JPH0152673B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電極、炉床装置、電極アーム、回転
ブリツジのようなブリツジを備えた直流アーク炉
に関する。

従来の技術とその問題点 直流アーム炉に関する１つの問題は、アークを
垂直に点火させることである。その理由は、直流
電流が供給されるアーク炉で接触電極がアーク電
極の先端を通る垂直線の側方に位置するもので
は、アークがアーク電極から炉槽に向つて垂直に
点火しないで、接触電極から離れる方向に斜めに
点火するという具合に、アークは電磁力の影響を
受けることによつて溶融金属中の電流通路からそ
れることになるからである。その結果として、ア
ークが偏位する方向の炉中のライニングの部分が
強い応力を受けて、炉の容器の他の隔壁部分より
も消耗が大きくなるといつた欠点を生じる。

上記の問題点を解決するためこれまでに多くの
試みがなされたが、構造的に許容できる合理的な
解決法を得ることは困難であつた。なかでも、正
導体を炉の基板よりも低いレベルに配置して、炉
よりわずかに低い点まで延長し、この点から正導
体を炉の中心軸のまわりに対称的に上方まで延長
する試みが行われた。しかし、この試みに伴う不
利益は、かなり長い導体を必要とし、かつ、装置
が高価になることであつた。

発明の主目的、構成的特徴、効果の要点 かくして、本発明の目的は、前述の問題点なら
びにその関連の諸問題を有効に解決することので
きる、斬新な直流アーク炉を提供することであ
る。本発明の特徴とするところは、正導体と負導
体を炉構造体上の一点まで一緒に延長してきて、
そこから負導体は電極アームを介して電極まで延
ばし、一方の正導体は２つの部分から構成し、そ
の一方の部分は、並列接続の２つに分岐に分割し
これら２つの分岐は電極に対してフレームすなわ
ちブリツジの周囲に対称に配置した後、合体して
共通導体に接続される。共通導体はフレームすな
わちブリツジの後端に位置する１個又は複数個の
接続装置に接続される。また正導体の他方の部分
は、フレームすなわちブリツジの前端に位置する
１個又は複数個の接続装置に接続される。この接
続装置までの導体は電極に対して互に対称的に配
置され、また炉床装置にも接続される。

このようにして本発明では、炉の近傍で対称的
に電流を供給することにより、垂直に点火するア
ークが得られる。電流が流れる導体からの磁界は
アークに影響を与えないし、短い導体を使用する
ことができ、これら導体を炉の下方に配置する必
要もない。

実施例 添付図面を参照して、本発明に従う直流アーク
炉の実施例を詳細に説明する。

第１図において、１はアーク炉の容器すなわち
炉槽であり、２は炉の屋根すなわち蓋体を示す。
３は屋根２を貫通する１つのーク電極（又は複数
のこの種電極）であつて、電極アーム４（又は複
数のこのようなアーム）に支持されており、昇降
装置５によつて上昇及び下降することが可能であ
る。

正導体と負導体を有する懸垂ケーブル６は、炉
構造体近傍の一点まで延びている。これらの正導
体と負導体とは第２図に示されており、接続点７
は炉の容器（槽）のすぐ近くの位置にある。これ
ら正導体と負導体とは、電源装置から、炉室（示
してない）の壁のブツシングを通過する。

負導体８（１個又は複数個）は、接続点７から
電極アーム４を通つてさらにアーク電極９にまで
達している。

正導体は接続点７からフレームすなわちブリツ
ジ１０（揺動屋根すなわち移動ブリツジの屋根）
まで延びて、そこで２つの部分１１，１２に分か
れる。一方の部分１１は、さらに２個の並列分岐
１３，１４に分割されて、ブリツジ１０の周囲を
アーク電極９に関して対称にかつブリツジの別々
の側縁上に延びる。２つの分岐１３，１４は、ブ
リツジ１０の遠端部で合体してそこから１本又は
複数本の垂直導体となつて１個又は複数個の接続
装置１６へと延びている。接続装置１６は、ブリ
ツジの遠端にあり、固定部分と可動部分１７とで
構成されている。

正導体の他方の部分１２は、ブリツジの前端で
一部は垂直導体を経て１個又は複数個の接続装置
１８に接続される。

数本の垂直導体１５，１９を使用することは可
能であるが、これらの２本又は４本（又は他の任
意数）の導体は、電極９に関して互に対称に配置
しなければならない。

接続装置１６，１８は、同時に出願されたスエ
ーデン国特許出願第8101250―２号（スエーデン
特許第446573号）に開示された型式のものでよ
く、大電流に適したものである。

接続装置１７，２０の内側部分は、炉容器１に
固定されていて、１個又は複数個の底部電極を含
む炉床装置２２に電流導体及び懸垂ケーブル２１
を介して接続される。

接続装置１６，１８の外側部分は、電動機によ
つて動作させるか又は回転ブリツジに固定した油
圧シリンダ又は圧縮空気シリンダ（図示してな
い）によつて動作させる。

移動ブリツジの屋根を有するアーク炉に対して
も同様な構成配置を適用することができる。

発明の効果 この発明は前述の構成によつて、実質的に垂直
方向のアークが得られ、ライニングの消耗を最小
にすることができる。なお前述の構成は、特許請
求の範囲内で種々に変更できることはいうまでも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は直流アーク炉の全体構成を示す側面図
であり、また第２図は本発明による直流アーク炉
の実施例の要部構成を示す斜視図である。 符号の説明、４…電極アーム、８…負導体、９
…アーク電極、１０…ブリツジすなわちフレー
ム、１１，１２…正導体、１３，１４…正導体の
分岐部分、１５，１９…（共通）導体、１６，１
８…接続装置、１７，２０…接続装置の内側部
分、２２…底部電極を有する炉床装置（すなわち
炉床接続電極）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少くとも１つの炉床接続電極を有する冶金溶
   解槽と、前記溶解槽用の着脱可能な蓋体と、前記
   蓋体を通つて延びている少くとも１つのアーク電
   極と、前記蓋体を前記溶解槽から比較的離れて動
   かすことができるようにそれを支持する蓋体支持
   手段と、前記アーク電極に接続された第１の導体
   手段と、少くとも２つの接続装置によつて前記炉
   床接続電極に接続することができ、かつ、それと
   の接続を断つことのできる第２の導体手段とを有
   する直流アーク炉であつて： 前記第２の導体手段は、それぞれ前記接続装置
   の異る１つへの接続のため、前記アーク電極に関
   して実質的に対称に配置された少くとも２つの共
   通導体、ならびに、前記蓋体支持手段上において
   前記アーク電極に関して実質的に対称に配置され
   た１つの閉じた導体回路を含み、前記共通導体の
   少くとも１つが前記閉じた導体回路に接続されて
   いることを特徴とする前記直流アーク炉。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の直流アーク炉で
   あつて、前記蓋体支持手段は炉の使用の際に前記
   アーク電極を取り囲むのに適するように、水平に
   配置されたフレームを有し、該フレームに前記閉
   じた導体回路が設けてあることを特徴とする前記
   直流アーク炉。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の直流アーク炉で
   あつて、前記フレームが方形である前記直流アー
   ク炉。 ４ 特許請求の範囲第１項、第２項及び第３項の
   いずれか１つに記載の直流アーク炉であつて、前
   記少くとも２つの接続装置が前記アーク電極に関
   して対称に配置されていることを特徴とする前記
   直流アーク炉。 ５ 特許請求の範囲第１項、第２項、第３項及び
   第４項のいずれか１つに記載の直流アーク炉であ
   つて：前記接続装置はそれぞれ、前記蓋体支持手
   段に関して固定され、かつ、前記少くとも２つの
   共通導体の該当の１つに電気的に接続されている
   第１の部分と、前記少くとも１つの炉床接続電極
   に電気的に接続されている第２の部分とを有し、
   前記第１の部分は第２の部分に関して水平及び垂
   直に動くことができるようになつていること、を
   特徴とする直流アーク炉。