JPH0154514B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の要約〕 本発明は、土壌および岩を掘削すると同時に掘
削穴をライニングチユーブでライニングする装置
に関するものである。この装置はドリルステムな
どの部材に非回転的に接続された非対称的案内
と、この案内に制限回転しうるように軸支された
偏心ドリルビツトもしくはクラウンとを備える。
案内は、掘削操作に際し、ライニングチユーブの
内表面の一方の側の部分にのみ当接するよう配置
される。有利には、この案内には第１案内部に対
向位置するドリルビツトの軸部に他の案内部を付
加する。このドリル装置は、ドリルビツトの偏心
装着に関し広範な調整を可能にし、かつドリルビ
ツトの切削形状を有利に形成することができる。

〔発明の属する技術分野〕

本発明は、パーカツシヨン回転掘削操作（すな
わち回転式掘削操作のみ）を行なうと同時に掘削
穴をライニングチユーブでライニングするための
土壌および岩の掘削装置に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

穴を掘削し、それと同時にこれら穴をライニン
グチユーブでライニングすることは、特に掘削す
べき地質が著しく変化しかつ著しく複雑であるた
め、高度に複雑な技術である。深井戸を掘る場
合、垂直方向にわたり相当な部分に沿つて掘削穴
をライニングすることがしばしば望ましく、さら
にたとえば緩い砂；硬い粘性かつ膨潤性の粘土地
質；丸い小石や砂利を含む沖積土；大小の丸石を
含む堆積土；岩における亀裂帯域などのような全
ゆる種類の地質中に侵入することができねばなら
ない。硬質の岩における良好な掘削特性も望まし
い。何故なら、たとえば地質学的変動の結果、粘
土層が下層に存在しうるような領域における岩の
相当な長さに沿つて穴をライニングすることがし
ばしば必要とされるからである。

上記目的の掘削装置は多くの要件を満たさねば
ならない。たとえば、掘削装置は岩石を効果的に
かつ最小の固有の摩耗をもつて破砕できねばなら
ずかつ／または硬質の膨潤性粘土を切削できねば
ならない。さらに、掘削装置は切削物をライニン
グチユーブを通して上方へ効果的に輸送しうると
共に、このチユーブを破損から保護するよう設計
されねばならない。特に、ライニングチユーブの
下端部に作用する負荷は、プラスチツクチユーブ
でさえ作用しうるように制限されねばならない。
ライニングチユーブの下端部は、１部は特に案内
部から生じてチユーブを破壊しかつ穴を傾斜させ
てしまうような横方向の力の結果、および１部は
粗大切削物の破砕により生ずる摩耗のため、或い
は案内部とチユーブとの間の微細な切削物の侵食
により歪みを受ける。最後に、掘削装置は、たと
えばドリルビツトもしくはクラウンが偏心掘削位
置に固定されたり或いはビツトを抜き取りかつ掘
削装置を穴を介して持ち上げる際に緩んで穴中に
落下したりしないよう確保するため、容易に取り
扱い可能であり、複雑でなくかつ特に信頼性のあ
るものでなければならない。

従来、提案されたライニングチユーブと一緒に
使用する掘削装置は、一般にライニングチユーブ
に中心整列した円型案内部を設けることを必要と
し、さらにしばしば別のパイロツトドリルビツト
を設けて掘削装置を良好に案内することを必要と
した。この種の装置の１例はスエーデン特許出願
第377706号明細書に記載されている。上記目的の
他の従来提案された掘削装置は、ドリルステムに
対し相対固定されたドリルビツトもしくはクラウ
ンと、制限回転運動を行なうよう配置された偏心
案内部とを備える。この種の装置の例はスエーデ
ン特許出願第188739号および第212006号明細書に
記載されている。しかしながら、この種の回転式
偏心案内部は切削物により容易に固定されて、ド
リルビツトを掘削操作の終末時に抜き出すのが難
かしい。或いは、ライニングチユーブを通して切
削物を上方輸送することが全く不可能であるよう
な案内部を設計する必要があつた（たとえば上記
スエーデン特許出願第212006号）。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、従来提案された掘削装置では
達成しえないような要件を殆んど満たすと共に、
特に掘削経費を低減させうるような掘削装置を提
供することである。

〔発明の要点〕

本発明による掘削装置は、ドリルステムなどの
部材の形態のエネルギ移動手段と、この手段にお
ける非対称案内と、この案内に制限回転運動する
よう軸支されたドリルビツトもしくはクラウンと
を備える。ドリルビツトの回転の１末端位置は、
ドリルビツトがライニングチユーブの外径よりも
大きい内径を有する穴をライニングチユーブの前
方に形成するような延長偏心掘削位置を構成す
る。他方の末端位置は、ドリルビツトを案内と共
にライニングチユーブ内に収容してこれを抜き出
しうるような抜き出し位置を構成する。このドリ
ル装置は、回転運動を伝達しかつ必要に応じ穴の
外部に位置するパーカツシヨン装置からのパーカ
ツシヨンエネルギを伝達する一連のドリルロツド
と連結することができ、或いは穴中に位置するダ
ウンホールハンマに直接連結することもできる。

本発明によるドリル装置は、主としてドリルビ
ツトもしくはクラウンの案内がエネルギ移動手段
（ドリルステム）に対し非回転的に接続されると
いう点において、およびドリルビツトが前記エネ
ルギ伝達手段の端部に制限的に回転装着され、そ
の回転角度が少なくとも90゜、好ましくは180゜で
あるという点において、この種の従来公知の掘削
装置とは異なつている。掘削位置において、ライ
ニングチユーブの内表面に当接する案内の外周部
は、ライニングチユーブの中心線に対し最も大き
い偏心度を示すドリルビツトの部分に対しほぼ直
径方向に対向位置する。特に、案内のこの特定設
計はドリルビツトの相当な偏心変位のためのスペ
ースを与え、これによりドリルビツトの切削形状
に関しさらに利点をもたらす。

本発明の他の特徴および利点は、添付図面参照
する以下の具体例の説明から明らかとなるであろ
う。

〔発明の実施例〕

図面において、参照符号７は穿孔穴の理論的穴
輪郭を示し、参照符号８はライニングチユーブを
示し、参照符号９はドリルステムの下部を示し、
参照符号１０は案内を示し、かつ参照符号１１は
ドリルビツトもしくはドリルクラウンを示す。

第１図に示したように、案内１０は上方に延在
する軸部５０を備え、この軸部５０は案内の要部
よりも幅狭である。この軸部５０には外ねじ５２
を設けて、これをドリルステム９における穴部５
１に設けた対応のねじ山５３に噛合させ、それに
より案内１０とこれに取付けたドリルビツト１１
とをドリルステム９から必要に応じて取り外すこ
とができる。このねじ接続は通常の条件下では回
転し得ず、すなわちこの接続は掘削装置をドリル
穴に関し抜き取つた後にのみ用具によつて緩める
ことができる。さらに、案内１０は下方向に延在
する円筒シヤフト５４を備え、これも案内の要部
よりも幅狭である。ドリルビツト１１には中空軸
部５５を設け、この軸部はシヤフトを囲繞すると
共にこれに枢着され、かつ前記円筒シヤフト５４
と中空軸部５５の周壁間の境界部分に設けた固定
部２４ならびに溝部２５を介して、下方向に延在
する前記シヤフトを中心とするドリルビツトの制
限回転運動のみを可能にする。

第１図に示したように、案内１０は掘削位置に
おいてドリルステム９がライニングチユーブ８の
中心との整列から外れかつ最高の偏心度を示すド
リルビツトの部分の方向へ偏位するように形成さ
れる。特に、ドリルビツトの偏位は、パーカツシ
ヨン掘削操作においてドリルビツトのヘツドに対
するより均一な負荷の分布を可能にする。

第３図〜５図における矢印１２は、掘削操作の
際の回転方向を示す。第３図において、矢印１３
は、ドリルビツトを回転させるのに必要とされる
トルクの結果、案内をライニングチユーブに圧接
させる力を示している。矢印１４は、穴の外周壁
部に対するビツトの押圧力の結果、案内をライニ
ングチユーブに対し圧接させる力を示している。
矢印１５は力１３および１４の結果を示してい
る。参照符号１６は、掘削操作の際にライニング
チユーブと接触する表面を備えた案内の円弧状部
分を示している。参照符号１７および１８は、掘
削に際しライニングチユーブに対して均一幅のギ
ヤツプを与える案内部分を示している。参照符号
１９は、異なる幅のギヤツプをライニングチユー
ブに与えるような案内外周部の円弧状部分を示
し、前記部分の中央領域におけるギヤツプ幅は案
内部分１７および１８により与えられる幅よりも
大きく、この案内部分１９の輪郭はドリルビツト
がライニングチユーブにおけるその抜き取り位置
を占める際にライニングチユーブの内部輪郭と一
致する。

第４図において、参照符号２０および２１はビ
ツト軸扇形部を示し、これは掘削操作に際し案内
における部分１７および１８と等しい均一幅のギ
ヤツプをライニングチユーブに付与する。参照符
号２２は軸部の外周の円弧状部分を示し、これは
掘削操作に際し補助的案内をライニングチユーブ
に与える。参照符号２３は、軸部の外周における
円弧状部分を示し、これは異なる幅のギヤツプを
ライニングチユーブに付与し、この部分における
中心領域のギヤツプ幅は各部分２０および２１に
より与えられるギヤツプ幅よりも大であり、この
部分の輪郭はドリルビツトがライニングチユーブ
内のその抜き取り位置を占める際にライニングチ
ユーブの内部輪郭と一致する。参照符号２４は、
ドリルビツトの軸部に装着された円筒状ロツドの
形態の固定部材を示している。参照符号２５は、
案内の偏心軸における溝部を示し、この溝部は固
定部材２４を受け入れると共に、ビツトを180゜回
転させうるよう、すなわち上記掘削位置と上記抜
き取り位置との間で回転するが軸方向に固定され
るよう形成される。掘削装置を組立てる際、この
固定部材は熔接によつてビツト軸部に固定するこ
とができる。参照符号２６は、空気フラツシユ流
路を示し、これは中央の空気フラツシユ流路２７
を溝部２５およびビツト軸部と案内との間の軸受
ギヤツプに接続して潤滑操作および清浄操作を容
易にさせる。

第１図から判るように、溝部２５の下にはさら
に２つの溝部を配置し、これらは溝部２５に対応
すると共に、固定部材２４に関し上記したように
ビツト軸部における固定部材と共働作用して、安
全の目的で荷重を多数の固定部材および対応溝部
に分配させる。

ここで、掘削位置（第１図）および抜き出し位
置（第２図）におけるドリルステム９、案内１０
およびドリルビツト１１の装着関係、ならびに、
前記両位置の間を転換する動作について説明す
る。先ず初めに、本発明においては、前述したよ
うに、案内１０はドリルステム９にねじ部５２，
５３を介して非回転的に接続され、ドリルビツト
１１はドリルステム９に接触手段（固定部２４お
よび溝部２５）を介して制限回転−好適には180゜
回動−されるよう装着される。なお、ドリルステ
ム９は案内１０に対して偏心的に装着されてお
り、そしてこの場合本発明においては、ドリルス
テム９は、180゜回動される前記両位置において、
前記偏心度が最大となるよう構成される。次に、
このような構成において、例えば、第２図の抜き
出し位置の状態でドリルビツト１１が降下され、
掘削駆動されたとすると、ドリルビツト１１は、
掘削穴底部との摩擦係合により、当初は回動せず
ドリルステム９に対して回転する。そして、接触
手段２４，２５が180゜回動された位置で、すなわ
ち第１図の掘削状態まで転換された位置で、ドリ
ルビツト１１が回転され、掘削が開始される。ま
た一方、第１図の状態でドリルビツト１１が逆回
転されたとすると、ドリルビツト１１は、掘削穴
底部との摩擦係合により、前述の場合と同様に、
ドリルステム９に対して180゜回動される。従つ
て、この状態でドリルステム９を上昇すると、ド
リルビツト１１は第２図の抜き出し位置に収納さ
れる。なお、前記転換動作に際しては、ドリルビ
ツト１１は、案内１０の偏心拡大部、すなわちラ
イニングチユーブ８内の最大スペース部へ向けて
移動される。このように、本発明によれば、掘削
ならびに抜き出しの両位置間の転換動作が、特別
の装置を設けることなく、容易に行われる。ま
た、前記両位置が最大偏心部に設定されているの
で、次に述べるような、優れた掘削効果が達成さ
れる。

第１図に示したように、前記中央フラツシユ流
路２７はドリルビツトと案内とドリルステムとを
貫通する逆止弁（図示せず）をドリルビツト１１
における適当な位置２９に配置する。外方に面す
るリツプに対し封止リングを装着するための溝部
２８，２８′をそれぞれビツト軸部およびドリル
ステムに配置する。逆止弁と同様に、これらのシ
ールはフラツシユ空気を中央空気フラツシユ流路
から流出させると共に、水およびドリル切削物の
侵入を防止する。

第５図において、参照符号３０〜３５はドリル
ビツトの非円型ドリルヘツドにおける硬質金属挿
入体を示し、ドリルヘツドは実際の掘削／砕石作
用を行なう。参照符号３６は、中央切削挿入体３
０が作用する円を示している。参照符号３７は、
２つの挿入体３１および３２が作用する円を示
し、この円は円３６の外側に位置する。前切削挿
入体３３，３４および３５は、円３７と外周部７
との間で作動する。すなわち、切削挿入体の個数
はこれら円の間の領域にほぼ比例し、均一な摩耗
を生ぜしめかつその結果、硬質金属の使用を最も
良く可能にする。参照符号３８は、ドリルヘツド
自身に与えうる最大偏心延長部を示し、ドリルビ
ツトの抜き取り位置におけるライニングチユーブ
内に充分収容することができる（第６図参照）。
この最高可能な偏心度は利用されず、寧ろ三日月
形部分を切除してドリルヘツドの最偏心外周部が
適当な大きさの穴をライニングチユーブの外径に
対して付与し、穴の外周に対し作用するドリルヘ
ツドの非円周部分をできるだけ大きくして多数の
硬質金属切削挿入体を外周部に配置しうるように
し、これにより穴の直径をドリルヘツドの摩耗に
もかかわらずずつと長時間にわたり維持すること
ができ、すなわちドリルビツトの使用寿命を増大
させることができる。しばしば直径方向の摩耗
は、ドリルビツトの有効寿命を制限する因子であ
る。より長い外周部分およびより多い外周切削挿
入体は、より円滑な回転運動を与える。参照符号
３９は、前部シヨルダを示し、これはドリルヘツ
ドの最偏心部を回転方向で穴の外径と接触させ
る。前部シヨルダにおける不連続的な移動のた
め、掘削穴との楔接触が避けられ、さもないとこ
の種の接触は「破砕帯域」をもたらす。この「破
砕帯域」を回避することは、ドリルヘツドに対す
る外周摩耗を減少させるのに極めて好適であり、
ドリルヘツドを回転させるのに要するトルクの大
きさを減少させると共に、楔効果を減少させかつ
ヘツドの円滑な回転をもたらす。

３個の切削挿入体３０，３１および３２はドリ
ルヘツドの一方の側に設けられ、かつ切削穴の中
心に円錐部を形成するように傾斜位置する。これ
はドリルヘツドの他方の側における水平切削挿入
体３３，３４および３５を掘削穴の外周方向へ押
圧するのに役立つ反応力をもたらし、かつドリル
ヘツドを案内する。これは力１３，１４および１
５を減少させ、それにより案内に対する負荷を緩
和すると共に、摩耗を減少させ、かつより均一な
回転を与える。その結果、案内の接触表面１６は
特に大きくする必要がない。しかしながら、各方
向にほぼ力線１３および１４まで外周方向に延在
せねばならない。何故ならこれらの力は大きさが
かなり変化しうるからである。案内のこの外周部
分は好適には幅狭の島の形態を有し、これは螺旋
状に形成され或いは傾斜位置して掘削操作に際し
切削物をドリルビツトから除去する。ビツト軸部
の案内外周部２２は均質物質を掘削する場合は効
果上必要でないが、掘削される基盤に不規則が存
在する場合には円滑かつ均一な回転を保証する。
この理由で、この外周部は幅狭の傾斜延在するま
たは螺旋状に形成した島の形態を有する。ドリル
ビツトがその掘削位置にある際、ビツト軸部にお
けるギヤツプ２０および２１、並びに案内におけ
るギヤツプ１７および１８は、通過しうる粒子の
寸法を制約する連続ギヤツプ長さを形成する。他
の面において、案内およびビツト軸部の周囲の開
放空間は、切削物を運び去るドリル装置の能力を
増大させるようにできるだけ大きくせねばなら
ず、したがつて島部１６および２２は好ましくは
幅狭に作成される。

案内とドリルビツト軸部との間に案内部材１６
および２２をそれぞれ分割した上記の原理上の構
成は、ドリルビツトに対する広範な偏心調整を可
能にし、したがつて機械強度に関し案内の偏心軸
またはドリルビツト軸部の必要寸法を損傷するこ
となく切削形状の上記好適構成を可能にする。

ライニングチユーブの内表面に当接する案内外
周部分の中央部と掘削操作に際しドリルビツトの
回転方向で測定してドリルビツトの最偏心部分の
中央部との間の角度距離は好適には180未満、好
ましくは100〜170゜であり、これは力１３および
１４の方向に関する上記説明から理解されるであ
ろう。さらに、案内は、好ましくは掘削位置にお
いて50〜150゜の中心角度に相当する部分に沿つて
ライニングチユーブの内側に当接するよう形成さ
れる。最後に、案内およびビツト軸部の外周部分
は、ドリルビツトの抜き取り位置（第６図）にお
いて掘削操作の際にドリルビツトの最偏心部分に
直径方向に対向位置し、好ましくはこのような大
きさ程度の半径方向の設定をドリルビツトの掘削
位置とその抜き取り位置との間で行ないうるよう
形成され、掘削位置におけるドリルビツトの最偏
心部分の外周部は30゜以上の中心角度に対応する
部分に沿つて掘削穴部の内側表面に当接すること
ができ、抜き取り位置におけるドリルビツトおよ
び案内もライニングチユーブ内に収容される。

上記実施例において、ドリルビツトには６個の
硬質金属切削挿入体を設ける。外周部に設けた３
個の切削挿入体は異なる高さに位置せしめて均一
分布した負荷を与えると共に、掘削操作に際し下
方向への螺旋運動の際のこれら掘削挿入体の間の
切削容積を与える。このドリルビツトには硬質金
属切削挿入体の代りに硬質金属ピンを前記実施例
における硬質金属挿入体より若干多い個数で設け
ることもできる。掘削が純粋に回転式である場
合、この切削挿入体には平削りビツトの形態、い
わゆるドラグビツトの設計に最も類似した形状を
付与することができ、或いは１個もしくはそれ以
上の歯付きローラ、いわゆるローラビツト設計で
置換することもできる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の掘削装置は、ド
リルステムに対して、案内が非回転的に接続され
ると共にドリルビツトが制限回転されるよう装着
されているので、ドリルビツトは、掘削位置と抜
き出し位置との間を、特別の装置を要することな
く、簡単かつ容易に転換される。また、前記両位
置がドリルステムの最大偏心位置に設定されるこ
とから、装置の偏心装置の調整が広範な範囲で可
能となり、例えば、最小の摩耗により岩石を効果
的に破砕することができ、切削物をライニングチ
ユーブを通して上方へ効果的に輸送することがで
き、ライニングチユーブの下端部に作用する負荷
を減少させることもでき、しかも容易に操作しう
るような複雑でなくかつ信頼しうる掘削装置が提
供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は掘削位置で示したドリルビツトの最偏
心部分を通る掘削装置の軸線断面図であり、第２
図は第１図と同様であるが、抜き取り位置で示さ
れ、すなわちドリルビツトを180゜回転してライニ
ングチユーブ中に通した掘削装置の断面図であ
り、第３図は第１図における案内部の３−３線半
径方向断面図であり、第４図はドリルビツトの軸
部および案内の偏心軸に対する第１図の４−４線
半径方向断面図であり、第５図は第１図における
ドリルビツトのドリルヘツドおよびライニングチ
ユーブの５−５線端面図であり、第６図は第２図
におけるドリルビツトのドリルヘツドおよびライ
ニングチユーブの６−６線端面図であつて、第５
図に示した位置と容易に対比しうるよう半回転だ
け回転させた図面である。 ７……掘削穴、８……ライニングチユーブ、９
……ドリルステム、１０……案内、１１……ドリ
ルビツト、１２……回転方向、１３，１４，１５
……力、１６……円弧状部分、１７，１８，１９
……案内、２０，２１……軸部、２２，２３……
円弧状部分、２４……固定部、２５……溝部、２
６，２７……流路、２８……溝部、２９……位
置、３０〜３５……金属挿入体、３６，３７……
円、３８……延長部、３９……シヨルダ、５０…
…軸部、５１……穴部、５２，５３……ねじ部、
５４……円筒シヤフト、５５……中空軸部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シンカボアハンマ、ドリルステムなどの部材
   の形態のエネルギ伝達手段９と、この手段９に接
   続する案内１０と、前記エネルギ移動手段９の一
   端部に装着されて２つの末端位置の間で、前記案
   内１０に対し制限的に回転しうる偏心ドリルビツ
   ト１１とを備え、前記２つの末端位置の一方はド
   リルビツト１１の切削部がライニングチユーブ８
   の前方にこのライニングチユーブ８の外径よりも
   大きい直径を有する穴を形成する延長掘削位置を
   構成し、かつ回転の他方の末端位置はドリルビツ
   ト１１が案内１０と共にライニングチユーブ８内
   に収容されてそこから抜き出しうるような抜き出
   し位置を構成してなる土壌および岩を掘削すると
   同時に掘削穴７をライニングチユーブでライニン
   グする装置において、案内１０がエネルギ伝達手
   段９に非回転的に接続されると共に、ドリルビツ
   ト１１が制限回転しうるよう前記エネルギ移動手
   段９の前記端部に装着され、回転角度が少なくと
   も90゜、好ましくは180゜であり、ドリルビツト１
   １の回転装着は掘削方向に延在する円筒シヤフト
   ５４とこの円筒シヤフトに受入れられる中空軸部
   ５５とから構成され、ドリルビツト１１のエネル
   ギ移動手段９上の回転を制御する手段２４，２５
   が前記円筒シヤフト５４と中空軸部５５の周壁間
   の境界部に配置されてなることを特徴とする掘削
   装置。 ２ 案内１０の外周に表面１６を設け、この表面
   をドリルビツト１１の延長位置における最偏心部
   分に直径方向で対向位置するライニングチユーブ
   ８の内表面の部分のみに当接させ、さらに前記案
   内表面１６に直径方向に対向位置する案内１０の
   外周部と前記ライニングチユーブ８との間にクリ
   ヤランス１９を設け、このクリヤランス１９は前
   記ドリルビツト１１がその抜き出し位置にある
   際、エネルギ移動手段９を前記クリヤランス１９
   の方向へ偏心的に変位させうることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 掘削操作の際、案内表面１６の中心軸線が変
   位して、エネルギ移動手段９の中心軸線をライニ
   ングチユーブ８の中心軸線とドリルビツト１１の
   最偏心部分との間に偏心位置せしめることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の
   装置。 ４ ライニングチユーブ８に接触する案内表面１
   ６が螺旋スプラインの形態を有し、これを正常の
   回転方向における掘削操作に際し掘削物をライニ
   ングチユーブ８内で上方へ除去するよう位置せし
   めたことを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至
   第３項のいずれかに記載の装置。 ５ ドリルビツト１１に軸部を設け、その側部に
   は掘削位置においてライニングチユーブ８の内表
   面に対し案内される外周部２２を設け、この外周
   部２２をドリルビツト１１がその抜き取り位置に
   ある際前記案内表面１６と同じ側に位置せしめる
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至第４
   項のいずれかに記載の装置。 ６ ドリルビツト１１に中心切削刃３０，３１，
   ３２を設け、これらを最偏心部分に直径方向に対
   向位置するドリルビツト１１の部分に位置せし
   め、前記切削刃３０，３１，３２を傾斜させてこ
   れら切削刃３０，３１，３２の前面部を掘削穴７
   の中心に近接位置せしめ、この穴部を介し前記切
   削刃３０，３１，３２が案内力を発生して前記ド
   リルビツト１１の最偏心部分を掘削操作の際に前
   記穴部７の外周部に押圧させることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項乃至第５項のいずれかに記
   載の装置。 ７ ドリルビツト１１の最偏心部分の外周部が、
   掘削操作の際に掘削穴に対し同心的な円に存在
   し、さらに複数の切削刃３３，３４，３５を設け
   て掘削穴７の外周部にて切削することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項乃至第６項のいずれかに
   記載の装置。