置に
   移動されたとき前記外歯部材が噛合わず前記円筒
   体を軸方向に移動させたとき前記第２連結筒と当
   接してその歯部の噛合いを外すように軸方向に移
   動させる中間リングとを備えてなることを特徴と
   する工具引上げ装置。